「通信制高校は、公立と私立のどっちがいいの?」。調べ始めると、ほとんどの方が最初にここで迷います。学費の安さで公立に傾いたり、通い方の選びやすさで私立に傾いたりして、決め手が見つからないまま時間だけが過ぎていく。そんな声をよく聞きます。
先に結論を書きます。公立と私立の違いは「学費」だけではありません。国の調査で並べると、通い方の選択肢・生徒の年齢層・3年で卒業する人の割合・相談の体制に、はっきりした差があります。公立は授業料がとても安い一方で、自分で学習を進める力が求められやすく、私立は通い方を選びやすい一方で、学校ごとの差と費用の幅が大きくなります。どちらが上ということではなく、お子さんに必要なものがどちらにあるかで決まります。
この記事では、文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」と「学校基本調査」(令和7年度)、東京都・神奈川県の教育委員会や県の公式ページを実際に開いて、公立と私立の違いを数字で整理しました。確認できなかったことは、確認できなかったと書いています。
毎日の通学が難しい場合は、オンラインという選択肢もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、全国の仲間とオンラインでつながり、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事に挑戦できます。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、全国にNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のリアルの教室があり、リアルでの通学もご検討いただけます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です。どんな学校なのかは、校長・星野達郎のYouTubeでも見られます。
結論:通信制高校の私立と公立の違いの早見
- 学校の数は私立が多い。全国323校のうち公立は81校、私立は227校、株式会社立は15校です。在籍する生徒の約8割は私立と株式会社立の学校にいます。
- 公立は授業料が安い。額は都道府県で違い、都立は1単位336円、神奈川県立は1単位350円、山口県立は1単位100円などです。私立の授業料は学校ごとに違い、国の就学支援金(私立は1単位13,668円・年337,200円まで、2026年度から所得制限なし)を引いた残りと、授業料以外の費用が自己負担になります。
- 通い方の選択肢は私立が広い。週5日通うコースを開いている公立は81校中1校だけで、私立は227校中82校です。公立は週1日や月数回の登校が中心です。
- 公立は入れる地域が決まっていることが多い。公立81校のうち79校は狭域で、都立なら「都内に住んでいるか勤めている人」が応募の条件です。私立は227校中116校が広域です。
- 3年で卒業した人の割合は私立51.3%、公立33.4%。(2024年度の卒業生のうち、その学校にちょうど3年間在籍していた人の割合)。公立は4年以上在籍している生徒が25.6%いて、20歳以上の生徒が約28%を占めます。時間をかけて自分のペースで学ぶ人が多いことがうかがえます。
- 「私立のほうが相談体制が手厚い」とは言い切れません。スクールカウンセラーに相談できる体制は公立98.8%、私立79.7%の学校が整えています。
- 公立か私立かに加えて、オンライン中心のサポート校(NIJIN高等学院など)と組み合わせる方法もあります。サポート校は高校ではなく、費用は高校の分と別にかかります。
「どっちがいい?」の答えは、学費だけでなく「通い方」と「支えの量」で分かれます
公立と私立を比べるとき、最初に目に入るのは学費の差です。たとえば都立の通信制高校の授業料は、卒業に必要な74単位をすべて取っても24,864円で、私立とは桁が違います。そのため「まず公立を考える」というご家庭は少なくありません。
ただ、通信制高校で本当につまずきやすいのは、入学した後です。通信制高校は、レポート(添削指導)とスクーリング(面接指導)と試験で単位を取り、3年以上の在籍・74単位以上の修得・特別活動30単位時間以上で卒業します。家で学ぶ時間が長いぶん、「レポートを自分で進められるか」「わからないときに誰に聞けるか」「スクーリングの日に家を出られるか」が、卒業までの道のりを大きく左右します。
公立と私立の違いは、まさにこの部分に出ます。公立は「決められた日に学校へ行き、あとは自分で進める」形が基本で、私立は「週に何日通うか」「どこで学ぶか」を選べる学校が多い。だからこそ、学費の差だけで決めると、入学後に「思っていた通い方と違った」となりやすいのです。
