「中学で不登校になった。高校はどうすればいいのか」——この問いに、はっきり答えます。中学で学校に行けなかった生徒も、高校に進学できます。内申点が低くても、欠席が多くても、進める高校があります。
文部科学省の令和6年度調査では、小・中学校の不登校児童生徒は35万3,970人。12年連続で増えています。高校でも6万7,782人。不登校はもはや例外的な事情ではなく、受け入れる側の制度も、その前提で作られはじめています。
この記事では、中学不登校からの進学先の選択肢、内申点と出席日数が実際にどう扱われるか、いつ何を準備すればいいかを順に整理します。
まず押さえたい3つの事実
1. 高校入試で内申点・出席日数を見ない学校がある
公立の全日制高校の一般入試では、調査書(内申点や出席の記録を含む)が合否に影響します。ここは動かせません。
一方、通信制高校の多くは学力試験を行わず、作文と面接で選考します。調査書の提出を求める学校でも、欠席日数そのものを理由に不合格にすることは基本的にありません。聞かれるのは「なぜ通えなかったのか」より、「これからどう学びたいか」です。
2. 公立にも、不登校を前提にした入試の枠がある
東京都のチャレンジスクール、神奈川県のクリエイティブスクールなど、不登校経験や中退経験のある生徒を主な対象にした公立高校が各地にあります。学力検査を行わず、志願申告書・作文・面接で選考する形が中心です。
名称も制度も都道府県ごとに違うので、お住まいの自治体の教育委員会のページを見るか、中学校の進路担当の先生に「不登校経験者向けの枠があるか」を直接聞いてください。
3. 「今、行けるか」ではなく「続けられるか」で選ぶ
いちばん多い後悔は、少し回復してきた時期に「もう大丈夫そうだから」と全日制を選び、入学後にまた通えなくなることです。
判断の基準は、今日たまたま調子がいいかどうかではありません。調子が悪い日があっても続けられる形かどうかです。
中学不登校から進める高校 5つの選択肢
| 選択肢 | 通学の頻度 | 入試の形 | 向いている状態 |
|---|---|---|---|
| 通信制高校(単独) | 年に数日〜週1のスクーリング | 作文・面接が中心 | 家庭で学習を進められる |
| 通信制高校+サポート校 | 週1〜週5から選べる学校が多い | 作文・面接が中心 | 学習管理や生活リズムに支えが必要 |
| 定時制高校 | 毎日(夕方〜夜間が中心) | 学力検査+面接(自治体による) | 決まった時間に毎日出かけられる |
| 公立のチャレンジスクール等 | 毎日(時間帯を選べる) | 志願申告書・作文・面接 | 通学はできるが全日制は合わない |
| 全日制高校 | 毎日 | 学校による | 通学を続けられる見通しがある |
通信制高校とサポート校は何が違うのか
通信制高校は、高校卒業資格を出す学校です。サポート校は、その通信制高校に在籍している生徒の学習と生活を支える民間の施設で、卒業資格を出すのはあくまで通信制高校のほうです。
費用は二重にかかります。それでも「一人ではレポートが進まない」「日中に安心して過ごせる場所がほしい」という場合は、併用が現実的な選択になります。NIJIN高等学院(ニジ高)は、このサポート校にあたります。
中3の1年間、いつ何をするか
- 〜1学期|情報を集める段階。本人が動けなければ、保護者だけで説明会に出て構いません
- 夏休み|学校見学・体験の時期。授業がない分、本人がいちばん動きやすいタイミングです
- 9〜10月|2〜3校に絞る。通学頻度と3年間の総額を並べて比べます
- 11〜12月|出願の準備。作文の下書きと、面接で話すことの整理をしておきます
- 1〜3月|出願・選考。私立の通信制高校は3月以降も出願を受け付ける学校が多くあります
「もう間に合わないかもしれない」と焦る必要はありません。通信制高校の多くは4月入学のほかに10月入学があり、年度の途中からの転入・編入も受け付けています。
学校選びで必ず確認したい5つのこと
- スクーリングの回数と場所(合宿型か、近くに通えるか)
- レポートが出せなかったときに、どう声をかけてもらえるか
- 3年間の総額(サポート校の費用、教材費、行事費まで含めて)
- 高等学校等就学支援金の対象になるか(世帯の収入に応じて授業料の一部または全額が支給されます)
