発達障害のあるお子さんが高校生になると、「中学までと同じように支えていいのか」「どこまで口を出していいのか」と迷う保護者は少なくありません。本人は自立を求められる年齢になる一方で、特性による困りごとは高校でも続きます。
先に結論を書くと、高校で変わるのは、親の気持ちより先に「学校と法律の仕組み」です。中学までの支援は自動では高校に引き継がれず、進級は科目ごとの単位で決まり、多くの人は高校3年生のうちに18歳=法律上の成人になります。親の役割は「代わりにやる人」から「本人が自分で頼めるように、少し後ろで支える人」へ、段階を踏んで移っていきます。
この記事は、学校教育法施行規則・高等学校学習指導要領・文部科学省の調査(令和4年・令和5年度)、民法と法務省のQ&A、発達障害者支援法、厚生労働省・日本年金機構・国立障害者リハビリテーションセンターの公式ページを実際に開いて確認した内容でまとめています。公式で確認できなかったことは、確認できなかったと書いています。診断や治療、服薬の判断は、主治医や専門機関にご相談ください。
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結論:発達障害の子が高校生になったときの、親の関わり方の早見
- 中学までの支援が、自動で高校に届くとは限りません。「個別の教育支援計画」の作成が法令で決まっているのは特別支援学校・特別支援学級・通級の子どもで、中学から高校への引き継ぎの扱いは学校や自治体によって違うため、本人と家族が橋渡し役になる場面もあります。
- 高校にも通級による指導があり、年間7単位まで卒業の単位に入ります(平成30年度から)。ただし令和5年度に高校で通級を受けた生徒は2,371人で、中学校の34,449人から大きく減ります。
- 文部科学省の令和4年の調査では、学習面・行動面で著しい困難があるとされた生徒のうち、授業中に教室内で個別の配慮を受けていたのは、小中学校54.9%に対して高校18.2%でした(診断の割合を示す調査ではありません)。
- 高校は科目ごとの単位で進級・卒業が決まります。親が気にかけたいのは宿題の中身より、科目ごとの欠課の数と提出物の期限です。
- 配慮は、本人の「意思の表明」から動く仕組みです(障害者差別解消法第7条・第8条)。家族が補佐して伝えることも認められていますが、高校のうちに本人が自分で頼む練習を始めておくと、18歳以降に生きます。
- 18歳で成人になり(民法第4条)、親の同意なしに契約でき、未成年者取消権は使えなくなります。お金の制度は20歳でも切り替わり、特別児童扶養手当は20歳未満まで、20歳前に初診日がある障害基礎年金は、障害の状態が1級・2級にあたる場合に20歳から対象になります。
- 親だけで抱え込まなくて大丈夫です。発達障害者支援センターは家族からの相談も受けています。環境ごと変えたいときは、オンライン中心のサポート校(NIJIN高等学院など)で通信制高校の卒業をめざす方法もあります。
中学までと同じ支え方が合わなくなるのは、親の力不足ではなく、学校の仕組みが変わるからです
「高校に入ってから、子どもの様子が見えにくくなった」「前は先生と話せば済んだのに、今は誰に言えばいいのか分からない」。そう感じるのは、保護者の関わり方が下手になったからではありません。中学校と高校では、学校の仕組みそのものが違うからです。
いちばん大きいのは、高校が単位で動いていることです。高等学校学習指導要領(第1章総則)では、卒業までに74単位以上を修得すること、1単位は50分の授業35回分を標準とすること、学校の指導計画に従って履修し、その成果が目標から見て満足できると認められたときに単位の修得を認定することが決められています。つまり出席も成績も、科目ごとに数えられます。
| 場面 | 中学校まで | 高校 |
|---|---|---|
| 進級・卒業 | 義務教育。単位の修得という考え方はない | 科目ごとに単位を修得。卒業は74単位以上 |
| 欠席の影響 | 単位を落とす仕組みはない | 出席の基準は国の統一基準がなく学校ごと。多くの学校は授業時数の3分の2以上の出席を目安にしている |
| 支援の計画 | 特別支援学級・通級の子は個別の教育支援計画の作成が義務 | 通級の生徒は作成・活用するものとされ、それ以外の障害のある生徒は作成に「努める」 |
| 通級の人数(令和5年度) | 小学校166,556人・中学校34,449人 | 高校2,371人(平成30年度から開始) |
出典:文部科学省「高等学校学習指導要領」第1章総則 第2款・第4款・第5款/学校教育法施行規則 第134条の2・第139条の2・第141条の2(e-Gov)/文部科学省「令和5年度 通級による指導実施状況調査」(2026年9月確認)
