中学で不登校でも高校進学はできる?|内申点・欠席日数の扱いと5つの進路【2026】

中学で不登校でも高校進学はできる(内申点・欠席日数の扱い)

中学で不登校でも、高校には進学できます。公立高校の入試で合否の資料になるのは、主に学力検査と調査書(内申点)で、欠席日数をどう扱うかは都道府県と学校で決まります。たとえば東京都立高校の調査書には欠席日数を書く欄がなく、神奈川県には中2・中3で欠席が出席すべき日数の3分の1以上の人が、その学年の内申点を使わずに選考を受けられる申請があります。通信制高校では、323校のうち学力検査を行うのは91校で、面接(296校)と書類で選ぶ学校が中心です。

「中学で不登校になった。高校はどうすればいいのか」——先に答えます。中学で学校に行けなかった生徒も、高校に進学できます。内申点が低くても、欠席が多くても、進める高校があります。

文部科学省の令和6年度調査では、小・中学校の不登校児童生徒は35万3,970人。12年連続で増えています。高校でも6万7,782人。不登校はもはや例外的な事情ではなく、受け入れる側の制度も、その前提で作られはじめています。

この記事では、中学不登校からの進学先の選択肢、内申点と出席日数が実際にどう扱われるか(東京都・神奈川県・大阪府の入試の決まりを、教育委員会の資料で確かめた例)、いつ何を準備すればいいかを順に整理します。

中学で不登校の場合の高校進学を1ページで見渡したい方は、不登校の中学生の高校進学ガイド|行ける高校5タイプと選び方もあわせてご覧ください。

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目次

結論:中学で不登校でも高校に進学できる|進路の早見

  • 進学できるか:できます。中学の欠席や内申点で、高校の道が閉じることはありません。
  • 公立高校の入試:合否の資料は主に学力検査と調査書(内申点)です。欠席日数や、評定がつかない教科の扱いは都道府県ごとに決まっていて、東京都の調査書には欠席日数の欄がなく、神奈川県には長期欠席の人のための申請があります。
  • 通信制高校の入試:文部科学省の調査では、323校のうち面接を行うのが296校、学力検査を行うのは91校。作文と面接、書類で選考する学校が中心です。公立にも、東京都のチャレンジスクールのように調査書を使わずに選考する高校がある自治体があります。
  • 進路は5つ:通信制高校、通信制高校+サポート校、定時制高校、公立のチャレンジスクールなど、全日制高校です。高校を出れば、どの課程でも卒業資格は同じです。
  • 選び方:「今行けるか」ではなく、「調子が悪い日があっても続けられるか」で選びます。
  • 時期:通信制高校には3月以降や年度の途中にも入学を受け付ける学校があり、中3の途中からでも間に合うことが多くあります。公立の入試は日程が決まっているので、先に確かめておきます。
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中学不登校から進める高校は5つ|通う日数と入試の形で比べる

中学で学校に行けなかった生徒が選べる高校は、大きく5つに分けられます。違いは「どれくらい通うか」と「入試で何を見るか」です。

選択肢 通学の頻度 入試の形 向いている状態
通信制高校(単独) 年に数日〜週1のスクーリング 作文・面接が中心 家庭で学習を進められる
通信制高校+サポート校 週1〜週5から選べる学校もある 作文・面接が中心 学習管理や生活リズムに支えが必要
定時制高校 毎日(夕方〜夜間が中心。昼の部がある学校も) 学力検査+面接(自治体による) 決まった時間に毎日出かけられる
公立のチャレンジスクール等 定時制の単位制が中心(授業の時間帯は学校による) 志願申告書・作文・面接(東京都の場合) 通学はできるが全日制は合わない
全日制高校 毎日 学力検査と調査書が中心(学校による) 通学を続けられる見通しがある

このほかに、高校ではない学びの場として、専修学校の高等課程(高等専修学校)もあります。卒業資格の違いは、次の節の表で整理します。

中学で不登校だった人の進学は、もう少数派ではありません

「うちの子だけが取り残されている」と感じているかもしれません。数字で見ると、そうではないことが分かります。

項目 数字 出典
中学校の不登校生徒数(令和6年度) 216,266人(1,000人あたり67.9人) 文部科学省 問題行動・不登校等調査
小・中学校の不登校児童生徒数(令和6年度) 353,970人(12年連続で増加) 同上
通信制高校の2025年度の入学者のうち、中3のとき不登校だった生徒 77,998人のうち44,461人(57.0%) 文部科学省 令和7年度 通信制高等学校実態調査
中学校を卒業してすぐ通信制高校に進んだ人(令和7年3月卒業) 1,055,218人のうち63,278人(6.0%) 文部科学省 学校基本調査

