グレーゾーンの高校生の勉強のつまずきは?|5つの型と支援のある進路【2026】

「診断はついていないけれど、勉強のどこかで毎回つまずく」「頑張っているのにテストの点につながらない」。発達障害のグレーゾーンと言われた高校生や、そうかもしれないと感じている家庭から、よく聞く悩みです。

先に結論を書くと、グレーゾーンの勉強のつまずきは、「読む・書く・計算・注意・段取り」の5つの型に分けると、自分でできる工夫と学校に頼める配慮が見えてきます。そして診断がなくても、学校に配慮を相談することはできます。進路も、通級のある高校・定時制・通信制・サポート校と、支援の形が違う道が複数あります。

この記事は、障害者差別解消法(e-Gov)、内閣府の基本方針、文部科学省の対応指針・受検上の配慮の参考資料・通級による指導の調査、大学入試センターの受験上の配慮の案内などを実際に開いて確認した内容でできています。公式で確認できなかったことは、確認できなかったと書いています。特性そのものの説明は、別の記事に分けています。

今の高校の授業のペースに合わせるのが難しい場合や、もっと自分らしい高校生活を探している場合は、オンラインという選択肢もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、全国の仲間とオンラインでつながり、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事に挑戦できます。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、全国にNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のリアルの教室があり、リアルでの通学もご検討いただけます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です。どんな学校なのかは、校長・星野達郎のYouTubeでも見られます。

目次

結論:グレーゾーンの高校生の勉強のつまずきと進路の早見

  • 「グレーゾーン」は診断名ではありません。診断がつくかどうかより、「どの場面で、何につまずくか」を具体的にすることが、支援への近道です。
  • 勉強のつまずきは「読む」「書く」「計算」「注意」「段取り」の5つの型に分けて考えると、工夫と配慮を選びやすくなります。1人に複数の型が重なることもあります。
  • 障害者差別解消法の対象は、国の基本方針で「障害者手帳の所持者に限られない」とされています。該当するかは個別に判断されるため、診断がなくても学校に相談できます。
  • 公立高校入試の配慮で、医師の診断書の提出を「求めていない」都道府県は15、「必要に応じて」が26、提出を必須としているのは6でした(文部科学省の参考資料に載っている令和4年度の状況)。
  • 一方で、大学入学共通テストの受験上の配慮は、医師の診断書が申請書類の1つです。高校での配慮の状況も状況報告書に書くため、高校のうちから相談しておくと、その先の進路で役に立ちます。
  • 支援のある進路は通級のある高校・定時制・通信制・サポート校の4つ。高校の通級は、令和5年度に通級を受けている生徒がいた公立高校が3,490校中423校と、まだ一部です。
  • 一人で学習を続けるのが不安な場合は、オンライン中心のサポート校(NIJIN高等学院など)で、通信制高校の卒業をめざす方法もあります。
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「グレーゾーン」は診断名ではありません。見るべきは「どの場面で、何につまずくか」です

「グレーゾーン」は、発達障害の特性がいくつか見られるものの、診断の基準にはあてはまらない、または検査や受診をまだしていない状態を指して使われる通称です。医学の診断名ではありません。

そのため、「グレーゾーンだから、この支援」と決まった道はありません。逆に言えば、診断名が無くても、困っている場面がはっきりしていれば、打てる手はたくさんあります。入試の配慮について国がまとめた資料でも、配慮は「一人一人の障害の状態や教育的ニーズ等に応じて」決めるものとされていて、診断名そのものより、何に困っているかが話し合いの中心になります。

国の発達障害情報のポータルサイトは、学習障害を「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」といった学習に必要な基礎的な能力のうち、特定の能力の習得や発揮に困難がある状態と説明しています。ADHD(注意欠如多動症)については、注意を持続させることや、順序立てて行動することが苦手な状態と説明しています(出典:発達障害情報のポータルサイト「学習障害(LD)」/同「注意欠如多動症」。2026年9月確認)。