もう1つ変わるのが、本人に求められる自己管理の量です。どの科目があと何回休めるか、提出物の期限はいつか、困ったときに誰へ言うか。中学では先生や親が先回りして気づけていたことを、高校では本人が把握する場面が増えます。段取り・切り替え・時間の見積もりといった実行機能に苦手さがあるお子さんにとって、ここが最初のつまずきになりやすいところです。
欠席と単位の関係は、高校 欠席日数と高校 出席日数の記事で詳しく書いています。まずは「高校では、休んだ日数の合計より、科目ごとの欠課の数が効く」と覚えておくだけで、親の見るポイントが変わります。
中学までの支援が、自動で高校に届くとは限りません。個別の教育支援計画の橋渡しに、本人と家族も関わります
小中学校で配慮を受けてきたお子さんの保護者が、いちばん驚くのがこの点です。学校教育法施行規則第134条の2は、個別の教育支援計画を「学校と医療、保健、福祉、労働等に関する業務を行う関係機関」などとの連携のもとで行う長期的な支援の計画と定め、校長に作成を義務づけています。作成にあたっては、本人や保護者の意向を踏まえることも書かれています。
ただし、この義務がかかるのは特別支援学校の子どもで、第139条の2で特別支援学級の子ども、第141条の2で通級による指導を受けている子どもにも同じ規定が当てはまります。通常の学級で、通級を受けずに配慮だけを受けてきた子どもは、この条文の直接の対象ではありません。
高校側の決まりは、高等学校学習指導要領 第1章第5款2(1)ウにあります。障害のある生徒などについては、個別の教育支援計画と個別の指導計画を作成し活用することに「努める」とされ、通級による指導を受ける生徒については作成し効果的に活用する「ものとする」とされています。書き方の強さが違うことに注意してください。
文部科学省も、高校の通級を制度化したときの通知(平成28年12月9日 28文科初第1038号)で、中学校からの引き継ぎや情報提供の仕組み作りが必要だとして、通級の対象となる生徒について、中学校にいる間からの個別の教育支援計画や個別の指導計画の作成と引き継ぎを進める体制づくりを、教育委員会に求めています。裏を返せば、仕組みがまだ十分ではない学校もある、ということです。
出典:学校教育法施行規則 第134条の2・第139条の2・第140条・第141条・第141条の2(e-Gov)/文部科学省「学校教育法施行規則の一部を改正する省令等の公布について(通知)」28文科初第1038号/発達障害者支援法 第8条(2026年9月確認)
発達障害者支援法第8条は、国と地方公共団体に、発達障害児への適切な教育的支援と個別の教育支援計画の作成の推進を求めています。この条文の「発達障害児」には、18歳以上で高校に在学している人も含むと書かれています。高校3年生で18歳になっても、在学中は教育の支援の対象です。
家庭でできる橋渡しは、次の4つを1枚の紙にまとめて、中学校と高校の両方に相談することです。
- 困りやすい場面(例:板書が間に合わない、急な予定変更で固まる、大きな音がつらい)
- 効いた配慮(例:座席の位置、指示を紙で渡す、提出期限の分割)
- 効かなかったこと(本人が嫌がった配慮も書いておくと、同じ行き違いを防げます)
- 本人の言葉(「これを先生に知っておいてほしい」を本人に書いてもらう)
中学校で作られた計画の写しを受け取れるか、高校へどう伝えるかは、学校や自治体によって扱いが違います。中学3年の早い時期に、中学の先生に「高校へどう伝えるか」を相談しておくと安心です。高校入試の配慮の申請については、発達障害 高校進学の記事で整理しています。

高校にも通級はあります。年間7単位まで卒業の単位に入りますが、受けている生徒はまだ少数です
「通級は中学まで」と思われがちですが、高校にもあります。学校教育法施行規則第140条は、小学校・中学校と並んで高等学校でも、障害に応じた特別の指導を行うために「特別の教育課程」によることができると定めています。対象として挙がっているのは、言語障害者、自閉症者、情緒障害者、弱視者、難聴者、学習障害者、注意欠陥多動性障害者、その他の障害のある人です。
高校での通級は、平成30年(2018年)4月1日に始まりました。文部科学省の通知によると、通級で修得した単位は年間7単位を超えない範囲で、卒業に必要な単位数に加えることができます(平成28年文部科学省告示第176号)。生徒が学校の定める個別の指導計画に従って通級を履修し、目標から見て成果が満足できると認められれば、単位の修得が認定されます。自分の学校に通級がなくても、第141条により、設置者の定めるところで他の学校で受けた授業を自校の授業とみなせる場合があります。
一方で、実際に受けている生徒はまだ多くありません。
- 令和5年度に通級による指導を受けた児童生徒は全国で203,376人。うち小学校166,556人、中学校34,449人、高校2,371人(高校は公立2,327人・私立44人)です。
- 公立高校で通級を受けている生徒は、在籍する生徒全体の0.1%でした。