中学校の不登校は1,000人あたり67.9人で、およそ15人に1人です。そして、通信制高校に入学した生徒の半分以上は、中3のときに不登校でした。中学で学校に行けなかったことは、高校へ進む道の「入口」として、もう制度のほうが前提にしていると考えてよい数字です。

出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」(令和7年10月29日の通知)、同調査結果の概要、令和7年度 通信制高等学校実態調査。

明るいダイニングテーブルで、中学生の息子と母親が並んで座り、手描きの枠だけのノートを見ながら話している様子
進路の話は、まず家族で選択肢を並べるところから。

卒業資格で見ると、高校なら通信制・定時制・全日制はどれも同じです

進路を比べるとき、保護者の方がいちばん気にされるのが「卒業資格」です。法律の上での位置づけを並べると、次のようになります。

進路 法律の上での位置づけ 修了で得られるもの 修業年限
全日制高校 高等学校 高校卒業(大学の受験資格あり) 3年
定時制高校 高等学校 高校卒業(全日制と同じ) 3年以上
通信制高校 高等学校 高校卒業(全日制と同じ) 3年以上
高等専修学校(専修学校の高等課程) 高校ではない(専修学校) 修業年限3年以上などの基準を満たし、文部科学大臣が指定した課程なら大学の受験資格あり 課程による
サポート校 高校ではない(民間の施設) 単独では卒業資格は出ない。在籍する通信制高校で取る 在籍する通信制高校による

高校の修業年限は、学校教育法第56条で「全日制の課程については三年」「定時制の課程及び通信制の課程については三年以上」と決められています。高等専修学校の修了者が大学を受験できるのは、学校教育法施行規則第150条第3号で、文部科学大臣が指定した課程に限られます(出典:e-Gov 学校教育法、e-Gov 学校教育法施行規則)。

高等専修学校を考える場合は、志望する学校の課程が大臣の指定を受けているかを、学校の募集要項で確かめておくと安心です。

高校入試で内申点・欠席日数はどう扱われるか|公立には欠席が多い人のための仕組みも

公立の全日制高校の一般入試では、調査書(内申点や、中学校での記録を含む)が合否の資料になります。ただし、調査書に何を書くか、欠席日数や評定のない教科をどう扱うかは、都道府県の入学者選抜の決まりで違います。次の節で、3つの都府県の例を見ます。

一方、通信制高校の多くは学力試験を行わず、作文と面接で選考します。文部科学省の令和7年度 通信制高等学校実態調査では、323校のうち、面接を行うのが296校、調査書などの書類を見るのが230校、作文・小論文が154校、学力検査を行うのは91校でした(複数回答)。調査書の提出を求める学校でも、欠席日数をどう見るかは学校ごとに違うので、出願前の相談で聞いておくと安心です。面接で聞かれるのは「なぜ通えなかったのか」より、「これからどう学びたいか」であることが多くあります。

東京都のチャレンジスクール、神奈川県のクリエイティブスクールなど、中学での欠席が多かった生徒や、高校をやめた人も受けやすい選考の形をとる公立高校が各地にあります。東京都のチャレンジスクールは、定時制課程の単位制の高校(令和9年度は六本木高校・大江戸高校など7校と、八王子拓真高校のチャレンジ枠)で、調査書を使わず、志願申告書・作文・面接で選考します。高校を中途退学した人のための特別枠もあります(令和9年度の実施要綱で確認)。神奈川県のクリエイティブスクールも、ほかの県立高校とは選考の方法が違います。

名称も制度も都道府県ごとに違うので、お住まいの自治体の教育委員会のページを見るか、中学校の進路担当の先生に「不登校経験者向けの枠があるか」「長期欠席の人の申請があるか」を直接聞いてください。

都道府県の例:東京・神奈川・大阪では、欠席日数と内申点の扱いがこう違います

「欠席が多いと、公立高校は無理なのでは」という不安は、住んでいる都道府県の決まりを見ると、かなり具体的になります。ここでは、教育委員会が公表している令和9年度(2027年4月入学)の入学者選抜の資料を開いて確かめた3つの例を紹介します(2026年11月2日に確認)。

