高校生のお子さんが部屋から出てこない日が続き、「これはひきこもりなのだろうか」「親として何をすればいいのか」と検索している方へ。先に結論を書くと、親がいちばん先にできるのは、本人を外へ連れ出すことではなく、家を安心できる場所に保ちながら、親自身が外の相談先とつながることです。相談は、本人が行けなくても親だけで始められます。
この記事は、厚生労働省の「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」と「ひきこもり支援ハンドブック」、内閣府(現在はこども家庭庁に移管)の「こども・若者の意識と生活に関する調査(令和4年度)」、文部科学省の資料、法令(e-Gov)を実際に開いて確かめた内容で書いています。診断の代わりになるものではありません。心や体の状態の判断は、医師や専門の相談機関にお任せください。
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結論:高校生がひきこもりがちなときに親ができることの早見
- 国のガイドラインの定義は「原則的には6ヵ月以上」家庭にとどまり続けている状態です。ただし2025年1月の国のハンドブックは、支援の対象について「期間は問いません」としています。6か月を待たずに相談してかまいません。
- ひきこもりは「状態」であって「病名」ではありません。親が「うちの子は病気だ」「病気ではない」と決めつける必要はありません。
- 内閣府の令和4年度調査では、15〜39歳の2.05%が「広義のひきこもり」に当たりました。「趣味の用事のときだけ外出する」人も数に入っています。
- 国のガイドラインは、経過を準備段階・開始段階・ひきこもり段階・社会との再会段階の4つに分け、段階によって対応を変えるよう示しています。開始段階から後は、焦って外へ出そうとしないことが共通しています。
- この記事では、家での関わりを「安心できる環境」→「会話」→「外とのつながり」の順に整理しました。国の手順ではなく、ガイドラインの「段階を飛ばさない」という考え方をもとにした目安です。
- 相談先は、ひきこもり地域支援センター(全都道府県・指定都市に設置)・精神保健福祉センター・保健所・在籍校が中心です。本人が行けなくても、親だけの相談から始められます。
- 外に出る準備が少しずつ整ってきたら、家から学べるオンライン中心のサポート校(NIJIN高等学院など)で通信制高校の卒業をめざす方法もあります。
「ひきこもりかどうか」を決めるより先に、「今どのくらい外とつながっているか」を見ます
「ひきこもり」という言葉を調べると、半年、1年といった期間の話がたくさん出てきます。そのため、「まだ3か月だからひきこもりではない」「もう半年を過ぎたから手遅れかもしれない」と、期間だけで気持ちが上下してしまうことがあります。
けれど、国が2025年1月にまとめた厚生労働省「ひきこもり支援ハンドブック~寄り添うための羅針盤~」は、これまで期間で支援を受けられるかどうかが判断されることがあり、相談した本人や家族が「6か月を過ぎてからまた来てほしい」と言われて窓口に不信感を持った例もあった、と振り返っています。そのうえで、支援の対象となる状態について「期間は問いません」と書いています。
つまり、親が最初に考えるべきなのは「名前がつくかどうか」ではありません。次の3つを、責める気持ちを脇に置いて、メモに書き出してみてください。
- 家族とは、どのくらい話せているか(あいさつだけ/食事のときは話す/ほとんど話さない)
- 家の外とは、どのくらいつながっているか(コンビニには行く/ネットの友だちとは話す/部屋からほとんど出ない)
- 眠る・食べる・入浴するといった毎日の生活は、どのくらい保てているか
このメモは、あとで相談窓口に行くときにそのまま役に立ちます。学校を休みがちになった理由そのものを知りたい場合は、高校生 不登校 原因の記事で、文部科学省の調査の数字と学校に確かめることを整理しています。この記事は「家での関わり方」と「相談先」に絞ります。

国の定義は「原則6ヵ月以上」。ただし「状態」であって「病名」ではありません
「ひきこもり」の言葉の使われ方は、資料によって少しずつ違います。親が知っておきたい3つの資料を並べます。
| 資料 | ひきこもりの捉え方 | 親にとってのポイント |
|---|---|---|
