文化祭、体育祭、修学旅行、合唱コンクール。「行事の日だけ休ませたい」「体調や気持ちが不安で参加できないかもしれない」というとき、いちばん気になるのは「成績や単位に響くのでは」という点ではないでしょうか。
先に結論です。学校行事を1回休んだだけで、教科の成績が下がったり、単位が取れなくなったりするのは、ふつうはありません。ただし「出席日数」には数えられるので、休みが重なると間接的に影響が出ることがあります。
この記事では、成績・単位・出席日数がそれぞれどう扱われるのか、出席扱いになるケース、行事の種類ごとの注意点、休む前に学校へ伝えておきたいことを整理します。
※行事そのものがしんどくて休みたい、という場合のことも後半で扱います。一人で抱え込まず、担任の先生や学校の相談窓口、記事末尾の相談先も使ってください。
結論の早見
- 教科の成績(5段階):行事の欠席そのものは、評定の対象外です。
- 単位:教科・科目の単位は、授業の出席と成績で決まります。行事の欠席は直接は関わりません(学校の規程による)。
- 出席日数:行事の日も授業日なので、原則「欠席1日」に数えられます。影響の本体はここです。
- 出席扱いになるケース:忌引き、感染症などによる出席停止、校長が認めた行事参加などがあります。
- 間接的に響く場面:行事の練習が授業内で評価される場合、ホームルームの出席が進級条件に入っている場合、推薦入試の調査書などです。
- 確認先:細かい扱いは学校ごとに違います。生徒手帳の「教務規程」「履修規程」で確認できます。
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1. 成績・単位・出席日数は、別々の仕組み
「行事を休む」と何が起きるのかは、三つに分けて考えるとわかりやすくなります。混ぜて考えると、必要以上に不安が大きくなってしまいます。
① 教科の成績(評定)
国語や数学などの5段階評定は、授業の取り組みや定期テストなどをもとにつけられます。学校行事は教科ではなく、「特別活動」という領域です。学習指導要領では、特別活動はホームルーム活動、生徒会活動、学校行事の三つで構成されています。
高校の指導要録では、特別活動の記録は数字ではなく、学校が定めた評価の観点に照らして十分満足できる場合に「〇」をつける形です(神奈川県教育委員会の資料)。行事に出なかったことで、教科の評定が下がる仕組みにはなっていません。
② 単位
高校を卒業するには、74単位以上の修得が必要です(学校教育法施行規則第96条)。単位は、科目ごとに「履修(出席)」と「修得(成績)」の二段階で認定されます。
履修の条件は、「その科目の授業時数の3分の2以上に出席すること」とする学校が多く、詳しくは各校の規程で決まっています。修得は、学年末の評定が「2」以上などの条件です。この時数は教科の授業で数えるので、行事の欠席は基本的に別の話です。
③ 出席日数
行事の日も「出席すべき日数」に入ります。休めば欠席1日です。進級や卒業の条件に、「出席日数が出席すべき日数の3分の2以上」のように日数の基準を置く学校もあります。行事を休むことの影響は、主にこの出席日数を通して出てきます。

| 項目 | 行事を1回休んだときの影響 | 目安 |
|---|---|---|
| 教科の成績(5段階) | 原則なし | 行事は特別活動で、評定の対象外 |
| 単位(履修・修得) | 原則なし | 科目の授業時数と評定で判定(学校規程) |
| 出席日数 | 欠席1日に数えられる | 休みが重なると進級・卒業の基準に近づく |
| 特別活動の記録 | 「〇」がつかない可能性 | 数値の評定ではない |
出典:文部科学省「指導要録」の通知、学校教育法施行規則第96条、各都道府県立高校の教務規程。取扱いは学校ごとに異なります。
2. 欠席にならない(出席扱いになる)ケース
休んでも、欠席日数に数えない扱いがあります。
- 忌引き:父母は連続7日、祖父母・きょうだいは連続3日などと、学校が日数を定めていることが多いです。
- 出席停止:インフルエンザなどの学校感染症で、校長が出席停止とした日です。
- 非常変災など:地震・台風・交通機関の事故など、本人や保護者の責任ではない理由で登校できなかった日です。
- 校長が認めた行事への参加:部活動の大会、文化的なコンクールなど、教育活動の一環として認められる場合は出席扱い(公欠)になることがあります。
これらは、文部科学省の指導要録に関する通知で「校長が出席しなくてもよいと認めた日数」などとして整理されています。