東京都:調査書に欠席日数の欄はなく、内申点は中3の成績で付けます

東京都教育委員会の「調査書の作成について」(令和8年度選抜用)を見ると、中学校が書く項目は「成績一覧表の番号」「学籍の記録」「各教科の学習の記録」「総合的な学習の時間の内容及び評価」「諸活動の記録」「海外帰国生徒対象等との併願」の6つで、欠席日数を書く欄はありません。各教科の評定は、第3学年の成績で記入します。

令和9年度の都立高校入学者選抜実施要綱では、全日制の学力検査の得点と調査書点の比率は原則として7:3です。受検者ごとに7:3と10:0の両方で計算し、高いほうを使う学校もあります。また、評定を付けられず斜線になっている教科がある受検者などは、学力検査の得点など参考にできる資料を使って、高校が調査書点を求めると決められています。チャレンジスクールは調査書の提出が要らず、志願申告書・面接・作文で選考します。

神奈川県:中2・中3で欠席が3分の1以上なら、その学年の内申点を使わない申請ができます

神奈川県の公立高校では、調査書の評定は「中2の9教科の評定合計+中3の9教科の評定合計×2」で計算します。そのうえで、中学校の2年または3年(12月まで)で、出席すべき日数の3分の1以上を欠席した人は、「長期の欠席を理由とする選抜方法の取扱い申請」ができます。申請すると、その学年の調査書の学習の記録を資料にせずに選考されます。

県の説明資料には、この申請は加点ではなく、特別な枠を設けるものでもないこと、申請した人も含めて「すべての受検者に対して、2回の選考の機会が確保されています」と書かれています。申請は中学校を通じて行い、志願者と保護者が作る様式と、中学校が作る様式があります。また、障害などのある人は、別室での受検や検査時間の延長などの受検方法を、中学校を通じて申請できます。

大阪府:中1から中3までの評定を使い、評定を付けない教科は「-」になります

大阪府の公立高校の一般選抜では、学力検査(450点満点)と、調査書の評定(中3を6倍、中1・中2を2倍した450点満点)に、学校が選んだ倍率をかけた「総合点」を基本にして、自己申告書なども資料に選抜します。総合点の計算式に、欠席日数の項目はありません。中学校長が、その教科の評価が、学習指導要領の目標に準拠した評価になじまないと判断した場合は、評定を記載せず「-」を入れると決められています。

多部制単位制のクリエイティブスクールには、「学力検査・面接と調査書による選抜」と、調査書を要しない「学力検査と面接による選抜」の2つがあります。ただし、令和9年3月に中学校を卒業する見込みの人は前者で、後者を選べるのは、すでに中学校を卒業した人(過年度卒業者)です。

都府県 内申点に使う学年 欠席日数・評定のない教科の扱い 選考の方法がほかと違う学校の例
東京都 中3 調査書に欠席日数の欄なし。評定が斜線の教科は、高校が参考資料で調査書点を求める チャレンジスクール(調査書なし。志願申告書・面接・作文)
神奈川県 中2と中3(中3は2倍) 中2・中3で欠席が3分の1以上なら、その学年の学習の記録を使わない申請ができる クリエイティブスクールなど(選考方法がほかと違う)
大阪府 中1・中2・中3(中3は6倍、中1・中2は2倍) 総合点の計算に欠席日数の項目なし。評定を付けない教科は「-」 クリエイティブスクール(過年度卒業者は調査書なしの選抜も選べる)

出典:東京都「令和9年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目等」(実施要綱・チャレンジスクール入学者選抜実施要綱)、東京都教育委員会「調査書の作成について」、神奈川県「特別な事情のある人への配慮について」、大阪府「令和9年度大阪府公立高等学校入学者選抜実施要項」。

※2026年11月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。ほかの道府県の決まりは、それぞれの教育委員会が公表している入学者選抜の実施要綱・要項で確かめられます。

東京都・神奈川県・大阪府の公立高校入試で、内申点に使う学年、欠席日数の扱い(東京は調査書に欄なし、神奈川は欠席3分の1以上で申請可、大阪は総合点の式に項目なし)、評定のない教科の扱いを比べた表
欠席日数と内申点の扱いは、都道府県の決まりで違います。出典:東京都・神奈川県・大阪府の令和9年度 公立高校入学者選抜の資料(2026年11月2日確認)

欠席が多い中3は、出願の前に中学校へ4つのことを確かめておくと安心です

都道府県の決まりは、読むだけでは自分に当てはまるか分かりにくいものです。調査書を作るのは中学校なので、次の4つは担任や進路担当の先生に聞いておくと、出願の段階で迷いにくくなります。

