不登校の親が言ってはいけない言葉は?|NG10と言い換えを国の資料の考え方で整理【2026】

子どもが学校に行けなくなった朝、「なんで行けないの?」「このままで大丈夫なの?」と口にしてしまい、あとで自分を責めている保護者の方は少なくありません。言ってはいけない言葉を調べているのは、それだけ子どものことを真剣に考えているからだと思います。

先に結論を書きます。不登校の子に避けたい言葉は、「登校することだけをゴールにする言葉」と「休んでいる本人を責めたり決めつけたりする言葉」の2種類です。文部科学省の通知や生徒指導提要は、不登校の支援について「学校に登校するという結果のみを目標にしない」「休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある」という考え方を示しています。この記事の「言ってはいけない言葉10」は、この公的な考え方にもとづいて編集部が整理した例示です。国が「この言葉は禁止」という一覧を出しているわけではありません。

この記事は、2026年9月27日に文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年)、生徒指導提要(令和4年12月改訂)、COCOLOプラン、令和6年度の不登校調査、国立教育政策研究所の生徒指導リーフ、厚生労働省「まもろうよ こころ」、こども家庭庁の相談窓口のページを実際に開いて確認した内容で書いています。体験談や架空の事例は使っていません。確認できなかったことは、確認できなかったと書きます。

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目次

結論:不登校の子に親が言ってはいけない言葉の早見

  • 避けたいのは「登校だけをゴールにする言葉」と「責める・決めつける言葉」です。「明日は行けるよね?」「甘えてるだけ」「みんな行ってるのに」などがこれにあたります。
  • 国の考え方は「登校という結果のみを目標にしない」「休養が必要なときがある」の2本柱です。令和元年の文部科学省通知と生徒指導提要に書かれています。
  • 「なんで行けないの?」は、本人にも答えにくい質問です。令和6年度の調査で、高校の不登校生徒について学校が最も多く把握したのは「やる気が出ない等の相談」26.9%、次が「生活リズムの不調」26.2%でした。はっきりした出来事より「状態」が上位にあり、理由を1つに絞れないことも多いと考えられます。
  • 言い換えのコツは「理由を聞く」から「気持ちを受け止める」へ、「いつ行くの」から「今日はどう過ごす?」へ、です。10の言葉と言い換えの例を表にしました。
  • ただ黙って待てばよいわけではありません。いじめや虐待が疑われるときなどは、生徒指導提要が「待っていてはいけないケース」に挙げています。体調の不調が続くときは、医療機関への相談も考えます。
  • 親も相談していい。24時間子供SOSダイヤルは保護者も使える窓口で、こども家庭庁の「親子のための相談LINE」は保護者も匿名で相談できます。
  • 家から少しずつ学び直す形として、オンライン中心の通信制高校サポート校(ニジ高など)もあります。ただしサポート校は高校ではありません。
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言ってはいけない言葉の多くは、悪意ではなく「心配」から出てきます

まず知っておいてほしいのは、「言ってはいけない言葉」を口にしてしまう親の多くが、子どもを傷つけたいわけではないということです。「このままだと勉強が遅れる」「友だちがいなくなるかもしれない」「将来どうなるのか」。言葉の根っこにあるのは、ほとんどが心配です。

生徒指導提要(文部科学省、令和4年12月改訂)は、不登校の子どもを持つ保護者について、我が子の将来を案じ、自分の子育てが間違っていたのかと悩み、不安を抱えていることが少なくないと書いています。そのうえで、保護者がネガティブな感情を吐き出し、肩の力を抜くことができれば、子どもへの関わりが改善し、結果的に子どもに好ましい変化が見られることもある、と述べています(生徒指導提要 第10章 10.3.4「(5) 家庭や保護者を支える」)。

2024年11月には、文部科学大臣が「保護者の皆さまへ」というメッセージを出し、子どもが学校に行けなくなったとき、いちばんそばにいる家族もまた大変つらいことを察する、という趣旨を述べています。親がつらく感じるのは、おかしなことではありません。