ただし、認められる範囲は学校ごとに違います。たとえば、通院、家庭の事情、進学・就職試験のための欠席を公欠にできるかどうかは、学校の規程しだいです。「これは欠席になるのか、公欠になるのか」は、休む前に担任の先生へ確認するのがいちばん確実です。あとから「欠席扱いだった」とわかると、出席日数の計算が変わってしまうからです。
3. 行事の種類別に見ると
同じ「行事」でも、中身によって気をつけたい点が少しずつ違います。
文化祭・合唱コンクール
当日は授業がなく、欠席1日として数えられるのが一般的です。準備期間にホームルームや授業の一部を使う学校では、その時間に休んだ分が、通常の欠課として数えられることがあります。クラスの役割分担があるときは、休む理由を先生に伝えておくと、当日の役割の調整もしてもらいやすくなります。
体育祭・球技大会
当日の欠席は、出席日数に数えられます。種目の練習を体育の授業で行う学校では、その練習の取り組みが体育の評価に含まれることがあります。当日参加が評定に直結することは一般的ではありませんが、授業の中の評価がある場合は、先生に確認しておくと安心です。
修学旅行・校外学習
宿泊を伴うため、欠席が複数日になることがあります。その分、出席日数に与える影響も大きくなります。代替の課題や、別日の活動を求める学校もあります。費用の取り扱い(キャンセル料の有無)も、早めに確認したいところです。
遠足・見学・社会科見学
1日行事が多く、欠席は1日として数えられます。行事後にレポート提出がある場合は、休んでも提出を求められることがあるので、あわせて確認してください。
入学式・卒業式などの儀式的行事
卒業式は、参加の有無と卒業の認定は別です。ただし、欠席の理由を事前に学校へ伝えておくことが大切です。
いずれの場合も、「この行事は出席日数に入るのか」「授業の中で評価されるものはあるのか」の二点を、担任の先生に聞いておけば大丈夫です。
4. 間接的に響きやすい3つのところ
「評定・単位には直接関係しない」といっても、まったく影響ゼロとは限りません。気をつけたいのは次の3つです。
① 行事の準備が授業の中で評価される場合
体育祭の種目練習を体育の授業で行う、合唱コンクールの練習を音楽の授業で行う、といった学校があります。その授業の時間を休むと、通常の授業の欠課になります。欠課が積み重なると、科目の履修の条件(3分の2以上の出席)に近づいてしまうので、数えておくことをおすすめします。
② ホームルームや特別活動の出席が、進級条件に入っている学校
学校によっては、ホームルームの欠課時数が一定を超えないことを進級の条件にしています。行事の多い時期に休みが続くと、この基準に近づくことがあります。たとえば、ホームルームの欠課時数が出席すべき時数の3分の1未満であること、といった規程を置く学校もあります。
③ 推薦入試や調査書
高校の調査書には、欠席日数の記録があります。大学の推薦型選抜や総合型選抜では、参考にされる場合があります。指定校推薦の校内選考では「3年間で10日以内」が目安と言われることもあります(民間の進学情報サイトによる目安で、学校・大学ごとに基準は異なります)。
1回の行事を休んだだけで不利になることは考えにくいものの、欠席が積み重なっている時期は、進路指導の先生へ早めに相談しておくと安心です。
5. 迷いやすい3つの場面
実際には、「これは欠席になるの?」と迷う場面がいくつかあります。よくある3つを見てみます。
場面① 前日からの体調不良で、体育祭を休む
当日の欠席は、欠席1日として数えられるのが一般的です。診断書が必要かどうかは学校によって違うので、連絡のときにあわせて確認しましょう。また、種目の練習が体育の授業の中にあった場合は、その時間の欠課の扱いも聞いておくと安心です。
場面② 家族の法事や冠婚葬祭で休む
忌引きの対象になるのは、学校が定めた親族の範囲と日数です。父母は連続7日、祖父母・きょうだいは連続3日といった規程が多く、それ以外の親族や法事は、学校の規程で扱いが分かれます。行事の日と重なりそうなときは、早めに連絡しておくと調整してもらいやすくなります。
場面③ 部活動の大会と学校行事が重なる
高体連・高文連などが主催する公式の大会に、学校の教育活動として参加する場合は、校長が認めれば出席扱い(公欠)になることがあります。ただし、どの大会が対象になるかは学校ごとの規程しだいです。顧問の先生と担任の先生の両方に、早めに伝えておきましょう。
6. 休む前にやっておきたいこと
保護者のみなさんへ
