高校の案内や中学校でもらう進路の資料で「単位制」という言葉を見かけて、「通信制高校のことかな」「毎日通わなくてもいい高校なのかな」と感じた方は多いと思います。名前が似ていて、説明する記事によって言い方もばらばらなので、迷うのは自然なことです。
先に結論を書きます。単位制と通信制は、そもそも別の分け方です。単位制高校とは、学年による教育課程の区分を設けず、決められた単位を修得すれば卒業が認められる高校のことです。「単位制」は学び方の区切りを表す言葉で、全日制・定時制・通信制という授業の受け方の区分(課程)とは別の物差しです。そのため、全日制の単位制高校は平日の昼に通う高校で、通信制高校とは通い方が大きく違います。この記事では、全日制・定時制・通信制それぞれの単位制の違い、卒業の条件、学費の考え方、どんな人に合いやすいかを順に整理します。
この記事は、学校教育法と学校教育法施行規則、単位制高等学校教育規程(いずれもe-Gov法令検索)、高等学校学習指導要領(平成30年告示)、文部科学省の単位制高等学校の説明ページ、令和7年度の学校基本調査(e-Stat)、文部科学省の就学支援金の資料を、2026年9月30日に実際に開いて確かめた内容で書いています。公式の資料で確かめられなかったことは、確かめられなかったと書きます。学年制との違いのうち、進級や留年の扱いの細かい話は別の記事に任せ、ここでは「単位制という課程を、3つの課程ごとに比べる」ことに絞ります。
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結論:単位制と通信制の違いの早見
- 「単位制」と「通信制」は別の分け方です。単位制・学年制は学び方の区切り、全日制・定時制・通信制は授業の受け方の区分です。「単位制=通信制」ではありません。
- 単位制高校とは、学年による教育課程の区分を設けず、決められた単位を修得すれば卒業が認められる高校です。正式には「単位制による課程」を置く高校のことで、根拠は学校教育法施行規則第103条と単位制高等学校教育規程です。
- 全日制の単位制は、平日の昼に通う高校です。令和7年度の学校基本調査では769校(うち公立700校)、生徒は39万2,230人でした。
- 定時制は、生徒の約4人に3人(7万3,331人のうち5万5,252人)が単位制の課程に在籍しています。通信制は大半が単位制と説明されることが多いものの、国の統計で内訳は確認できませんでした。
- 卒業には、どの課程でも学校が定めた単位数(74単位以上)の修得と、特別活動の成果の認定が要ります。修業年限は全日制が3年、定時制・通信制が3年以上で、通信制は特別活動を卒業までに30単位時間以上行うことも条件です。
- 学年制との一番の違いは、学年ごとの進級の判定がないことです。ただし単位制でも、単位を落とした科目は取り直しになり、卒業が延びることはあります。
- 毎日の通学が難しい場合は、通信制の単位制に、オンライン中心のサポート校(ニジ高など)を組み合わせる方法もあります。サポート校は高校ではない点は、後の節で正直に書きます。
通信制高校そのものの仕組み(卒業の3条件・全日制との違い・学費と就学支援金)は、通信制高校とはの記事に1本でまとめています。
単位制は、学年の区切りを置かずに決められた単位を修得して卒業する仕組みで、正式には「単位制による課程」と呼びます
文部科学省は、単位制高等学校を「学年による教育課程の区分を設けず、決められた単位を修得すれば卒業が認められる高等学校」と説明しています。昭和63年度に定時制・通信制の課程で始まり、平成5年度からは全日制の課程でも置けるようになりました(文部科学省「単位制高等学校について」)。同じページは、単位制の特色として、自分の学習計画に基づいて興味・関心に応じた科目を選んで学べること、学年の区分がなく自分のペースで学習に取り組めることを挙げています。
法令の上では、次の2つが土台になっています。
- 学校教育法施行規則 第103条:高校は、各学年の課程の修了に関する規定にかかわらず、学年による教育課程の区分を設けないことが「できる」。その場合の入学などの特例は、単位制高等学校教育規程で定める。
- 単位制高等学校教育規程 第1条:学年による教育課程の区分を設けない全日制・定時制・通信制の課程を「単位制による課程」と呼ぶ。