| 厚生労働省「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」(2010年) | 社会的参加を回避し、原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態。他者と交わらない形での外出をしていてもよい | 病気の名前ではなく「現象」を指す言葉。背景は人によって違う |
| 厚生労働省「ひきこもり支援ハンドブック」(2025年1月) | 生きづらさや生活上の困難を感じ、他者との交流が少なく、支援を必要とする本人や家族。その状態にある期間は問わない | 6か月を待たずに相談してよい。家族も支援の対象 |
| 内閣府「こども・若者の意識と生活に関する調査」(令和4年度) | 外出の頻度(趣味の用事のときだけ外出〜自室からほとんど出ない)と、その状態が6か月以上続いているかで分類 | 調査のための分け方。当てはまるかどうかで本人の価値が決まるものではない |
2010年のガイドラインの定義は、原文では次のとおりです。
「様々な要因の結果として社会的参加(義務教育を含む就学,非常勤職を含む就労,家庭外での交遊など)を回避し,原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)を指す現象概念である。」
出典:厚生労働省「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」(厚生労働科学研究・研究代表者 齊藤万比古。2026年9月確認)
同じガイドラインは、この定義のすぐあとで「社会参加をしていない子どもや青年がすべて社会的支援や治療を必要としているわけではない」とも書いています。また、日本小児心身医学会の一般向けページは、ひきこもりは「状態」であって「病態」ではないことに留意する必要がある、と説明しています(日本小児心身医学会「ひきこもり」)。
一方で、同じ学会のページは、ひきこもりの状態にある人を対象にした調査から、睡眠の問題(不眠や昼夜逆転)、不安、うつ病を主とした気分障害など、精神医学的な診断がつくケースも多いことが分かってきている、とも紹介しています。親が「病気かどうか」を判断する必要はありませんが、眠れない・食べられない・気分の落ち込みが強いといった様子が続くときは、受診や専門の相談を考える目安になります。
ガイドラインには、不登校の中に、青年期以降のひきこもりと関連の強い一群があるという記述があります。ただし前述の学会のページは、不登校全体から見て社会的ひきこもりの状態にまで至る例はそれほど多くないとされている、とも書いています。不登校がそのままひきこもりになると決めつけて、自分を追い詰めないでください。
15〜39歳の2.05%。調査では「趣味の用事のときだけ外出」も数に入っています
数字も確かめておきます。内閣府が令和4年度に行った「こども・若者の意識と生活に関する調査」では、15〜39歳(有効回収7,035人)のうち144人、2.05%が「広義のひきこもり群」に当たりました。高校生の年齢(15歳以上)は、この15〜39歳の調査に含まれています。
| ふだんの外出の様子 | 調査での呼び方 | 15〜39歳の割合 |
|---|---|---|
| 趣味の用事のときだけ外出する | 準ひきこもり | 0.95%(67人) |
| 近所のコンビニなどには出かける | 狭義のひきこもり | 0.74%(52人) |
| 自室からは出るが、家からは出ない | 狭義のひきこもり | 0.30%(21人) |
| 自室からほとんど出ない | 狭義のひきこもり | 0.06%(4人) |
| 合計(6か月以上続いている人) | 広義のひきこもり群 | 2.05%(144人) |
出典:こども家庭庁「こども・若者の意識と生活に関する調査(令和4年度)」第3部 第2章(令和5年3月に内閣府が公表。2026年9月確認)。統合失調症や体の病気が理由の人、家事・育児・介護などをしていて家族以外の人とも会話している人、仕事をしている人(自宅での仕事を含む)などは除いて数えています。調査自身が、同じ定義を一律に当てはめた結果なので、実際にはひきこもりの状態にない人が含まれている可能性と、逆にひきこもりの状態にある人が除かれている可能性の両方がある、と注記しています。