- 欠席の理由は、担任の先生へ具体的に伝えましょう。「体調不良」「通院」「家庭の事情」など、理由によって扱いが変わることがあります。
- 生徒手帳の教務規程で、「欠席の扱い」「公欠になる条件」「進級の出席基準」を確認しておきましょう。
- 当日の課題、代替の活動、別日の参加があるかを、先生に聞いてみましょう。
- 診断書や通院の記録が必要かどうかも、あわせて確認しておくと、あとで慌てずにすみます。
本人のみなさんへ
- 休むこと自体は、悪いことではありません。大事なのは、連絡を入れて、あとで先生と話せる状態にしておくことです。
- 「全部休む」か「全部出る」かで決めなくて大丈夫です。途中まで参加する、別室で過ごす、準備だけ手伝うなど、学校と相談できる方法もあります。
- クラスの友達には、先生を通して伝えてもらう方法もあります。自分で説明しなくても大丈夫です。
学校への連絡のしかた(例)
電話でも連絡帳でも、次の4点が入っていれば伝わります。
- 休みたい行事の名前と日付
- 休む理由(体調、通院、気持ちの面など、話せる範囲で)
- 出席日数や成績への影響で、確認したいこと
- 代わりの参加方法があるかどうか
たとえば、こんなふうに伝えます。
来週の体育祭を、体調面の不安から休ませたいと考えています。出席日数の扱いと、体育の評価への影響を教えていただけますか。また、別室での参加など、ほかの方法があれば相談したいです。
7. 学校の規程で確認したい5つのポイント
「学校によって違う」と言われても、何を見ればよいのかわからない、という方も多いと思います。生徒手帳や学校のウェブサイトにある規程で、次の5点を確認してみてください。
- 出席停止・忌引き・公欠の扱い:どんな理由なら、欠席にならないか
- 履修認定の基準:科目の出席が、授業時数の何分の何以上必要か
- 進級の条件:出席日数やホームルームの出席に、基準があるか
- 特別活動・行事の扱い:欠席したときの代替課題があるか
- 追認・補習の制度:基準に届かなかったとき、救済の方法があるか
規程の文章は難しく感じますが、わからない部分は、そのまま担任の先生に聞いて大丈夫です。「規程のここを読んで、こう理解しましたが合っていますか」と聞くと、話が早く進みます。
8. 学校との相談の進め方
「先生に相談しづらい」と感じる方も多いと思います。順番を決めておくと、気持ちの負担が少なくなります。
- 規程を先に読む:生徒手帳の教務規程で、出席停止・公欠・進級の基準をざっと確認します。
- 担任の先生に連絡する:前の章の4点(行事名と日付、理由、確認したいこと、代わりの方法)を伝えます。
- 決まったことを残す:欠席の扱い、代替課題の有無などは、連絡帳やメールなど、あとで見返せる形で残しておきます。
- 必要に応じて、ほかの先生にも相談する:養護教諭、スクールカウンセラー、学年主任、進路指導の先生など、理由に合う窓口があります。
- 欠席日数を、学期ごとに自分でも数える:通知表の欠席日数と照らし合わせると、ずれに早く気づけます。
相談の目的は、「休みを認めてもらうこと」だけではありません。休んだあとの見通しを、学校と家庭で同じにしておくことです。見通しが合っていれば、あとから「聞いていなかった」という行き違いも減らせます。
9. 行事そのものがつらいとき
集団行動や人混み、大きな音が苦手で、行事の日が近づくと朝から具合が悪くなる。そんなお子さんもいます。これは、甘えや根性の問題とは限りません。
くわしくは「文化祭・体育祭に行きたくない高校生へ|行事がしんどいのは甘えじゃない」で書いています。発達特性がある場合の配慮については、「発達障害の高校生、集団行動が苦手なのは親のせい?|行事で頼める配慮」も参考にしてください。
行事のたびに休みが続き、出席日数が心配になってきたときは、学校との相談に加えて、環境そのものを見直す選択肢もあります。通信制高校やサポート校では、行事への参加を選べる学校も多くあります。「通信制高校の「行事への参加」は必須か」で、通信制の行事の扱いを紹介しています。
今の学校を続けるか、別の形を考えるか。どちらが正しいということはなく、お子さんが安心して通える形を選ぶことが大切です。
10. 全日制と、通信制・サポート校の違い
行事のたびに出席や成績の心配が重なるとき、仕組みそのものが異なる学校を知っておくと、選択肢が広がります。大まかな違いを表にまとめます。
| 項目 | 全日制高校 | 通信制高校・サポート校 |
|---|---|---|
