カレンダーを見るのがこわい。9月のことを考えると、みぞおちのあたりが重くなる。周りは普通に戻っていくのに、自分だけ準備ができていない気がする。——そう感じているなら、この記事はあなたに向けて書いています。
あと何日休めるかが気になっているなら、高校 欠席日数の上限に全国共通の決まりは無いことと、自分の学校の基準の確かめ方をまとめた記事があります。
最初に、いちばん大事なことを書きます。夏休みが終わるのが怖いのは、あなたの気持ちが弱いからではありません。それは国の統計にはっきり出ている現象で、あなたひとりの問題ではないからです。この記事では、その数字を実際に開いて確認したうえで、いま選べる道を4つ並べます。
もうひとつ、先に書いておきます。9月1日さえ乗り切れば大丈夫、という話ではありません。数字を見ると、山場はもっと長く続いています。だから「気合いで1日だけ耐える」ではなく、「この先3か月をどう組み立てるか」で考えたほうが、結果的に楽になります。
結論:夏休みが終わるのが怖いときに、今日からできること
- 怖さは統計に出ています。令和6年の小中高生の自殺者数は月別で9月が最多(59人)でした。あなただけの弱さではありません。
- 9月1日は通過点です。令和5年は10月が最多(61人)でした。1日耐える発想ではなく、数か月の設計で考えてください。
- 行かない日をつくっても、高校は終わりません。ただし病気の欠席は「欠席日数」として残るので、科目ごとの欠課時数だけは把握しておいてください。
- 在籍したまま家で単位を積める制度があります(学校教育法施行規則第88条の4)。不登校が理由なら合計36単位まで、療養が理由なら上限によらないことができます。
- 学校を変えても、1年生からやり直しにはなりません。修得した単位に応じて相当学年に転入できます(同規則第92条第2項)。
- 年度の途中でも動けます。学期の区分に従って入学の許可や卒業の認定ができると条文に書かれています(同規則第104条第3項)。
- 今日つらいなら、制度より先に電話してください。24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310(無料・24時間)。
怖いのは、あなたが弱いからではありません|9月は統計に出ています
厚生労働省と警察庁が公表している「令和6年中における自殺の状況」(令和7年3月28日)を実際に開いて、小中高生の月別の数字を確認しました。
| 月 | 令和6年 | 令和5年 |
|---|---|---|
| 7月 | 49人 | 43人 |
| 8月 | 40人 | 52人 |
| 9月 | 59人(年間最多) | 54人 |
| 10月 | 45人 | 61人(年間最多) |
| 年間合計 | 529人 | 513人 |
令和6年の小中高生の自殺者数は529人で、統計のある1980年以降でもっとも多くなりました。そのなかで、9月が59人と月別で最多です。
もっと長い期間で見たデータもあります。内閣府が過去約40年分の人口動態調査の調査票を独自に集計した結果(平成27年版自殺対策白書)では、18歳以下の自殺は日付別に見ると9月1日がもっとも多く、次いで4月上旬でした。どちらも長期休みが明ける直前・直後です。
この数字をあなたに見てほしい理由は、脅かすためではありません。逆です。あなたが感じている「9月が怖い」という感覚は、何万人もの人が同じように感じてきた、説明のつく現象だと知ってほしいからです。自分の性格の問題だと思っていると、対処のしようがありません。でも、時期の問題だと分かれば、時期に合わせた手が打てます。
※出典:厚生労働省自殺対策推進室・警察庁生活安全局「令和6年中における自殺の状況」(2025年3月28日公表)/内閣府「平成27年版自殺対策白書」。2026年9月時点の情報です。

9月1日を越えても終わりません|令和5年は10月がいちばん多かった
ここが、他の記事にあまり書かれていないところです。
「9月1日問題」という言葉が広まったこともあって、9月1日さえ乗り切れば山を越えると思われがちです。でも、さっきの表をもう一度見てください。令和5年は、9月(54人)より10月(61人)のほうが多かったのです。令和6年も、10月は45人で7月・8月より多い水準でした。
何が起きているのか。おそらく、こういうことです。9月1日は気合いで行けてしまう人が多い。まわりも「久しぶり」と声をかけてくれるし、行事もある。ところが9月の後半から10月にかけて、日常が戻ってきます。課題がたまり、中間考査が来て、「やっぱり無理だった」という事実だけが積み上がる。そこで力尽きる。
だから提案です。9月1日をゴールにしないでください。「1日だけ頑張る」計画は、ほぼ確実に10月に破綻します。代わりに、10月末までの2か月をどう過ごすかで考えてください。そう考えると、自然と「毎日行く前提」以外の選択肢が要る、という結論になります。
