発達障害や発達特性のあるお子さんが、ある朝から高校に行けなくなった。理由を聞いても「わからない」「無理」としか返ってこない。このまま欠席が続いたら留年なのか、転校させるべきなのか。頭の中で、いくつもの心配が同時に回っているのではないでしょうか。
先に結論を書きます。行けなくなった直後の1〜2週間にすることは、「休ませる」「記録する」「学校に4つのことを確認する」の3つです。転校や退学のような大きな決断は、そのあとで間に合います。この記事では、行けない理由の型、最初に親がすること・しないこと、学校に確認すること、休む間の過ごし方、相談先、欠席が続いたときの選択肢を、時期を追って整理します。
制度については、発達障害者支援法・障害者差別解消法・学校教育法施行規則(e-Gov)、文部科学省の通知と調査、国立障害者リハビリテーションセンターの資料を実際に開いて確かめました。診断や治療の判断は主治医にゆだね、ここでは「困りごとの型」と「家庭と学校でできること」に絞って書いています。
今の高校に通い続けるのが難しい場合や、もっと自分らしい高校生活を探している場合は、オンラインという選択肢もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、全国の仲間とオンラインでつながり、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事に挑戦できます。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、全国にNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のリアルの教室があり、リアルでの通学もご検討いただけます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です。どんな学校なのかは、校長・星野達郎のYouTubeでも見られます。
結論:発達障害の子が高校に行けなくなったときの早見
- 行けない理由は、この記事では5つの型に分けて考えます。感覚過敏・人間関係・学習のつまずき・疲れ(エネルギー切れ)・二次障害(不安や落ち込み)。いくつかが重なっていることも多く、型は診断名ではありません。
- 最初の1〜2週間は、休ませて様子を記録する時期です。「なぜ行かないの」と理由を問い詰めることと、転校・退学をその場で決めることは、いったん脇に置きます。
- 学校に確認するのは4つ。欠席の上限(出席日数・授業時数の基準)、休んでいる間の課題、別室登校や保健室登校ができるか、合理的配慮の相談窓口です。
- 合理的配慮は、障害者手帳を持つ子だけのものではありません。障害者差別解消法の改正で、2024年4月から私立の高校を含む事業者にも提供が義務になりました。
- 困りごとの相談は、発達障害者支援センターや教育委員会の教育相談へ。眠れない・食べられない・強い落ち込みが続くときは、受診を検討します。
- 欠席が続いたときの選択肢は、休学・転学(通信制など)・別室などで続ける、の大きく3つ。時期によって向きやすい道が変わるので、表で比べてから選びます。
- 通信制に移る場合、オンライン中心のサポート校(NIJIN高等学院など)で、家から少しずつ学びを再開する形もあります。
「行けない」には理由があります。まず5つの型のどれに近いかを見ます
発達障害者支援法 第2条は、発達障害を「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害」と定めています。そして大事なのは、同じ条文が、日常生活や社会生活の制限は障害と「社会的障壁」の両方から生じると書いていることです。社会的障壁とは、本人にとって壁になる社会の事物・制度・慣行・観念のこと。学校の音、時間割の慣行、「みんなと同じにできて当たり前」という考え方も、ここに入ります。
つまり「行けない」は、本人の弱さではなく、特性と環境がかみ合わなくなったサインとして読むことができます。どこがかみ合っていないかを見るために、困りごとの型を5つに分けました。
| 型 | よく見られる様子 | 最初の手当て | 話す相手 |
|---|---|---|---|
| 感覚過敏 | 教室のざわめき、チャイム、蛍光灯、においがつらい。帰宅するとぐったりする | 刺激を減らせる場所で休む。何がつらいかを具体的にメモする | 担任・特別支援教育コーディネーター |
