発達障害の高校生でも大学進学はできる?|共通テストの配慮と申請の順番【2026】

「発達障害があっても、大学に行けるのだろうか」。そう調べ始めた高校生や保護者の方に、先に答えを書きます。大学進学はできます。大学入学共通テストでは発達障害を理由にした「受験上の配慮」を申請でき、令和8年度(2026年1月実施)の共通テストでは、発達障害の区分で513人に配慮事項が決まっています。

ただし、配慮は待っていても始まりません。共通テストは大学入試センターへ、各大学の試験はその大学へ、入学後はその大学の支援の窓口へと、申し出る先と時期がそれぞれ違います。この記事は、その順番を高校のうちに整理するためのものです。

内容は、大学入試センターの「令和9年度 受験上の配慮案内」とQ&A、令和8年度の受験上の配慮決定者数、日本学生支援機構(JASSO)の「令和7年度 障害のある学生の修学支援に関する実態調査」、文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」、障害者差別解消法(e-Gov)を実際に開いて確かめたものです。公式で確認できなかったことは、確認できなかったと書いています。

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目次

結論:発達障害のある高校生の大学進学と、共通テストの配慮の早見

  • 発達障害があっても大学進学はできます。JASSOの調査では、2025年5月1日時点で、大学(大学院を含む)に発達障害のある学生が10,806人在籍しています。
  • 共通テストの配慮は、大学入試センターへ郵送で申請します。令和9年度は第1期が7月1日〜8月28日、第2期が8月31日〜10月2日(どちらも必着)です。
  • 発達障害の区分で例に挙がっている配慮は、試験時間の延長(1.3倍)・チェック解答・拡大文字問題冊子・注意事項等の文書による伝達・別室の設定の5つです。表にない配慮も申請できます。
  • 申請に要る書類は申請書・診断書・状況報告書の3つです。発達障害に関する検査結果は、原則として申請時から3年以内のものを使います。
  • 共通テストで配慮が決まっても、各大学の個別試験の配慮にはなりません。志望する大学へ、大学が決めた期日までに別に相談します。
  • 入学後の配慮は、本人の申し出から始まります。2024年4月から、私立大学にも合理的配慮の提供が法律で義務になりました。
  • 通信制高校やサポート校の生徒は、その学校の教職員が状況報告書を書けます。オンラインのサポート校(NIJIN高等学院など)で、自分のペースで準備する形もあります。
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「行けるかどうか」の次に考えたいのは、「どこに・いつ・何を頼むか」です

発達障害のある受験生が大学に入っていることは、数字でも確かめられます。JASSOの令和7年度調査では、各大学が令和7年度の入学者選抜で把握した、発達障害のある受験生の数が次のように報告されています。

段階(大学・令和7年度入学者選抜) 人数 うち受験上の配慮を実施
大学に相談した人(相談者) 1,168人 -
志願者 1,855人 -
受験者 1,786人 1,091人
合格者 1,030人 428人
入学者 859人 -

出典:日本学生支援機構「令和7年度(2025年度)障害のある学生の修学支援に関する実態調査」結果報告書 表9-6(大学)。相談者・志願者・受験者・合格者は延べ数、入学者は実数(2026年9月確認)

読み方の注意が2つあります。1つは、これは大学が把握した人だけの数だということです。発達障害があっても大学に伝えずに受験した人は入っていません。もう1つは、延べ数なので、複数の大学を受けた人は重ねて数えられている点です。それでも、配慮を受けて受験し、合格している人が一定数いることは読み取れます。

大切なのは、配慮を申し出る先が3つに分かれていることです。

  1. 共通テスト:大学入試センターへ郵送で申請する
  2. 各大学の試験(一般選抜の個別試験・総合型選抜・学校推薦型選抜):志望する大学へ、その大学の方法で申請する
  3. 入学後の授業や試験:大学の障害学生支援の窓口へ、本人が申し出る

この3つは連動していません。1つで配慮が決まっても、ほかの2つには自動では伝わらない、というのがこの記事でいちばん伝えたいことです。大学に入ってからの支援の実態や、発達障害のある大学生の数の推移は、発達障害 大学生 合理的配慮の記事にまとめています。この記事は、高校生が受験までに何を準備するかに絞ります。