出典:文部科学省「令和5年度 通級による指導実施状況調査」(令和7年7月)/文部科学省 28文科初第1038号(2026年9月確認)
中学で通級を受けていた子が、高校では受けられなくなることは十分にありえます。進学先を選ぶときや入学直後に、「通級はあるか」「ない場合、授業の中でどんな配慮ができるか」「他校の通級は使えるか」の3つを聞いておくと、入学後のずれを減らせます。
授業中の個別の配慮を受けている生徒は、高校では18.2%。小中学校の約3分の1です
文部科学省は令和4年に、通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒の調査を行い、同年12月13日に結果を公表しました。学級担任などの回答から「知的発達に遅れはないものの学習面又は行動面で著しい困難を示す」とされた児童生徒は、小中学校で推定8.8%、高校で推定2.2%でした。その子たちが受けている支援を、小中学校と高校で並べます。
| 著しい困難があるとされた児童生徒が受けている支援 | 小学校・中学校 | 高校 |
|---|---|---|
| 校内委員会で、特別な教育的支援が必要と判断されている | 28.7% | 20.3% |
| 授業時間内に、教室内で個別の配慮・支援を受けている | 54.9% | 18.2% |
| 授業時間以外に、個別の配慮・支援を受けている(補習・宿題の工夫など) | 29.1% | 17.2% |
| 個別の教育支援計画が作成されている | 18.1% | 10.5% |
| 個別の指導計画が作成されている | 21.4% | 10.8% |
| 通級による指導を受けている | 10.6% | 5.6% |
出典:文部科学省「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」(令和4年12月13日)の表7・8・10・11・13・15(2026年9月確認)
この表を読むときに、知っておいてほしい注意が3つあります。
- 診断の割合ではありません。担任などの回答をもとにした調査で、医師の診断によるものではないため、発達障害のある子どもの割合を示すものではないと、調査結果自体に書かれています。
- 高校の対象は、公立の全日制と定時制の1〜3年次だけです。通信制の課程や私立高校は含まれていません。
- 高校の数字は幅が大きい推定値です。たとえば授業中の配慮18.2%は、95%信頼区間で9.9〜31.0%とされています。
それでも、高校では、配慮が「自然には始まりにくい」という方向は読み取れます。中学までは先生が気づいて動いてくれていたことも、高校では本人か家族が伝えないと気づかれないことがある。次の2つの節は、そのための準備です。

高校生の親が手放していくのは「管理」、続けていくのは「観察」と「話せる場」です
高校生になると、親の言葉に強く反発したり、学校のことを話してくれなくなったりすることがあります。それ自体は、多くの高校生に見られる成長の一部でもあります。ここで大切なのは、完全に手を引くことでも、中学までと同じように管理し続けることでもなく、「口を出しすぎず、でも気にかけている」位置に立つことです。
| 少しずつ手放していくこと | 代わりに続けること |
|---|---|
| 宿題・課題の中身を細かく見ること | 科目ごとの欠課数と提出期限を、週に1回だけ一緒に確かめる約束 |
| 先回りして問題を解決すること | 困ったときに「どうしたい?」と本人の考えを先に聞くこと |
| 学校の友人関係に深く入ること | 睡眠・食事・表情など、体調と気持ちのサインを見ておくこと |
| 先生への連絡を親がすべて引き受けること | 本人が伝えるときの練習相手になり、必要なときだけ同席すること |
「失敗から学ぶ機会を奪わない」ことは大切ですが、高校では1つの見落としが単位や進級に直結することがあります。手放すのは中身の管理で、取り返しがつきにくいもの(欠課の上限、提出期限、試験日)だけは、本人と一緒に見える場所に置いておくのが現実的です。カレンダーアプリやホワイトボードなど、本人が使いやすい道具を本人に選んでもらうと続きやすくなります。
話を聞く場面にも工夫ができます。向かい合って「最近どうなの」と聞くより、夕食の時間、車での移動中、散歩の途中など、隣にいながら同じ方向を見ている時間のほうが話しやすいお子さんもいます。答えが返ってこなくても、「どんな話でも聞くよ」という姿勢を日頃から見せておくことが、困ったときに頼ってもらえる土台になります。
声のかけ方で迷ったときは、発達障害の子どもへの声かけ・接し方の記事も参考にしてください。
配慮は「本人の申し出」から動く仕組みです。高校のうちに、自分で頼む練習を始めます
自分の特性を理解し、必要な配慮を自分の言葉で求める力は、英語でセルフアドボカシーと呼ばれます。高校生の親にとって、これを育てることが大きな役割になるのは、法律の仕組みがそうなっているからです。