出典:文部科学省「生徒指導提要(改訂版)」/文部科学省「文部科学大臣メッセージ」(令和6年11月)(2026年9月27日確認)

だからこの記事は、「こんな言葉を言う親はダメ」という書き方はしません。心配を、子どもに届く形に言い換えるための整理です。すでに言ってしまった言葉があっても、あとから言い直すことができます。その方法も最後に書きます。

なお、この記事は保護者の言葉かけに絞っています。子どもの側から「休みたい」をどう伝えるかは学校休みたい 親が許さないの記事で、高校生が学校に行けなくなる理由と単位の期限は高校生 不登校 原因の記事で詳しく書いています。

国の資料が示す考え方の柱は「登校だけをゴールにしない」「休養が必要なときがある」です

言葉を選ぶ前に、その土台になる考え方を公的な資料で確認しておきます。ここがぶれると、言い換えの言葉も場当たり的になってしまうからです。

資料 書かれている考え方 親の言葉に置き換えると
文部科学省通知(令和元年10月25日・元文科初第698号) 支援は「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、社会的に自立することを目指す 「行く・行かない」だけを毎日の話題にしない
同じ通知 不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある。一方で学業の遅れや進路選択上の不利益などのリスクにも留意する 「今は休んでいい」と言葉にする。ただし先の道は親が調べておく
教育機会確保法 第13条 国と地方公共団体は、学校以外の場での学習活動の重要性と、個々の不登校児童生徒の休養の必要性を踏まえ、本人と保護者に情報提供・助言などの支援を行う 休むことを「さぼり」と呼ばない
生徒指導提要 第10章 不登校を「問題行動」と判断してはならない。「不登校児童生徒に問題がある」という決めつけを払拭し、共感的理解と受容の姿勢を持つ 「甘え」「怠け」と決めつけない
同じ通知の「家庭への支援」 保護者と課題意識を共有して一緒に取り組む信頼関係をつくり、保護者が気軽に相談できる体制を整える 親だけで抱えず、学校や相談窓口と話す

出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日/義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律 第13条(e-Gov)/生徒指導提要(改訂版)第10章 10.1.2(2026年9月27日確認)

注意しておきたい点が2つあります。

  • 教育機会確保法は、小学校・中学校など義務教育段階を対象にした法律です。高校生には直接は適用されません。ただ、生徒指導提要は小学校段階から高等学校段階までを対象にした教職員向けの基本書で、その不登校の章(第10章)の冒頭にも「登校という結果のみを目標にしない」という同じ考え方が書かれています。
  • 「休養が必要なときがある」は「ずっと何もしなくていい」という意味ではありません。通知は同じ段落で、学業の遅れや進路選択上の不利益といったリスクにも留意するよう書いています。子どもに向ける言葉は休養を認める方向で、進路の情報集めは親が静かに進めておく。この役割分担が、公的な考え方に沿った形だと編集部は考えています。

「なんで行けないの?」を避けたいのは、理由が本人にも1つに言えないことが多いからです

一番よく口にしてしまうのが「なんで行けないの?」です。理由が分かれば手を打てる、と考えるのは自然なことです。ただ、国の調査を見ると、この質問が本人にとって答えにくい理由が見えてきます。

文部科学省の令和6年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」では、不登校の子について学校が把握した事実を、当てはまるものをすべて選ぶ形で集計しています。

学校が把握した事実(複数回答) 高校(67,782人中) 小・中学校(353,970人中)
学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった 26.9% 30.1%
生活リズムの不調に関する相談があった 26.2% 25.0%
不安・抑うつの相談があった 16.0% 24.3%
学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた 12.8% 15.6%
いじめを除く友人関係をめぐる問題の情報や相談があった 10.2% 13.2%
親子の関わり方に関する問題の情報や相談があった 6.7% 12.6%
いじめの被害の情報や相談があった 0.9% 1.4%

出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(不登校抜粋版)」(2026年9月27日確認)。高校は全日制・定時制の合計です。