食卓でパソコンとノートを見ながら話す母親と高校生
共通テストの配慮は、出願より前に申請します

共通テストの配慮は郵送で申請します。令和9年度の第2期は10月2日(必着)まで

共通テストの受験上の配慮は、出願とは別の手続きです。大学入試センターの「令和9年度 受験上の配慮案内」で、申請から受験までの日程を確認しました。

時期(令和9年度試験) すること 結果が届く時期
7月1日〜8月28日(必着。8月26日消印有効) 配慮の申請(第1期) 9月24日までに審査結果(申請者全員)
8月31日〜10月2日(必着。9月30日消印有効) 配慮の申請(第2期) 11月下旬に審査結果(出願した人のみ)
9月15日〜10月2日 共通テストの出願(Webで個人出願) -
12月上旬〜中旬 - 受験上の配慮事項決定通知書
2027年1月16日・17日 共通テスト本試験 -

出典:大学入試センター「令和9年度 受験上の配慮案内」(表紙・1 申請から受験までの主な日程・2 申請方法等。2026年9月確認)

第1期に申請すると、出願期間中に審査の結果が分かり、それを見てから出願できます。センターは、審査に時間がかかる配慮もあるため、できるだけ第1期に申請するよう案内しています。この記事を書いている2026年9月下旬は、第2期の受付期間中です。

手続きで間違えやすい点を、配慮案内とQ&Aから抜き出しました。

  • 申請は郵送だけです。封筒に「受験上の配慮申請」と朱書きし、簡易書留で送ります。Web出願の画面からは申請できません。
  • 申請しただけでは出願したことになりません。申請書をダウンロードしたのと同じアカウントで出願します。
  • 申請書類の提出は一度だけです。決まった配慮の再審査はありません。そのかわり、希望が通らなかったときの第二希望を書いておけます。
  • 高校を2027年3月に卒業見込みの人は、書類を学校経由でも個人でも出せます。通信制課程の卒業見込みの人には、審査結果などの通知が本人に直接郵送されます(それ以外の卒業見込みの人は、学校経由で本人に渡されます)。
  • 10月2日を過ぎたあとは、出願後に起きた事故・負傷・発病・症状の悪化などに限って、12月10日〜翌年1月12日に申請できます。出願までに申請できた内容は対象になりません。

共通テストの出願そのものの手順は、共通テスト 出願 通信制の記事で説明しています。

発達障害の区分で例に挙がる配慮は5つ。表にない配慮も申請できます

配慮案内の「主な配慮事項」の表では、発達障害(学習障害、注意欠如・多動症、自閉スペクトラム症など)の区分に、次の5つが例として並んでいます。

配慮事項 どんな配慮か 知っておきたいこと
試験時間の延長(マークシート解答) 試験時間が1.3倍になる。別室で受ける 1.5倍を希望するときは、校長か専門家が作った資料が追加で要る
チェック解答 マークを塗る代わりに、専用の用紙で選択肢の番号にチェックする 1.3倍の延長ありか、なしかを選ぶ。別室で受ける
拡大文字問題冊子 14ポイントか22ポイントの冊子が配られる センターのサイトでサンプルを見られる
注意事項等の文書による伝達 監督者が口で伝える指示を、その都度文書で配る 口頭の指示を、文書でも確認できる
別室の設定 少人数の部屋で受ける 別室を許可されたほかの受験者と同室になることがある。1人だけの個室は別の申請

出典:大学入試センター「令和9年度 受験上の配慮案内」 3-1 主な配慮事項・3-2 その他の配慮事項(2026年9月確認)

この5つのほかにも、「その他の配慮事項」として細かく申請できるものがあります。発達特性と関係しそうなものを挙げます。

  • 耳栓・デジタル耳栓・イヤーマフの持参使用(聴覚過敏など)。ただし、入室が終わってから解答開始の指示までと、試験終了後は使えません。通信機能のあるものやイヤホンは耳栓の代わりにできません。
  • 座席の位置の指定(最後列、壁際、出入口から離れた席など)
  • 監督者等が背後に立たない、近すぎない距離を保つ
  • 監督者が求めに応じて残り時間を知らせる
  • 試験時間中に眠った場合に起こす、発作のときに休養室を使う

読み書きの困難さを理由に時間延長を希望する場合は、それを示す検査結果などを診断書と一緒に出すよう案内されています。また、Q&Aでは高校で受けていない配慮も申請できると明記されています。審査は、申請にもとづいて一人ひとりの症状や状態を総合的に見て決まります。