確かめること 聞き方の例 分かること
評定が付いているか 「中3の評定は、すべての教科に付いていますか」 評定のない教科があるときの、志望校での扱い
長期欠席の申請があるか 「この県には、欠席が多い人のための申請がありますか」 神奈川県のような申請の有無と、欠席日数の条件
調査書を使わない選抜があるか 「調査書なしで受けられる高校や選抜はありますか」 チャレンジスクールなどの選択肢
受検のときの配慮 「別室での受検は申請できますか」 人の多い場所が苦しいときの受け方

先生も、本人が学校に来ていない間は、進路の話を切り出しにくいことがあります。保護者の方から「進路のことを相談したい」と連絡するだけで、話が進みやすくなります。中学校の先生の側から見た進路指導の確かめ方は、不登校 進路指導 中学校の記事(先生向け)にまとめています。

通信制高校の入試で見られること|作文と面接で「これから」を聞かれる

「中学でほとんど行けていないのに、入試を受けられるのか」——ここが不安で動けなくなっている家庭が多いところです。

通信制高校の入試は、学力試験で人数を絞る選抜ではないことがほとんどです。私立の通信制高校では、書類審査に加えて、面接と作文(または志望理由書)という組み合わせが一般的です。学力試験を課す場合でも、中学の基礎的な内容の確認にとどまることが多く、順位をつけるための試験ではありません。

入学者選抜の方法(複数回答) 実施している学校
面接 296校
調査書などの書類 230校
作文・小論文 154校
学力検査 91校

※通信制課程を置く高校323校の回答。出典:文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」

面接で見られているのは、成績ではなく「この学校の学び方で続けられそうか」です。具体的には、次のようなことが聞かれます。

  • どうしてこの学校を選んだか(「家から通いやすい」「オンラインだから」でも構いません)
  • 高校で何をしたいか(まだ決まっていなければ、決まっていないと答えて構いません)
  • 中学でつらかったこと(無理に話す必要はありません。「話したくない」と言えます)
  • いま困っていること・配慮してほしいこと

4つ目は、遠慮せずに伝えてください。入学後に配慮を受けられるかどうかは、ここで伝えたかどうかで変わることがあります。「朝が苦手」「人数の多い場所が苦しい」「文字を読むのに時間がかかる」——伝えておくほど、入ってからのずれが小さくなります。

本人が面接に行けない場合も、あきらめないでください。オンラインでの面接や、保護者同席、日程の個別調整に応じる学校があります。出願前の相談の段階で聞いておけば、当日になって困ることを避けられます。

「今行けるか」ではなく「続けられるか」で選ぶ

いちばん多い後悔は、少し回復してきた時期に「もう大丈夫そうだから」と全日制を選び、入学後にまた通えなくなることです。

判断の基準は、今日たまたま調子がいいかどうかではありません。調子が悪い日があっても続けられる形かどうかです。

通信制高校の中でも、通う日数は大きく違います。文部科学省の実態調査で、通学の頻度ごとのコースの生徒数を見ると、週5日のコースは12.5%、集中スクーリング型が28.9%、月1〜2回や自由登校などの「その他」が33.2%でした。「通信制」とひとことで言っても、毎日通う形から、ほとんど家で学ぶ形まであります。

いまの状態 合いやすい形 確かめたいこと
家から出るのが難しい日が多い 通信制(自宅中心)+オンラインの支え スクーリングの日数と場所
週に何日かなら出かけられる 通信制の週1〜3日のコース、サポート校の併用 休んだ日の扱いと、連絡の取り方
朝は苦手だが、昼からなら動ける 定時制の昼・夜の部、時間帯を選べる高校 授業の時間帯と、卒業までの年数
毎日通える見通しがある 全日制、チャレンジスクールなど 欠席が増えたときの単位の扱い

迷ったら、少し余裕のある形を選んでおくほうが安心です。通信制から全日制への転入、全日制から通信制への転入はどちらも制度としてあり(受け入れは学校によります)、形はあとから変えられます。転入と編入の違いは転入 編入 違いの記事で整理しています。

中学校の相談室で、両親が先生から入試の説明を聞いている様子
欠席日数や評定の扱いは、中学校の先生に聞くと具体的に分かります。

通信制高校は、不登校でも通えるのか|仕組みから確認する

「通信制高校なら不登校でも大丈夫」とよく言われますが、その根拠を仕組みから確認しておきます。曖昧なまま入学すると、入ってから合わないことに気づくことがあるためです。