- 在籍している生徒の様子(不登校を経験した生徒がどのくらいいるか)
パンフレットの言葉ではなく、この5つを電話や個別相談で直接聞くと、学校ごとの差がはっきり見えます。
本人が動けないとき、保護者だけでできること
「学校の話を出すと、本人が固まってしまう」——よくあることです。この段階では、本人を説得しようとしないほうがうまくいきます。
保護者だけで説明会に行き、選択肢を知っている状態をつくっておく。本人が興味を持ったときに、すぐ差し出せるようにしておく。今できることは、それで十分です。多くの通信制高校・サポート校は、保護者だけの相談を受け付けています。
NIJIN高等学院(ニジ高)の場合
ニジ高は、オンラインを中心とした通信制サポート校です。「オンラインで青春」を合言葉に、全国どこからでも、海外からでも参加できます。
在籍しているのは、中学で不登校を経験した生徒や、発達特性のある生徒が多くいます。学習は一人ひとりのペースで進めながら、マイプロジェクトという、自分の興味から学びをつくる時間を軸にしています。
自宅から入れるメタバースキャンパスのほか、TIB・霞ヶ関のキャンパス、全国のリアル教室があり、その日の状態で居場所を選べることを大事にしています。実際の一日の流れはニジ高の一日にまとめています。

通信制高校は、不登校でも通えるのか|仕組みから確認する
「通信制高校なら不登校でも大丈夫」とよく言われますが、その根拠を仕組みから確認しておきます。曖昧なまま入学すると、入ってから合わないことに気づくことがあるためです。
通信制高校の単位は、レポート(添削指導)・スクーリング(面接指導)・試験の3つで認定されます。全日制のように、毎日の出席日数で進級が決まる仕組みではありません。「毎日通えないこと」が、そのまま進級・卒業の障害にならない——これが、不登校を経験した生徒にとっていちばん大きな違いです。
一方で、注意しておきたい点もあります。出席という外からの強制がなくなるぶん、学習を進めるペースを自分で作る必要が出てきます。中学時代に「勉強そのものが嫌い」だったのか、「学校という場が苦しかった」のかで、向き不向きが変わります。
| 全日制 | 通信制 | |
|---|---|---|
| 進級の判断 | 出席日数と定期考査 | レポート・スクーリング・試験 |
| 通学 | 原則週5日 | 年間数日〜週数日(学校により差) |
| 体調に波があるとき | 欠課が積み上がる | 遅れを後から取り戻しやすい |
| 自分で進める負担 | 小さい | 大きい(ここが分かれ目) |
| 卒業資格 | 高校卒業 | 高校卒業(同じ) |
※卒業資格に差はありません。履歴書の学歴欄に「通信制」と書く義務もありません。
通信制高校とサポート校の違い|ここを混同すると学費を二重に見誤ります
調べていると必ず出てくるのが「サポート校」という言葉です。この2つは別物で、役割が違います。ここを取り違えると、学費の見積もりが実際と合わなくなります。
| 通信制高校 | サポート校 | |
|---|---|---|
| 位置づけ | 学校教育法上の高等学校 | 高校ではない(民間の支援機関) |
| 卒業資格 | ここから出る | 単独では出ない |
| 役割 | 単位認定・卒業認定 | レポートの伴走、居場所、進路相談 |
| 就学支援金 | 対象 | 対象外 |
| 学費 | 支援金で圧縮できる | 別途かかる |
サポート校を使う場合、費用は「通信制高校の学費 + サポート校の費用」になります。資料請求の段階で、どちらの金額を見ているのかを必ず確認してください。国の高等学校等就学支援金制度(文部科学省)の対象になるのは、高校である通信制高校の授業料のほうです。
では、なぜサポート校という仕組みがあるのか。通信制高校の「自分で進める負担」を、ひとりで背負わずに済むようにするためです。前の節で見たとおり、ここが続くかどうかの分かれ目になります。不登校を経験した生徒にとっては、この伴走の有無が結果を大きく左右します。学費のイメージは学費のご案内で公開しています。
運営は株式会社NIJINです。小中学生の場合は、同じグループが運営するNIJINアカデミー(不登校の小中学生のためのオンラインオルタナティブスクール。1,000名以上が在籍)という選択肢もあります。中学卒業後にニジ高へ進む生徒もいます。