この記事では、学費・通い方・入れる地域・卒業までの年数・相談の体制の5つを、一次情報の数字で順番に確かめていきます。自分の状況に近いところを拾いながら読んでみてください。

数字で見ると、全国323校のうち公立は81校。生徒の約8割は私立と株式会社立の学校にいます
文部科学省が2026年8月31日に公表した「令和7年度 通信制高等学校実態調査」は、通信制課程を置く全国323校(2025年5月1日時点で在籍生徒がいる学校)を対象にした調査です。この調査では、学校を「公立」「私立」「株式会社立」の3つに分けて集計しています。
| 項目 | 公立 | 私立 | 株式会社立 |
|---|---|---|---|
| 学校数 | 81校 | 227校 | 15校 |
| うち広域通信制 | 2校 | 116校 | 15校 |
| 在籍生徒数(2025年3月31日) | 58,363人 | 220,125人 | 28,223人 |
| 2025年度の入学者 | 9,969人 | 61,200人 | 6,829人 |
| 入学者のうち中3で不登校だった生徒 | 53.5% | 56.6% | 65.4% |
在籍生徒306,711人のうち、公立の学校にいるのは58,363人で約19%です。残りの約8割は私立と株式会社立の学校に在籍しています。2025年度の入学者で見ると、公立は77,998人中9,969人で約13%にとどまります。
もう1つ目を引くのは、入学者のうち中学3年生のときに不登校だった生徒の割合です。公立でも53.5%、私立は56.6%。公立でも私立でも、入学者の半数以上が中学で学校に通えない時期を経験しています。「通信制は不登校の子が行くところ」という見方には偏りがありますが、「中学で休みがちだった子が少数派になる場所ではない」ことは、数字からも言えます。
なお、文部科学省の「学校基本調査」(令和7年度・2025年5月1日時点)では、通信制課程の生徒数は公立62,008人・私立243,189人です。こちらは公立と私立の2つに分けた統計で、調査の時点や数え方が実態調査と違うため、数字は一致しません。この記事では、公立・私立・株式会社立を分けて比べられる実態調査の数字を中心に使います。
株式会社立は、構造改革特別区域の制度で株式会社が設置した学校です。この記事では、主に「公立」と「私立」を比べ、株式会社立は参考として表に載せています。
公立通信制高校は授業料が安い(額は都道府県で違う)。そのかわり、自分で学習を進める力が求められやすい学校です
公立の通信制高校は、都道府県(一部は市)が設置する学校です。特徴を、東京都と神奈川県の公式情報で具体的に見てみます。
授業料:都立は1単位336円、神奈川県立は1単位350円
東京都教育委員会の「都立高等学校の授業料・入学料」によると、都立の通信制課程は入学料500円、授業料(通信教育受講料)は1単位336円×履修単位数です(2025年4月1日現在)。入学考査料は950円です。卒業に必要な74単位で計算すると、授業料は合計24,864円になります。さらに都は、就学支援金の受給認定を受けた場合は授業料が無料になると案内しています。
神奈川県の「県立高校授業料」では、通信制課程の受講料は1単位350円、平日に登校して履修する場合は1単位700円です。同じ公立でも、都道府県によって金額や仕組みが少しずつ違います。
通い方:スクーリングは年20日前後、土曜日が中心
東京都教育委員会の「令和9年度 都立高等学校 定時制課程・通信制課程 入学案内」によると、都立の通信制3校(一橋・新宿山吹・砂川)では、スクーリングに年間約20〜24日登校し、面接指導日は原則として土曜日です。レポートは、30単位を登録した場合で年間約82〜86通を提出します。NHK高校講座などの動画学習に取り組むことで、登校日数を年5日程度にする「WEB学習」の取り組みもあります。
家から学校までの距離が近ければ、平日は仕事やアルバイト、体調を整える時間にあてながら、土曜日に登校する形が作れます。反対に、平日に通う場所や、毎日声をかけてくれる人が欲しい場合は、公立だけでは足りないことがあります。
入試と入れる地域:学力検査があり、応募は都内在住・在勤が条件
都立の通信制は、前期選抜(2月)と後期選抜(4月)で、国語・数学・英語の3教科を総合した検査を行います。応募できるのは、原則として都内に住んでいるか勤めている人です。実態調査でも、公立81校のうち79校が「狭域」、つまり所在地の都道府県を中心に生徒を受け入れる学校でした。
途中からの入学も、決まった時期に行われます。都立では転学の募集は年3回(3月・8月・12月)、いったん退学した人の編入学(高校で1年相当以上の単位を取った人)の募集は年1回(3月)です。「すぐに転校したい」と思っても、次の募集時期まで待つ必要が出ることがあります。
