通信制高校について調べ始めると、「勉強についていけるか」「生活リズムが崩れないか」「大学に行けるのか」「お金はいくらかかるのか」「友達はできるのか」と、次から次へと心配なことが出てきて、どこから確かめればいいのか分からなくなってしまうと思います。
先に結論を書くと、通信制高校の不安の多くは、公的な数字と制度で「どのくらいの大きさの心配なのか」を確かめられます。そのうえで残る不安は、学校ごとに答えが違う「聞いて確かめること」です。この記事では、よくある不安を9つのテーマに分け、それぞれについて「数字で分かること」「制度で決まっていること」「学校に聞くこと」の3つに整理しました。
この記事は、文部科学省の「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(2026年8月31日公表)、「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の統計表、学校教育法と同施行規則(e-Gov)、高等学校等就学支援金の2026年度の資料を、2026年10月23日に実際に開いて確認した内容で書いています。公式で確認できなかったことは、確認できなかったと書いています。全部を一度に解消しようとせず、気になるテーマから読んでください。
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結論:通信制高校の不安の早見
- 「辞めやすい?」:令和6年度の1年間の中途退学率は、通信制3.5%・全日制1.0%・定時制7.4%。通信制は全日制より高いものの、退学理由で最も多いのは「進路変更」(32.4%)で、別の高校への入学を希望した人も含まれます。
- 「大学は無理?」:卒業資格は全日制と同じ「高等学校卒業」で、大学の受験資格は学校教育法第90条で同じです。通信制の卒業者のうち大学等へ進んだのは28.6%、専門学校は22.9%でした(令和6年度間)。
- 「勉強についていける?」:単位はレポート(添削指導)・スクーリング(面接指導)・試験の3つで修得します。義務教育段階の学び直しの指導を行っている学校は323校中96校です。
- 「生活リズムは?」:通学の頻度はコースで選びます。週5日通学のコースがある学校は90校(27.9%)、週1日のコースは128校にあります。
- 「費用は?」:2026年度の就学支援金は所得制限がなくなり、私立の通信制は年33万7,200円まで(授業料が年額の学校の場合)。ただし対象は授業料で、サポート校の費用には使えません。
- 「友達は?」:通信制の入学者の57.0%は中学3年のときに不登校だった生徒で、同じ経験をした仲間が多い環境です。スクールカウンセラーに相談できる体制がある学校は84.5%です。
- 一人で続けにくい部分を人に支えてほしい場合は、オンライン中心のサポート校(NIJIN高等学院など)を通信制高校と併用する方法もあります。
不安は9つのテーマに分けると、それぞれに「確かめる数字」と「学校に聞くこと」があります
通信制高校の不安は、大きく9つのテーマに分けられます。この記事では、それぞれのテーマについて「数字で分かること」と「学校ごとに答えが違うので聞くこと」を分けて書いています。先に全体の地図を見ておくと、自分の不安がどこに入るのかが分かります。
| テーマ | よくある不安 | この記事で確かめること |
|---|---|---|
| 学習面 | 授業についていけるか、レポートが難しくないか | 単位の仕組み、学び直しの指導をしている学校数 |
| 生活面 | 生活リズムが崩れないか、毎日何をすればいいか分からない | 通学頻度別のコースの数と生徒の割合 |
| 辞めやすさ | 途中で続かなくなるのではないか | 課程別の中途退学率と退学の理由 |
| 進路面 | 大学に進学できるか、将来の選択肢が狭まらないか | 受験資格の法令、卒業後の進路の割合 |
| 費用・制度面 | 費用がどのくらいかかるのか、制度がよく分からない | 2026年度の就学支援金の上限と対象 |
| 人間関係面 | 友達ができるか、孤立しないか | 同じ経験をした生徒の割合、相談体制のある学校の割合 |
| スクーリング・行事 | 一人で参加するのが怖い、宿泊が心配 | 面接指導の法令上の決まりと学校ごとの違い |
| 転入・編入 | 単位が無駄になるのではないか、年度の途中は無理か | 施行規則第92条と第97条、学期途中の受け入れ |
| 本人と保護者のずれ | 家族で気にしている点が違う | 立場ごとの不安の整理のしかた |