「行けない」と「行きたくない」は違います|体に出ているサイン
自分がどちらなのか分からない、という人が多いので、目安を書いておきます。
| サイン | 意味するもの | 目安 |
|---|---|---|
| 朝、起きようとすると吐き気・腹痛・頭痛が出る | 体が先に反応している | 休日には出ないなら、環境の影響が大きい |
| 夜眠れない/朝どうしても起きられない | 睡眠のリズムが崩れている | 2週間以上続くなら相談を |
| 好きだったことが楽しくない | 気分の落ち込みが広がっている | 2週間以上続くなら相談を |
| 「消えたい」と思う時間がある | 今日つらい状態 | その日のうちに誰かに言ってほしい |
大事なのは1行目です。体の症状が出ているなら、それは意志の問題ではありません。気合いを入れれば治るものではないので、気合いで解決しようとするほど、自分を責める材料が増えていきます。
見分け方をもう1つ書いておきます。休日や長期休みのあいだは症状が出ないのに、登校日の朝だけ出るなら、原因はあなたの体そのものではなく、行く先の環境にある可能性が高いと考えられます。逆に、休みの日も一日じゅう起きられない、何も楽しめない、食欲が戻らない、という状態が2週間以上続いているなら、環境を変えるより先に医療につながったほうが回復が早いことがあります。
どちらなのかを自分で診断する必要はありません。ここで言いたいのは、「原因が自分の性格にある」という3つ目の選択肢だけは、たいてい間違っているということです。環境か、体調か、その両方か。性格ではありません。
そして4行目。もし当てはまるなら、この記事の続きを読むより先に電話してください。24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310(無料・24時間・全国どこからでも)。名前を言わなくても話せます。厚生労働省「まもろうよ こころ」には、電話が苦手な人向けのSNS相談の窓口もまとまっています。

9月1日の朝、どうしても動けなかったときの最短の手
当日の朝に使える、現実的な手順を書いておきます。ここは理想論を書いても意味がないので、実際に動く順番だけにします。
- 行かない、と決めてしまう。迷ったまま布団の中で時間が過ぎるのが、いちばん消耗します。
- 親か学校のどちらかに、事実だけ伝える。「今日は行けません」で十分です。理由は言わなくてかまいません。
- その日のうちに、次のどれか1つだけやる。保健室の先生にメールする/スクールカウンセラーの予約を取る/この記事の最後にある窓口に電話する。
- 明日のことは、今日決めない。
4番目を軽く見ないでください。「明日は行けそう?」と自分に問い続けると、毎晩が判定の時間になります。判定をやめると、眠れるようになることがあります。
学校に行けていない高校生は、全国に67,782人います
「自分だけが取り残されている」と感じているなら、この数字も見ておいてください。文部科学省が2025年10月29日に公表した「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」によると、高等学校の不登校生徒数は67,782人、生徒1,000人あたり23.3人でした。
| 区分 | 令和6年度 | 前年度 | 1,000人あたり |
|---|---|---|---|
| 高等学校 | 67,782人 | 68,770人 | 23.3人 |
| 小・中学校 | 353,970人(過去最多) | 346,482人 | 38.6人 |
1,000人あたり23.3人ということは、だいたい学年に十数人、学校全体では数十人が同じ状態にいる計算になります。あなたの教室で見えていないだけです。見えないのは、みんな言わないからです。
そして、この人数がいるからこそ、次に書く制度が用意されています。「行けない人がいる前提」で法令が作られているということです。あなたの状態は、制度の想定外ではありません。
※2026年9月時点で公表されている最新年度の調査です。

今の高校に在籍したまま使える3つの手
学校を辞める・変える、の前に、在籍したまま使える手が3つあります。どれも学校側の判断が必要ですが、聞いてみる価値はあります。
| 手 | 内容 | 誰に言うか |
|---|---|---|
| 保健室・別室登校 | 教室に入らずに校内で過ごす。学校によっては出席として扱われる | 担任/養護教諭 |
| 短時間登校 | 1〜2時間だけ、あるいは放課後だけ行く | 担任 |
| 自宅での履修 | 遠隔授業や通信教育で単位を積む(次の節で詳しく) | 担任/教頭 |