| 人間関係 | グループ活動や暗黙のルールで疲れる。からかい・いじめがある場合も | 安全の確保が先。いじめの疑いがあれば学校に対応を求める | 担任・学年主任・スクールカウンセラー |
| 学習のつまずき | 板書が追えない、提出物が出せない、テストで力が出せない | どの科目の何が難しいかを整理する | 教科担任・特別支援教育コーディネーター |
| 疲れ(エネルギー切れ) | 朝起きられない、頭痛や腹痛、休日も回復しない | 睡眠と食事を整える。体の症状が続くなら小児科などへ | かかりつけ医・養護教諭 |
| 二次障害 | 不安や落ち込みが強い、眠れない、自分を責める言葉が増える | 登校の話を止め、受診や専門相談を検討する | 主治医・発達障害者支援センター |
※表は困りごとを整理するための目安です。診断や重さを判断するものではありません。
感覚の問題について、国立障害者リハビリテーションセンターが発達障害の診断を受けた人の回答415件を分析したところ、「最もつらい感覚の問題」として聴覚を挙げた回答が約55%と半数以上でした。ASDの診断を受けた人では触覚の問題を挙げる人が相対的に多く、「高い音」のような特定の刺激だけでなく、複数の刺激が同時に来ると疲れてしまう問題も含まれていたと報告されています(国立障害者リハビリテーションセンター「発達障害のある人の感覚の問題の実態が明らかに」2023年2月)。40人の教室は、まさに複数の刺激が同時に来る場所です。
疲れの型で、朝起きられない・立ちくらみ・午前中に調子が悪く午後に回復する、といった様子が続く場合は、起立性調節障害という体の病気のこともあります。日本小児心身医学会は、起立性調節障害と並んで見られることがある状態の1つに神経発達症(発達障害)を挙げています(日本小児心身医学会「起立性調節障害」)。気持ちの問題と決めつけず、医師に相談してみてください。詳しくは起立性調節障害 高校生の記事にまとめています。
二次障害について、国立特別支援教育総合研究所は、学習面・行動面・対人関係でのつまずきや失敗の積み重なり、周りからの無理強いなどの不適切な対応の繰り返しが、不安の高まりや自信・意欲の喪失、自尊感情の低下を招き、不登校やひきこもりなどの形で現れることもあると説明しています(国立特別支援教育総合研究所「発達障害と情緒障害の関連と教育的支援に関する研究」)。逆に言えば、周りの関わり方で重くなるのを防げる部分があるということです。予防の考え方は発達障害 二次障害の記事でも書いています。
高校生の不登校全体のきっかけや、学校が把握している事実の内訳は高校生 不登校 原因の記事で詳しく扱っています。この記事は、発達特性のある子が「行けなくなった直後」の対応に絞ります。

最初の1〜2週間は「休ませて、記録する」。原因探しと進路の決断は後回しでいい
行けなくなった直後は、本人のエネルギーが一番少ない時期です。ここで理由を問い詰めたり、転校の話を持ち出したりすると、本人は「自分のせいで家族を困らせている」と受け取りやすくなります。文部科学省も、不登校の児童生徒によっては不登校の時期が休養や自分を見つめ直すなどの積極的な意味を持つことがあるとし、支援は「学校に登校する」という結果だけを目標にするのではない、と通知しています(文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日)。
最初の1〜2週間を目安に、することとしないことを整理しました。期間は目安で、回復のペースは一人ひとり違います。
| すること | しないこと | 理由 |
|---|---|---|
| 「今日は休もう」と、親から休みを認める | 毎朝「今日は行ける?」と聞く | 毎朝の確認が、そのまま毎朝の緊張になる |
| 睡眠・食事・体の症状・機嫌を1行ずつ記録する | 「なぜ行けないの」と理由を問い詰める | 本人も理由を言葉にできないことが多い。記録が後で受診や学校との相談に役立つ |
| 学校へは親から連絡し、窓口を1人に決めてもらう | 本人に学校と連絡を取らせる | 電話や通知そのものが負担になることがある |
| 好きなこと・落ち着けることを止めない | ゲームや動画を罰として取り上げる | 回復の足場になっていることがある。時間の約束は落ち着いてから一緒に決める |
| 「困ったら言ってね」と、話せる入口だけ開けておく | 転校や退学をその場で決める | 決断は、情報がそろってからでも間に合う |