テーマごとに、さらに詳しい記事もあります。この記事で全体をつかんでから、気になるテーマの記事へ進んでください。
| テーマ | 関連記事 |
|---|---|
| 保護者の反対・不安 | 通信制高校に反対されたら?保護者が抱く不安の正体と向き合い方 |
| 不登校からの高校進学 | 不登校のお子さんの高校進学、決める前に親が大切にしたい視点 |
| 世間のイメージ | 通信制高校のイメージは悪い?データで見る今の実際 |
| 将来への不安 | 通信制高校の将来は不安?進路データと在学中の準備 |
| 生活リズム・睡眠 | 夜眠れない中学生・高校生|原因の切り分けと相談先 |

学習面の不安:単位はレポート・スクーリング・試験の3本柱で取り、質問できる体制は学校ごとに違います
「授業についていけるか」「レポートが難しそう」という不安は、通信制高校の学び方の仕組みを知ると小さくなります。高等学校通信教育規程の第2条は、通信制の課程の教育を「添削指導、面接指導及び試験の方法により行う」と定めています。つまり、教科書で学んでレポート(添削指導)を出し、決められた回数のスクーリング(面接指導)に出て、試験を受ける。この3つを科目ごとに積み上げて単位を取ります。授業を毎日聞いて板書を写す形ではないので、「授業についていく」という感覚そのものが全日制とは違います。
レポートの分量には目安があります。文部科学省の実態調査では、1単位あたりの添削指導の回数を「3回」(標準回数)としている学校が322校とほぼすべてで、添削課題1回あたりの設問数は20〜29問とする学校が最も多くなっています(119校。10〜19問は86校)。課題は紙で回答する学校が163校、オンラインで回答する学校が65校、併用が28校などで、学校によって出し方が違います(自校制作の課題の場合)。これらは科目ごとの調査で、ここでは「現代の国語」の数字を挙げています。
「基礎から分からない」という不安については、既存の科目の中で義務教育段階の学習内容の定着を図る指導を行っている学校が、323校中96校あります。全部の学校にあるわけではないので、中学の内容から学び直したい場合は、入学前に「学び直しの時間があるか」「どの科目でどのくらいか」を聞いておくと安心です。
| よくある学習面の不安 | 数字・制度で分かること | 学校に聞くこと |
|---|---|---|
| 勉強についていけないのでは | 学び直しの指導をしている学校は96校(323校中) | 中学内容の学び直しの時間はあるか |
| 質問できる先生がいないのでは | 添削指導は法令上の必須の方法。やり方は学校ごと | レポートの質問をどこへ、いつ送れるか |
| レポートが多すぎて終わらないのでは | 1単位あたり添削3回が標準。設問は20〜29問の学校が最多(現代の国語) | 提出の期限と、遅れたときの扱い |
出典:文部科学省「通信制高校に関する関係法令等(抜粋)」(高等学校通信教育規程 第2条)/文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(2026年10月23日確認)
生活面の不安:通学の頻度はコースで選べます。週1〜5日のコースがある学校の数を知っておくと安心です
「毎日決まった時間割がないと、生活リズムが崩れてしまうのでは」という心配はもっともです。通学の必要が少ない分、意識して生活を整える工夫は要ります。ただし、通信制高校は「全員が家で一人で学ぶ学校」ではありません。通学の頻度は、学校ではなくコースで決まり、入学前に選べます。
文部科学省の実態調査(2025年5月1日時点)では、週5日通学のコースを開設している学校は90校(27.9%)、週3日のコースは63校、週1日のコースは128校、集中スクーリングを前提としたコースは113校、その他(月1〜2回・自由登校など)は123校です。生徒数で見ると、週5日通学のコースに37,505人(12.5%)、週1日に36,929人、集中スクーリング型に86,961人(28.9%)、その他に99,722人(33.2%)が在籍しています。
つまり、生活リズムが心配な人は「週に何日か通う場所がある」コースを選ぶことができ、逆に朝が難しい人は登校の少ないコースから始めることもできます。学校によっては、オンラインのホームルームや担任との面談で、進み具合と生活のリズムを一緒に確かめる仕組みを持っています。夜眠れない、朝起きられないといった悩みがある場合は、夜眠れない中学生・高校生の記事で原因の切り分けと相談先をまとめています。
| よくある生活面の不安 | 数字・制度で分かること | 学校に聞くこと |