各都道府県にどの公立通信制高校があるかは、公立 通信制高校 一覧の記事で紹介しています。

私立通信制高校は通い方の選択肢が広い。その分、学費と中身の差も大きくなります
私立の通信制高校は、学校法人が設置する学校です。実態調査では227校のうち116校が広域通信制で、住んでいる都道府県の外からも入学できる学校が半分以上あります。広域と狭域の違いは広域通信制高校とはの記事で詳しく整理しています。
私立の一番の特徴は、通い方の選択肢の多さです。実態調査の「通学頻度別コース」を、公立・私立・株式会社立で並べるとこうなります。
| コース | 公立 | 私立 | 株式会社立 |
|---|---|---|---|
| 週5日通学コース | 1校(333人) | 82校(36,099人) | 7校(1,073人) |
| 週1日通学コース | 39校(19,197人) | 82校(17,213人) | 7校(519人) |
| 集中スクーリングを前提としたコース | 1校(19人) | 98校(68,578人) | 14校(18,364人) |
| その他(月1〜2回・都合の良い日に通学など) | 39校(35,397人) | 82校(60,949人) | 2校(3,376人) |
(数字はコースを開いている学校数と、そのコースの生徒数。正規の教育課程ではない活動のためのコースも含みます)
公立では、週5日通学のコースは81校中1校だけで、生徒は333人です。一方、私立は82校が週5日のコースを開き、36,099人が在籍しています。また、数日間まとめて本校などに通う「集中スクーリング」を前提にしたコースは、私立の98校に68,578人がいて、公立ではほとんど見られません。
通い方を選べることは、生活リズムに波がある人や、人の多い場所が苦手な人にとって大きな意味があります。「最初は月に数回、慣れたら週3日」のように、状態に合わせて変えられる学校もあります。ただし、コースの中身や費用は学校ごとに大きく違うため、「私立」とひとまとめにして比べることはできません。
途中からの入学の受け付け方も、学校ごとに決まっています。たとえばワオ高等学校の公式サイトでは、転入学の受け入れ時期は「随時」、編入学は4月または10月と案内しています(2026年9月確認)。公立のように年に数回の募集時期が決まっている学校とは、動けるタイミングが違うことがあります。転入と編入の違いは通信制高校 転入 編入 違いの記事にまとめています。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。
公立・私立の比較表:8つの項目で並べると、違いがはっきりします
ここまでの内容を、比べやすいように1つの表にまとめます。私立の欄は学校ごとの差が大きいので、「傾向」として読んでください。
| 比べる項目 | 公立通信制高校 | 私立通信制高校 |
|---|---|---|
| 授業料 | 都道府県で違う(都立336円・神奈川県立350円・山口県立100円など)。就学支援金で実質の負担はさらに小さくなる | 学校ごとに違う。就学支援金は1単位13,668円・年337,200円まで。授業料以外の費用も学校ごと |
| 入れる地域 | 81校中79校が狭域。都立は都内に住むか勤める人が応募の条件 | 227校中116校が広域。県外からも入れる学校が多い |
| 通い方 | 週1日や月数回の登校が中心。週5日のコースは1校のみ | 週5日・週1日・集中スクーリング・オンライン中心など幅が広い |
| 入試 | 学力検査を行う学校もある(都立は国数英の検査)。面接67校・書類56校・学力検査15校 | 面接216校・書類163校・作文114校・学力検査72校 |
| 途中からの入学 | 募集時期が決まっていることが多い(都立の転学は年3回) | 学校ごとに決める。随時受け付ける学校もある |
| 生徒の年齢層 | 15〜17歳は約49%。20歳以上が約28% | 15〜17歳が約91%。20歳以上は1.6% |
| 3年で卒業した人 | 33.4%。4年以上在籍する生徒が25.6% | 51.3%。4年以上在籍する生徒は1.9% |
| 相談の体制 | スクールカウンセラー98.8%・スクールソーシャルワーカー91.4%の学校が体制あり | スクールカウンセラー79.7%・スクールソーシャルワーカー19.4%の学校が体制あり |
入試の数字は実態調査の「入学者選抜の方法」(複数回答)、生徒の年齢層は学校基本調査(令和7年度)の「年齢別生徒数」から計算しました。公立の生徒62,008人のうち15〜17歳は30,105人、20歳以上は17,159人(27.7%)。私立の生徒243,189人のうち15〜17歳は222,450人、20歳以上は4,009人(1.6%)です。