記録は、細かい日記でなくてかまいません。「就寝1時・起床11時・昼食半分・頭痛あり・夕方は機嫌がよい」のような1行で十分です。2週間分たまると、曜日や時間帯によるパターンが見えてきます。これが、次に学校や医師と話すときの一番の材料になります。
声をかけるときは、理由を聞き出すより、困りごとを一緒に言葉にするほうが届きやすくなります。「学校のどこが一番しんどい?音?人?授業?」と選べる形で聞く、話したくなさそうならそこで終える。本人が話したことを否定せず、「それはきついね」と受け取るだけで、次に話す気持ちが残ります。
ただし、「消えたい」「死にたい」といった言葉が出たときは、様子見にせず、すぐに相談につないでください。文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310)は、子どもだけでなく保護者も夜間・休日を含めて相談でき、原則として電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関につながります(文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」について)。

学校に確認するのは4つ。欠席の上限・課題・別室登校・合理的配慮です
休ませる決心がついたら、次は学校への確認です。ここで聞いておくと、「あと何日休めるのか」という不安を数字で置き換えられます。
| 確認すること | 聞き方の例 | なぜ大事か |
|---|---|---|
| 1. 欠席の上限 | 「進級や単位の認定には、どれだけの出席が必要ですか。科目ごとの授業時数でも見ますか」 | 国の統一基準はなく、学校の規程で決まる |
| 2. 休んでいる間の課題 | 「休んでいる間に出せる課題や、後から受けられる試験はありますか」 | 出席とは別に、単位の評価に関わる |
| 3. 別室登校・保健室登校 | 「教室以外で過ごせる場所や時間帯はありますか。それは出席になりますか」 | 教室に入れなくても学校とのつながりを残せる |
| 4. 合理的配慮の窓口 | 「特性に合わせた配慮を相談したいのですが、どなたが窓口ですか」 | 配慮の内容は、学校との話し合いで決まる |
1つ目の欠席の上限は、国が一律に決めた日数はありません。多くの学校は「授業時数の3分の2以上の出席」を目安にしていますが、数え方は学校の規程しだいです。日数だけでなく、科目ごとの授業時数で見る学校もあります。考え方は高校 欠席日数と高校 出席日数の記事で詳しく書いています。
3つ目の出席の扱いには、知っておきたい注意があります。高校の不登校生徒が教育支援センターなどの学校外の施設で相談・指導を受けた場合、一定の要件のもとで校長が指導要録上の「出席扱い」にできる仕組みがあります。ただし文部科学省の通知は、この出席扱いは科目の履修の認定で考慮される授業への出席とは異なるとはっきり書いています(文部科学省「高等学校における不登校生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の対応について」平成21年3月12日)。「出席扱い」と「単位がもらえる」は別の話なので、両方を分けて聞いてください。
もう1つ、高校には、学校生活への適応が難しく相当の期間欠席している生徒に、自宅などでオンライン(メディアを利用した授業)で履修させる仕組みもあります。学校教育法施行規則 第96条第2項第2号で、この方法で修得できる単位は卒業に必要な74単位のうち36単位までと決められています。同条第3項により、ほかの一部の方法で修得する単位と合わせても36単位までです(学校教育法施行規則 第88条の3・第96条)。実施しているかどうかは学校によるので、「この仕組みを使えるか」も聞いてみる価値があります。
また、高校でも、障害に応じた特別の指導(通級による指導)を行う場合に特別の教育課程を組めることが、同施行規則 第140条に定められています。対象には自閉症・学習障害・注意欠陥多動性障害などが挙げられています。在籍校で実施しているかは、特別支援教育コーディネーターに確認してください。
合理的配慮は「手帳がある子」だけのものではありません。2024年4月から私立の高校も義務です
4つ目の合理的配慮は、遠慮して言い出せない保護者が多いところです。法律の仕組みを知っておくと、相談しやすくなります。