この表から分かるのは、「部屋からまったく出ない」状態は、広義のひきこもり群の中でもごく一部だということです。コンビニには行ける、趣味の用事なら出かけられる、という状態も含まれています。厚生労働省のページは、この調査をもとに15歳から64歳の50人に一人がひきこもり状態にあると紹介しています。決して珍しいことではありません。
調査には、本人の気持ちが分かる数字もあります。広義のひきこもり群で「今の自分を変えたいと思う」に「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」と答えた人は75.7%で、それ以外の人(65.7%)より多くなっていました。外に出ていないことと、何も考えていないことは同じではありません。

高校生の場合は、心の回復と「単位・在籍」の問題が同時に進みます
高校生のひきこもりが大人の場合と違うのは、学校に籍があり、休んでいる間も単位と出席の問題が進んでいくことです。文部科学省の令和6年度の調査では、高校の不登校生徒は67,782人でした(文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」)。
ここで親が板挟みになりやすいのは、「休ませてあげたい気持ち」と「このままだと留年するかもしれない焦り」です。ガイドラインは、ひきこもりが始まった時期について、当事者には休養が、家族には余裕が必要で、支援者が指示しすぎないことが大切だとしています。単位の心配は、本人に直接ぶつけるより、親が学校と話して情報を集めておくほうが、本人の負担を増やさずにすみます。
学校に確かめておきたいのは、たとえば次のようなことです。
- 今の欠席で、どの科目がどのくらい危ないのか(出席の基準は学校ごとの規程で決まります)
- 別室登校や補習、課題での対応ができるか
- 休学という形を取れるか、取った場合に学年や在籍はどうなるか
- スクールカウンセラーに、親だけで相談できるか
欠席の数え方は高校 欠席日数、単位と出席の関係は高校 出席日数の記事で詳しく整理しています。転校を考え始めた場合の条件と手順は、高校 転入の記事にまとめています。
ただし、学校の手続きを決めることと、本人の回復を急がせることは別です。手続きの期限は親が把握しておき、本人には「決めなければいけないことは、いったんこちらで調べておくね」と伝えるくらいで十分な時期もあります。
国のガイドラインは経過を4つの段階に分け、「段階ごとに対応を変える」としています
2010年のガイドラインは、不登校を含むひきこもりの経過を4つの段階に分け、それぞれの特徴と対応の原則を表にしています。ここでは表の要点を、言葉をできるだけ変えずに並べます。
| 段階 | ガイドラインが示す特徴 | ガイドラインが示す対応の原則 |
|---|---|---|
| 準備段階 | 身体症状や精神症状、問題行動などの一般的な症状が前に出る時期。周りからは気づきにくい | 症状のケアなどを通じて、子どもの心の訴えに耳を傾ける |
| 開始段階 | 激しい葛藤が表に出て、家庭内暴力などの不安定さが目立つ時期 | 本人には休養、家族や関係者には余裕が必要。支援者が指示しすぎない |
| ひきこもり段階 | 回避と退行が前に出て、刺激されなければ葛藤は目立たない。徐々に回復していく場合もある | 焦らずに見守る。性急な社会復帰の要求は避ける。家族の不安を支える。変化がないまま長引く兆しがあれば、積極的な関わりも考える |
| 社会との再会段階 | 試行錯誤しながら、多くは中間的・過渡的な場との接触が始まる時期 | 子どもの変化に一喜一憂せず、安定した関わりを心がける(家族が焦って登校や外出を促しがちになる) |
出典:厚生労働省「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」3-6「ひきこもりの段階を知ること」表1(2026年9月確認)
ガイドラインは、すべての人がこの順番どおりに進むわけではないことも書いています。開始段階から間もなく社会との再会に進む人もいれば、ひきこもり段階に長くとどまる人、再会段階から戻る人もいます。また、ひきこもり段階ではゲームやインターネットへの長時間の没頭が目立つ例が少なくないこと、しばらくすると夜にコンビニへ買い物に行くなど、ごく浅い外との接触が戻ることがあるとも書かれています。
ゲームやスマホとの付き合い方は不登校 スマホ 取り上げる、昼と夜が入れ替わってしまったときの声かけは高校生 昼夜逆転の記事で、それぞれ詳しく書いています。