相談の体制は数字で見ると公立も手厚い。「私立のほうが支えが多い」とは言い切れません
「公立は放っておかれる、私立は手厚い」というイメージを持つ方は多いと思います。けれど、相談の体制を実態調査で比べると、単純にそうとは言えません。
| 項目 | 公立 | 私立 |
|---|---|---|
| スクールカウンセラーに相談できる体制がある学校 | 80校/81校(98.8%) | 181校/227校(79.7%) |
| スクールソーシャルワーカーに相談できる体制がある学校 | 74校/81校(91.4%) | 44校/227校(19.4%) |
| 教員のうち専任の割合 | 68.9%(3,029人中2,087人) | 40.1%(15,224人中6,109人) |
| レポートは出しているが、スクーリングに1日も来ていない生徒 | 2,478人(在籍の4.2%) | 5,060人(在籍の2.3%) |
スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー(家庭や福祉の制度とつなぐ専門職)に相談できる体制は、公立のほうが整っている学校の割合が高くなっています。教員も、公立は専任(その学校の通信制だけを担当する先生)の割合が高く、私立は兼任の先生が多い構成です。
一方で、レポートは出しているのにスクーリングに1日も来られなかった生徒の割合は、公立4.2%・私立2.3%でした。公立は、相談の窓口はあっても、登校の回数が少なく自分で学校に向かう必要があるぶん、つながりが切れやすい面もあると考えられます。実態調査では、こうした生徒が在籍する学校が理由として最も多く挙げたのは「心身に関すること」(161校)でした。
つまり、見るべきなのは「公立か私立か」より、その学校で、困ったときに誰に・どうやって相談できるかです。体制があることと、お子さんが実際に使えることは別です。説明会では「カウンセラーには、いつ・どうやって予約するのか」「スクーリングに来られなくなったとき、学校から連絡はあるのか」を具体的に聞いてみてください。
3年で卒業した人は私立51.3%、公立33.4%。公立は4年以上かけて卒業する人も多い学校です
実態調査には、2024年度に卒業した生徒が、その学校に何年在籍していたかの集計があります(2022年度以降に開校した73校を除く)。
| その学校での在籍期間 | 公立 | 私立 | 株式会社立 |
|---|---|---|---|
| 2024年度の卒業生 | 9,215人 | 71,729人 | 9,928人 |
| 3年未満(転入などで途中から在籍) | 41.8% | 46.3% | 70.7% |
| ちょうど3年間 | 33.4% | 51.3% | 28.0% |
| 3年より長い | 24.8% | 2.4% | 1.3% |
(割合は実態調査の人数から本記事で計算)
公立の卒業生の約4人に1人は、3年より長く在籍してから卒業しています。2025年5月1日時点でも、公立の在籍生徒59,192人のうち15,132人(25.6%)が4年以上在籍しています(私立は1.9%、株式会社立は1.4%)。
これを「公立は卒業しにくい」とだけ読むのは早いと思います。先ほどの年齢層の数字のとおり、公立には20歳以上の生徒が約28%いて、仕事などと両立しながら1年に取る単位を少なめにし、自分のペースで卒業をめざす人が多いと考えられるからです。修業年限を4年以上としている公立の学校も4校あります。
ただ、「同じ年の仲間と3年で卒業したい」という希望がはっきりしている場合は、この差は大事な判断材料になります。公立を選ぶなら「1年に何単位ずつ取れば3年で卒業できるか」「レポートが遅れたときに助けてもらえるか」を、入学前に学校に確かめておくと安心です。私立でも、3年で卒業する人の割合は学校ごとに違うので、候補の学校に直接聞いてみてください。

学費の違いは「授業料」より「授業料の外側」で開きます。詳しい金額は学費の記事で確かめてください
公立と私立の学費の差は、授業料そのものより、その外側で大きく開きます。仕組みだけ先に押さえておきます。
- 授業料:公立は都道府県で違い、都立336円・神奈川県立350円、山口県立は100円などです。私立は学校ごとに違います。国の高等学校等就学支援金は、2026年度は公立の通信制で1単位336円、私立の通信制で1単位13,668円・年337,200円までで、2026年度から所得制限はありません(文部科学省 高校生等への修学支援)。
- 授業料以外の費用:施設設備費・教材費・スクーリングの費用などは、就学支援金の対象外です。私立ではこの部分が学校やコースで大きく変わります。