読み取れることは3つあります。

  • いちばん多いのは「やる気が出ない」「生活リズムの不調」といった、はっきりした出来事ではない状態です。本人も「これが原因」と言い切れないことが多いと考えられます。
  • 複数回答なので、1人に複数の事実が重なっていることがあります。理由を1つに絞ろうとすると、本人はかえって答えられなくなります。
  • 「親子の関わり方」は高校で6.7%です。親の関わりが原因の大半だと考える必要はありません。一方で、関わり方が支えになる余地があるとも読めます。

この調査の数字は「学校が把握した事実」で、子ども本人に理由を聞いた調査ではない点にも注意が必要です。それでも、「なんで?」と何度聞かれても答えが出ない子どもがいるのは、不自然なことではありません。「なんで行けないの?」の代わりに、「行けないくらいしんどいんだね」「話したくなったら、いつでも聞くよ」と伝えておくほうが、あとで本人が話しやすくなることがあります。

令和6年度の不登校の人数は、小・中学校で353,970人(12年連続の増加で過去最多)、高校で67,782人(前年度68,770人から減少)でした。不登校は、どの家庭にも起こりうることです。

ソファに並んで座り、娘の話を聞く母親
まずは言葉を返す前に、話を最後まで聞くことから始めます

言ってはいけない言葉10と、言い換えの例を1つの表にしました

ここからが本題です。上の公的な考え方(登校だけをゴールにしない/休養の必要性/決めつけない)にもとづいて、編集部が「避けたい言葉」と「言い換えの例」を整理しました。国がこの一覧を定めているわけではなく、考え方を言葉に当てはめた例示です。子どもの年齢や性格によって、合う言い方は変わります。

避けたい言葉 子どもに届きやすい受け取り方 言い換えの例
1. なんで行けないの? 理由を言えない自分を責められているように感じる 行けないくらい、しんどいんだね
2. 甘えてるだけでしょ/怠けてる 分かってもらえない、と心を閉じる 休むのも、今は必要なことなんだね
3. みんな行ってるのに/〇〇ちゃんは行けてる 比べられて、自分はだめだと思う あなたのペースで考えよう
4. このままじゃ将来どうするの 今すでに不安なところへ、不安が上乗せされる 道はいくつもあるよ。調べるのはお母さん(お父さん)がやっておくね
5. 明日は行けるよね?/いつまで休むの? 約束を守れない自分を、また責めることになる 明日のことは、明日の朝に一緒に決めよう
6. せめて勉強だけはしなさい 休んでいても責められている、と感じる 今は休むのが先。学び方は後から選べるよ
7. 学校に行かないでゲームばっかり 唯一ほっとできる時間まで否定される 何をしている時が少し楽?
8. 気にしすぎ/そんなことで しんどさを小さく扱われたと感じる そう感じたんだね。教えてくれてありがとう
9. 私の育て方が悪かったのかな 親を苦しめた、と子どもが罪悪感を持つ 誰のせいでもないよ。一緒に考えよう
10. 学校に行かないなら〇〇は禁止 登校が罰と取引の話になり、話しにくくなる 生活のルールは、学校のこととは分けて話そう

※表の「受け取り方」は、そう受け取られることがある、という可能性の整理です。すべての子どもが同じように感じるわけではありません。

10の言葉を並べると、共通点が見えてきます。

  • 1・5・6・10は、話の中心が「学校に行くかどうか」になっている言葉です。通知の「登校という結果のみを目標にしない」とずれます。
  • 2・3・8は、本人のしんどさを否定・比較する言葉です。生徒指導提要の「決めつけを払拭し、共感的理解と受容の姿勢を持つ」とずれます。
  • 4・9は、親の不安や自責をそのまま子どもに渡してしまう言葉です。不安そのものは自然なものなので、渡す先を子どもではなく、学校や相談窓口にします。
  • 7は、行動だけを見て気持ちを見ていない言葉です。ゲームや動画の時間が長いことが気になるなら、それは睡眠や生活のルールとして、登校とは切り離して話し合います。