- 障害者差別解消法は、障害者から社会的障壁を取り除いてほしいという意思の表明があり、負担が過重でないときは、必要かつ合理的な配慮をしなければならないと定めています。公立学校は第7条(行政機関等)、私立学校は第8条(事業者)です。
- 事業者の合理的配慮は以前は努力義務でしたが、改正法が2024年(令和6年)4月1日に施行され、義務になりました(内閣府「障害者差別解消法」)。
- 同法の「障害者」には、精神障害(発達障害を含む)が明記されています。文部科学省の対応指針は、障害者に当たるかは個別に判断され、いわゆる障害者手帳の所持者に限られないとしています。
- 本人が意思を伝えにくい場合は、家族などが本人を補佐して伝える意思の表明も含まれるとされています。保護者が学校に相談してよい、ということです。
出典:障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律 第2条・第7条・第8条(e-Gov)/文部科学省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針(令和6年4月1日施行の改定版。2026年9月確認)
対応指針には、学校での配慮の例として、次のようなものが挙がっています(主なもの)。
- 入学試験や検定試験で、別室での受験や試験時間の延長などを認める
- 読み書きに困難のある児童生徒に、読みやすい字体の資料を用意する、タブレット端末などのICT機器の使用を認める、筆記に代えて口頭試問で行う
- 人前での発表が難しい児童生徒に、代わりにレポートを課したり、録画した発表を使ったりする
- 病気療養などで学習できない期間が生じる児童生徒に、ICTを活用した学習や補講で学習の機会を確保する
配慮は「頼めば全部やってもらえる」一覧ではなく、本人・保護者と学校が建設的対話で決めるものです。対応指針は、合意した配慮を個別の教育支援計画に明記し、状況に応じて柔軟に見直すことが重要だとしています。発達障害者支援法 第8条も、18歳以上で高校に在学する人を含めて、個別の教育支援計画の作成を進めるよう国と自治体に求めています(発達障害者支援法 第8条)。
相談するときは、先ほどの2週間の記録と、「音がつらいので、休み時間に静かな部屋で過ごしたい」「提出物の期限を分けてほしい」のように困りごとと希望をセットで伝えると話が進みやすくなります。申し出の手順は合理的配慮 申請の記事にまとめています。
休む期間は「生活の土台」→「好きなこと」→「学びの小さな再開」の順に戻していきます
休むと決めたあと、多くの保護者が悩むのが「何もしないで過ごしていいのか」です。回復にはおおまかな順番があり、飛ばすと戻りやすくなります。
| 段階 | こんな様子なら | 家でできること |
|---|---|---|
| 1. 生活の土台 | 寝ている時間が長い、食欲が落ちている、学校の話で表情が固まる | 起きる時間より、眠れているかを優先。食事は食べられるものからでいい |
| 2. 好きなことが戻る | ゲームや動画、趣味に夢中になれる。家族と雑談できる | 好きなことを一緒に楽しむ。外出は近所の散歩や買い物程度から |
| 3. 学びの小さな再開 | 「このままでいいのかな」と先のことを口にする | 15分の学習、オンラインの講座、学校の課題を1つだけ、など小さく始める |
※段階は目安です。行きつ戻りつするのが普通で、1から3へまっすぐ進むとは限りません。
2の段階でゲームばかりしているように見えると、心配になるかもしれません。でも、夢中になれるものがあるのは、エネルギーが戻り始めたしるしであることもあります。時間の約束をするなら、本人と一緒に決め、守れなかった日に責めないことが大切です。
3の段階に入ったら、学校から出ている課題に取り組めるかどうかが、単位の見通しにつながります。在籍校が別室登校やオンラインでの履修に応じてくれるなら、ここで使い始めます。本人が「今の学校には戻りたくない」と言う場合も、この段階で次の選択肢を一緒に調べ始めると、決断に本人の意思を入れやすくなります。
休んでいる間、保護者自身が疲れ切ってしまうことも少なくありません。家族の関わり方を長い目で見直すヒントは発達障害 高校生 親の関わり方の記事で書いています。小中学生のきょうだいも学校に行きづらさを抱えている場合は、小中学生のオルタナティブスクールであるNIJINアカデミーという学び方もあります。

受診と相談は分けて考えます。困りごとの相談は発達障害者支援センターや教育相談へ