- スクーリングの旅費:本校に集まる集中スクーリングでは、交通費や宿泊費が別にかかることがあります。詳しくは通信制高校 スクーリング 費用の記事で整理しています。
- サポート校の費用:通信制高校と別にサポート校を使う場合、その費用には就学支援金が使えません。仕組みはサポート校 学費の記事で説明しています。
就学支援金は、申請した月から支給され、さかのぼっては出ません。転校したときは転校先で申請し直しが必要です。通信制の支給期間は在学月数で数え、実質48か月までです。
公立と私立それぞれの学費の内訳や、実際にいくらかかるかの目安は、通信制高校 学費の記事で詳しく解説しています。この記事では、学費以外の違いに絞って比べています。
どんな人にどちらが向いているかは、「何に困っているか」で分かれます
ここまでの数字をもとに、よくある状況ごとに、向きやすい選択肢と確かめておきたいことを並べます。あくまで目安なので、最後は学校の説明を聞いて決めてください。
| いまの状況 | 向きやすい選択肢 | 入学前に確かめること |
|---|---|---|
| 学費をできるだけ抑えたい。家で自分で勉強を進められる | 公立 | スクーリングの曜日と場所、レポートの量、3年で卒業する人の割合 |
| 働きながら、自分のペースで高校卒業をめざしたい | 公立 | 1年に取る単位数を減らせるか、平日の講座があるか |
| 週に何日か通う場所と、毎日の生活リズムが欲しい | 私立(週3〜5日の通学コース) | 通学コースの費用、通える場所にキャンパスがあるか |
| 人の多い場所が苦手。家から出るのが難しい時期がある | 私立のオンライン中心のコース、またはサポート校との組み合わせ | スクーリングの日数と場所、オンラインでの相談のしかた |
| いまの高校から、年度の途中で転校したい | 時期によって公立・私立どちらも | 次の募集時期、単位の引き継ぎ、転入後の学年 |
| 住んでいる県の外の学校も考えたい | 私立の広域通信制 | スクーリングの会場と旅費、住所地で入れるか |
1つの行にきれいに当てはまらないことも多いと思います。そのときは、「毎日の学習を誰が支えるのか」を軸に考えると整理しやすくなります。家族や本人が支えられるなら公立でも十分に卒業をめざせますし、支えの手が足りないなら、通学コースのある私立やサポート校の組み合わせを候補に入れる、という考え方です。
よくある誤解は3つ。「公立は誰でも入れる」「私立は誰でも卒業できる」「サポート校はどこでも組める」
- 誤解1:「公立の通信制は誰でもいつでも入れる」
公立も入学者選抜を行います。都立は国語・数学・英語の検査があり、実態調査でも公立81校のうち15校が学力検査を行っています。応募できる地域が決まっていることが多く、途中からの入学も募集時期が決まっています。 - 誤解2:「私立に入れば、誰でも3年で卒業できる」
私立でも、2024年度の卒業生のうち3年より長く在籍していた人が2.4%います。卒業にはレポート・スクーリング・試験が必要なのは公立と同じで、学費を払えば卒業できる仕組みではありません。 - 誤解3:「サポート校は、公立の通信制高校とも組み合わせられる」
実態調査では、サポート校や学習センターの多くが当たる「学習等支援施設」は全国に2,317か所ありますが、すべて私立(2,008か所)と株式会社立(309か所)の学校の施設で、公立の学校の施設は0か所でした。サポート校の多くは、提携する私立の通信制高校とセットになっています。公立に在籍しながらサポート校を使えるかどうかは、サポート校ごとに確かめてください。
もう1つ付け加えると、公立と私立で卒業資格に違いはありません。どちらも学校教育法にもとづく高等学校の通信制課程で、卒業すれば全日制と同じ「高等学校卒業」です。大学や専門学校の受験資格も同じように得られます。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
「公立は自分で進められるか不安、でも私立の通学コースに毎日通うのも難しい」。そう感じた方の選択肢の1つとして、NIJIN高等学院(ニジ高)を紹介します。
ニジ高は、株式会社NIJINが運営するオンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも、海外からも参加でき、担任がつきます。カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。中学の内容の学び直しや授業のアーカイブ視聴にも対応していて、生活リズムに波があっても学べるように設計しています。途中からの入学(転入・編入)もでき、出願費用は無料です。不登校の生徒を650名以上サポートしてきました(グループ全体)。生徒会やサークル、学園祭、企業コラボなどの活動もあります。