令和8年度の共通テストでは、発達障害の区分で513人に配慮が決まりました

実際にどんな配慮が多いのかは、大学入試センターが公表している「受験上の配慮決定者数」で分かります。発達障害の区分だけを抜き出しました。

発達障害の区分の配慮事項 令和8年度 令和7年度
別室の設定 265人 252人
その他(注意事項等の文書による伝達など) 269人 307人
マークシート解答と時間延長(別室) 47人 85人
チェック解答と時間延長(別室) 14人 17人
チェック解答(別室) 47人 43人
拡大文字問題冊子(14・22ポイント) 56人 60人
発達障害の区分の決定者(実人数) 513人 541人

出典:大学入試センター「令和8年度大学入学共通テスト 受験上の配慮決定者数」(配慮事項別は延べ人数。時間延長はリスニングの連続方式と音止め方式の合計。2026年9月確認)

数字から分かることは3つです。

  • 多いのは「別室の設定」と、文書による伝達などの「その他」です。時間を延ばすことよりも、落ち着いて受けられる環境や、指示の伝わり方を整える配慮が中心になっています。
  • マークシート解答と時間延長の決定者は、令和7年度の85人から令和8年度は47人に減っています(チェック解答と時間延長は17人から14人)。理由は公表資料には書かれておらず、分かりません。
  • 複数の区分に当てはまる人は、主な区分1つで数えられています。たとえば不安の症状を主な理由に申請した人は、発達障害ではなく別の区分に入っている可能性があります。

なお、同じ年度の共通テスト全体の決定者は4,381人でした。配慮を受けて受験すること自体は、特別な手続きではありません。

令和8年度の大学入学共通テストで、発達障害の区分で受験上の配慮が決まった人は513人(全体は4,381人)で、別室の設定と、注意事項等の文書による伝達などの「その他」が多かったことを示す図
出典:大学入試センター「令和8年度大学入学共通テスト 受験上の配慮決定者数」

書類は3つ。診断書は主治医でなくてもよく、通信制・サポート校の生徒は在籍先の教職員が状況報告書を書けます

申請に必要な書類と、誰が書くのかを整理しました。

書類 書く人 入手先・注意点
【A】受験上の配慮申請書 本人(学校の記載欄あり) 出願に使う共通テスト出願サイトのマイページからだけ入手できる。希望する配慮はすべてここに書く(書いていない配慮は審査されない)
【B5】診断書(発達障害関係) 医師(主治医でなくてもよい) 令和9年度の所定の様式だけ。病院独自の様式や障害者手帳のコピーでは代えられない。検査結果は原則3年以内
【C】状況報告書 卒業見込みの人は高校の担当者。既卒の人は保護者・塾の講師・医師・カウンセラーなど 令和9年度から申請者全員が提出(発達障害の区分は令和8年度までも提出)。通信制高校やサポート校の生徒は、その学校の教職員が書く
1.5倍延長の必要性を示す資料 校長か専門家 1.5倍を希望するときだけ。個別の教育支援計画などの写しでもよい

出典:大学入試センター「令和9年度 受験上の配慮案内」/同「受験上の配慮Q&A」(Q31・Q33・Q39〜Q41・Q55など。2026年9月確認)

通信制高校に通う人にとって大事なのが、Q&Aの「通信制課程やサポート校に通っている場合は、通信制高校の教職員やサポート校の教職員が記入してください」という回答です。在籍校とサポート校のどちらが書くかは、学校と相談して決めることになります。

状況報告書には、定期試験や模試での時間延長、「読み」「書き」の配慮、リスニングの扱い、試験を受けた部屋などを書く欄があります。高校で作られた「個別の指導計画」や「個別の教育支援計画」があれば、写しを付けられます。つまり、高校でどんな配慮を受けてきたかの記録が、そのまま共通テストの審査資料になります。通信制高校のレポートや試験、スクーリングで工夫してもらったことも、メモに残しておくと書きやすくなります。

書類づくりで引っかかりやすい点もあります。

  • 自閉スペクトラム症と不安の症状など、理由が複数あるときは、区分ごとに診断書が要る場合があります。1枚にすべての理由を書けるなら1枚でもよいので、医師と相談します。
  • 診断書が間に合わないからといって、申請書だけを先に送ることはできません。書類は一式で送ります。
  • まだ診断を受けていない場合は、受診を検討し、医師に相談するところからになります。診断書の作成には時間がかかることがあるので、日程に余裕を見ておくと安心です。