5つの確認項目を、そのまま聞いてもらって構いません
担任はつくのか、レポートが止まったらどうなるのか、カメラはオフでいいのか。ニジ高の個別相談会でも、この5つをそのまま質問してください。本人の同席は不要です。
個別相談会を見てみる →続けられるかを見分ける5つの確認項目
パンフレットには、どの学校も良いことが書いてあります。不登校を経験した生徒が「続けられるか」を見分けるには、次の5つを個別に質問するのが確実です。
| 確認すること | 具体的な聞き方 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 担任がつくか | 「担当は固定ですか、交代制ですか」 | 毎回違う人だと関係が積み上がらない |
| つまずいたときの動き | 「レポートが2週間止まったら、どうなりますか」 | 放置か、連絡が来るか |
| 参加の形 | 「カメラ・マイクはオフでも参加できますか」 | 顔出し必須だと初期の負担が大きい |
| スクーリングの中身 | 「日数・場所・宿泊の有無は」 | 年1回の集中合宿型は負担が大きい場合がある |
| 進路の実績 | 「不登校経験のある生徒の進路は」 | 全体の進学率ではなく、近い状況の実績 |
この5つは、パンフレットではなく個別相談で聞くほうが正確な答えが返ってきます。答えにくそうにしている項目があれば、そこがその学校の弱い部分だと考えて構いません。
なお、この5つを聞くとき、本人が同席できなくても構いません。保護者だけの相談を受け付けている学校がほとんどです。本人が「学校の話」に反応できない時期は珍しくないので、先に保護者が回って絞り込み、選択肢が2〜3校になってから本人に見せる、という進め方のほうが負担が小さくなります。
卒業したあと、進路はどうなるのか
保護者の方からいちばん多い質問がここです。結論から言うと、通信制高校の卒業生も、大学・短大・専門学校・就職のいずれにも進めます。大学受験の資格は全日制の卒業生と同じです。
ただし、正直に書いておくべきことがあります。受験対策の手厚さは、学校によって大きく違います。授業として受験指導をしている学校もあれば、卒業に必要な学習の支援までで、受験は自力または塾という学校もあります。進学を考えているなら、そこは入学前に確認しておくべき点です。
就職についても同じです。高校卒業資格があるので応募の条件は満たしますが、求人の紹介や面接の練習をどこまでやってくれるかは学校差があります。「卒業できるか」と「卒業したあとどうするか」は別の質問として聞いてください。

通信制高校の入試では何を見られるのか
「中学でほとんど行けていないのに、入試を受けられるのか」——ここが不安で動けなくなっている家庭が多いところです。
通信制高校の入試は、学力試験で人数を絞る選抜ではないことがほとんどです。私立の通信制高校では、書類審査に加えて、面接と作文(または志望理由書)という組み合わせが一般的です。学力試験を課す場合でも、中学の基礎的な内容の確認にとどまることが多く、順位をつけるための試験ではありません。
面接で見られているのは、成績ではなく「この学校の学び方で続けられそうか」です。具体的には、次のようなことが聞かれます。
- どうしてこの学校を選んだか(「家から通いやすい」「オンラインだから」でも構いません)
- 高校で何をしたいか(まだ決まっていなければ、決まっていないと答えて構いません)
- 中学でつらかったこと(無理に話す必要はありません。「話したくない」と言えます)
- いま困っていること・配慮してほしいこと
4つ目は、遠慮せずに伝えてください。入学後に配慮を受けられるかどうかは、ここで伝えたかどうかで変わることがあります。「朝が苦手」「人数の多い場所が苦しい」「文字を読むのに時間がかかる」——伝えておくほど、入ってからのずれが小さくなります。
本人が面接に行けない場合も、あきらめないでください。オンラインでの面接や、保護者同席、日程の個別調整に応じる学校があります。出願前の相談の段階で聞いておけば、当日になって困ることを避けられます。
学費は実際いくらになるのか|就学支援金の仕組み
費用は、進路を決めるうえで避けて通れません。制度の部分だけ、正確に押さえておきます。