発達特性のある子への具体的な言い換え(朝起きられない・課題が進まないなど5つの場面)は、発達障害 声かけの記事で詳しくまとめています。うつ病の診断を受けている、あるいは心の不調が強い場合の親の動き方は高校生 うつ病 親の対応の記事をご覧ください。

特に避けたい4つの言葉には、それぞれ親の「もっともな心配」が隠れています

表の中でも、保護者の方が特に言ってしまいやすい4つを取り上げます。言葉を我慢するだけだと、心配の行き場がなくなって、いつか別の形で出てしまいます。心配の中身を分けて、子ども以外の場所で片づけることがポイントです。

「甘えてるだけでしょ」の裏には「このまま怠け癖がつくのでは」という心配があります

生徒指導提要は、不登校は多様な要因・背景により結果として不登校になっているということであり、その行為を「問題行動」と判断してはならない、という考え方を示しています。朝になると体調が悪くなる、布団から出られない、という状態を「甘え」と呼ぶと、子どもは説明する言葉を失います。

「怠け癖がつくのでは」という心配は、生活リズムの話に置き換えられます。起きる時刻や食事の時間など、学校と関係なく続けられる生活の約束を、本人と一緒に決めるほうが現実的です。朝に頭痛や腹痛、立ちくらみなどが続く場合は、体の不調が隠れていることもあるため、かかりつけ医などに相談してください。

「みんな行ってるのに」の裏には「うちの子だけ取り残される」という焦りがあります

比べる言葉は、子どもにとって「自分はみんなより劣っている」という確認になりやすいものです。けれど、令和6年度の不登校は小・中学校で1,000人当たり38.6人、高校で1,000人当たり23.3人でした。同じ状況にいる子は全国に大勢います。

取り残される焦りは、親が情報を集めることで小さくできます。学校以外の学びの場や、通信制高校のような別の道を知っておくと、「みんなと同じ道」以外にも選べることが親自身に見えてきます。

「このままじゃ将来どうするの」の裏には「進路が閉じてしまう」という恐れがあります

将来の心配はもっともです。令和元年の通知も、不登校には学業の遅れや進路選択上の不利益といったリスクがあると書いています。ただし、それを休み始めたばかりの子どもに向けても、子どもは動けるようになりません。

進路の話は、本人が少し落ち着いて、自分から先のことを口にし始めてからが話しやすい時期です。それまでは、親が調べて持っておきます。不登校のあとの進路の選択肢(通信制高校・定時制・高卒認定など)は、不登校 進路の記事で条件と費用を比べています。

「私の育て方が悪かったのかな」は、子どもに罪悪感を渡してしまいます

親が自分を責める言葉は、一見すると子どもを責めていないので安全に思えます。けれど子どもから見ると、「自分が学校に行かないせいで親が苦しんでいる」と受け取られることがあります。生徒指導提要も、自責の念に苦しむ子どもと、負い目を感じている保護者の苦しみの両方に触れています。

自責の気持ちは、子どもではなく、スクールカウンセラーや相談窓口、親の会など、受け止める役割を持った人に話してください。後の節で窓口を表にしています。

不登校の子に親が言いがちな「なんで行けないの?」「みんな行ってるのに」「将来どうするの」「明日は行けるよね?」を、「しんどいんだね」「あなたのペースで」「道はいくつもあるよ」「明日の朝に決めよう」に言い換える例を、場面ごとに比べた表
出典:文部科学省 令和元年10月25日通知・生徒指導提要(改訂版)の考え方をもとに編集部が例示

言葉選びと同じくらい大事なのが「聴き方」です。国のゲートキーパーの4つの役割が参考になります

どれだけ言い換えを覚えても、話の流れの中で言葉は出てしまいます。そこで役に立つのが、言葉の選び方より一段手前の「聴き方」の型です。

厚生労働省は、悩んでいる人に気づき、声をかけられる人を「ゲートキーパー」と呼び、特別な研修や資格がなくても誰でもなれると紹介しています。期待される役割は次の4つで、そのうちどれか1つができるだけでも大きな支えになるとされています。