そのうえで、正直にお伝えしておくことがあります。
- ニジ高そのものは高校ではありません。高校卒業の資格は、提携する通信制高校に在籍して取ります。
- 学院の中でのスクーリングはありませんが、提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。ニジ高はその準備と参加を支えます。
- 費用は、提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかります。ニジ高の分に就学支援金は使えません。金額は学費のご案内でご確認ください。
- 公立の通信制高校に在籍したままニジ高を使えるかどうかは、この記事の時点では確認できていません。気になる方は個別相談でお尋ねください。
公立・私立の通信制高校と並べて比べる候補の1つにしていただければ十分です。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- 「毎日の学習を誰が支えるか」を家族で話す。本人が自分で進められそうか、家族が声をかけられるか、それとも学校や外の人の支えが要るか。ここが決まると、公立で足りるか、私立やサポート校が必要かの見当がつきます。
- 住んでいる都道府県の公立と、気になる私立を1校ずつ調べる。公立は教育委員会の入学案内で、スクーリングの日数・曜日、入試の時期、転入の募集時期を確かめます。私立は募集要項と説明会で、通学コースと費用の内訳を確かめます。
- 同じ質問で聞き比べる。「スクーリングは年に何日・どこで」「3年で卒業する人の割合は」「困ったとき誰に相談できるか」「授業料以外に何がかかるか」。同じ質問をすると、公立・私立の違いより、学校ごとの違いが見えてきます。
3つとも、どの学校にするか決まっていなくても進められます。状況を整理しながら考えたい場合は、体験説明会・個別相談で話を聞かせてください。


公立か私立か決めきれないときは、通い方から一緒に整理します
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。カメラオフ・チャット参加から始められ、中学内容の学び直しにも対応しています。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。公立と私立の比べ方の相談からどうぞ。
よくある質問
A. お子さんに必要な支えがどちらにあるかで決まります。学費を抑えたい、家で自分で進められる、土曜日などに決まった日に登校できるなら公立が合いやすく、週に何日か通う場所が欲しい、通い方を選びたい、県外の学校も考えたいなら私立が合いやすい傾向があります。
A. 授業料は都立で1単位336円、神奈川県立で1単位350円です。74単位なら都立で24,864円になります。就学支援金の対象になれば、授業料の負担はさらに小さくなります。教科書代やスクーリングの交通費などは別にかかります。
A. 2024年度の卒業生で、ちょうど3年間在籍して卒業した人は私立51.3%、公立33.4%でした。ただ、公立には20歳以上の生徒が多く、3年より長くかけて卒業する人も約4人に1人いるため、この差は生徒の年齢層の違いも表しています。「卒業しやすさ」は、学校ごとの支え方で確かめるのが確実です。
A. できます。転入なら、それまでに取った単位と在籍期間を引き継げます。ただし公立は募集の時期と応募できる地域が決まっていることが多く(都立の転学は3月・8月・12月の年3回)、私立は学校ごとに受け付けの時期が違います。先に転校先の募集要項を確かめてください。
A. ありません。どちらも高等学校の通信制課程なので、卒業すれば「高等学校卒業」で、全日制と同じです。大学・短大・専門学校の受験資格も同じように得られます。
「どっちが上か」ではなく「どっちなら続けられるか」で選べば、迷いは小さくなります
公立と私立の違いを数字で並べてみると、どちらかが優れているという話ではありませんでした。公立は授業料が安く、相談の窓口も整っていて、自分のペースで学ぶ人を長く受け止めてくれる学校です。私立は通い方を選べて、同じ年の仲間と3年で卒業する人が多い学校です。違うのは、「毎日の学習を誰が支える形になっているか」でした。
今日すぐに決めなくて大丈夫です。まずは住んでいる都道府県の公立の入学案内を1つ開いて、スクーリングの日数と曜日を確かめるところから始めてみてください。「これなら通えそう」「これだと難しそう」という感覚が、公立と私立のどちらに進むかを考える、いちばん確かな手がかりになります。

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