|---|---|---|
| 昼夜逆転してしまうのでは | 週5日通学のコースがある学校は90校。週1日は128校 | 通学の曜日・時間は固定か、変えられるか |
| 一日中家にいて気が滅入らないか | 集中スクーリング型28.9%、その他33.2%、週5日12.5% | 登校日以外に参加できる活動があるか |
| 自己管理ができるか不安 | 添削課題は出しているがスクーリングに1日も来ていない生徒は2.6% | 担任の面談の頻度と、連絡の取り方 |
なお、添削課題は出しているのにスクーリングに1日も来ていない生徒は8,097人(2.6%)で、その理由として最も多くの学校が挙げたのは「心身に関すること(体調不良、不安・抑うつ、朝起きられない など)」でした。体調や気持ちの波がある人は、スクーリングの日程の融通が利くか、欠席したときの振り替えがあるかを先に聞いておくと、入ってからの不安が減ります。
出典:文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(5. 通学頻度別コース、8. 生徒の状況等)(2026年10月23日確認)

「辞めやすい?」の不安:1年間の中途退学率は通信制3.5%・全日制1.0%で、退学理由の最多は「進路変更」です
「通信制は途中で辞める人が多い」と聞いて不安になる方は多いと思います。ここは数字をそのまま書きます。文部科学省の令和6年度の調査で、1年間の在籍者に占める中途退学者の割合は、通信制3.5%(10,094人)、全日制1.0%(29,121人)、定時制7.4%(5,356人)でした。通信制は全日制の3倍以上で、設置者別では公立5.0%・私立3.2%です。
ただし、3.5%は1年間でおよそ29人に1人という大きさで、「半分が辞める」という話ではありません。また、退学の理由を見ると、通信制で最も多いのは「進路変更」(32.4%)で、その中には「別の高校への入学を希望」(11.1%)や「就職を希望」(7.8%)、「高卒認定試験の受験を希望」(2.9%)が含まれます。次に多いのは「学校生活・学業不適応」(23.4%)、「学業不振」(9.2%)、「病気・けが・死亡」(7.6%)、「経済的理由」(4.4%)です(このほか「その他の理由」が17.7%)。
| 課程 | 中途退学率(令和6年度) | 中途退学者数 | 理由の最多 |
|---|---|---|---|
| 全日制 | 1.0% | 29,121人 | 進路変更 45.0% |
| 定時制 | 7.4% | 5,356人 | 学校生活・学業不適応 41.3% |
| 通信制 | 3.5% | 10,094人 | 進路変更 32.4% |
この数字から言えるのは、「辞めやすいかどうか」は学校の種類だけでは決まらない、ということです。通信制の退学理由の2番目は学校生活・学業不適応(23.4%)で、全日制(37.9%)より小さい一方、学業不振(9.2%)は全日制(5.7%)より大きくなっています。つまり、通信制で続けにくくなるのは「人間関係」より「学習が止まること」です。レポートが止まったときに声をかけてくれる担任や学習センターがあるか、提出の遅れをどう立て直すかを入学前に聞いておくことが、いちばんの対策になります。なお、入学から卒業までの数年間で見た累積の割合は公的な統計では公表されていないため、この記事では書きません。
出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」統計表 6-5 課程・学科・学年別中途退学者数/6-4 事由別中途退学者数(課程別)(e-Stat。2026年10月23日確認)
進路面の不安:卒業資格は全日制と同じで、通信制の卒業者の28.6%が大学等へ進んでいます
「通信制高校だと大学に進学できないのでは」「将来の選択肢が狭まるのでは」という不安は、制度の面では心配いりません。学校教育法第90条は、大学に入学できる者を「高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者」などと定めていて、全日制・定時制・通信制の区別はありません。通信制高校を卒業すれば、最終学歴は「高等学校卒業」で、一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜のいずれにも出願できます(学校推薦型選抜は在籍校の校長の推薦が要ります)。