家での関わりは「安心→会話→外とのつながり」の順。順番を飛ばさないことが大切です
ガイドラインは支援の流れについても、家族支援から本人の個人的な支援へ、そこから居場所のような中間的・過渡的な集団へ、そして就学・就労などの社会参加へと、段階を一段ずつ登っていく過程だと説明しています。そして、途中の段階を人工的に加速させたり、飛ばしたりすることは勧められないとしています。
この考え方を家庭の中に置き換えると、次の3段階になります。下の表は、ガイドラインの考え方をもとに、この記事で家庭向けに整理した目安です。国が定めた手順ではありません。
| 段階 | こんな様子のとき | 親ができること | 避けたいこと |
|---|---|---|---|
| 1. 安心できる環境 | 部屋にいる時間が長い。話しかけると身構える。家の中でも緊張している | 食事を用意して置いておく。あいさつだけは続ける。家の中で責められない時間を増やす | 理由を問い詰める。きょうだいや同級生と比べる。「いつまで休むの」と期限を切る |
| 2. 会話 | リビングに出てくる時間がある。好きなことの話なら少し話す | 本人の好きなことを聞く。親の失敗談や雑談をする。本人が決めたことを尊重する | 話せた日に、学校や将来の話を一気に持ち出す |
| 3. 外とのつながり | 「このままでいいのかな」と口にする。外のことに関心が出てくる | 選択肢を押しつけずに情報として置く。本人が望めば、相談先や居場所に一緒に行く | 変化に一喜一憂する。1回行けなかったことを失敗と受け取る |
1の段階でいちばん大事なのは、家が「責められない場所」であり続けることです。2025年のハンドブックは、家族や支援者から「外に出ること」「就労すること」を求められることでさらに傷つき、支援から遠ざかったり、家族との距離が離れたりする例がある、と書いています。「よかれと思って」の説得やアドバイスが、結果的に本人の力を奪ってしまうことがある、という指摘です。
2の段階では、話の中身より「話せた」という経験の積み重ねを大切にします。ガイドラインにも、ひきこもり段階では言動の幼さが目立って周りの大人が戸惑うことがある、という記述があります。親から見て物足りない会話でも、それが次の段階の土台になります。
3の段階に入ると、本人のほうから学校や将来のことを口にし始めることがあります。ガイドラインは、この時期に家族が焦って登校や外出を促しがちになると注意しています。情報は本人が手に取れる場所に置き、決めるのは本人、という形を保つと、本人が自分で動き出すきっかけになることがあります。
ハンドブックは、支援の目指す姿を「自立」ではなく「自律」、つまり自身を肯定し、主体的な決定ができる状態としています。学校に戻ること、別の学校へ移ること、しばらく休むこと。どれを選ぶにしても、本人が自分で決めたと感じられることが、その後を支えます。
相談は、本人が行けなくても親だけで始められます
「本人が行く気にならないと、相談しても意味がないのでは」と思う方は多いです。けれどガイドラインは、未成年の不登校・ひきこもりの例や、家族しか相談に来られない例では、支援は「家族支援」の段階から始まるとしています。親だけの相談は、正式な支援の入り口です。
ガイドラインは、家族への面接の意義として、ひきこもりの子どもを持つ親の苦悩が受け止められる体験を得ること、親が共同の支援者として冷静さと意欲を持てるようになること、両親の協力関係ができることなどを挙げています。また、相談の最初から「どうしたらいいか」の答えを求めがちだが、魔法のような対処法は存在しないので、まず親子がたどってきた生活の歴史を知ることから始める、とも書いています。
相談に行ったことを本人に伝えるかどうかについて、ガイドラインはケース・バイ・ケースとしています。できれば事前に知らせるのがよいが、家族が決心できないときに無理強いすべきではない、という考え方です。伝えるときは、決まった言葉を探すより、親自身の言葉で、何を相談して、何を感じたかを話すことが大切だとしています。
内閣府の調査でも、広義のひきこもり群で「誰にも相談したくない」と答えた人は22.9%(それ以外の人は9.6%)いました。本人が相談を望まない時期があるのは、珍しいことではありません。だからこそ、まず親が外とつながっておくことに意味があります。
親自身が疲れ切っているときの休み方や相談先は、発達特性のあるお子さんの家庭向けに発達障害 高校生 親 相談先の記事でも整理しています。