3つ目には法令の根拠があります。学校教育法施行規則を確認したところ、こう書かれていました。
第八十八条の四 高等学校は、学校生活への適応が困難であるため、相当の期間高等学校を欠席し引き続き欠席すると認められる生徒、疾病による療養のため又は障害のため、相当の期間高等学校を欠席すると認められる生徒その他特別の事情を有する生徒を対象として、教育上有益と認めるときは、授業に代えて通信教育を行うことができる。
ただし、正直な注意点を2つ書きます。
- 理由によって上限が変わります。不登校(学校生活への適応が困難)を理由にする場合は、卒業に必要な74単位のうち合計36単位までです(同規則第96条第3項)。一方、疾病による療養や障害が理由なら、この上限によらないことができます(同第96条第4項)。文部科学省の通知も「病気療養中等の生徒に対する遠隔授業及び通信教育については、単位数の制限無く行うことができる」としています(5文科初第2030号・令和6年2月13日)。
- 学校がやると決めなければ動きません。条文は「行うことができる」であって、「行わなければならない」ではありません。
だから、聞き方が大事です。「休ませてください」ではなく、「施行規則第88条の4の通信教育を実施した例はありますか」と条番号で聞いてみてください。前例があるかどうかで、その先の話が変わります。
学校を変えるという選択肢は、逃げではありません|条文で確認しました
「転校=逃げ」と感じている人が多いので、ここは制度の話として書きます。
通信制高校への転入について、いちばん多い誤解は「転校したら1年生からやり直し」です。条文を確認すると、そうはなっていません。
第九十二条第2項 全日制の課程、定時制の課程及び通信制の課程相互の間の転学又は転籍については、修得した単位に応じて、相当学年に転入することができる。
もうひとつ、「年度の切り替わりまで待たないと動けない」という誤解もあります。これも条文が否定しています。
第百四条第3項 校長は、特別の必要があり、かつ、教育上支障がないときは、(中略)学年の途中においても、学期の区分に従い、入学を許可し並びに各学年の課程の修了及び卒業を認めることができる。
| よくある思い込み | 条文が定めていること | 根拠 |
|---|---|---|
| 転校すると1年生からやり直し | 修得した単位に応じて相当学年に転入できる | 施行規則 第92条第2項 |
| 4月まで動けない | 学年の途中でも、学期の区分に従って入学を許可できる | 施行規則 第104条第3項 |
| 転校すると卒業が1年遅れる | 卒業の要件は74単位以上の修得。学年ではなく単位で決まる | 施行規則 第96条第1項 |
ここも正直に書きます。受け入れの時期や、単位をどこまで引き継げるかは、受け入れ先の学校ごとに違います。法令は「できる」と定めているだけで、各校の定員や履修計画によって実際の扱いは変わります。気になる学校があれば、直接確認してみてください。
転校しても卒業が遅れないのは、どんなときか
いちばん知りたいのはここだと思います。整理すると、判断材料は次の3つです。
| 確認すること | 誰に聞くか | どう効くか |
|---|---|---|
| 今までに修得した単位数 | 今の高校の担任・教務 | そのまま持ち越せる分 |
| 今年度、履修中で修得できそうな科目 | 同上 | 年度途中に動くと落ちる分 |
| 科目ごとの欠課時数 | 同上 | このまま在籍した場合に残せる単位 |
大まかな目安としては、年度の途中で動く場合、いま履修中の科目は修得できずに終わることが多いです。逆に言えば、前年度までに積んだ単位は残ります。だから「もう少しで前期の単位が取れそう」なら学期の区切りまで粘る、「どの科目も欠課が上限に近い」なら早く動く、という判断になります。
詳しい違いは通信制高校 転入と編入の記事に、お金の話は通信制高校 安いのはどこかの記事にまとめています。欠課の数え方は高校 欠席日数の記事です。
親に言えないときの、伝え方のひな型
「親に心配をかけたくない」「怒られるのが怖い」という理由で、ひとりで抱えている人が多いです。言いやすくするために、伝え方を用意しました。口で言えないなら、そのまま書いて渡してもかまいません。
「9月から学校に行くのがしんどいです。さぼりたいんじゃなくて、朝になると体が動かなくなります。学校を辞めたいわけじゃないけど、休む日があるかもしれません。担任の先生に、科目ごとの欠課時数を聞いてもらえませんか」
このひな型には、意図があります。
- さぼりではないと先に言うので、親が最初に浮かべる疑いを外せます。
- 辞めたいわけではないと言うので、話が「退学するのか」に飛びません。
- お願いを1つだけにするので、親が何をすればいいか分かります。