つまり「単位制高校」は通称で、学校の種類の名前ではありません。単位制かどうかは課程ごとに決まるので、1つの学校の中で課程によって扱いが違うこともありえます。また、単位制高等学校教育規程の第10条は、単位制による課程を置く高校の設置者に、単位制であることを明示し、全日制・定時制の単位制では教育課程に関する情報を公表するよう定めています。学校の案内やホームページに「単位制」と書かれているのは、この決まりに沿ったものです。気になる学校がどの課程で単位制を置いているかは、その学校の公式サイトで確かめられます。
「高等学校」という名前の意味や「高等学院」との違いは、高等学校とはの記事で法令をもとに説明しています。
「単位制」と「通信制」は別の物差しです。単位制は学び方の区切り、通信制は授業の受け方の区分です
「単位制 通信制 違い」で調べる方がつまずきやすいのは、2つの言葉が同じ種類の分け方だと思ってしまうところです。実際には、高校には2つの物差しがあります。
1つ目は授業の受け方による区分で、学校教育法の第4条が、通常の課程を「全日制の課程」、夜間その他特別の時間または時期に授業を行う課程を「定時制の課程」、通信による教育を行う課程を「通信制の課程」と呼んでいます。2つ目が、学年で区切るか区切らないかで、区切るのが学年制、区切らないのが単位制です。この2つを掛け合わせると、次のようになります。
| 課程 | 授業の受け方 | 学年制 | 単位制 |
|---|---|---|---|
| 全日制 | 平日の昼に通って授業を受ける | 全日制の多くはこちら | 769校(令和7年度)。全日制の約17%(令和5年度) |
| 定時制 | 夜間など特別の時間・時期に授業を受ける | 置ける | 生徒の約75%が単位制に在籍 |
| 通信制 | レポート(添削指導)・スクーリング(面接指導)・試験で学ぶ | 法令上は置ける | 大半が単位制と説明される(国の統計に内訳なし) |
出典:学校教育法第4条、学校教育法施行規則第103条、文部科学省「学校基本調査」令和7年度 表131(e-Stat)、文部科学省 高等学校教育の在り方ワーキンググループ参考資料(令和6年9月12日)(2026年9月30日確認)
この表から分かるのは、「単位制高校」と聞いて思い浮かべる学校が、人によって違うということです。公立の単位制は、全日制だけで700校あります。一方、令和7年度の文部科学省の実態調査で、公立の通信制高校は81校でした。都道府県の公立高校の募集案内で「単位制」と書かれている学校の多くは、全日制か定時制の単位制だと考えてよい数の差です。反対に、通信制高校の説明で「単位制」と書かれているときは、通信制の課程の単位制を指しています。どちらの話なのかを先に確かめると、読み違いが減ります。
全日制・定時制・通信制の単位制は、通う日数・授業の時間帯・入試・卒業までの年数が違います
同じ単位制でも、課程が違うと毎日の過ごし方はまったく変わります。法令と学習指導要領で決まっていることを並べると、次のとおりです。
| 項目 | 全日制の単位制 | 定時制の単位制 | 通信制(単位制) |
|---|---|---|---|
| 授業の受け方 | 平日の昼に通う。授業は年間35週、週30単位時間が標準 | 夜間など特別の時間・時期に通う。授業時数は生徒の勤労状況などを考えて学校が定める | レポート・スクーリング・試験。登校の頻度は学校やコースで違う |
| 修業年限 | 3年 | 3年以上 | 3年以上 |
| 入学者の選抜 | 調査書や学力検査の成績などを資料にした選抜 | 選抜の方法は設置者が定める | 選抜の方法は設置者が定める |
| 授業の工夫(努力の決まり) | 多様な科目の開設に努める | 多様な科目に加え、複数の時間帯や特定の時期の授業などに努める | 定時制と同じ |
出典:学校教育法第4条・第56条、学校教育法施行規則第90条、単位制高等学校教育規程第2条・第6条、文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」第1章総則 第2款3(3)(2026年9月30日確認)
全日制の単位制は「毎日通う高校」で、違うのは時間割の組み方です
全日制の単位制は、登校のしかたは学年制の全日制と同じで、平日の昼に通います。違うのは、学年ごとに決まった時間割をこなすのではなく、開設された科目の中から選んで学ぶ形が中心になることと、学年ごとの進級の判定がないことです。入学は高校入試を受けて決まり、学校教育法施行規則第90条は、調査書や学力検査の成績などを資料にした選抜に基づいて校長が入学を許可すると定めています。令和7年度の全日制の単位制の入学志願者は18万6,035人、入学者は13万2,930人でした(学校基本調査 表131)。