  1. 変化に気づく:家族や仲間の変化に気づいて声をかける
  2. じっくりと耳を傾ける:本人の気持ちを尊重し、耳を傾ける
  3. 支援先につなげる:早めに専門家に相談するよう促す
  4. 温かく見守る:温かく寄り添いながら、じっくりと見守る

同じページの「ゲートキーパーの心得」には、相手のこれまでの苦労をねぎらう、心配していることを伝える、一緒に考えることが支援といった項目があります。これを家庭の言葉にすると、次のようになります。

  • ねぎらう:「ここまで、ずっとがんばってきたんだね」
  • 心配を伝える:「最近つらそうに見えて、心配していたよ」(責める形ではなく、主語を「私」にする)
  • 一緒に考える:「どうするかは、あなたと一緒に決めたい」

出典:厚生労働省「ゲートキーパーになろう!」(2026年9月27日確認)。ゲートキーパーは自殺対策の取り組みとして紹介されているもので、不登校の対応のために作られた資料ではありません。ここでは「悩んでいる人の話の聴き方」として参考にしています。

聴くときの具体的な工夫も挙げておきます。

  • 向き合うより、並ぶ。車の中、料理をしながら、散歩しながらなど、目を合わせすぎない場面のほうが話しやすい子もいます。
  • 質問は1つだけにする。「何があったの?誰かに何か言われた?先生は?」と重ねると、取り調べのようになります。
  • 沈黙を埋めない。答えが返ってこなくても、「話したくなったら聞くね」で終えてかまいません。
  • 聞いた内容で、すぐに学校へ動かない。動く前に「先生に伝えてもいい?」と本人に確かめると、次も話してもらいやすくなります。ただし、いじめや命に関わる内容は、本人の了解を待たずに相談先につないでください。

「何も言わずに待つ」だけでは足りない場面もあります

「言ってはいけない言葉」を調べていくと、「では何も言わずに待てばいいのか」と感じる方もいると思います。ここは誤解されやすいところです。

生徒指導提要は、かつて「やみくもに登校刺激を与えるのではなく、待つことが大切」と強調された時期があったことを紹介したうえで、その後、ただ「待つ」のみではなく、どのような状態にあり、どのような支援を必要としているのかを見極めることが重要になった、と説明しています。そして「待っていてはいけないケース」として、いじめから不登校になったケース、背景に虐待が隠れているケース、発達障害から生じる二次的な問題に起因するケースを挙げています(第10章 10.1.1)。

気づいたこと 公的な資料での扱い 親ができること
いじめをほのめかす言葉、持ち物の破損など 生徒指導提要が「待っていてはいけないケース」に挙げる 記録を残し、学校に相談する。学校に言いにくいときは24時間子供SOSダイヤルへ
休みがちではなかった子が、ある日突然休み続ける 国立教育政策研究所の生徒指導リーフは、病気やけがでなければ、いじめや家庭内暴力・児童虐待等の可能性も疑うよう書いている 責めずに様子を聞き、学校にも状況を確かめる
頭痛・腹痛・立ちくらみ・眠れないなどが続く 生徒指導提要は、要因を「生物学的要因(発達特性、病気等)」も含めて見立てるよう書いている かかりつけ医など医療機関に相談する
「消えたい」など命に関わる言葉が出る 厚生労働省「まもろうよ こころ」が24時間の電話窓口を紹介している 一人で判断せず、すぐに相談窓口や医療機関につなぐ

出典:生徒指導提要(改訂版)第10章/国立教育政策研究所 生徒指導リーフ Leaf.14「不登校の予防」/厚生労働省「まもろうよ こころ」電話相談窓口(2026年9月27日確認)