「病院に行くべきか」と「どこに相談するか」は、分けて考えると楽になります。病院は体と心の症状を診てもらう場所、相談機関は暮らしや学校の困りごとを一緒に整理する場所です。
| 相談先 | 相談できること | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 在籍校(担任・スクールカウンセラー・特別支援教育コーディネーター) | 欠席の扱い、課題、別室登校、配慮の相談 | まず学校とのつながりを保ちたいとき |
| 発達障害者支援センター | 本人・家族・関係機関からの日常生活の相談。学校で困っていることも含む。必要に応じて関係機関を紹介 | 特性に合わせた関わり方や、使える制度を知りたいとき |
| 教育委員会の教育相談・24時間子供SOSダイヤル | 不登校や学校生活の悩み。保護者も相談できる | 学校に直接言いにくいとき、夜間や休日に不安が強いとき |
| 医療機関(かかりつけの小児科・児童精神科・心療内科など) | 眠れない、食べられない、強い落ち込み、体の症状 | 体や心の症状が続くとき、診断や薬について知りたいとき |
発達障害者支援センターは、発達障害者支援法 第14条にもとづき、都道府県(指定都市では市)が指定または自ら運営する相談機関です。国立障害者リハビリテーションセンターの説明では、発達障害児(者)とその家族、関係機関などから、コミュニケーションや行動面で気になること、保育園や学校、職場で困っていることなどの相談に応じ、必要に応じて保健・医療・福祉・教育・労働などの関係機関を紹介するとされています。センターの事業内容は地域によって違います(発達障害者支援センターとは/発達障害者支援センターの事業内容/発達障害者支援センター・一覧)。予約の方法や費用は、お住まいの地域のセンターに確認してください。
受診を検討したいのは、眠れない・食べられない日が続く、強い不安や落ち込みで日常生活が回らない、体の症状(頭痛・腹痛・立ちくらみなど)が続く、といったときです。すでに主治医がいる場合は、行けなくなったことを主治医に伝え、学校に出す書類が必要かも相談しましょう。まだ診断を受けていない場合、受診するかどうかは本人の気持ちも聞きながら決めてかまいません。診断の有無にかかわらず、相談機関や学校には今日から相談できます。
※2026年9月時点の情報です。最新は各機関の公式ページでご確認ください。

欠席が続いたときの選択肢は、時期で比べると選びやすくなります
文部科学省の令和6年度の調査で、高校の不登校生徒は67,782人でした。そのうち90日以上欠席した人は14.9%、同じ年度に中途退学に至った人は10,566人(15.6%)、原級留置(留年)になった人は2,963人(4.4%)です(文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(不登校抜粋版)」)。裏を返せば、不登校になった高校生の多くは、その年度のうちに退学も留年もしていません。欠席が続いても、道は1つではないということです。
同じ調査で、学校が把握した事実として「障害(疑い含む)に起因する特別な教育的支援の求めや相談があった」は、高校の不登校生徒の2.3%(1,572人)でした。これは学校に相談が届いた数なので、特性の困りごとが学校に伝わっていなければ、この数には入りません。前の節で書いた「学校に伝える」ことが大事なのは、このためでもあります。
| 時期の目安 | 向きやすい道 | 確かめること |
|---|---|---|
| 行けなくなって2週間ほど | 休んで様子を見る。学校に4つを確認する | 欠席の上限、課題、別室登校、配慮の窓口 |
| 1か月ほど続き、学期末が近い | 別室登校・課題・オンライン履修などで今の学校を続ける道を探る | 今学期の単位の見通し、試験を別室で受けられるか |
| 今の学校で単位が難しくなってきた | 休学して立て直すか、通信制などへの転学を考え始める | 休学の期間と復学の学年(学則)、転学先の受け入れ時期 |
| 年度末が近く、留年の可能性が高い | 留年して続ける/年度内に転学して単位を引き継ぐ、を比べる | 修得済みの単位、転学先で何年生になるか |
※時期の区切りは目安です。学校の規程や本人の回復のペースで変わります。