この記事は、この説明をもとに勉強のつまずきを5つの型に分け、そこから「何を頼めるか」「どの進路なら支援を受けやすいか」を整理します。グレーゾーンの高校生に出やすい特徴や、対人関係・疲れやすさの面は発達障害グレーゾーン 高校生 特徴の記事で詳しく書いています。

食卓で付箋を週の表に並べる高校生と父親
つまずきの型が分かると、工夫の選び方も変わります

勉強のつまずきは「読む・書く・計算・注意・段取り」の5つに分けると、手の打ち方が見えます

「勉強ができない」とひとまとめにすると、対策は「もっと時間をかける」しか出てきません。つまずきの型に分けると、時間を増やすより、やり方や道具を変えるほうが効く場面が見えてきます。次の表は、国の説明と、文部科学省の対応指針・受検上の配慮の参考資料に載っている配慮の例をもとに整理した目安です。

つまずきの型 高校で出やすい場面(例) 自分で試せる工夫 学校に相談できる配慮の例
読む 教科書や問題文を読むのに時間がかかり、定期テストで最後の問題まで届かない 読み上げ機能で聞きながら読む。読む行だけが見える定規や紙を使う 問題文へのルビ、読み上げ、資料のテキストデータ、試験時間の延長
書く 板書を写しきれない。漢字の書き誤りで減点が重なる。レポートが進まない 板書は写真で残す。下書きはキーボード入力で作る タブレット端末などのICT機器の使用、筆記に代えた口頭での確認
計算 数学だけ極端に点が伸びない。途中式でつまずき、どこで間違えたか分からない 途中式を書く枠を決める。解き方の手順を1枚にまとめて見ながら解く 時間の延長や問題の示し方などを学校と相談(内容は個別に決まる)
注意 ノートを取りながら話を聞くのが難しい。複数の指示の一部を忘れる。見直しても同じミスが残る 指示はその場で1行メモ。机の上に今使う物だけを置く 刺激の少ない座席、指示が伝わったかの確認の声かけ
段取り 提出物の期限を落とす。長期の課題を後回しにする。テスト前の計画が立たない 課題を小さく区切ってカレンダーに入れる。提出日を家族と共有する 学習や生活の見通しが持てるスケジュールの提示、課題の区切り方の相談

出典:文部科学省「文部科学省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針」(令和6年1月17日改正)/文部科学省「高等学校入学者選抜における受検上の配慮に関する参考資料」(令和4年12月)(2026年9月確認)。※表の「場面」と「工夫」は一般的な例です。配慮の内容は、学校との話し合いで一人ひとり決まります。

表を見るときのポイントは3つです。

  • 型は重なります。「書く」と「段取り」の両方がつまずきになって、レポートが出せないということはよくあります。
  • 「読む」「書く」は道具で補いやすい型です。対応指針は、読み・書き等に困難のある児童生徒のために、読みやすい字体の資料、タブレット端末等のICT機器の使用、筆記に代えた口頭試問を配慮の例に挙げています。
  • 「注意」「段取り」は環境と仕組みで補う型です。受検上の配慮の参考資料では、注意の特性がある生徒の例として、刺激の少ない座席や、見通しが持てるスケジュールの提示が書かれています。

読み書きのつまずきが中心の場合は、音声教材や入試での配慮をディスレクシア 高校の記事でまとめています。

診断がなくても、学校に配慮を相談できます。法律の対象は「手帳を持っている人」に限られません

「診断がないのに、配慮をお願いしていいのか」。多くの家庭がここで止まります。法律と国の方針を確認すると、答えは「相談はできる。対象になるかは個別に判断される」です。