定時制の単位制には、3年で卒業をめざす課程と4年の課程があります
定時制の修業年限は「3年以上」です。学校基本調査で単位制の定時制の生徒を修業年限別に見ると、3年の課程が1万78人、4年の課程が4万5,174人でした。単位制高等学校教育規程の第6条2項は、定時制・通信制の単位制を置く高校に、複数の時間帯や特定の時期に授業を行うなどの工夫に努めるよう定めています。どの時間帯に授業があるか、ほかの時間帯の科目も取れるかは、学校ごとに確かめます。
通信制は、レポートとスクーリングと試験で単位を積み上げます
通信制は、自宅などで教科書を使って学び、レポート(添削指導)を出し、スクーリング(面接指導)に出て、試験を受けて単位を修得します。文部科学省の「令和7年度 通信制高等学校実態調査」では、通信制の課程を置く高校は323校、在籍生徒は30万6,711人(2025年3月31日時点)でした。通学の頻度別にコースの生徒数を見ると、週5日が12.5%、決まった時期にまとめて通う集中スクーリング型が28.9%、月1〜2回や自由登校などのその他が33.2%と、通い方の幅が広いのが特徴です。レポートの中身や量は通信制高校 レポートの記事でくわしく書いています。
全日制・定時制・通信制そのものの違い(時間帯・年数・学費)を課程ごとに比べたいときは、定時制 通信制 違いの記事も役に立ちます。

全日制の単位制は全国に769校。北海道の62校が最も多く、鹿児島県は1校です
「単位制は通信制のもの」というイメージとは違い、全日制の単位制は全国に広がっています。令和7年度の学校基本調査(2025年5月1日現在)で、全日制の単位制による課程の学校数が多い都道府県を並べると、次のとおりです。
| 都道府県 | 学校数 | 生徒数 |
|---|---|---|
| 北海道 | 62校 | 28,657人 |
| 兵庫県 | 37校 | 20,472人 |
| 神奈川県 | 33校 | 24,222人 |
| 埼玉県 | 32校 | 22,510人 |
| 岐阜県 | 32校 | 15,663人 |
| 大阪府 | 31校 | 17,957人 |
| 岡山県 | 31校 | 16,485人 |
| 千葉県 | 28校 | 21,540人 |
| 全国 | 769校(うち公立700校) | 392,230人 |
出典:文部科学省「学校基本調査」令和7年度 表131「全日制のうち単位制による課程及び定時制の修業年限別の学校数,入学状況及び生徒数(本科)」(e-Stat、2026年9月30日確認)
この表でいちばん目を引くのは、都道府県による差の大きさです。多い北海道の62校に対して、少ないほうでは宮崎県が2校、鹿児島県が1校、富山県・福井県・奈良県・香川県が4校でした。住んでいる地域によって、通える範囲にある全日制の単位制の数はかなり違います。また、全日制の単位制は769校のうち700校が公立で、国立・私立は合わせて69校でした。全日制に占める割合は、文部科学省の会議資料が令和5年度の学校基本調査から「全日制高等学校4,618校のうち約17%が単位制(776校)」と示していて、全日制の高校のおよそ6校に1校が単位制という規模です。
定時制は、令和7年度の生徒7万3,331人(本科)のうち5万5,252人、約75%が単位制の課程に在籍していました。通信制については、学校基本調査にも実態調査にも「単位制か学年制か」の内訳の項目が見当たらず、全国の数は確認できませんでした。法令の上では学年制の通信制も置けるため、「通信制はすべて単位制」とは言い切れません。この点は単位制 学年制 違いの記事でも整理しています。

卒業の条件は74単位以上がどの課程でも共通。通信制は「3年以上の在籍」と「特別活動30単位時間」も確かめます
単位制でも学年制でも、卒業に必要な単位の数の下限は同じです。学校教育法施行規則の第96条は、校長は74単位以上を修得した者について全課程の修了を認めると定め、学習指導要領は、学校が卒業までに修得させる単位数を定め、校長がその単位数を修得し、特別活動の成果が目標からみて満足できると認められる生徒の卒業を認定するとしています(第1章総則 第4款2)。課程ごとに並べると、次のようになります。
| 条件 | 全日制の単位制 | 定時制の単位制 | 通信制(単位制) |
|---|---|---|---|
| 修得する単位 | 学校が定めた数(74単位以上) | 学校が定めた数(74単位以上) | 学校が定めた数(74単位以上) |