通信制高校の単位は、レポート(添削指導)・スクーリング(面接指導)・試験の3つで認定されます。全日制のように、毎日の出席日数で進級が決まる仕組みではありません。「毎日通えないこと」が、そのまま進級・卒業の障害にならない——これが、不登校を経験した生徒にとっていちばん大きな違いです。卒業の条件は、3年以上の在籍、74単位以上の修得、特別活動30単位時間以上です。

一方で、注意しておきたい点もあります。出席という外からの強制がなくなるぶん、学習を進めるペースを自分で作る必要が出てきます。中学時代に「勉強そのものが嫌い」だったのか、「学校という場が苦しかった」のかで、向き不向きが変わります。

比べること 全日制 通信制
進級の判断 出席日数と定期考査 レポート・スクーリング・試験
通学 原則週5日 年間数日〜週数日(学校により差)
体調に波があるとき 欠課が積み上がる 遅れを後から取り戻しやすい
自分で進める負担 小さい 大きい(ここが分かれ目)
卒業資格 高校卒業 高校卒業(同じ)

※卒業資格に差はありません。どちらも学校教育法上の高等学校の卒業です。

通信制高校で不登校を経験した人が卒業までに何をするのかは、通信制高校 不登校の記事で整理しています。

通信制高校とサポート校の違い|ここを混同すると学費を二重に見誤ります

通信制高校は、高校卒業資格を出す学校です。サポート校は、その通信制高校に在籍している生徒の学習と生活を支える民間の施設で、卒業資格を出すのはあくまで通信制高校のほうです。

比べること 通信制高校 サポート校
位置づけ 学校教育法上の高等学校 高校ではない(民間の支援機関)
卒業資格 ここから出る 単独では出ない
役割 単位認定・卒業認定 レポートの伴走、居場所、進路相談
就学支援金 対象 対象外
学費 支援金で圧縮できる 別途かかる

サポート校を使う場合、費用は「通信制高校の学費 + サポート校の費用」になります。資料請求の段階で、どちらの金額を見ているのかを確かめておいてください。国の高等学校等就学支援金制度(文部科学省)の対象になるのは、高校である通信制高校の授業料のほうです。

費用は二重にかかります。それでも「一人ではレポートが進まない」「日中に安心して過ごせる場所がほしい」という場合は、併用が現実的な選択になります。NIJIN高等学院(ニジ高)は、このサポート校にあたります。学校を比べるときの項目は、通信制高校 選び方のページにまとめています。

では、なぜサポート校という仕組みがあるのか。通信制高校の「自分で進める負担」を、ひとりで背負わずに済むようにするためです。前の節で見たとおり、ここが続くかどうかの分かれ目になります。不登校を経験した生徒にとっては、この伴走の有無が結果を大きく左右します。ニジ高の費用は学費のご案内で公開しています。

続けられるかを見分ける5つの確認項目

パンフレットには、どの学校も良いことが書いてあります。不登校を経験した生徒が「続けられるか」を見分けるには、次の5つを個別に質問するのが確実です。

確認すること 具体的な聞き方 見るポイント
担任がつくか 「担当は固定ですか、交代制ですか」 毎回違う人だと関係が積み上がらない
つまずいたときの動き 「レポートが2週間止まったら、どうなりますか」 放置か、連絡が来るか
参加の形 「カメラ・マイクはオフでも参加できますか」 顔出し必須だと初期の負担が大きい
スクーリングの中身 「日数・場所・宿泊の有無は」 年1回の集中合宿型は負担が大きい場合がある
進路の実績 「不登校経験のある生徒の進路は」 全体の進学率ではなく、近い状況の実績

この5つは、パンフレットではなく個別相談で聞くほうが正確な答えが返ってきます。答えにくそうにしている項目があれば、そこがその学校の弱い部分だと考えて構いません。

なお、この5つを聞くとき、本人が同席できなくても構いません。保護者だけの相談を受け付けている学校は多くあります。本人が「学校の話」に反応できない時期は珍しくないので、先に保護者が回って絞り込み、選択肢が2〜3校になってから本人に見せる、という進め方のほうが負担が小さくなります。

学費は実際いくらになるのか|就学支援金の仕組み

費用は、進路を決めるうえで避けて通れません。制度の部分だけ、正確に押さえておきます。

高校の授業料には、国の高等学校等就学支援金という制度があります。通信制高校も対象です。ポイントは、通信制では、授業料の決め方によって支給の上限の考え方が変わるという点です。2026年度の私立の通信制では、授業料が年額で決まる学校なら年337,200円まで、単位ごとに決まる学校なら1単位13,668円(年30単位・通算74単位まで)が支給の上限で、2026年度から所得制限がなくなりました。公立の通信制の授業料は、都道府県の条例で決まります。