つまり、言葉で追い詰めないことと、必要なときに動くことは両立します。「学校に行きなさい」とは言わない。でも、いじめや体調のサインには親が先に動く。言葉を控えるのは、動かないためではなく、子どもが話せる関係を保つためです。

高校生の場合は、中学校までと違い、欠席が単位や進級に関わってきます。単位の上限や学校に確かめる項目は高校生 不登校 原因の記事にまとめています。これも、子どもを急かすためではなく、親が期限を把握しておくための情報です。

夜の台所のカウンターで話す父親と高校生
責めない言葉に言い換えると、子どもが話しやすくなることがあります

休んでいても学び続ける道はあります。出席扱いや別の道を知っておくと、言葉に余裕が出ます

「せめて勉強だけは」「このままじゃ将来が」という言葉が出てしまうのは、「休む=学びが止まる=進路が閉じる」と感じるからです。けれど、今の制度はそう単純ではありません。親がこの事実を知っているだけで、口から出る言葉が変わります。

学校の外で学んだ日が「出席扱い」になることがあります

文部科学省の保護者向けリーフレットによると、不登校の子が学校外の施設で相談・指導を受けている場合や、自宅でICT等を使って学習している場合、一定の要件を満たせば、学校は出席扱いや成績評価を行うことができます。判断するのは学校です(義務教育段階)。

高校についても、平成21年の文部科学省通知で、学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けた日数を、一定の要件のもとで校長が指導要録上の出席扱いにできるとされています。要件の1つ目は、どちらも保護者と学校との間に十分な連携・協力の関係(体制)が保たれていることです。ここでも、親と学校がつながっていることが前提になっています。なお、高校のこの出席扱いは、科目の履修の認定で考慮される授業への出席とは別のものだと、同じ通知に書かれています。

令和6年度の調査では、小・中学校で、学校外の機関等で相談・指導を受けて出席扱いとなった子が42,978人、自宅でのICT等を使った学習が出席扱いとなった子が13,261人でした。

出典:文部科学省「【保護者等向け】不登校児童生徒の出席扱い・成績評価について」/文部科学省「高等学校における不登校生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の対応について」(平成21年3月12日)(2026年9月27日確認)

不登校は、ずっと続くとは限りません

国立教育政策研究所の生徒指導リーフ Leaf.22 は、不登校の数を「継続数」と「新規数」に分けて見ると、不登校の子の何人かは、翌年度には不登校の状態が解消していることが確認された、と書いています。

令和6年度の調査でも、前の年度に不登校だった子のうち、令和6年度も不登校に数えられた割合(継続率)は小学校71.7%、中学校77.1%でした。裏返すと、小学校で28.3%(26,497人)、中学校で22.9%(39,534人)は、翌年度の調査では不登校に数えられていません。この中には、欠席が30日未満になった子のほか、別の理由による長期欠席に分類が変わった子なども含まれうるため、全員が「元どおり通えるようになった」という意味ではありません。それでも、今の状態が固定されるわけではないことは、数字にも表れています。

出典:国立教育政策研究所 生徒指導リーフ Leaf.22「不登校の数を『継続数』と『新規数』とで考える」/文部科学省 令和6年度調査(不登校抜粋版)(2026年9月27日確認)

高校段階には、通信制高校という道もあります

COCOLOプラン(令和5年3月)は、高校の通信制課程について、どの学校でも社会的自立に向けて必要な資質・能力を身に付けられるようにする方針を掲げています。通信制高校は、毎日の登校を前提にせず、レポート・スクーリング・試験で単位を取る「高校」です。不登校の経験があっても、高校卒業の学歴をめざせます。

こうした道があることを親が知っていれば、「このままじゃ将来どうするの」ではなく、「道はいくつもあるから、落ち着いたら一緒に見てみよう」と言えるようになります。

※2026年9月時点の情報です。最新は文部科学省・各学校の公式ページでご確認ください。

厚生労働省が紹介するゲートキーパーの4つの役割「変化に気づく」「じっくりと耳を傾ける」「支援先につなげる」「温かく見守る」を、不登校の子への親の聴き方の型として並べた図
出典:厚生労働省「ゲートキーパーになろう!」