| 年数 | 修業年限3年 | 修業年限3年以上 | 修業年限3年以上(3年以上の在籍) |
| 特別活動 | 成果が認められること。ホームルーム活動は原則年間35単位時間以上 | 全日制と同じ考え方 | ホームルーム活動を含め卒業までに30単位時間以上 |
| 1単位の数え方 | 50分の授業35回分が標準 | 50分の授業35回分が標準 | レポートの回数とスクーリングの時間の標準で数える |
出典:学校教育法第56条、学校教育法施行規則第96条、高等学校学習指導要領(平成30年告示)第1章総則 第2款3(1)ア・3(3)エ・5(7)、第4款2(2026年9月30日確認)
もう1つ、単位を認めるタイミングの決まりも見ておきます。学習指導要領の第1章総則 第4款1(3)は、「生徒が1科目又は総合的な探究の時間を2以上の年次にわたって履修したときは、各年次ごとに…単位を修得したことを認定することを原則とする」と定め、続けて「単位の修得の認定を学期の区分ごとに行うことができる」としています。つまり、2年以上にまたがって学ぶ科目は、年次ごとに区切って単位を認めるのが原則で、学期ごとに認定する方法も取れる、という決まりです。1年で終わる科目を含めて「単位の認定は年次ごとが原則」と言っているわけではない点に注意してください。学期ごとの認定を実際にしているかどうかは、学校ごとに違います。
入学と卒業の時期にも、単位制ならではの決まりがあります。単位制高等学校教育規程の第3条は、単位制による課程では、教育上支障がないときは、学期の区分に従って生徒を入学させ、または卒業させることが「できる」と定めています。年度の途中の入学や卒業を受け付けるかどうか、何月に卒業できるかは、学校の学則で決まります。卒業に必要な単位の内訳や、1年に何単位取るかの組み立て方は、通信制高校 卒業 単位数の記事で詳しく書いています。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。
学年制との違いは「進級の判定」があるかどうか。単位制でも、落とした科目は取り直しです
学年制の高校にも単位はあります。違うのは、1年ごとに「次の学年に上がれるか」を判定するかどうかです。学校教育法施行規則の第103条は、各学年の課程の修了の規定にかかわらず、学年による教育課程の区分を設けないことができるとしています。学年制は単位の積み上げの上に学年ごとの進級の判定を重ねていて、単位制はその判定を置いていない、という関係です。学習指導要領も、学年制の高校の各学年の課程の修了の認定について「単位制が併用されていることを踏まえ、弾力的に行うよう配慮する」と書いています(第4款3)。
- 単位制には学年ごとの原級留置(留年)の仕組みはありません。修得した単位はそのまま積み上がります。
- ただし、単位を落とした科目は取り直しになります。卒業に必要な単位がそろわなければ、卒業の時期は後ろにずれます。
- 「留年がない」は「同じ学年をもう一度やり直す仕組みがない」という意味で、「3年で卒業できる」という保証ではありません。
進級の判定や留年の扱い、転校のときの単位の引き継ぎを学年制と並べて詳しく知りたい方は、単位制 学年制 違いの記事を、通信制で単位を落としたときの取り直し方は通信制高校 単位 落とすの記事をご覧ください。
単位制の「科目を選べる」には範囲があります。全員が学ぶ科目があり、開ける科目の数は学校ごとです
単位制の説明でよく見る「好きな科目を選べる」は、半分は正しい説明です。選べる幅には、次のような決まりがあります。
- 必履修教科・科目は、単位制でも全員が履修します。学習指導要領(第1章総則 第2款3(2)ア)は、すべての生徒に履修させる「必履修教科・科目」を定めています。国語・数学・英語などの基本の科目は、単位制でも避けて通れません。
- 開ける科目の数は学校ごとです。単位制高等学校教育規程の第6条は、単位制を置く高校に「多様な科目を開設するよう努める」と定めています。努力の決まりなので、実際にどれだけの科目があるかは学校によって違います。
- 学校独自の科目の単位には上限があります。普通科など普通教育を主とする学科では、卒業までの単位に数えられる学校設定科目などは合わせて20単位までです(第4款2)。