※2026年9月時点の情報です。最新は大学入試センター・文部科学省・各大学の公式ページでご確認ください。

大学の相談室で、生徒と父親が職員の説明を聞いている場面
大学の個別試験の配慮は、共通テストとは別に申請します

共通テストの配慮は大学の試験に引き継がれません。個別試験は大学ごとに申請します

配慮案内の「その他」の項には、共通テストの配慮を申請しただけでは、各大学が行う個別テストなどの配慮を申請したことにはならない、とはっきり書かれています。志望大学が定める期日までに、志望大学へ相談するよう案内されています。

では、大学の側はどう受け付けているのか。JASSOの令和7年度調査で、大学の数字だけを見ました。

  • 回答した大学812校のうち、800校が入試での配慮の申請を受け付けています。受付の期間は「所定の期間内」が512校、「随時」が288校です。
  • 入試要項(募集要項)に配慮の記載があるのは764校。申請書の様式があるのは473校です。
  • 配慮の決め方を定めているのは265校、それを一般に公開しているのは81校でした。多くの大学は、個別の相談を通じて決めているということです。

大学が「申し出があれば実施できる」と答えた配慮のうち、主なものは次のとおりです。

実施できる配慮(主なもの) 大学数
別室の設定 702校
要望に応じた座席の指定 689校
注意事項等の文書による伝達 568校
試験時間の延長 550校
問題冊子や解答用紙の拡大 546校
マークシートに替えて文字やチェックによる解答 234校
パソコン等の利用による解答 206校
問題文への傍線やルビの付与、フォントの調整等 160校

出典:JASSO 令和7年度調査 結果報告書 表9-1・表9-2・表9-3(大学、令和7年度入学者選抜。実施できる配慮がある大学は743校。2026年9月確認)

同じ調査で、発達障害のある受験生に実際に行った配慮を学校の数で見ると(大学・短大・高専の合計)、別室の設定が180校、座席の指定が111校、試験時間の延長が102校、問題冊子や解答用紙の拡大が58校でした。共通テストと同じく、環境を整える配慮が先に来る傾向です。

文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」も、障害のある入学志願者に必要な合理的配慮を行い、障害のない学生に比べて不利にならないよう配慮すること、事前相談の体制を整え、申請の手続きを明確に示すことが望ましいこと、入試での配慮の内容や受け入れの実績を募集要項やホームページで公開することを、大学に求めています(文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」第13の2)。志望校が決まってきたら、募集要項の「受験上の配慮」の欄と、申請の期日を最初に確認してください。

総合型選抜・学校推薦型選抜は、書類と面接で見る入試。通信制高校からも受けられます

一般選抜のほかに、総合型選抜と学校推薦型選抜があります。実施要項で、それぞれの性格と日程を確認しました。

方式 令和9年度の日程 主に見るもの 通信制高校から受けるときの注意
一般選抜 個別試験は2027年2月1日〜3月25日 学力検査(共通テストを含む)、調査書など 共通テストを使うなら、配慮は大学入試センターと大学の両方に申請する
総合型選抜 出願は2026年9月1日以降、結果は11月1日以降 本人が書く資料(活動報告書・入学希望理由書・学修計画書など)と面接 本人の意思で出願できる
学校推薦型選抜 出願は2026年11月1日以降、結果は12月1日以降 高校長の推薦、調査書、面接 推薦するのは在籍する通信制高校の校長。推薦の要件は大学ごと

出典:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(第3・第4。2026年9月確認)

実施要項は、総合型選抜と学校推薦型選抜の面接について、入学志願者の障害等の特性に配慮すると書いています。面接は、プレゼンテーションや口頭試問、オンラインでの実施も含むとされています。筆記の試験だけで力を出しにくい人や、1つのテーマを時間をかけて深く調べてきた人には、合う形になることがあります。

一方で、書類と面接の入試では、自分がどんな特性を持ち、どんな条件なら力を出せるかを、自分の言葉で説明する場面が増えます。これは入学後に大学へ配慮を申し出るときにも、そのまま使える力です。高校のうちに、困りごとと、助けになった工夫を短い文章にまとめる練習をしておくと、入試と入学後の両方で役に立ちます。

欠席が多いことを心配する人もいると思います。実施要項は、出欠の状況を推薦の要件や合否の材料にする場合でも、病気や事故など本人に責任のない身体・健康上の理由による欠席について、本人が不利益を被らないよう配慮するよう求めています。通信制高校からの大学進学全般は通信制高校 大学進学、総合型選抜に向く学校の見分け方は総合型選抜 通信制高校の記事で書いています。