  • 障害者差別解消法第2条は、障害者を「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」と定めています。
  • 内閣府の基本方針は、法が対象とする障害者は「いわゆる障害者手帳の所持者に限られない」としています。文部科学省の対応指針も、該当性は「当該者の状況等に応じて個別に判断される」と書いています。
  • 合理的配慮の提供は、公立の学校(第7条)にも、私立の学校(第8条。事業者として2024年4月から義務)にも求められています。
  • 基本方針では、発達障害などで本人が意思を伝えにくい場合、家族などが本人を補佐して伝えることも意思の表明に含まれるとしています。

出典:障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律 第2条・第7条・第8条(e-Gov)/内閣府「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」/文部科学省 対応指針(2026年9月確認)

対応指針には、合理的配慮の提供義務に違反すると考えられる例も載っています。その1つが、入学試験などで筆記が困難なためデジタル機器の使用を求められたのに、「前例がない」という理由で必要な調整をせずに一律に断ることです。配慮は「前例があるか」ではなく、「その人に必要か、学校にとって過重な負担でないか」を話し合って決めるものだと分かります。

ただし、合理的配慮は申し出(意思の表明)から始まる仕組みです。学校が気づいて自動的に用意してくれるとは限りません。相談のときは、診断名の代わりに、表の「場面」を具体的に伝えるのが効果的です。「板書を写すと授業の内容が頭に入らない」「問題文を読み終わる前に時間が終わる」のように、困る場面と、試してうまくいった工夫を一緒に伝えると、学校も配慮を考えやすくなります。

学校から医師の意見書などを求められるかどうかは、公式の資料では確認できませんでした。学校ごとに対応が違う可能性があるので、相談のときに「何があれば検討してもらえるか」を聞いておくと安心です。

公立高校入試の受検上の配慮で、医師の診断書の提出を求めていない都道府県が15、必要に応じて提出を求めるのが26、提出を必須とするのが6であることを示す図(令和4年度・47都道府県)
出典:文部科学省「高等学校入学者選抜における受検上の配慮に関する参考資料」(令和4年12月)

入試の配慮は、高校と大学で扱いが違います。高校入試は診断書を求めない県もあり、共通テストは診断書が要ります

進路を考えるとき、グレーゾーンの家庭が気になるのが「受験のときに配慮を受けられるか」です。高校入試と大学入試で、診断書の扱いがはっきり違います。

場面 診断書の扱い 確認した資料
公立高校の入試(令和4年度の状況・47都道府県) 必要に応じて提出:26/提出が必須:6/提出は求めていない:15(配慮を申請する人に求める書類) 文部科学省「受検上の配慮に関する参考資料」
大学入学共通テスト(令和9年度) 受験上の配慮申請書・診断書・状況報告書の3つが申請の書類 大学入試センター「受験上の配慮Q&A」
高校での学校生活の合理的配慮 法の対象は手帳の所持者に限られず、個別に判断 内閣府 基本方針/文部科学省 対応指針

出典:文部科学省「高等学校入学者選抜における受検上の配慮に関する参考資料」(令和4年12月)/大学入試センター「令和9年度 大学入学共通テスト受験上の配慮Q&A」(2026年9月確認)

高校入試:中学校での配慮が土台になります

文部科学省の参考資料は、受検上の配慮も学校生活の合理的配慮と同じように、一人ひとりの障害の状態や教育的ニーズに応じて決めるものとしています。都道府県教育委員会が参考にする書類の例として、中学校での学習・学校生活の様子や配慮の内容を書いた書類、個別の教育支援計画、医師の診断書などが挙げられています。いずれも「想定される」書類の例として挙げられているもので、実際に何を出すかは都道府県ごとに決まります。

参考資料には配慮の事例も載っています。学習障害の「書字」の事例では、教育センターの相談員による読み書き検査で困難が把握され、中学校でタブレット端末を使ってきた生徒が、入試でも別室でタブレット端末のワープロ機能を使って解答しています。ADHDの事例では、刺激が少なく監督者の指示に集中しやすいよう、座席を前方の端にしています。どちらも、中学校で続けてきた配慮が決定の土台になっています。