相談先は5つ。高校生の年齢で使いやすいところと、使いにくいところがあります
相談先は名前が似ていて迷いやすいので、対象と役割を公式の資料で確かめて並べます。
| 相談先 | どこにあるか・対象 | できること | 確認しておきたいこと |
|---|---|---|---|
| ひきこもり地域支援センター | 全都道府県・指定都市(67自治体)に設置。市町村にも広がっている(令和7年度47自治体) | 支援コーディネーター(社会福祉士・精神保健福祉士・保健師・公認心理師など)が本人や家族の相談にのり、適切な支援につなぐ | 名称や対象はセンターごとに違う(例:北海道は「北海道ひきこもり成年相談センター」)。高校生の相談を受けるか電話で確かめる |
| 精神保健福祉センター | 都道府県(指定都市を含む)に置かれる | こころの健康相談、思春期・青年期の相談など。医療が必要かどうかも相談できる | 予約が必要か、家族だけの相談ができるかを確かめる |
| 保健所・保健センター | 地域ごと | 家庭内暴力やひきこもり、不登校など思春期の問題の相談 | いちばん身近な窓口。どこに相談するか迷ったときの入り口になる |
| 在籍している高校 | 担任・スクールカウンセラーなど | 単位・出席・休学の扱いの相談と、学校内の支援 | カウンセラーの来校日。親だけの面談ができるか |
| 教育委員会の教育相談 | 都道府県・市町村の教育委員会 | 教育相談。不登校の子どもの通う教育支援センター(適応指導教室)を持つところが多い | 教育支援センターの多くは小中学生向け。高校生を受け入れているかは地域で違う |
出典:厚生労働省「ひきこもり支援に関する取組」(センターの設置数・支援コーディネーターの職種。センターの一覧PDFもこのページにあります)/厚生労働省「こころもメンテしよう」身近にある地域の相談窓口/e-ヘルスネット「精神保健福祉センターと保健所」/精神保健福祉法 第6条(2026年9月確認)
教育支援センターについては、文部科学省が令和元年に公表した実態調査(平成29年度の状況)で、1,295施設のうち、地域に住む高校生を受け入れ対象にしていたのは57施設、在籍していた高校生は145人(中学生は16,710人)でした(文部科学省「教育支援センター(適応指導教室)に関する実態調査」結果)。高校生の場合は、在籍校の相談と、保健・福祉の窓口を中心に考えるほうが現実的です。
ほかにも、年齢や状況によって次の窓口があります。
- 児童相談所:対象は18歳未満(児童福祉法第4条で、児童は満18歳に満たない者)。家庭の中で困りごとが大きくなっているときの相談先の1つです。
- 子ども・若者総合相談センター:子ども・若者育成支援推進法第13条で、地方公共団体が体制を確保するよう努めるとされている窓口です。努力義務なので、ない地域もあります。
- 地域若者サポートステーション(サポステ):働くことに踏み出したい15〜49歳で、仕事をしていない人・就学中でない人が対象です。高校に在籍している間は対象外で、中退後や卒業後の選択肢になります(厚生労働省 サポステ)。
- ひきこもりVOICE STATION:厚生労働省のポータルサイトで、全国の相談窓口や、当事者・家族の声を集めた内容が載っています(ひきこもりVOICE STATION)。
内閣府の調査では、広義のひきこもり群でひきこもり地域支援センターを「知っている」と答えた人は13.9%、精神保健福祉センターは13.2%でした。窓口があること自体が知られていないのが実情です。まず親が場所と電話番号を調べておくだけでも、一歩進んでいます。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

命と安全にかかわるサインがあるときは、段階を待たずに相談します
ここまで「焦らない」「急がせない」と書いてきましたが、例外があります。ガイドラインは緊急時の対応として、自殺の恐れがあると判断される場合や、深刻な家庭内暴力が抑えられない水準に至った場合などを挙げ、保健所や精神保健福祉センター、医療機関、場合によっては警察と連携して対応することを示しています。
- 「死にたい」「消えたい」と口にするなど、命にかかわる様子がある
- 自分を傷つける行為がある
- 家族への暴力が続き、家族の安全が守れない
- 眠れない・食べられない状態が続き、体が弱っている