障害者差別解消法は、公立学校などの行政機関等(第7条)と、私立学校を含む事業者(第8条)に対して、障害のある人から「社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合」に、負担が過重でない範囲で必要かつ合理的な配慮をするよう定めています。事業者の合理的配慮は、令和6年4月1日から法的な義務になりました。
政府の基本方針には、次のことも書かれています。
- 本人の意思の表明が難しい場合は、家族や介助者など、コミュニケーションを支援する人が本人を補佐して行う意思の表明も含む。
- 対象となる障害者は、個別の状況に応じて判断され、障害者手帳を持っている人に限られない。
- 配慮の内容は、本人と学校などが建設的対話で一緒に考え、代わりの方法も含めて柔軟に決めていく。
出典:障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律 第7条・第8条(e-Gov)/内閣府「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」/内閣府「障害を理由とする差別の解消の推進」(2026年9月確認)
つまり、今は親が代わりに伝えてもかまいません。ただ、大学や職場では、保護者が毎回そばにいるわけではありません。高校の3年間は、親が補佐する形から、本人が自分で伝える形へ移る練習期間と考えると、関わり方の目安が立ちます。
- 最初は親が一緒に伝える。面談に本人も同席し、親が話す内容を本人が横で聞きます。
- 次は本人が話し、親が補う。「板書を写すのが間に合わないので、写真を撮ってもいいですか」のように、困る場面と頼みたい工夫を1つずつ、本人が短く言えるように家で練習します。
- 最後は本人だけで伝え、親は結果を聞く。うまくいかなかったら、次にどう言うかを一緒に考えます。
自分の特性を説明する練習のしかたは、自分の特性を人に説明する練習の記事で紹介しています。

18歳で成人になります。契約は本人だけでできるようになり、親の「取り消し」は使えなくなります
民法第4条は「年齢十八歳をもって、成年とする」と定めています。成年年齢を20歳から18歳に引き下げる改正は、令和4年(2022年)4月1日に施行されました。多くの人は高校3年生のうちに18歳になるため、在学中に法律上の立場が変わることになります。
| 項目 | 18歳になる前(未成年) | 18歳から(成年) |
|---|---|---|
| 契約 | 原則として親など法定代理人の同意が必要(民法第5条) | 携帯電話の購入、アパートの賃貸、クレジットカードの作成、ローンなどを本人だけでできる |
| 親の同意なしの契約 | 原則として取り消せる(未成年者取消権) | 18歳・19歳は未成年者取消権を使えない |
| 親権 | 成年に達しない子は親権の対象(民法第818条) | 親権の対象ではなくなる |
| 飲酒・喫煙、公営競技 | できない | 20歳のまま変わらない(18歳・19歳もできない) |
出典:民法 第4条・第5条・第818条(e-Gov)/法務省「民法(成年年齢関係)改正 Q&A」/法務省「民法の一部を改正する法律(成年年齢関係)について」(2026年9月確認)
特性によっては、勧められると断りにくい、目の前の欲しいものを優先しやすい、といった場面があるかもしれません。18歳になる前に、「契約する前に一晩置く」「分割払いや定額課金のサービスは家族に一言相談する」など、家族のルールを本人と一緒に決めておくと安心です。ルールは親が決めて押しつけるより、本人が納得した形のほうが守られやすくなります。
医療の場面については、何歳から本人だけで同意できるかを一律に定めた法律の条文は、今回の確認では見つけられませんでした。扱いは医療機関によって違う可能性があるため、主治医に「18歳になったら、説明や同意はどう変わるか」を早めに聞いておくことをおすすめします。小児科にかかっている場合は、いつ頃まで診てもらえるか、どこへ移るかも合わせて相談しておくと、慌てずに済みます。
18歳になった後、高校が保護者にどこまで連絡するかについても、国の資料では確認できませんでした。学校ごとに扱いが違うと考え、入学時や高3の春に確認しておくと安心です。
手当・年金・福祉サービスは「18歳」と「20歳」で切り替わります。高2のうちに見通しを立てます
お金と福祉の制度は、民法の18歳とは別に、それぞれの法律で年齢の区切りを持っています。18歳で切り替わるものと、20歳で切り替わるものが混在しているのが、保護者が混乱しやすい理由です。主なものを並べます。