実際の進路を見ると、令和6年度間に通信制の課程を卒業した人のうち、大学等へ進学した人は28.6%、専修学校(専門課程)へ進学した人は22.9%、就職した人は19.5%でした。全日制の大学等進学者63.4%と比べると差はありますが、通信制から大学等へ進んだ人は、令和6年度間で26,301人と2万6千人を超えています。一方で、卒業時点で進学も就職もしていない「左記以外の者」が26.1%(全日制4.5%)と多いことも事実です。進路を自分で動かす比重が大きい分、3年生の春までに相談する相手を決めておくことが大事になります。
通信制から大学へ進む3つの入試方式の違いと、受験と卒業の単位をどう両立させるかは、通信制高校 大学進学の記事で詳しく書いています。「通信制高校は人生終わり」と言われる理由を卒業後の進路の数字で確かめたい方は、通信制高校は人生終わり?の記事も参考になります。
| よくある進路面の不安 | 数字・制度で分かること | 学校に聞くこと |
|---|---|---|
| 大学受験で不利になるのでは | 受験資格は学校教育法第90条で全日制と同じ。大学等進学28.6% | 総合型・推薦の指導や、指定校推薦の枠があるか |
| 就職活動で不利になるのでは | 卒業資格は「高等学校卒業」で同じ。就職者19.5% | 就職の相談窓口と、求人の紹介の仕組み |
| やりたいことが見つからないまま卒業しそう | 進路未決定などの「左記以外の者」は26.1%と全日制より多い | 進路相談が始まる学年と、探究の時間の有無 |
出典:学校教育法 第90条(e-Gov)/文部科学省 通信制高等学校の在り方に関する検討会議(第2回)参考資料 p17「高等学校(課程別)の卒業後の状況(令和6年度間)」/学校基本調査 令和7年度 表297(e-Stat)(進学者数26,301人。2026年10月23日確認)

費用・制度面の不安:2026年度は所得制限なし。授業料の外側にかかる費用を見積もるのが安心への近道です
費用の不安は、「いくらかかるか分からない」という形で出てきます。分からなくなる理由は、通信制高校の費用が「授業料」と「それ以外」に分かれていて、支援の制度が授業料にしか効かないからです。
2026年度(令和8年度)の高等学校等就学支援金は、所得制限がなくなりました。支給の上限は、私立の通信制で授業料が年額で決まる学校なら年33万7,200円(月28,100円)、授業料を履修する単位数で決める学校なら1単位13,668円(年間30単位・通算74単位まで)です。公立の通信制の支給上限は1単位336円(月520円)ですが、公立の授業料そのものは都道府県の条例で決まるため、県によって違います。支給期間は定時制・通信制で原則48月です。
注意したいのは、就学支援金は「授業料に充てる」制度だということです。入学金や教科書代、施設費、スクーリングの交通費・宿泊費、そしてサポート校の費用は対象外です。教科書代などを支援する「高校生等奨学給付金」は別の制度で、都道府県ごとに要件が違います。また、支給は原則として申し込みが行われた月からなので、入学や転校のときは申請の期日を学校に確かめてください。
| よくある費用・制度面の不安 | 数字・制度で分かること | 学校に聞くこと |
|---|---|---|
| 費用がどのくらいかかるか分からない | 就学支援金は授業料だけ。私立通信制の上限は年33万7,200円または1単位13,668円 | 授業料以外(入学金・施設費・教材費・スクーリング費)の内訳 |
| 制度が複雑でよく分からない | 2026年度から所得制限なし。支給期間は通信制で48月 | 学校が代理で受け取る形か、申請の期日はいつか |
| 途中で支払いが続かなくなったら | 奨学給付金・自治体の減免は都道府県ごとに要件が違う | 分納や減免の相談窓口があるか |
通信制高校の学費の全体像と「無償化で残る費用」は通信制高校 学費の記事に、支援金を引いたあとに残るお金の出し方は学費の計算(年額の出し方)の記事にまとめています。
出典:文部科学省「高校生等への修学支援」/文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度の概要」p4 支給期間・支給限度額/文部科学省 就学支援金Q&A(2026年10月23日確認)※2026年10月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。
人間関係の不安:同じ経験をした仲間が多く、つながりの場は「学校に用意されているか」で決まります