親が疲れているときは、親が相談していい。窓口は子ども向けだけではありません

言葉を選ぶには、親の側にも余裕が要ります。余裕がないときに言い換えの表を思い出すのは難しいものです。だからこそ、親が話を聞いてもらう場所を先に持っておくことが、結果的に子どもへの言葉を穏やかにします。

COCOLOプランは、「一人で悩みを抱え込まないよう保護者を支援」する方針を掲げ、教育委員会の相談窓口の整備や、教育支援センター・相談機関・保護者の会・フリースクール等に関する分かりやすい情報の提供、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによる保護者支援を挙げています。令和元年の通知も、保護者が気軽に相談できる体制を整えることが重要だとしています。

相談先 誰が使えるか 受付 運営・案内
24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310 悩んでいる子どもや保護者など 夜間・休日を含め24時間 文部科学省(原則として、かけた所在地の教育委員会の相談機関につながる)
親子のための相談LINE こども(18歳未満)とその保護者など。匿名でも相談できる 自治体ごとに異なる こども家庭庁
こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556 悩みを抱える人(大人も) 都道府県ごとに異なる 厚生労働省「まもろうよ こころ」で案内
不登校に関する地元の相談窓口 不登校の子と保護者 窓口ごとに異なる 文部科学省が各教育委員会の窓口の一覧を掲載
在籍校のスクールカウンセラー・担任 在籍している子と保護者 学校ごとに異なる 在籍校

出典:文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」について/こども家庭庁「親子のための相談LINE」について/厚生労働省「まもろうよ こころ」電話相談窓口/文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」/文部科学省「不登校対策(COCOLOプラン等)について」(2026年9月27日確認)

厚生労働省のゲートキーパーのページも、支える側が疲れてしまったときは、すべてを抱え込まず、少し休んだり、支える側の人が支援を受けたりしてよい、と書いています。親が相談することは、子どもを放っておくことではありません。

生徒指導提要は、当事者の視点で語られる経験は同じ悩みを抱える保護者の大きな支えになるとして、学校が親の会や保護者同士の学習会を紹介することにも触れています。COCOLOプランでも、教育委員会の相談窓口を通じて保護者の会などの情報を分かりやすく提供する方針が示されています。地域の親の会を探すときは、上の表の「不登校に関する地元の相談窓口」から尋ねてみてください。

よくある思い違い:「優しくする=甘やかし」「何も言わない=正解」ではありません

  • 「受け止めると、ずっと休むのでは」:受け止めることと、生活のルールをなくすことは別です。睡眠や食事などの約束は、登校と切り離して続けられます。
  • 「何も言わないのがいちばん安全」:声をかけないと、子どもは「見放された」と感じることもあります。登校の話はしなくても、「おはよう」「ごはんできたよ」といった普段の声かけは続けます。
  • 「一度言ってしまったら取り返せない」:言い直しはできます。「さっきは心配で強い言い方をした。ごめんね」と、心配だったことと謝ることを分けて伝えます。

選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)

高校生のお子さんで、「学校に行くかどうか」以外の話ができるようになってきたら、学び方の選択肢を一緒に眺めてみる時期かもしれません。

NIJIN高等学院(ニジ高)は、株式会社NIJINが運営するオンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも自宅から参加でき、担任がつきます。カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。生活リズムに波があっても学べる設計で、中学の内容の学び直しや授業のアーカイブ視聴にも対応しています。生徒会・サークル・学園祭・企業コラボなど、生徒が自分たちで企画する活動もあります。不登校の生徒をグループ全体で650名以上サポートしてきました。途中からの転入・編入もでき、出願費用は無料です。

そのうえで、正直にお伝えしておくことがあります。

  • ニジ高は高校ではありません。高校卒業の資格は、提携する通信制高校に在籍して取ります。
  • 学院の中でのスクーリングはありませんが、提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。スクーリングの形や日程は、個別相談会で詳しくご案内しています。
  • 費用は、通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかります。ニジ高の分に就学支援金は使えません。金額は学費のご案内でご確認ください。
  • サポート校と通信制高校の違いそのものは、通信制サポート校とはの記事で詳しく整理しています。