最後の1つはガイドラインが挙げた例ではありませんが、体の安全にかかわる様子として、同じように早めの相談を考えてください。こうしたときは、段階を見守る時期ではありません。医療機関や保健所、精神保健福祉センターに相談してください。夜間や休日には、文部科学省の24時間子供SOSダイヤル(0120-078310)が、子どもや保護者などが夜間・休日も含めて相談できる窓口として案内されています(文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」について)。命に関わる差し迫った状況では、119番や110番を使ってください。
ガイドラインは、家族が暴力の対象になっている場合には、その家族が避難せざるを得ないこともあると書いています。家族が自分の身を守ることは、本人を見捨てることではありません。
選択肢の1つとしてのオンラインの学び(正直な注意点)
外とのつながりが少しずつ戻ってきた段階で、「今の高校に戻る」以外の道を考え始める家庭もあります。その選択肢の1つが、通信制高校と、学習や生活を支えるサポート校です。
NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも、海外からでも学べ、担任制です。カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。生活リズムに波があっても学べるように、授業のアーカイブ視聴や中学内容の学び直しにも対応しています。途中からの入学(転入・編入)もでき、出願の費用は無料です。不登校の生徒を650名以上サポートしてきた実績があります(グループ全体)。不登校の小中学生には、姉妹事業のオルタナティブスクールNIJINアカデミーがあります。
そのうえで、正直な注意点も書いておきます。
- ニジ高は高校ではありません。高校卒業の資格は、提携する通信制高校で取ります。
- 提携する通信制高校のスクーリングへの参加が必要です。ニジ高の中でのスクーリングはありません。スクーリングの形や日程は、個別相談会で詳しくご案内しています。
- 費用は、提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかります。就学支援金は高校の授業料が対象で、ニジ高の分には使えません。ニジ高の費用は学費のご案内でご確認ください。
- 本人の段階が「安心」や「会話」にある時期に、学校選びを急ぐ必要はありません。ガイドラインが段階を飛ばさないよう勧めているのと同じで、学校の話が負担になる時期もあります。親が情報を集めておき、本人が関心を示したときに一緒に見る、という順番をおすすめします。
通信制高校やサポート校の選び方の全体像は、通信制高校 選び方のページにテーマ別にまとめています。
迷ったときの進め方(3ステップ)
ステップ1:今の様子をメモにする(今日〜1週間)
家族との会話、外とのつながり、睡眠・食事・入浴の様子を、日付をつけて書きます。責める気持ちで見張るのではなく、相談のときに伝えるための記録です。命や安全に関わるサインがあれば、このステップを飛ばしてすぐ相談します。
ステップ2:親だけで相談先に連絡する(1〜2週間)
お住まいの地域のひきこもり地域支援センター、精神保健福祉センター、保健所のどこか1つに電話し、「高校生の子どもについて、親だけで相談できますか」と聞きます。並行して、在籍校の担任かスクールカウンセラーに、単位と出席の見通しを確かめます。
ステップ3:家での関わりを「安心」から始め直す(その後ずっと)
相談で得た助言をもとに、家を責められない場所に保ちます。本人が学校や将来の話をし始めたら、情報を押しつけずに置いておきます。学び方の選択肢を知りたくなったら、学校の個別相談会で話を聞いてから決めても遅くありません。ニジ高について聞いてみたい場合は、よくある質問もあわせてご覧ください。


外に出る準備ができてきたら、家から学ぶ形もあります
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校で、カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められます。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。学校選びを急がない時期も含めて、話を聞くだけの段階からご相談ください。