費目 かかるところ 就学支援金
入学金 通信制高校 対象外
授業料(単位ごと) 通信制高校 対象(履修単位数に応じて支給)
施設費・教材費など 通信制高校 対象外(学校により有無が異なる)
サポート校の費用 サポート校 対象外
スクーリングの交通費・宿泊費 実費 対象外

※制度の詳細は文部科学省「高等学校等就学支援金制度」で確認してください。2026年11月時点の情報です。

見落とされがちなのが、表のいちばん下です。スクーリングの会場が遠い場合、交通費と宿泊費がかかります。学費の比較をするときは、この実費まで含めて並べてください。会場の場所や日数は学校ごとに違うので、住んでいる場所からの行き方と合わせて確かめておくと、あとで驚かずに済みます。学費の出し方は通信制高校 学費の記事で計算の手順を整理しています。

もうひとつ。「安い」で選ぶと、伴走のない学校になりやすいという関係があります。前の節で見たとおり、通信制で続かなくなる理由の多くは学力ではなく「ひとりで進める負担」です。金額だけを並べるのではなく、「この金額で、誰がどこまで伴走してくれるのか」で比べてください。

中3の1年間、いつ何をするか

中3の1年間でやることを、時期ごとに並べます。本人が動けない時期は、保護者だけで進められる部分から始めて構いません。

時期 やること 本人が動けないとき
〜1学期 情報を集める段階。通信制・定時制・チャレンジスクールなど、住んでいる地域の選択肢を知る 保護者だけで説明会に出て構いません
夏休み 学校見学・体験の時期。授業がない分、本人がいちばん動きやすいタイミングです オンラインの説明会や、保護者だけの個別相談で代える
9〜10月 2〜3校に絞る。通学頻度と3年間の総額を並べて比べます。中学校に、評定・長期欠席の申請・調査書の扱いを確かめる 中学校との相談は保護者だけでもできます
11〜12月 出願の準備。作文の下書きと、面接で話すことの整理をしておきます。公立の出願日程を確かめる 話すことを家で少しずつメモしておく
1〜3月 出願・選考。私立の通信制高校には3月以降も出願を受け付ける学校があります オンライン面接や日程の調整ができるかを聞く

公立高校の日程は都道府県ごとに決まっています。たとえば令和9年度の東京都立高校では、推薦に基づく選抜の願書受付が2027年1月8日〜18日(検査1月26日・27日、発表2月2日)、学力検査に基づく第一次募集の検査が2月21日(発表3月1日)、都立の通信制課程の前期選抜の検査が2月22日(発表3月1日)です(東京都の発表)。インターネット出願の入力は2026年12月18日から始まります。

「もう間に合わないかもしれない」と焦る必要はありません。通信制高校には、4月入学のほかに10月などの入学を設けている学校や、年度の途中からの転入・編入を受け付けている学校があります。

中3の1年間の進路準備を、1学期までの情報集め、夏休みの見学、9〜10月の絞り込みと中学校への確認、11月〜3月の出願準備と選考の4つに分けて示した図
本人が動けない時期も、保護者だけで準備を進められます。

本人が動けないときは、保護者だけで進めて構いません

「学校の話を出すと、本人が固まってしまう」——よくあることです。この段階では、本人を説得しようとしないほうがうまくいきます。

保護者だけで説明会に行き、選択肢を知っている状態をつくっておく。本人が興味を持ったときに、すぐ差し出せるようにしておく。今できることは、それで十分です。多くの通信制高校・サポート校は、保護者だけの相談を受け付けています。高校進学で親が持っておきたい見方は、不登校 高校進学 親の視点で詳しく整理しています。進める前に立ち止まって考えたいことは、高校進学の前に立ち止まりたい3つの視点にもまとめました。

最後に、時間の見通しだけ整理しておきます。中学3年生でも、動き出しは一律ではありません。

私立の通信制高校には、年内から年明けにかけて複数回の出願の機会を設けている学校や、4月以降の入学に対応している学校があります。公立の高校や通信制は募集時期が限られるため、こちらは早めの確認が必要です。つまり、「この数週間で決めないと間に合わない」という状況は、実際にはあまり多くありません。