「友達ができないのでは」「孤立してしまうのでは」という不安は根強くあります。ここで知っておきたいのは、通信制高校に集まっている生徒の顔ぶれです。文部科学省の実態調査では、令和7年度の入学者77,998人のうち、中学3年生のときに不登校だった生徒は44,461人(57.0%)でした。公立53.5%・私立56.6%・株式会社立65.4%と、どの設置者でも半数を超えています。「自分だけが特別」という状態ではなく、同じ経験をした仲間が多い環境です。
つながりの作り方は、全日制のように毎日同じ教室で顔を合わせる形ではありません。スクーリング、学校行事、オンラインのホームルーム、サークルなど、「学校が用意している場」の数と形で決まります。地元の友人関係に縛られず、全国の、年齢や立場の違う人と出会える学校もあります。
相談できる大人がいるかも、人間関係の不安を左右します。スクールカウンセラーに相談できる体制を整えている学校は、323校中273校(84.5%)です。公立は98.8%、私立は79.7%、株式会社立は80.0%と差があるので、入学前に「相談室はあるか」「オンラインでも相談できるか」を聞いておくと安心です。保護者や周囲から通信制高校への進学を反対された場合の向き合い方は、通信制高校に反対されたらの記事で取り上げています。
| よくある人間関係の不安 | 数字・制度で分かること | 学校に聞くこと |
|---|---|---|
| 友達が一人もできないのでは | 入学者の57.0%が中3で不登校。同じ経験の仲間が多い | 行事・サークル・オンラインの交流の場はどれくらいあるか |
| 先生との距離が遠いのでは | スクールカウンセラーの体制がある学校は84.5% | 担任制か、連絡の手段と返事の早さ |
| 周囲にどう思われるか気になる | 通信制の生徒は高校生全体の約1割(令和8年度速報 311,792人) | 在校生がどんな理由で入学しているか |
出典:文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(4. スクールカウンセラー等の状況、8. 生徒の状況等)/文部科学省 検討会議(第2回)参考資料(学校基本調査 令和8年度速報の生徒数。2026年10月23日確認)

スクーリング・行事面の不安:面接指導は法令で決まった必須の方法ですが、回数や形は学校と科目で違います
「スクーリングが不安」「行事に参加できるか心配」という声もよく聞きます。スクーリング(面接指導)は、高等学校通信教育規程で添削指導・試験と並ぶ通信教育の方法と定められていて、どの通信制高校でも避けては通れません。ただし、回数や形には幅があります。
法令と文部科学省の資料で分かることを並べます。同時に面接指導を受ける生徒数は「少人数とすることを基本とし、四十人を超えてはならない」と規程に書かれています。面接指導の時間数は科目ごとに標準が定められていて、放送やオンラインなど多様なメディアを利用した学習によって、面接指導の時間数の一部を減らす(10分の6以内、条件を満たせば10分の8以内)ことが認められています。また、スクーリングができる「面接指導等実施施設」は、全国で2,024施設が届け出られています(学校ごとに数えたのべの数)。
一方で、「宿泊があるか」「年に何日か」「地元の会場で受けられるか」「体調で欠席したときの振り替えがあるか」は学校とコースで違い、公的な統計では分かりません。行事も、参加が必要なものと任意のものがあり、学校によっては体調や気持ちに合わせて参加の度合いを調整できます。「全部に参加しないといけない」という思い込みをいったん手放し、学校ごとの実際の決まりを聞いてみてください。
| よくあるスクーリング・行事の不安 | 数字・制度で分かること | 学校に聞くこと |
|---|---|---|
| 一人で参加するのが怖い | 同時に受ける生徒数は少人数が基本で、40人を超えない | 1回の人数、担任が同じ会場にいるか |
| 宿泊を伴うスクーリングが心配 | 宿泊の有無は学校とコースで違う。統計では分からない | 宿泊の有無、日数、地元の会場で受けられるか |
| 行事に全部参加しないといけないのか | 特別活動は卒業までに30単位時間以上(学習指導要領) | 必須の行事と任意の行事の分け方 |
出典:文部科学省「通信制高校に関する関係法令等(抜粋)」(高等学校通信教育規程 第2条・第3条・第4条の2、学習指導要領の特別活動30単位時間)/文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(9. 通信教育の状況、10. 通信教育連携協力施設の状況)(2026年10月23日確認)
転入・編入の不安:修得した単位に応じて相当学年に入れると施行規則にあります。年度の途中は学校次第です