休学は、学校教育法施行規則 第94条で校長の許可が必要とされ、休学に関することは各校の学則に定めることになっています(同第4条)。休学した期間を在籍期間に数えるか、復学するときに何年生になるかは学校ごとに違うので、学則や担任に確認してください。休学の影響は高校 休学の記事で詳しく書いています。
転学は、同第92条で、在籍校の校長が必要な書類を転学先に送り、転学先の校長が教育上支障がなければ許可できると定められています。全日制・定時制・通信制の間の転学では、修得した単位に応じて相当学年に転入できます。転入なら前の学校の単位と在籍期間を引き継げますが、いったん退学してから入り直すと「編入」になります。手順は高校 転入の記事にまとめています。
どの道を選ぶにしても、退学届を先に出さないことが大切です。次の学校が決まる前に退学すると、転入ではなく編入の扱いになり、引き継げるものが変わることがあります。
通信制に移るなら、発達特性で見るポイントは「通う頻度」「スクーリング」「人の支え」です
通信制高校は、学校教育法に定められた高等学校の通信制の課程で、卒業すれば全日制と同じ高校卒業です。卒業の条件は3年以上の在籍・74単位以上の修得・特別活動30単位時間以上で、単位はレポート(添削指導)・スクーリング(面接指導)・試験の3つで修得します。
文部科学省の「令和7年度 通信制高等学校実態調査」では、2025年度の通信制高校の入学者77,998人のうち、中学3年のときに不登校だった生徒は44,461人(57.0%)でした。通う頻度も、週5日のコースから、集中スクーリング型、月1〜2回や自由登校まで幅があります(文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」)。
発達特性のある子が通信制を比べるときは、次の3つを見ておくと、転校したあとに同じ壁にぶつかりにくくなります。
- 通う頻度と場所:感覚過敏が強いなら、人の多い教室に毎日通う形より、自宅中心や少人数の形が合うことがあります。逆に、家にいると生活リズムが崩れやすい子には、週に何日か通う形が支えになることもあります。
- スクーリングの形:どの通信制高校でもスクーリングはあります。日数・会場・時期は学校ごとに違うので、音や人の多さ、泊まりの有無など、本人が不安に思う点を具体的に聞いておきます。
- 人の支え:レポートの提出期限の管理や、困ったときに誰に聞けばいいかがはっきりしているか。実行機能(段取りや時間の管理)の苦手さがある子には、ここが続けられるかどうかの分かれ目になります。
お金の面では、2026年度から高等学校等就学支援金の所得制限がなくなり、私立の通信制高校は1単位13,668円・年337,200円まで支給されます。公立の通信制の授業料は都道府県の条例で決まり、県によって違います(文部科学省「高校生等への修学支援」)。対象は授業料だけで、サポート校の費用には使えません。学費の全体像は通信制高校 学費、学校の比べ方は通信制高校 選び方、発達特性の視点での選び方は通信制高校 発達障害の記事にまとめています。
※2026年9月時点の情報です。最新は文部科学省・各学校の公式ページでご確認ください。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
ここまで読んで、「今の学校に戻るのは難しそう。でも、家にこもったままにはしたくない」と感じた方もいると思います。
NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。ニジ高は、発達特性や障害を、本人を変えるのではなく学びの構造や環境を変えることで支援するという新しいアプローチを取っています。全国どこからでも自宅から参加でき、カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。生活リズムに波があっても学べるように、授業のアーカイブ視聴や中学内容の学び直しにも対応しています。担任制で、途中からの入学(転入・編入)もでき、出願費用は無料です。不登校の生徒を650名以上サポートしてきました(グループ全体)。
ただし、はじめに正直にお伝えしておくことがあります。
- ニジ高そのものは高校ではありません。高校卒業の資格は、提携する通信制高校に在籍して取ります。
- 学院内でのスクーリングはありませんが、提携校のスクーリングには参加が必要です。スクーリングにニジ高のスタッフは付き添いませんが、日程の調整と準備を支援します。スクーリングの形や日程は、個別相談会で詳しくご案内しています。