申請の期限や様式は都道府県ごとに違います。手続きの流れは高校受験 合理的配慮の記事で、4都府県の要綱をもとに整理しています。

大学入試:高校での配慮の記録が、状況報告書につながります

大学入学共通テストの受験上の配慮は、令和9年度の案内で、受験上の配慮申請書・診断書・状況報告書の3つを申請の書類としています。診断書は医師が診断名や現症、配慮が必要な理由などを書く様式で、状況報告書には高等学校などでのこれまでの配慮の実施状況を書きます。発達障害に関する検査結果は、原則として申請時から3年以内のものとされています。

高校で受けていない配慮も申請はできますが、グレーゾーンのまま大学受験を迎える場合は、共通テストで配慮を希望するなら、診断書のために受診が必要になることを知っておくと、準備の時期を逆算できます。受診するかどうかは、本人と家族が医師や相談機関と話しながら決めればよく、急いで決める必要はありません。

支援が受けられる進路は4つ。「診断がないときにどうなるか」で比べると違いが分かります

ここからは進路の話です。グレーゾーンの高校生が支援を受けながら学べる進路は、主に次の4つです。どれが合うかは、5つの型のどれが重いか、毎日決まった時間に通えるかで変わります。

進路 支援・学び方の特徴 診断がないとき 気をつけること
通級のある高校 通常の授業に加え、特性に応じた特別の指導を受ける。年間7単位まで卒業の単位に加えられる 国の通知は「医学的な診断の有無のみにとらわれることのないよう」総合的に判断するとしている。学校に確認 令和5年度に通級を受けている生徒がいた公立高校は3,490校中423校
定時制高校 夜間その他特別の時間・時期に授業を行う課程。修業年限は3年以上 入学の条件に診断は関係しない。配慮は在籍校に相談 学校ごとに時間帯や授業の形が違う
通信制高校 レポート(添削指導)・スクーリング(面接指導)・試験で単位を取る。3年以上の在籍と74単位以上で卒業 入学の条件に診断は関係しない。配慮は在籍校に相談 自分でスケジュールを組む量が増え、「段取り」の型が重くなりやすい
サポート校 通信制高校の生徒の学習や生活を支える民間の施設。高校ではない 施設ごとの方針による 通信制高校の学費とは別に費用がかかり、その分は就学支援金の対象外

出典:学校教育法 第4条・第56条(e-Gov)/文部科学省「障害に応じた通級による指導の手引 解説とQ&A(改訂第3版)」より抜粋/文部科学省「障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について(通知)」(平成25年10月4日)/文部科学省「令和5年度 通級による指導実施状況調査」(2026年9月確認)

全日制・定時制・通信制の違いを時間帯や年数、学費で比べたい場合は、全日制 定時制 通信制 違いの記事を見てください。学校の種類ごとの選び方の全体像は通信制高校 選び方のページにまとめています。

自宅でヘッドホンをつけ、タブレットで学ぶ高校生。後ろで家族が洗濯物をたたんでいる
聞きながら書ける形に変えると、楽になることがあります

高校の通級は2018年度に始まった制度で、まだ一部の学校です。診断の有無だけでは決めないとされています

通級による指導は、通常の学級に在籍しながら、障害に応じた特別の指導を一部の時間に受ける仕組みです。学校教育法施行規則第140条に根拠があり、対象として学習障害者・注意欠陥多動性障害者・自閉症者などが挙げられています。高校で始まったのは平成30年度(2018年度)です。

文部科学省の「令和5年度 通級による指導実施状況調査」(令和7年7月公表)で、高校の数字を確認しました。

  • 高校で通級による指導を受けた生徒は国公私立の合計で2,371人。平成30年度の508人から増えています。
  • 障害の種別では、自閉症963人、注意欠陥多動性障害681人、情緒障害391人、学習障害259人など(主なもの)。
  • 公立高校で通級を受けている生徒がいた学校は、3,490校のうち423校でした。