| 単位の取り方 | 毎日の授業への出席と成績 | レポート提出・スクーリング・試験が中心 |
| 出席日数 | 毎日の出欠が記録され、基準がある学校が多い | 毎日の登校が前提ではない(学校による) |
| 行事への参加 | クラス全員で同じ日に行うのが基本 | 参加方法を選べる学校が多い(学校による) |
| 特別活動 | ホームルーム・学校行事など | 一般に30単位時間以上の参加が必要(形は学校ごと) |
出典:文部科学省「高等学校学習指導要領」、各通信制高校・サポート校の公表情報。内容は学校ごとに異なるため、志望校の募集要項で確認してください。
ここで気をつけたいのは、「通信制なら行事に出なくてよい」とは限らない点です。通信制でも特別活動への参加は必要で、その形が学校ごとに違います。また、サポート校は、提携する通信制高校で高校卒業の資格を取り、その学習や生活を支える仕組みです。学費が二重にかかる場合があるので、こちらも募集要項で確かめてください。
行事の扱いや通信制の仕組みについては、「通信制高校の「行事への参加」は必須か」もあわせてご覧ください。
よくある質問
修学旅行を休むと、卒業できなくなりますか?
修学旅行は特別活動(学校行事)のひとつです。修学旅行を1回休んだだけで卒業できなくなる、という設計の学校は一般的ではありません。ただし、代替の課題や活動を求める学校もあります。卒業の要件は学校の規程で決まるので、担任の先生に確認してください。
体育祭を休むと、体育の成績は下がりますか?
体育祭の当日参加が直接「体育の評定」に入る仕組みは、一般的ではありません。ただし、種目の練習を体育の授業で行い、その取り組みを評価に含める学校はあります。授業で休んだ分の扱いを、先生に確認すると安心です。
行事だけ休むのは「不登校」になりますか?
行事の日だけの欠席は、ふつう不登校とは呼びません。ただし、行事のたびに休みが続いたり、行事の前後も登校しづらくなったりしている場合は、早めに担任の先生やスクールカウンセラーへ相談してみてください。
欠席日数は、大学入試にどう影響しますか?
一般選抜では、欠席日数が合否に直接関わることは多くありません。推薦型選抜や総合型選抜では、調査書の欠席日数が参考にされる場合があります。志望校の募集要項と、高校の進路指導の先生への確認がいちばん確実です。
体調不良で休んだ場合、診断書は必要ですか?
必要かどうかは学校によって違います。連続して休む場合に、診断書や医師の意見書を求める学校もあります。出席停止になる感染症の場合は、治癒証明などが必要になることもあります。休む前に、学校の決まりを確認しておきましょう。
行事を休んだら、補習や課題は必ず出ますか?
必ず出るわけではありません。修学旅行のように、学びの内容を補う目的で、レポートなどの代替課題を求める学校はあります。休む前に「課題はありますか」と聞いておくと、提出期限にも余裕を持てます。
遅刻や早退で行事に参加した場合は、欠席になりますか?
一日の途中から参加した場合は、欠席ではなく、遅刻や早退として記録されるのが一般的です。ただし、授業の時間に重なると、遅刻・早退を数回まとめて1時間の欠課に数える学校もあります。積み重なると履修の条件に影響するので、規程で確認してください。
兄弟の行事や、家族の用事で休むのは欠席になりますか?
忌引きのように規程で決まった理由を除けば、家庭の事情は欠席として扱う学校が多いです。ただし、何を公欠にできるかは学校が決めています。事前に理由を伝えて、扱いを確認しておきましょう。
悩みを一人で抱え込まないために
学校に話しづらいときは、文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310、通話無料)が使えます。電話をかけた場所の教育委員会の相談機関につながり、保護者からの相談も受けつけています。
NIJIN高等学院でも、転校や進路の個別相談を受けつけています。「今の学校を続けながら考えたい」という段階でも大丈夫です。
参考文献
- 文部科学省「小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」別紙3
- 文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」
- 学校教育法施行規則第96条
- 神奈川県教育委員会「高等学校における特別活動の記録」資料
- 各都道府県立高校の教務規程(出席停止・忌引き・履修認定の事例)
執筆者:ニジ高編集部 2026年10月1日