- 学校の外での学びが単位になる場合もあります。学校教育法施行規則は、校長が教育上有益と認めるときに、他の高校で修得した単位(第97条)や、大学などでの学修・技能審査・ボランティア活動(第98条)、高卒認定試験で合格した科目(第100条)を単位として認めることが「できる」と定めています。第97条と第98条による単位は合わせて36単位までです(第99条)。これらは単位制に限らず高校全体の決まりで、実際に認めるかは学校が定めます。
- 入学前の学びが単位になる場合もあります。定時制・通信制の単位制では、入学する前に科目履修生として学んだ科目を、校長が教育上有益と認めるときに入学後の単位として認めることができます(単位制高等学校教育規程 第9条2項)。
「選べる」ということは、裏を返せば、自分で履修の計画を立てる場面が増えるということです。卒業までに何を何単位取るかの計画づくりを、誰がどこまで手伝ってくれるかは学校によって違い、学校を比べるときの大事な見どころになります。
転入・編入では、前の高校で修得した単位と在学した期間を生かせる場合があります
「単位制と通信制の違い」を調べている方の中には、いまの高校から課程を変えて移ることを考えている方も多いと思います。課程をまたぐ転校については、学校教育法施行規則の第92条2項が、全日制・定時制・通信制の課程のあいだの転学・転籍について、修得した単位に応じて相当学年に転入することが「できる」としています。単位制による課程の側でも、単位制高等学校教育規程が、転学・転籍は修得した単位と在学した期間に応じて(第5条)、編入学は相当の年齢と学力があると認められた人について(第4条)、相当の期間を在学すべき期間として許可することが「できる」とし、過去に在学した高校で修得した単位を卒業に必要な単位数に加えることが「できる」(第7条)と定めています。
つまり、全日制の単位制から通信制の単位制へ、学年制の全日制から単位制の通信制へ、といった課程をまたぐ移り方でも、それまでの単位を生かせる仕組みはあります。ただし、どれも「できる」という決まりなので、引き継げる単位の数や入れる時期は、転入先の学校の判断と学則で決まります。前の学校で修得した単位の一覧を持って、転入先に何単位が引き継げるか、あと何年在籍が要るかを聞くのが確実です。条文ごとの整理と、転入と編入で単位・在籍期間の扱いがどう違うかの表は単位制 学年制 違いの記事に、手続きの時期は通信制高校 転入 編入 違いの記事にまとめています。

学費は課程と公立・私立で変わり、授業料を1単位ごとに決めている学校もあります
単位制の学校では、授業料を「年額(月額)」で決める学校と、「1単位いくら×取る単位数」で決める学校があります。国の高等学校等就学支援金も、この2つで支給の上限を分けています。文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度の概要」の表から、私立高校の支給の上限を課程ごとに抜き出すと、次のとおりです。
| 私立の課程 | 支給期間 | 月額で授業料を決める場合 | 1単位ごとに授業料を決める場合 |
|---|---|---|---|
| 全日制 | 36月 | 月38,100円まで | 1単位18,528円まで |
| 定時制 | 48月 | 月38,100円まで | 1単位18,528円まで |
| 通信制 | 48月 | 月28,100円まで | 1単位13,668円まで |
出典:文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度 支給期間・支給限度額」(令和8年度~の新制度。2026年9月30日確認)。1単位ごとの場合は通算74単位・年間30単位まで
2026年度(令和8年度)からの新制度では所得制限がなくなり、私立の全日制は年45万7,200円、私立の通信制は年33万7,200円が支給の上限です。対象は授業料だけで、入学金や施設費、サポート校の費用には使えません。公立高校の授業料は都道府県の条例で決まり、県によって額が違うので、公立の単位制を比べるときは、その都道府県の教育委員会の案内で確かめます。支給期間は在学した月数で数え、転校したときは前の学校に在学した月数も通算されます。課程が変わるときは換算があり、文部科学省の就学支援金のQ&A(Q15)では、全日制に20月在学してから通信制に移った場合は「48月-20月×4/3(端数切捨て)」で、通信制では22月分が支給されると説明しています(文部科学省「高等学校等就学支援金制度に関するQ&A」)。