通級の単位は、文部科学省の手引で、年間7単位を超えない範囲で卒業に必要な単位数に加えることができるとされています。

グレーゾーンの家庭にとって大事なのが、対象の決め方です。平成25年の文部科学省の通知は、通級の対象とするかどうかの判断について「医学的な診断の有無のみにとらわれることのないよう留意し、総合的な見地から判断すること」としています。一方で、通級の手引は、専門医による診断等に基づき、教育学・医学・心理学等の観点から総合的かつ慎重に判断するとも書いています。

つまり、診断が無いから対象外と決まっているわけではないが、診断が無くても使えると決まっているわけでもない、というのが公式の資料から言えることです。実際の運用は学校や教育委員会の判断になるため、進学先を選ぶときは「通級を実施しているか」「診断がない生徒も対象になった例があるか」を学校に聞いてみてください。

定時制と通信制は「3年以上」で卒業する課程。自分に合う時間の使い方を選びやすくなります

学校教育法第56条は、高校の修業年限を「全日制の課程については、三年とし、定時制の課程及び通信制の課程については、三年以上とする」と定めています。定時制は、同法第4条で「夜間その他特別の時間又は時期において授業を行う課程」とされています。

決まった時間に登校するのが合う人には定時制、登校の回数を減らして自分のペースで進めたい人には通信制が候補になります。「注意」の型が重く、長時間の授業で疲れ切ってしまう人には、授業時間や登校日の少ない課程が負担を減らすことがあります。

通信制高校については、文部科学省の「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(2026年8月公表)で次のことが分かっています。

  • 2025年度の入学者77,998人のうち、中学3年のときに不登校だった生徒は44,461人(57.0%)。
  • 通学の頻度別では、週5日のコースが12.5%、集中スクーリング型が28.9%、月1〜2回や自由登校などの「その他」が33.2%と、学び方の幅が広いこと。
  • 卒業の条件は、3年以上の在籍、74単位以上の修得、特別活動30単位時間以上。単位はレポート・スクーリング・試験で修得します。

出典:文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(2026年9月確認)

ただし通信制には、グレーゾーンの高校生にとっての落とし穴もあります。時間割が決まっていない分、レポートの計画や提出を自分で管理する量が増えることです。表の「段取り」の型が重い人は、通信制に移ったあとにレポートが止まってしまうことがあります。その部分を人が支える仕組みがあるかを、入学前に確かめておくことが大切です。

今の高校から移る場合の手続きや、単位の引き継ぎは高校 転入の記事で説明しています。欠席が増えていて進級が心配な場合は、高校 出席日数の記事も参考になります。

サポート校は高校ではなく、通信制高校の学習を支える場所。費用は就学支援金の対象外です

通信制の「段取り」の負担を人の手で補う場所として、サポート校があります。サポート校は学校教育法上の高校ではなく、通信制高校に在籍する生徒の学習や生活を支える民間の施設です。卒業資格は、在籍する通信制高校で取ります。

文部科学省の実態調査では、通信制高校の「学習等支援施設」(いわゆるサポート校や学習センターの多くが該当)は、全国に2,317か所ありました。

お金の面では、次の点を分けて考える必要があります。

  • 高等学校等就学支援金は、授業料が対象です。私立の通信制高校は、2026年度から所得制限がなく、1単位13,668円・年間337,200円が支給の上限です。
  • 公立の通信制高校の授業料は都道府県の条例で決まり、東京都の場合は1単位336円です。
  • サポート校の費用は、就学支援金の対象になりません。通信制高校の学費と、サポート校の費用の両方がかかります。

出典:文部科学省「高校生等への修学支援」/文部科学省「高等学校等就学支援金等(新制度の概要)」(2026年9月確認)