「今の高校を辞めないと転入できないのでは」「取った単位が無駄になるのでは」という不安には、法令に答えがあります。学校教育法施行規則の第92条は、全日制・定時制・通信制の課程の間の転学について「修得した単位に応じて、相当学年に転入することができる」と定めています。第97条では、他の高校で修得した科目の単位を、校長が教育上有益と認めるときに卒業に必要な単位数に加えられるとしています。つまり、前の学校で修得した単位は引き継ぐ道が制度として用意されています。ただし、何単位を認めるかは転入先の校長の判断なので、「全部そのまま」と決めつけず、成績証明書を見せて確かめるのが確実です。
時期についても、文部科学省のガイドラインは、学期の途中に転入学・編入学を受け入れることを想定した書き方になっていて、受け入れの時期は学校ごとに決めています。年度の途中でも相談できる学校は多く、「今の学校に在籍したまま」転入先の情報収集や相談を進めることができます。情報収集の段階で今の学校に伝える必要はありません。
費用の面では、就学支援金の支給期間(通信制は48月)は前の学校の在学月数と合わせて数えます。文部科学省のQ&Aには「全日制で20月在学し、その後通信制に転学した場合は、48月−20月×4/3(端数切捨て)」で通信制では22月分、という例が載っています。転校先での申請の手続きは学校や都道府県によって違うので、転校先の学校に確かめてください。
| よくある転入・編入の不安 | 数字・制度で分かること | 学校に聞くこと |
|---|---|---|
| 単位が無駄になるのでは | 施行規則第92条・第97条。修得単位に応じて相当学年へ | 成績証明書をもとに何単位が認められるか |
| 年度の途中では転入できないのでは | 学期途中の受け入れはガイドラインで想定。時期は学校ごと | 次に入れる月と、出願の期日 |
| 今の学校に気まずくて言い出せない | 情報収集の段階では今の学校に伝える必要はない | 在学証明書など、前の学校に頼む書類は何か |
出典:学校教育法施行規則 第92条・第96条・第97条(e-Gov)/文部科学省「通信制高校に関する関係法令等(抜粋)」(高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン)/文部科学省 就学支援金Q&A(2026年10月23日確認)
よくある誤解と落とし穴:「通信制なら楽」「全部オンラインで済む」「サポート校に入れば卒業できる」は言い切れません
不安を減らそうとして調べるうちに、逆の方向に振れてしまう誤解もあります。3つだけ書いておきます。
1つ目は「通信制なら楽」という誤解です。授業に出る時間は少なくても、卒業には全日制と同じ74単位以上の修得と、3年以上の在籍が要ります(学校教育法第56条、同施行規則第96条)。レポートを自分で進める比重が大きい分、「学習が止まったときに誰が気づくか」が全日制より大事になります。
2つ目は「全部オンラインで済む」という誤解です。多様なメディアを使った学習で面接指導の時間数を減らせる仕組みはありますが、面接指導と試験そのものが無くなる制度ではありません。どの学校でも、年に何日かは会場に行く日があります。
3つ目は「サポート校に入れば卒業できる」という誤解です。サポート校は、法令上は「学習等支援施設」などの通信教育連携協力施設にあたり、高校ではありません。卒業資格を出すのは在籍する通信制高校で、スクーリングと試験はその高校の決まりで受けます。サポート校の費用には就学支援金が使えないことも、見落とされやすい点です。通信制高校とサポート校の違いは通信制サポート校とはの記事で、入ってから後悔しやすい点は通信制高校 デメリットの記事で整理しています。
出典:文部科学省「通信制高校に関する関係法令等(抜粋)」(学校教育法 第56条、高等学校通信教育規程 第3条)/学校教育法施行規則 第96条(e-Gov)(2026年10月23日確認)
本人と保護者で気になる不安は違います。先に書き出してから話すと、感情的なすれ違いを減らせます
同じ「通信制高校への不安」でも、本人と保護者では気にしているところが違うことがよくあります。本人は友人関係や学習、日々の過ごし方を気にする傾向があり、保護者は費用や将来の進路、制度を気にする傾向があります。どちらが正しいということはなく、立場によって見える景色が違うだけです。
家族で話し合うときは、まず「自分はどのテーマがいちばん気になっているか」をそれぞれ紙に書き出してから共有すると、相手の不安を「心配しすぎ」と片づけずに済みます。本人の不安には「数字で分かること」を、保護者の不安には「学校に聞くこと」を当てはめていくと、次に何を確かめればいいかが見えてきます。