もし親に言えないなら、保健室の先生でも、部活の顧問でも、誰か1人でかまいません。ひとりで抱えないことだけが目的なので、相手は誰でも大丈夫です。
相談できる場所(費用と匿名の可否)
| 窓口 | 費用 | 匿名で話せるか |
|---|---|---|
| 24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310 | 無料 | 話せます |
| こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556 | 通話料のみ | 話せます |
| スクールカウンセラー(在籍校) | 無料 | 校内では名前が必要 |
| 保健室(養護教諭) | 無料 | 同上 |
| 精神保健福祉センター(都道府県・政令市) | 無料 | 相談は可能 |
電話が苦手な人は、厚生労働省「まもろうよ こころ」からSNS相談を選べます。文字のほうが話しやすい人はこちらでかまいません。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- 今週:担任か教務に、科目ごとの欠課時数と、これまでに修得した単位数を聞く。言いにくければ保護者から聞いてもらう。
- 2週間以内:保健室・別室登校・短時間登校・自宅での履修のうち、使えそうなものがあるか学校に確認する。
- 10月末まで:①このまま在籍を続ける ②在籍したまま通い方を変える ③学校を変える の3つを、数字を見ながら比べる。
NIJIN高等学院は通信制高校のサポート校です。オンライン中心で、カメラとマイクをオフにして、チャットだけの参加から始められます。生活リズムに波があっても続けられるように作っています。正直にお伝えすると、学院そのものは高校ではないので、提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です(その支援は行います)。運営は株式会社NIJINで、小中学生向けにはNIJINアカデミーも運営しています。

10月末までの過ごし方を、一緒に組み立てられます
個別相談会では、いま修得している単位と欠課時数をもとに、在籍したまま通い方を変える案と、学校を変える案を並べて比べます。まだ何も決めていない段階でも、保護者の方だけでもかまいません。
個別相談会を見てみる →よくある質問
Q. 9月1日だけ行けば、あとは何とかなりますか?
A. 統計を見る限り、そうとは言えません。令和5年は9月より10月のほうが多く、令和6年も10月は夏より高い水準でした。1日だけの計画ではなく、10月末までの過ごし方で考えることをおすすめします。
Q. 休んだら留年しますか?
A. 日数だけでは決まりません。多くの高校は科目ごとの欠課時数で判断していて、その上限は学校の教務規定によって違います(3分の1や5分の1など)。まず科目ごとの残り時数を確認してください。
Q. 親が転校に反対しています。
A. 反対の理由はたいてい「卒業が遅れる」「お金がかかる」の2つです。この記事の条文(第92条第2項・第104条第3項)を見せると、少なくとも前者の誤解は解けることがあります。
Q. 学期の途中でも転入できますか?
A. 制度としてはできます(施行規則第104条第3項)。ただし受け入れ時期は学校ごとに違うので、志望する学校に直接確認してください。
Q. 学校に行けていないのは自分だけな気がします。
A. 令和6年度の文部科学省の調査では、高等学校の不登校生徒数は67,782人、生徒1,000人あたり23.3人でした。学年に何人かはいる、という規模です。

卒業は74単位で決まります。9月1日で決まるわけではありません。
全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付
通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。
9月1日は、あなたの一年を決める日ではありません
ここまで数字と条文の話をしてきました。最後に、数字ではないことを書きます。
夏休みの終わりが怖いとき、頭の中では「9月1日に行けるかどうか」で自分の価値が決まるような気がします。でも実際には、高校を卒業できるかどうかは74単位で決まり、その74単位の積み方には何通りもあります。9月1日は、その何通りかのうちの、たった1日です。
行けたら、それでいい。行けなかったら、この記事に書いた順番で、次の1つだけをやってください。どちらでも道は残ります。
選択肢を一緒に並べるところからやりたいと思ったら、私たちの個別相談会を使ってください。保護者の方だけでも、まだ何も決めていない段階でもかまいません。無理にお勧めすることはありません。