通信制高校の学費の全体像は通信制高校 学費の記事、サポート校の法律上の位置づけはサポート校とはの記事で詳しく書いています。

※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

通級のある高校・定時制・通信制・サポート校の4つの進路について、支援の形と、診断がないときの扱い(通級は診断の有無のみで判断しないが学校に確認、定時制と通信制は入学に診断は関係しない、サポート校は施設ごとで就学支援金の対象外)を比べた表
出典:学校教育法(e-Gov)、文部科学省 通知(平成25年10月4日)、通級による指導の手引、令和5年度 通級による指導実施状況調査

相談先は「学校・教育相談・発達障害者支援センター・医療機関」。役割を分けて使います

勉強のつまずきをどこに相談すればいいか分からない、という声も多く聞きます。相談先ごとに、できることが違います。

相談先 相談できること 診断がないとき
在籍する学校(担任・養護教諭・スクールカウンセラーなど) 授業や定期テストでの配慮、課題の出し方、通級の有無 困る場面を具体的に伝えて相談できる
教育相談(都道府県・市区町村の教育相談窓口、24時間子供SOSダイヤル) 学校生活の悩みなど。0120-0-78310は24時間・通話無料で、原則として電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関につながる 子ども本人も保護者も電話できる
発達障害者支援センター 発達障害のある人と家族などの相談、情報提供、関係機関との連絡調整 受け付ける範囲はセンターごとに確認
医療機関(児童精神科など) 診断、検査、服薬の判断 受診するかどうかは相談しながら決めてよい

出典:文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」について/発達障害者支援法 第14条(e-Gov)/国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター「発達障害者支援センターについて」(2026年9月確認)

発達障害者支援法第14条は、発達障害者支援センターの業務として、発達障害の早期発見や早期の発達支援に役立つよう、発達障害者とその家族その他の関係者の相談に応じ、情報提供や助言を行うことを挙げています。センターは都道府県・指定都市が自ら運営するか、指定した法人が運営していて、事業の内容は地域によって違うとされています。診断がない段階の相談を受け付けるかは公式の説明では確認できなかったため、電話で聞いてみてください。

放課後の支援としては、児童福祉法の「放課後等デイサービス」もあります。学校教育法第1条の学校(幼稚園と大学を除く)に通う障害児が対象で、高校もこの学校に含まれます。児童福祉法の「障害児」は18歳未満の児童で、発達障害のある児童も含まれます。18歳になった後も、利用している人について市区町村が必要と認めれば、20歳になるまで引き続き利用できる場合があります。利用できるかどうかは市区町村の判断になるため、住んでいる市区町村の障害福祉の窓口に確認してください(出典:児童福祉法 第4条・第6条の2の2・第21条の5の13(e-Gov))。

診断や服薬が必要かどうかの判断は、主治医や専門の医療機関に相談してください。この記事の5つの型は、受診や相談のときに「どこで困っているか」を伝えるための整理として使ってください。

選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)

ここまで読んで、「今の高校の授業の速さや量が合わない」「通信制に移っても、レポートの計画を一人で立てられるか不安」と感じた方もいると思います。

NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも自宅から参加でき、担任制で、カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められます。授業のアーカイブ視聴や中学の内容の学び直しにも対応していて、生活リズムに波があっても学べる設計にしています。ニジ高は、発達特性や障害を、本人を変えるのではなく学びの構造や環境を変えることで支援するという新しいアプローチを取っています。途中からの入学(転入・編入)もでき、出願費用は無料です。不登校の生徒を650名以上サポートしてきました(グループ全体)。

そのうえで、正直にお伝えしておくことがあります。

  • ニジ高は高校ではありません。高校卒業の資格は、提携する通信制高校に在籍して取ります。
  • 学院の中でのスクーリングはありませんが、提携する通信制高校のスクーリングへの参加が必要です。スクーリングの形や日程は、個別相談会で詳しくご案内しています。
  • 通級や入試の配慮、定期テストでの配慮など、在籍する高校として行う配慮は提携校の判断になります。どんな配慮が受けられるかは、入学前に個別に確認してください。
  • 診断や服薬の判断は、主治医・専門の医療機関にご相談ください。
  • 費用は、提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかり、ニジ高の分は就学支援金の対象になりません。金額は学費のご案内に載せています。