ただし、資料請求と個別相談だけは早めに済ませておくと安心です。学校ごとの違いが分かるまでに時間がかかるためです。本人が動けない時期でも、保護者だけで情報を集めておけば、本人が動けるようになったときにすぐ選べます。

そしてもう一点。本人が「行きたくない」と言っているうちは、学校選びの話を持ち出さないほうが早く進みます。進路の話は、本人にとって「いまのままではいけない」という圧に聞こえることがあります。情報は保護者が持っておき、本人が「どんなところがあるの」と聞いてきたときに初めて出す。その順番のほうが、結果的に本人が自分で選べます。

順番としては、①資料を3校ほど集める → ②個別相談で前述の5項目を聞く → ③本人に選択肢として渡す、が現実的です。②までは保護者だけで進められます。

卒業したあと、進路はどうなるのか

保護者の方からいちばん多い質問がここです。結論から言うと、通信制高校の卒業生も、大学・短大・専門学校・就職のいずれにも進めます。大学受験の資格は全日制の卒業生と同じです。

通信制高校の卒業者の進路(令和6年度間に卒業した91,809人) 割合
大学等に進学 28.6%(26,301人)
専門学校に進学 22.9%(21,013人)
就職者等 19.5%(17,893人)
左記以外の者 26.1%(23,995人)

※出典:文部科学省「学校基本調査(令和7年度)」の高等学校通信制課程の卒業後の状況。就職者等は、自営業主等・無期雇用・有期雇用・臨時労働者の合計です。

ただし、正直に書いておくべきことがあります。受験対策の手厚さは、学校によって大きく違います。授業として受験指導をしている学校もあれば、卒業に必要な学習の支援までで、受験は自力または塾という学校もあります。進学を考えているなら、そこは入学前に確認しておくべき点です。

就職についても同じです。高校卒業資格があるので応募の条件は満たしますが、求人の紹介や面接の練習をどこまでやってくれるかは学校差があります。「卒業できるか」と「卒業したあとどうするか」は別の質問として聞いてください。入学したあとの最初の1か月の過ごし方は、中学 不登校 高校 通えるの記事でまとめています。

NIJIN高等学院(ニジ高)という選択肢と、正直な注意点

ニジ高は、オンラインを中心とした通信制高校サポート校です。「オンラインで最高の青春を」を掲げ、全国どこからでも、海外からでも参加できます。担任制で、カメラ・マイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められます。

中学内容の学び直しや授業のアーカイブ視聴に対応していて、生活リズムに波があっても学べるように設計しています。グループ全体で、不登校の生徒を650名以上サポートしてきました。学習は一人ひとりのペースで進めながら、企業や自治体と関わる探究のプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事にも取り組めます。学びの考え方は教育モデルにまとめています。

オンライン中心で、相談のうえでNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)の全国の教室に通うこともでき、その日の状態で居場所を選べることを大事にしています。実際の一日の流れはニジ高の一日にまとめています。

運営は株式会社NIJINです。小中学生の場合は、同じグループが運営するNIJINアカデミー(不登校の小中学生のためのオンラインのオルタナティブスクール。NIJINアカデミー全体で500名超が在籍)という選択肢もあります。

正直な注意点も書いておきます。

  • ニジ高は高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取ります。
  • 学院内にスクーリングはなく、提携校のスクーリングに参加する必要があります。ニジ高は日程の調整や準備を支援します。
  • 費用は提携校とニジ高の両方にかかり、ニジ高の分には就学支援金を使えません。金額は学費のご案内でご確認ください。
  • オンライン中心なので、毎日決まった場所に通いたい人には合わない場合があります。

合うかどうかは、話を聞いてから決めて構いません。無理に勧めることはありません。

迷ったときの進め方(3ステップ)

  1. 保護者だけで、通信制高校やサポート校の資料を2〜3校分集める。公立を考える場合は、住んでいる都道府県の入学者選抜の決まり(欠席日数・評定の扱い)を中学校に確かめる
  2. 個別相談で「続けられるかを見分ける5つの確認項目」を聞く
  3. 本人が興味を持ったときに、体験や見学に一緒に行く

同じ「不登校 高校生」でも、高校に入ってから学校に行けなくなった場合の数や選択肢は、不登校 高校生の記事で整理しています。

自宅の窓辺の机でオンライン授業に参加する中学生と、部屋の入り口から見守る父親
通う形を変えても、学びと仲間とのつながりは続けられます。
オンラインで学ぶニジ高の生徒