通信制で1単位ごとに授業料を払う形なら、1年に何単位取るかで授業料が変わります。単位を落として取り直すと、その分の授業料と、就学支援金の「単位数」の枠(通算74単位まで)の両方を使うことがある点も知っておくと安心です。通信制の学費の出し方は、通信制高校 学費の記事で計算の手順を書いています。
向き不向きは、性格より「毎日通えるか」「自分で時間割を組めるか」で分かれます
「単位制は自分のペースで学びたい人向け」とよく言われますが、同じ単位制でも課程によって合う人は違います。いまの状況から考えると、選びやすくなります。
| いまの状況 | 合いやすい形 | 学校に確かめたいこと |
|---|---|---|
| 毎日昼に通える。興味のある科目を選んで学びたい | 全日制の単位制 | 開設科目の一覧、入試の方法、履修の計画を誰と立てるか |
| 昼は働きたい、または通う時間帯を選びたい | 定時制の単位制 | 授業の時間帯、修業年限(3年か4年か)、ほかの時間帯の科目を取れるか |
| 毎日の登校が難しい。体調や気持ちに波がある | 通信制(単位制) | スクーリングの会場と日数、レポートの出し方、相談できる人がいるか |
| 前の高校で取った単位を生かしたい | 転入・編入を受け入れている単位制の学校 | 引き継げる単位の数と在籍期間、入れる時期 |
| 一人で計画を立てて続けるのが不安 | 通信制にサポート校を組み合わせる、または支えの厚い学校 | 誰が進み具合を一緒に見てくれるか、費用の総額 |
単位制に合うかどうかは、自己管理が得意かどうかという性格の話だけでは決まりません。毎日通う力があるか、時間割を選ぶ場面で相談できる大人がいるか、体調に合わせて学ぶ量を調整できる仕組みがあるか、という環境の話のほうが大きく効きます。自分に足りないと感じる部分を、学校やまわりの支えで補えるかどうかを見てください。
よくある誤解:「単位制=通信制」「単位制は楽」「留年がないから3年で卒業」は、どれも正確ではありません
単位制について調べていると、半分だけ正しい説明によく出会います。つまずきやすい5つを挙げます。
- 「単位制高校=通信制高校」:単位制は学び方の区切りの名前で、全日制にも定時制にもあります。全日制の単位制は769校あり、毎日昼に通います。
- 「単位制は楽に卒業できる」:卒業に74単位以上が要るのは学年制と同じで、必履修の科目もあります。楽になるのではなく、学び方の組み立て方が変わると考えるほうが近いです。
- 「留年がないから、3年で卒業できる」:単位がそろわなければ卒業は延びます。文部科学省の令和7年度の実態調査では、令和6年度の通信制の卒業生(2022年度以降に開校した学校を除く集計)のうち、3年より長くかかった人は4.6%でした。多数派ではありませんが、ゼロでもありません。
- 「好きな科目だけ取ればいい」:必履修教科・科目は全員が履修します。選べるのは、その上に積む科目です。
- 「単位制なら授業に出なくていい」:全日制・定時制の単位制では、授業に出席して単位を修得します。高校の出席に国の統一の基準はありませんが、多くの学校は授業時数の3分の2以上の出席を目安にしています。通信制でも、スクーリングへの出席は単位の条件です。

選択肢の1つとしてのニジ高は、通信制の単位制の学びをオンラインで支えるサポート校です(正直な注意点)
ニジ高(NIJIN高等学院)は、株式会社NIJINが運営する、オンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも、海外からも参加でき、担任制で学びます。カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。生活リズムに波があっても学べるように、中学内容の学び直しや授業のアーカイブ視聴にも対応しています。生徒会・サークル・学園祭・企業コラボがあり、生徒が行事を企画・運営する側になれるのも特色です。転入・編入もでき、出願費用は無料です。
この記事で書いてきたように、通信制の単位制は「自分で計画を立てて、レポートとスクーリングを積み上げる」学び方です。そこを一人で抱えるのが不安な場合に、サポート校を組み合わせる方法があります。一方で、正直にお伝えしておきたいこともあります。
- ニジ高は高校ではありません。卒業資格は、提携する通信制高校に在籍して、その高校で取ります。単位の認定も、在籍する通信制高校が行います
- ニジ高の中でのスクーリングはありません。提携する通信制高校のスクーリングへの参加が必要です。スクーリングの形や日程は、個別相談会で詳しくご案内しています