- 診断や服薬の判断は、主治医や専門機関にご相談ください。
- 費用は、提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかり、ニジ高の分には就学支援金は使えません。金額は学費のご案内に載せています。
在籍している高校の扱いや、今の状況で転入できる時期など、よく聞かれることはよくある質問にもまとめています。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- 2週間、休ませて記録する。睡眠・食事・体の症状・機嫌を1行ずつ。5つの型のどれに近いかは、この記録から見えてきます。
- 学校に4つを確認する。欠席の上限、課題、別室登校、合理的配慮の窓口。「出席扱い」と「単位の認定」は分けて聞きます。答えをメモしておくと、次の判断が楽になります。
- 相談先を1つ決めて、選択肢を並べる。発達障害者支援センター、教育相談、主治医のどれか1つでかまいません。そのうえで、今の学校で続ける・休学・転学の3つを、時期の表に当てはめて比べます。
3つとも、転校するかどうか決まっていなくても進められます。


行けなくなった後の学び方を、一緒に整理しませんか
今の高校を続けるか、休むか、通信制に移るか。ニジ高の個別相談会では、お子さんの特性や今の状況を伺いながら、選べる道を一緒に整理します。ニジ高は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。決める前の相談だけでも大丈夫です。
よくある質問
Q. 発達障害の診断がなくても、学校に合理的配慮を相談できますか?
A. 相談できます。文部科学省の対応指針は、障害者に当たるかは個別に判断され、障害者手帳の所持者に限られないとしています。配慮の内容は本人・保護者と学校の話し合いで決まるので、困りごとと希望を具体的に伝えるところから始めてください。
Q. 休ませたら、そのまま行けなくなりませんか?
A. その心配はもっともです。ただ、エネルギーが切れた状態で登校を続けると、不安や落ち込みが強まる二次障害につながることがあります。文部科学省も、不登校の時期が休養の意味を持つことがあるとしています。休む間も、学校との連絡と記録を続けておけば、戻る道も別の道も残せます。
Q. 高校には何日まで休めますか?
A. 国の統一の日数はなく、学校の規程で決まります。多くの学校は授業時数の3分の2以上の出席を目安にしていますが、科目ごとの授業時数で見る学校もあります。在籍校に「進級と単位に必要な出席」を直接確認するのが確実です。
Q. 通信制高校に転学すると、今まで取った単位はどうなりますか?
A. 転学(転入)なら、修得した単位に応じて相当学年に転入できると学校教育法施行規則 第92条に定められています。どの単位がどう引き継がれるかは転学先の学校が判断するので、成績や単位の証明を用意して相談してください。先に退学すると編入扱いになる場合があるので、退学届は次の学校が決まってから出しましょう。
Q. 親はどこに相談すればいいですか?
A. 学校のことなら担任やスクールカウンセラー、特性に合わせた関わり方なら発達障害者支援センター、学校に言いにくいことや夜間の不安なら教育委員会の教育相談や24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)が使えます。眠れない・食べられないなどの症状が続くときは、受診を検討してください。
「行けない」は終わりではなく、合う形を探し始める合図です
お子さんが高校に行けなくなると、親は「自分の育て方のせいでは」と考えてしまいがちです。でも、発達障害者支援法が書いているとおり、困りごとは特性と環境の両方から生まれます。行けなくなったのは、今の環境が本人に合わなくなったことを、本人が体で教えてくれているとも言えます。
今日決めなくて大丈夫です。まずは2週間、休ませて記録するところから始めてください。学校に4つを確認し、相談先を1つ持てば、次に選べる道の形がはっきりしてきます。
家から少しずつ学びを再開する形もあります。どうするか迷っている段階の相談も受け付けています。
転校を決める前の、話を聞くだけの相談も受け付けています
全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付
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