迷ったときの進め方(3ステップ)

  1. つまずきを5つの型に書き分ける。1週間だけ、「困った場面」と「どの型か」を1行ずつメモします。読む・書く・計算・注意・段取りのどれが重いかが分かると、工夫も相談も具体的になります。
  2. 今の学校に、場面を具体的に伝えて相談する。診断名がなくても、「この場面でこれに困っている」「これを試したらうまくいった」と伝えれば話し合いは始められます。本人が話しにくいときは、保護者が一緒に伝えてもかまいません。相談した内容と、実際に受けた配慮は記録しておくと、転校や大学受験のときに役に立ちます。
  3. 進路の候補に「支援の中身」を聞く。通級を実施しているか、診断がない生徒の配慮の実例があるか、通信制ならレポートの計画を誰が一緒に立ててくれるか。答えを聞いてから、進路を決めても遅くありません。

3つとも、どの学校にするか決まっていなくても進められます。よくある疑問はよくある質問のページにもまとめています。

相談室で生徒と母親が、相談員と丸いテーブルで話している場面
診断がなくても相談できる窓口があります
オンラインで学ぶニジ高の生徒

勉強のつまずきの型に合わせて、家から少しずつ学ぶ形もあります

ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。カメラ・マイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、アーカイブ視聴や学び直しにも対応しています。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。

体験説明会の日程を見る → LINEで気軽に相談する

よくある質問

Q. グレーゾーンで診断がなくても、高校で配慮をお願いできますか?

A. 相談はできます。障害者差別解消法の対象は、国の基本方針で障害者手帳の所持者に限られないとされ、該当するかは個別に判断されます。診断名の代わりに、困っている場面と試した工夫を具体的に伝えると、学校も配慮を考えやすくなります。

Q. グレーゾーンの高校生は、どんな勉強のしかたが合いますか?

A. つまずきの型によって違います。読む・書くが重いなら読み上げ機能やキーボード入力など道具で補う方法、注意・段取りが重いなら課題を小さく区切ってカレンダーに入れるなど仕組みで補う方法が合いやすいです。時間を増やすより、やり方を変えるほうが効くことがあります。

Q. 高校の通級は、診断がないと受けられませんか?

A. 一律には決まっていません。文部科学省の平成25年の通知は、医学的な診断の有無のみにとらわれず総合的に判断するとしています。一方で通級の手引は専門医の診断等に基づいて判断するとも書いており、運用は学校や教育委員会によります。進学先に直接確認してください。

Q. 大学受験で配慮を受けるには、何が必要ですか?

A. 大学入学共通テスト(令和9年度)の場合、受験上の配慮申請書・診断書・状況報告書の3つが申請の書類です。状況報告書には高校でのこれまでの配慮の状況を書くため、高校のうちから学校に相談し、受けた配慮を記録しておくと準備しやすくなります。

Q. グレーゾーンなら、通信制高校のほうが向いていますか?

A. 一概には言えません。通信制は登校の負担が減る一方で、レポートの計画を自分で管理する量が増えます。段取りのつまずきが重い人は、計画を一緒に立ててくれる人がいるかを確かめてから選ぶのがおすすめです。

つまずきの形が分かれば、あなたに合う学び方と進路は選べます

グレーゾーンという言葉は、「どちらでもない」ようで、支援から取り残されたように感じさせることがあります。でも、勉強のつまずきを型に分けてみると、道具で補えること、学校に頼めること、進路で環境ごと変えられることが、一つずつ見えてきます。

診断を受けるかどうかも、進路をどうするかも、今日決めなくて大丈夫です。まずは1週間、困った場面を書き出すところから始めてみてください。

一人で整理するのが難しいときは、話しながら一緒に考えることもできます。今の学校を続けるか迷っている段階の相談も受け付けています。

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