入学後の配慮は本人の申し出から。支援の担当部署は98%の大学にありますが、専門の部署は3校に1校です

大学での配慮の根拠になるのが、障害者差別解消法です。国公立大学などの「行政機関等」(第7条第2項)も、私立大学などの「事業者」(第8条第2項)も、障害のある人から社会的障壁を取り除いてほしいという意思の表明があった場合に、負担が重すぎない範囲で必要かつ合理的な配慮をしなければならない、と定めています。私立の事業者の合理的配慮は以前は努力義務でしたが、2021年の改正で義務になり、改正法は2024年(令和6年)4月1日に施行されました。

出典:e-Gov 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律 第7条・第8条/内閣府「障害を理由とする差別の解消の推進」(2026年9月確認)

条文のとおり、出発点は本人の申し出です。では、申し出る窓口はあるのか。JASSOの調査で、大学の体制を確かめました。

  • 大学817校のうち、障害学生支援を担当する部署・機関があるのは801校(98.0%)です。
  • そのうち、専門の部署・機関を置いているのは281校(34.4%)で、520校(63.6%)はほかの部署が兼ねて対応しています。「障害学生支援室」のような独立した部屋がない大学も多い、ということです。
  • 大学・短大・高専の全体では、発達障害のある学生12,706人のうち、学校が支援している学生は9,224人、そのうち本人の申し出にもとづく合理的配慮として提供しているのは6,747人でした。
  • 同じく大学・短大・高専の全体で、発達障害のある学生への授業の支援として、講義の録音や板書の撮影の許可を行っている学校が412校ありました。

出典:JASSO 令和7年度調査 結果報告書 表2-3・表4-5・表6-3・表7-3/JASSO プレスリリース(2026年8月4日)(2025年5月1日現在。2026年9月確認)

窓口の名前や場所は大学ごとに違います。志望校のホームページで「障害学生支援」「修学支援」などのページを探し、申し出の方法と、入学前に相談できるかを見ておくと、入学してから慌てずに済みます。オープンキャンパスの個別相談で、支援の担当者と話せるか聞いてみるのも1つの方法です。

大学入学共通テストの受験上の配慮は大学入試センターへ7月1日から10月2日までに郵送で申請し、各大学の個別試験の配慮は志望大学へ大学が定める期日までに別に申請することを比べた表
出典:大学入試センター「令和9年度 受験上の配慮案内」、JASSO「令和7年度 障害のある学生の修学支援に関する実態調査」

よくある誤解:「高校で配慮がなかったから無理」「センターで通れば大学も同じ」は、どちらも違います

誤解1:高校で配慮を受けていないと、共通テストの配慮は申請できない

申請できます。大学入試センターのQ&Aに、高校で受けていない配慮事項も申請できると書かれています。状況報告書では、その配慮を高校で受けていないことをそのまま書きます。審査は、症状や状態を総合的に見て決まります。

誤解2:共通テストで配慮が決まれば、大学の試験でも同じ配慮になる

なりません。大学の個別試験・総合型選抜・学校推薦型選抜は、それぞれの大学へ別に申請します。申請の期日も大学ごとです。

誤解3:申請書に書き忘れた配慮は、あとから足せる

足せません。審査の対象は申請書に書いた配慮だけで、書類の提出は一度だけです。出願後に起きた事故や症状の悪化などは別の手続きがありますが、出願までに申請できた内容は対象外です。迷う配慮は、第二希望も含めて最初の申請書に書いておきます。

誤解4:診断書は、今かかっている主治医にしか書いてもらえない

Q&Aでは、主治医である必要はないとされています。ただし、希望するすべての配慮について、それぞれ必要な理由を医師に具体的に書いてもらう必要があります。

選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)

ここまで読んで、「大学には行きたい。でも、今の高校に毎日通い続けるのがつらい」「特性に合わせた学び方で、受験の準備をしたい」と感じた方もいると思います。

NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。ニジ高は、発達特性や障害を、本人を変えるのではなく学びの構造や環境を変えることで支援するという新しいアプローチを取っています。カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。授業のアーカイブ視聴や中学内容の学び直しにも対応し、生活リズムに波があっても学べる設計です。担任制で、総合型選抜に向けた小論文・面接・自己PRの講座にも力を入れて取り組んでいます。途中からの入学(転入・編入)もでき、出願費用は無料です。