よくある質問
Q. 半年たっていなければ、相談はまだ早いですか?
A. 早くありません。2010年のガイドラインの定義は「原則的には6ヵ月以上」ですが、2025年1月の厚生労働省のハンドブックは、支援の対象について「その状態にある期間は問いません」としています。期間を待たずに、ひきこもり地域支援センターや保健所などに相談してかまいません。
Q. 本人が相談に行きたがりません。親だけで行っても意味はありますか?
A. あります。ガイドラインは、家族しか相談に来られない場合、支援は「家族支援」の段階から始まるとしています。親が受け止めてもらえる経験を得ること、親が落ち着いて関われるようになることも、支援の大切な目的に挙げられています。
Q. ひきこもりは病気ですか?病院に連れて行くべきですか?
A. ひきこもりは病名ではなく「状態」を指す言葉です。ただ、睡眠の問題や不安、気分の落ち込みなどが背景にあることもあります。眠れない・食べられない・落ち込みが強いといった様子が続くときは、受診を検討したり、精神保健福祉センターで「医療が必要かどうか」を相談したりする方法があります。本人が受診を拒むときも、まず家族が相談できます。
Q. 部屋から出てこない子に、どう声をかければいいですか?
A. 返事を求めない、短いあいさつから続けるのが1つの方法です。「ご飯ここに置いておくね」「おやすみ」など、答えなくてもよい言葉です。厚生労働省が支援者向けにまとめた支援のヒントには、部屋から出ない本人に対して、部屋の前で天気など何でもないことを話すことを繰り返した例や、外出を促す・気持ちを聞くといった、本人の安全を脅かすような会話はしないほうがよい、という助言が載っています。家庭での暮らしを安心・安全なものにし、信じて待つことが大切だとされています(厚生労働省「ひきこもり支援施策について」)。
Q. このまま大人になってもひきこもったままではないかと不安です
A. ガイドラインは、経過は人によって違い、ひきこもり段階でも多くの例で少しずつ外への関心が出てくると書いています。日本小児心身医学会のページも、不登校全体から見て社会的ひきこもりの状態にまで至る例はそれほど多くないとしています。先の不安が大きいときほど、親が一人で抱え込まずに相談先とつながっておくことが、本人にとっても支えになります。
外に出ない時間も、回復に向かっている時間のことがあります
お子さんが部屋から出てこない毎日は、見守る親にとっても長く、苦しいものです。「自分の育て方が悪かったのでは」と考えてしまう夜もあると思います。けれど、国のガイドラインは、「ひきこもり段階」と呼ぶ時期を、背景にある強い葛藤などからの回復に取り組んでいる時間と理解すべきだ、と書いています。
親ができることは、本人を変えることではなく、家を安心できる場所に保つことと、親自身が外の支えとつながることです。今日できることは、相談先の電話番号を1つ調べておくことだけでもかまいません。その小さな一歩が、お子さんが外へ向かうときの足場になることもあります。
決める前の、話を聞くだけの段階からご相談いただけます
全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付
通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。