5つの確認項目を、そのまま聞いてもらって構いません

担任はつくのか、レポートが止まったらどうなるのか、カメラはオフでいいのか。ニジ高の個別相談会でも、この5つをそのまま質問してください。本人の同席は不要で、保護者の方だけでも参加できます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。

体験説明会の日程を見る → LINEで気軽に相談する

よくある質問

Q. 中学で不登校でも、高校に行けますか?

A. 行けます。通信制高校や、調査書を使わずに選考する公立高校など、欠席や内申点を理由に断られにくい進路があります。通信制高校の2025年度の入学者のうち57.0%は、中3のとき不登校だった生徒です。

Q. 欠席日数が多いと、高校受験で不利になりますか?

A. 公立の全日制高校の一般入試では調査書が合否の資料になりますが、欠席日数の扱いは都道府県で違います。東京都立の調査書には欠席日数の欄がなく、大阪府の一般選抜の総合点の計算式にも欠席日数の項目はありません。神奈川県には、中2・中3で欠席が3分の1以上の人が、その学年の内申点を使わずに選考を受けられる申請があります。通信制高校での扱いは学校ごとに違うので、出願前の相談で確かめられます。

Q. 不登校の生徒が入りやすい公立高校はありますか?

A. 東京都のチャレンジスクールは、調査書を使わず、志願申告書・面接・作文で選考します。神奈川県や大阪府のクリエイティブスクールなど、ほかの高校とは選考の方法が違う公立高校が各地にあります。名前や制度は都道府県ごとに違います。

Q. 内申点がほとんどありません。入れますか?

A. 通信制高校の多くは学力試験を行わず、作文と面接で選考します(323校のうち学力検査を行うのは91校)。公立高校では、評定が付いていない教科の扱いが決められていて、東京都では高校が学力検査の得点などの資料を使って調査書点を求め、大阪府では評定を付けない教科に「-」を入れます。まずは中学校に、自分の評定がどうなっているかを聞いてみてください。

Q. 中学の勉強が抜けています。ついていけますか?

A. 中学の内容から個別に戻れるサポート校があります。入学前の相談で「どこから始められるか」を聞いてみてください。答えが曖昧な学校は、入学後も曖昧なままになりがちです。

Q. 通信制高校を卒業したあと、大学に行けますか?

A. 行けます。高校卒業資格は全日制と同じものです。令和6年度間に通信制高校を卒業した人のうち、28.6%が大学等に、22.9%が専門学校に進んでいます。進路の考え方は進路・キャリア支援にまとめています。

Q. 高校からやり直せますか?

A. 中学の人間関係を知らない人ばかりの環境になるので、「過去を知られていない」ことが助けになる生徒は多くいます。ただし全員がそうなるわけではありません。通えなかった日があっても続けられる形かどうかを、一緒に見てあげてください。

Q. 高校でもまた不登校になったらどうなりますか?

A. 通信制高校なら、毎日の出席ではなくレポートとスクーリングで単位を取るので、休んだ日があっても続けられます。全日制や定時制から通信制高校へ転入する道もあります。

Q. 高等専修学校でも、大学に行けますか?

A. 修業年限が3年以上などの基準を満たし、文部科学大臣が指定した課程を修了すれば、大学を受験できます(学校教育法施行規則第150条第3号)。指定を受けているかは、学校の募集要項で確かめられます。

まとめ:中学で休んだ日々は、高校の入口を閉じません

  • 中学で不登校でも、高校には進学できる
  • 公立高校で欠席日数や内申点をどう扱うかは、都道府県の決まりで違う(東京は調査書に欠席欄なし、神奈川は長期欠席の申請あり、大阪は総合点に欠席日数の項目なし)
  • 通信制高校の多くは学力試験がなく、323校のうち学力検査を行うのは91校
  • 選ぶ基準は「今行けるか」ではなく「調子が悪い日があっても続けられるか」
  • 本人が動けないうちは、保護者だけで情報を集めておけばいい

中学で学校に行けなかった時間は、なかったことにしなくて大丈夫です。休むしかなかった時期があったから、自分に合う学び方を考えるきっかけができた、という人もいます。

進路は、一度決めたら変えられないものではありません。高校に入ってから形を変えることもできます。焦らず、選べる道を一つずつ並べていきましょう。

出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」「令和7年度 通信制高等学校実態調査」「学校基本調査」、東京都・神奈川県・大阪府の令和9年度 公立高等学校入学者選抜の資料。

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通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。


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