そのうえで、正直にお伝えしておくことがあります。

  • ニジ高は高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングへの参加が必要です(ニジ高の中でのスクーリングはありません)。スクーリングの形や日程は、個別相談会で詳しくご案内しています。
  • 大学入試で使う調査書や、学校推薦型選抜の推薦は、在籍する通信制高校のものになります。
  • 共通テストの状況報告書を、在籍する通信制高校とサポート校のどちらの教職員が書くかは、学校と相談して決めます。進め方は個別相談でご確認ください。
  • 診断や服薬の判断は、主治医や専門機関にご相談ください。
  • 費用は、提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかり、ニジ高の分には就学支援金を使えません。金額は学費のご案内に載せています。通信制高校の費用の考え方は通信制高校 学費の記事も参考になります。

今の高校から移ることを考えている場合、手続きの流れは高校 転入の記事に、学校を比べるときの見方は通信制高校 選び方のページにまとめています。

迷ったときの進め方(3ステップ)

  1. 受ける入試の形を、仮に決める。一般選抜か、総合型選抜か、学校推薦型選抜か。これで、配慮を申し出る先(大学入試センターか、大学か、その両方か)と時期が決まります。まだ志望校が決まっていなくても、形だけ仮に置けば逆算できます。
  2. 配慮の記録と書類の材料を集める。高校で受けてきた配慮(定期試験の時間、別室、読み書きの工夫など)をメモし、個別の教育支援計画があれば写しをもらいます。発達障害に関する検査が3年より前なら、検査や診断書のことを医師に相談します(3年以内の検査がない場合は、直近の検査結果を添付するとされています)。共通テストの第1期は7月1日からなので、高3の春までに材料がそろっていると余裕があります。
  3. 志望校の募集要項と支援窓口を確かめ、事前に相談する。受験上の配慮の申請方法と期日、入学後の支援の申し出方を、大学の公式ページで確認します。分からないことは、大学の入試担当や大学入試センターの問い合わせ窓口に聞けます。

3つとも、1人で抱えなくて大丈夫です。どの学び方なら受験の準備を続けられそうか、話を整理したい場合は、体験説明会・個別相談で状況を聞かせてください。

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体験説明会の日程を見る → LINEで気軽に相談する

よくある質問

Q. 発達障害の診断がないと、共通テストの配慮は申請できませんか?

A. 共通テストの配慮の申請には、大学入試センター所定の様式の診断書が要ります。病院独自の様式の診断書や、障害者手帳のコピーでは代えられません。まだ診断を受けていない場合は、受診を検討し、医師に相談するところから始めます。

Q. 通信制高校に通っています。状況報告書は誰に書いてもらえばいいですか?

A. 大学入試センターのQ&Aでは、通信制課程やサポート校に通っている場合は、通信制高校の教職員やサポート校の教職員が記入するとされています。どちらが書くかは、在籍する学校と相談して決めます。既卒の場合は、保護者や塾の講師、医師、カウンセラーなども書けます。

Q. 共通テストで配慮が認められたら、大学の二次試験でも同じ配慮になりますか?

A. なりません。共通テストの配慮の申請は、各大学の個別試験の配慮の申請を兼ねていません。志望する大学が定めた期日までに、その大学へ別に相談します。

Q. 大学に発達障害のことを伝えると、合否で不利になりませんか?

A. 文部科学省の実施要項は、障害のある入学志願者に必要な合理的配慮を行い、障害のない学生に比べて不利にならないよう配慮することを大学に求めています。個々の大学の判定の中身は公表されていないため、不安なときは出願前の事前相談で確かめてください。

Q. 大学に入ったら、配慮は自動で続けてもらえますか?

A. 自動では続きません。入試の配慮と入学後の配慮は別の手続きで、入学後は本人が大学の障害学生支援の窓口へ申し出るところから始まります。入学前に、志望校の支援窓口のページで申し出の方法を確認しておくと安心です。

配慮を頼むことは、ずるいことではありません。力を出し切るための準備です

「自分だけ特別扱いしてもらうのは気が引ける」と感じる人もいると思います。でも、共通テストだけでも、令和7年度・8年度はどちらも4,000人を超える受験生に配慮が決まっています。配慮は、ほかの受験生と同じ条件で力を出すための仕組みです。

大学進学は、発達障害があってもできます。必要なのは、どこに、いつ、何を頼むかを、少し早めに知っておくことだけです。今日決めなくて大丈夫です。まずは高校で受けてきた配慮を書き出すところから始めてみてください。

家から自分のペースで学びを続けながら大学をめざす形もあります。進路に迷っている段階の相談も受け付けています。

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