高校の授業料には、国の高等学校等就学支援金という制度があります。通信制高校も対象です。ポイントは、通信制は「単位数に応じて」支給されるという点です。全日制のように定額ではありません。
| 費目 | かかるところ | 就学支援金 |
|---|---|---|
| 入学金 | 通信制高校 | 対象外 |
| 授業料(単位ごと) | 通信制高校 | 対象(履修単位数に応じて支給) |
| 施設費・教材費など | 通信制高校 | 対象外(学校により有無が異なる) |
| サポート校の費用 | サポート校 | 対象外 |
| スクーリングの交通費・宿泊費 | 実費 | 対象外 |
※制度の詳細と所得の要件は文部科学省「高等学校等就学支援金制度」で確認してください。2026年9月時点の情報です。
見落とされがちなのが、表のいちばん下です。スクーリングが遠方の場合、交通費と宿泊費が毎年かかります。学費の比較をするときは、この実費まで含めて並べてください。年1回の集中スクーリングを遠方で行う学校の場合、ここが数万円になることがあります。
もうひとつ。「安い」で選ぶと、伴走のない学校になりやすいという関係があります。前の節で見たとおり、通信制で続かなくなる理由の多くは学力ではなく「ひとりで進める負担」です。金額だけを並べるのではなく、「この金額で、誰がどこまで伴走してくれるのか」で比べてください。
本人がまだ動けないとき、いつまでに何を決めればいいか
最後に、時間の見通しだけ整理しておきます。中学3年生でも、動き出しは一律ではありません。
私立の通信制高校は、多くが年内から年明けにかけて複数回の出願機会を設けており、4月以降の入学にも対応しています。公立の通信制は募集時期が限られるため、こちらは早めの確認が必要です。つまり、「今すぐ決めないと間に合わない」という状況は、実際にはあまり多くありません。
ただし、資料請求と個別相談だけは早めに済ませておくことをおすすめします。学校ごとの違いが分かるまでに時間がかかるためです。本人が動けない時期でも、保護者だけで情報を集めておけば、本人が動けるようになったときにすぐ選べます。
そしてもう一点。本人が「行きたくない」と言っているうちは、学校選びの話を持ち出さないほうが早く進みます。進路の話は、本人にとって「いまのままではいけない」という圧に聞こえることがあります。情報は保護者が持っておき、本人が「どんなところがあるの」と聞いてきたときに初めて出す。その順番のほうが、結果的に本人が自分で選べます。
順番としては、①資料を3校ほど集める → ②個別相談で前述の5項目を聞く → ③本人に選択肢として渡す、が現実的です。②までは保護者だけで進められます。
中学に行けなかったことは、高校に進めない理由にはなりません。
全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付
通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。
よくある質問
内申点がほとんどありません。入れますか
通信制高校の多くは学力試験を行わず、作文と面接で選考します。内申点が低いことを理由に断られることは基本的にありません。
中学の勉強が抜けています。ついていけますか
中学の内容から個別に戻れるサポート校があります。入学前の相談で「どこから始められるか」を必ず聞いてください。答えが曖昧な学校は、入学後も曖昧なままになりがちです。
通信制高校を卒業したあと、大学に行けますか
行けます。高校卒業資格は全日制と同じものです。指定校推薦や総合型選抜を使って進学する生徒もいます。進路の考え方は進路・キャリア支援にまとめています。
高校からやり直せますか
中学の人間関係を知らない人ばかりの環境になるので、「過去を知られていない」ことが助けになる生徒は多くいます。ただし全員がそうなるわけではありません。通えなかった日があっても続けられる形かどうかを、一緒に見てあげてください。
まとめ
- 中学で不登校でも、高校には進学できる
- 通信制高校の多くは学力試験がなく、内申点や欠席日数を理由に断られることは基本的にない
- 選ぶ基準は「今行けるか」ではなく「調子が悪い日があっても続けられるか」
- 本人が動けないうちは、保護者だけで情報を集めておけばいい
出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」