| 立場 | 気にしやすいテーマ | 先に確かめると落ち着くこと |
|---|---|---|
| 本人 | 友達、勉強、毎日の過ごし方、スクーリングの雰囲気 | 同じ経験の仲間が多いこと、コースで通学の頻度を選べること |
| 保護者 | 費用、大学進学、辞めやすさ、制度 | 中退率3.5%の中身、進学率28.6%、就学支援金の対象 |
| 両方 | この選択でいいのか | 学校ごとに答えが違う点を個別相談で聞く |
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
この記事で見てきた不安のうち、「学習が止まったときに気づいてくれる人がいるか」「つながりの場があるか」「生活のリズムを一緒に整えてくれるか」は、通信制高校だけでは足りないことがあります。そこを人が支える形の1つが、通信制高校サポート校です。NIJIN高等学院(ニジ高)は、株式会社NIJINが運営するオンライン中心のサポート校で、担任制で、カメラとマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められます。希望する生徒には、スタッフが1対1で伴走する支援もあります。中学内容の学び直しや授業のアーカイブ視聴に対応していて、生活リズムに波があっても学べる設計です。
学校生活の面では、メタバースの校舎で担任や同級生と集まる時間があり、全校ホームルームは毎週火曜日の13時からで、NIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)の小中学生と一緒に集まります。生徒が企画する行事や、企業や地域と関わる探究のプロジェクト、生徒の「好き」から立ち上がるサークルがあります。リアルの行事は任意参加で、修学旅行などの費用は学費とは別の実費です(内容・日程は年度により変わります)。制服や頭髪の決まりはありません(よくある質問)。
正直に書いておきたい注意点が4つあります。ニジ高は高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングへの参加が必要です。ニジ高の中でのスクーリングはなく、スタッフがするのは日程の調整と準備の支援までで、宿泊を伴うスクーリングに付き添うことはしません。費用は提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかり、ニジ高の分には就学支援金が使えません(金額は学費のご案内をご覧ください)。オンライン中心なので、毎日通う場所を求める人には合わない場合があります。転入・編入は途中からでもでき、出願費用は無料です。スクーリングの形や日程など、この記事で「学校に聞くこと」とした点は、体験説明会・個別相談(オンライン・無料)でご案内しています。ご本人が同席できなくても、保護者の方だけで参加できます。
迷ったときの進め方(3ステップ)
たくさんの不安を前にすると、何から手をつければいいか分からなくなります。次の3つのステップで進めると、整理しながら不安を減らしていけます。
| ステップ | やること | この記事で使う部分 |
|---|---|---|
| 1. 不安を書き出す | 漠然とした不安を、9つのテーマに当てはめて書き出す | 最初の表の「テーマ」の列 |
| 2. 数字と制度で大きさを確かめる | 中退率・進学率・就学支援金など、公的な数字で「どのくらいの心配か」を知る | 各テーマの表の「数字・制度で分かること」 |
| 3. 学校に直接聞く | 資料では分からない点を、説明会や個別相談で担当者に質問する | 各テーマの表の「学校に聞くこと」 |
ステップ3では、複数の学校に同じ質問をするのがコツです。資料請求のときに比べる4つの点と、説明会で聞く質問の一覧は通信制高校 資料請求の記事にまとめています。頭の中だけで処理しようとすると堂々巡りになりやすいので、紙やメモに書き出すだけでも、次に何をすればいいかが見えやすくなります。


数字で確かめたあとに残る不安は、オンラインの個別相談で聞けます
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。カメラ・マイクはオフのまま、チャットだけの参加から始められます。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。スクーリングの形や費用の内訳など、この記事で「学校に聞くこと」とした点をご案内します。