- 費用は、提携する通信制高校の分と、ニジ高の分の両方がかかります。ニジ高の分には就学支援金は使えません。金額は学費のご案内をご覧ください
- オンライン中心なので、毎日通う場所がほしい方には合わない場合があります。全国にNIJINアカデミーのリアルの教室があり、相談のうえで通うこともできます
全日制や定時制の単位制と、通信制にサポート校を組み合わせる形は、どちらが上というものではありません。この記事の表で、通い方・卒業の条件・費用を同じ物差しで並べて比べてみてください。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- 「単位制」がどの課程の話かを確かめる。気になる学校の案内を見て、全日制・定時制・通信制のどの課程の単位制なのかを最初に確かめます。ここが分かると、通う日数と入試のあり方がほぼ決まります。
- 家の条件を書き出して、合う課程を絞る。毎日通えるか、通える時間帯、スクーリングに行ける距離、1年に出せる費用の目安を書き出し、この記事の「向き不向き」の表に当てはめます。
- 学校に同じ質問をして比べる。開設科目、履修の計画を誰と立てるか、卒業までの標準の年数、単位を落としたときの取り直し方、授業料の決め方(年額か1単位ごとか)を、2〜3校の説明会や個別相談で同じように聞きます。
3つのステップのどこで止まってもかまいません。今日は「どの課程の単位制か」を確かめるだけ、という日があっても十分な前進です。


通信制の単位制を、オンラインの仲間と進める道もあります
ニジ高は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校です。カメラ・マイクをオフにしたチャット参加から始められ、生徒が自分たちで行事を企画します。高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。体験説明会で、学び方や通い方を見てみませんか。
よくある質問
Q. 単位制高校と通信制高校は同じものですか?
A. 同じではありません。単位制は学年で区切らずに単位を積み上げる学び方の区切りで、通信制はレポート・スクーリング・試験で学ぶ授業の受け方の区分です。通信制高校の多くは単位制ですが、全日制や定時制にも単位制の学校があり、全日制の単位制は令和7年度に769校ありました。
Q. 全日制の単位制高校は、毎日通うのですか?
A. はい。全日制の単位制は、学年制の全日制と同じく平日の昼に通う高校です。違うのは、開設された科目から選んで学ぶ形が中心になることと、学年ごとの進級の判定がないことです。入学は高校入試で決まります。
Q. 単位制高校は留年しないのですか?
A. 学年ごとの進級の判定がないので、同じ学年をやり直す原級留置の仕組みはありません。ただし、単位を落とした科目は取り直しになり、卒業に必要な単位がそろわなければ卒業は延びます。
Q. 単位制高校でも3年で卒業できますか?
A. 制度の上ではできます。全日制の修業年限は3年で、定時制・通信制は3年以上です。通信制では、3年以上の在籍、学校が定めた単位数(74単位以上)の修得、特別活動30単位時間以上の参加と成果の認定がそろえば卒業が認められます。1年ごとに取る単位の計画を最初に立てておくと、3年での卒業をめざしやすくなります。
Q. 全日制の単位制高校から、通信制高校に転校できますか?
A. 課程のあいだの転学は法令で認められていて、修得した単位に応じて転入できるとされています(学校教育法施行規則第92条2項、単位制高等学校教育規程第5条)。何単位を引き継げるか、あと何年の在籍が要るかは転入先の学校が決めるので、修得した単位の一覧を用意して相談してください。
「単位制」は、学び方を自分の生活に合わせるための仕組みです
「単位制」という言葉は、楽な学校や特別な学校を表すものではありません。学年で一律に区切らず、積み上げた単位で卒業を認めるという、学び方の区切りの名前です。その仕組みを、毎日通う全日制で使うか、時間帯を選べる定時制で使うか、自宅で学べる通信制で使うかで、高校生活の形は大きく変わります。
いまの生活に合う形は、ご家庭ごとに違います。言葉の意味が分かれば、比べる物差しがそろいます。急がずに、どの課程の単位制なのか、卒業までの道のりを誰と一緒に歩けるのかを確かめながら、お子さんが続けられそうな形を探してみてください。
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