お子さんが小学生・中学生の場合は、姉妹事業のNIJINアカデミー(小中学生のオルタナティブスクール。ニジ高はその高等部)という選択肢もあります。

迷ったときの進め方(3ステップ)

  1. 今日、1つだけ言い換える。表の10の言葉のうち、自分がいちばん言いやすいものを1つ選び、言い換えの言葉を冷蔵庫のメモなど自分だけが見る場所に書いておきます。10個全部を一度に変える必要はありません。
  2. 親の不安を、子ども以外の場所で話す。担任やスクールカウンセラー、24時間子供SOSダイヤル、親子のための相談LINEなど、上の表から1つ選んで連絡してみます。「将来が心配」「つい責めてしまう」という話は、ここに持っていきます。
  3. 先の道は、親が先に調べておく。出席扱いの条件、高校生なら単位の状況、通信制高校などの選択肢を、子どもに話す前に親が把握しておきます。本人が先のことを口にしたときに、「一緒に見てみよう」と言える準備です。

3つとも、子どもが学校に行くかどうかが決まっていなくても進められます。高校の選び方や通信制の仕組みを話を聞きながら整理したい場合は、体験説明会・個別相談も利用できます。

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言葉を変えるのと並行して、学び方の選択肢も知っておけます

ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。授業はカメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められ、転入・編入もできます。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。体験説明会は日程を選んで申し込めます。

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よくある質問

Q. 不登校の子に「学校に行きなさい」と言うのは、言ってはいけない言葉ですか?

A. 国が禁止している言葉ではありません。ただ、文部科学省の通知は「学校に登校するという結果のみを目標にしない」という考え方を示しています。休み始めたばかりの時期に登校だけを求める言葉を重ねると、子どもが話しにくくなることがあるため、この記事では避けたい言葉の例に入れています。

Q. もう言ってしまいました。どうすればいいですか?

A. 言い直すことができます。「さっきは心配で強い言い方をしてしまった。ごめんね」と、心配していたことと謝ることを分けて伝えてください。そのうえで、親自身の不安はスクールカウンセラーや相談窓口に話すと、同じ言葉を繰り返しにくくなります。

Q. 何も言わずに見守るのと、声をかけるのと、どちらがいいですか?

A. 登校の話はしなくても、あいさつや食事の声かけなど普段の会話は続けるのがよいと考えます。生徒指導提要は、ただ待つだけでなく状態を見極めることが大切だとし、いじめや虐待が疑われる場合などを「待っていてはいけないケース」に挙げています。

Q. 理由を聞いてはいけないのですか?

A. 聞いてはいけないわけではありません。問い詰める形にしないことが大切です。令和6年度の調査では、高校の不登校で最も多く把握されたのは「やる気が出ない等の相談」26.9%で、理由を1つに言えない子も多いと考えられます。「話したくなったら聞くよ」と伝え、答えを急がないようにします。

Q. 親がつらくて、優しい言葉をかける余裕がありません。

A. その状態で言葉だけを変えようとするのは難しいものです。24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)は保護者も相談でき、こども家庭庁の親子のための相談LINEは匿名でも相談できます。親が話を聞いてもらうことは、子どもへの支援にもつながります。

言葉は、今日から1つずつ変えていけます

「言ってはいけない言葉」を探してここまで読んだあなたは、もう子どもの気持ちを考えながら言葉を選ぼうとしています。完璧な言い方を探す必要はありません。心配から出た言葉を、1つずつ、届く形に言い換えていくところから始められます。

うまく言えない日があっても、言い直すことはできます。そして、親が疲れたときは、親が相談していい。学校に行くかどうかより先に、家が安心して休める場所であること。それが、子どもがまた先のことを考え始めるための土台になります。

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