よくある質問
Q. 一番多い不安は何ですか?
A. この記事で扱った9つのテーマのうち、数字で確かめやすいのは「友達ができるか」と「大学に進学できるか」の2つです。前者は入学者の57.0%が中3で不登校だったこと、後者は卒業者の28.6%が大学等へ進んでいることが、まず確かめられる数字です。
Q. 通信制高校は本当に辞めやすいのですか?
A. 令和6年度の1年間の中途退学率は通信制3.5%で、全日制1.0%より高く、定時制7.4%より低い数字です。退学理由で最も多いのは進路変更(32.4%)で、別の高校への入学を希望した人も含まれます。学習が止まったときの支えがある学校を選ぶことが対策になります。
Q. 不安をすべて解消してから入学すべきですか?
A. すべてを解消してから決める必要はありません。数字で確かめられることを先に確かめ、学校ごとに答えが違うことは説明会や個別相談で聞いていく進め方が現実的です。
Q. 保護者と本人で不安に思う点が違います。どうすればいいですか?
A. よくあることです。それぞれの不安をテーマごとに書き出して共有すると、「心配しすぎ」「分かっていない」というすれ違いが減り、確かめることの一覧に変わります。
Q. 転入・編入でも同じ不安はありますか?
A. はい、進学のときと同じ不安が出ることがあります。加えて「単位が引き継がれるか」の不安がありますが、施行規則第92条で修得単位に応じて相当学年に転入できると定められています。今の学校に在籍したまま情報収集を進められます。
Q. 相談してもしつこく勧誘されませんか?
A. 個別相談は情報収集の場です。話を聞くだけの参加でも問題ありません。複数の学校に同じ質問をして、答え方を比べるのがおすすめです。
不安を感じるのは自然なことです。ひとつずつ確かめれば、不安は「確認する項目」に変わります
これだけ多くの不安を目の当たりにすると、「こんなに心配なことが多いなら、通信制高校はやめておいたほうがいいのでは」と感じてしまうかもしれません。しかし、進路選びに不安がつきものなのは、通信制高校に限ったことではありません。全日制高校を選ぶ場合にも、それぞれの不安があります。大切なのは、不安をゼロにすることではなく、ひとつひとつのテーマについて「数字で分かること」と「学校に聞くこと」を分け、納得できる材料を積み重ねていくことです。
通信制高校の不安は、本人だけでなく保護者も同時に抱えていることがほとんどです。家庭の中だけで抱え込まず、学校の個別相談、中学校や今の高校の先生、スクールカウンセラーなど、複数の窓口を使ってください。夜間や休日に話したいときは、文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310、通話料無料)もあります(文部科学省、2026年10月23日確認)。
ひとつのテーマの不安が確かめられると、次のテーマにも落ち着いて向き合えるようになります。焦らず、順番に整理していってください。通信制高校の選び方を全体から見たい方は、通信制高校 選び方のページから、比べる8項目と進め方を読めます。
不安は、ひとつずつ確かめれば減らせます。話を聞くだけの参加でも構いません
全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付
通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。