| 制度 | 年齢の区切り | 変わること | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 特別児童扶養手当 | 20歳未満まで | 障害のある児童を家庭で監護・養育する父母等に支給。月額は1級58,450円・2級38,930円(令和8年4月から)。所得制限あり | 厚生労働省 |
| 障害基礎年金(20歳前に初診日がある場合) | 20歳から | 1級・2級の状態なら、20歳に達した日の翌月分から(障害認定日が20歳以後なら認定日の翌月分から)。保険料の納付要件はない。本人の前年所得によって支給停止がある | 日本年金機構 |
| 放課後等デイサービス | 原則18歳未満 | 引き続き受けないと福祉を損なうおそれがあると市町村が認めれば、申請により20歳に達するまで続けられる | 児童福祉法 第4条・第6条の2の2・第21条の5の13 |
| 障害者総合支援法の「障害者」 | 18歳以上 | 発達障害者を含む18歳以上の人は、障害者総合支援法の「障害者」として扱われる(18歳未満は「障害児」) | 障害者総合支援法 第4条 |
| 精神障害者保健福祉手帳 | 年齢の区切りはない | 有効期限は交付日から2年が過ぎる日の属する月の末日まで。申請の診断書は初診日から6か月たって以後のもの | 厚生労働省(実施要領) |
出典:厚生労働省「特別児童扶養手当について」/日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」/日本年金機構「20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等」/児童福祉法/障害者総合支援法 第4条(e-Gov)/厚生労働省「障害者手帳について」(2026年9月確認)
この表は、年齢の区切りを見るための主なものだけを抜き出しています。どの制度を使えるかは、障害の状態や診断書の内容、世帯の所得によって変わり、申請すれば受けられると決まっているものではありません。療育手帳は、児童相談所または知的障害者更生相談所で知的障害があると判定された人に交付されるもので、判定の基準などの運用は自治体ごとに決められています。
家庭でできる準備は、次の3つです。
- 最初に受診した医療機関と日付を記録しておく。20歳前に初診日がある障害基礎年金は、初診日が基準になります。
- 20歳で終わるもの・始まるものを、家族のカレンダーに書いておく。特別児童扶養手当を受けている場合、20歳の前後で家計の形が変わります。
- 18歳になったあとの福祉サービスの窓口を、市区町村に聞いておく。放課後等デイサービスを使っている場合は、卒業後の過ごし方も合わせて相談します。
手当と手帳の申請の順番や、税の控除などお金の制度の詳しい中身は、発達障害 高校生 手当の記事にまとめています。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

親だけで抱え込まなくていい。発達障害者支援センターは、家族からの相談も受けています
ここまで読んで、「やることが多すぎる」と感じた方もいると思います。高校生の子育ては、ただでさえ距離の取り方が難しい時期です。保護者が1人で全部を背負う前提で、制度はできていません。
発達障害者支援法第13条は、都道府県と市町村に、発達障害者の家族などへの相談、情報提供、助言、家族どうしが支え合う活動の支援などを行うよう努めることを求めています。第14条は、都道府県知事が発達障害者支援センターを指定するか、自ら業務を行うことを定めています。
国立障害者リハビリテーションセンターの説明では、発達障害者支援センターは都道府県・指定都市に置かれ、都道府県・指定都市が自ら、または指定を受けた社会福祉法人・特定非営利活動法人などが運営しています。役割は相談支援・発達支援・就労支援・普及啓発と研修の4つで、発達障害のある本人だけでなく家族からの相談にも応じ、必要に応じて保健・医療・福祉・教育・労働の関係機関を紹介します。原則として住んでいる地域のセンターに相談し、電話での相談も受け付けています。事業の中身には地域差があるため、詳しくはお住まいの地域のセンターに問い合わせるよう案内されています。
| 相談先 | 相談しやすいこと | つながり方 |
|---|---|---|
| 在籍している高校(担任・養護教諭・スクールカウンセラーなど) | 授業中の配慮、欠課と単位、進級の見通し | 本人と一緒に面談を申し込む |
| 発達障害者支援センター | 家庭での関わり方、使える制度、関係機関の紹介、就労の相談 | 住んでいる都道府県・指定都市のセンターに電話 |
| 主治医・医療機関 | 診断、服薬、診断書、成人の診療への移り方 | 受診のときに質問を紙で持っていく |
| 市区町村の障害福祉の窓口 | 手帳、手当、福祉サービス、18歳以降の窓口 | 住んでいる市区町村の役所 |
| 年金事務所 | 20歳前に初診日がある障害基礎年金の請求 | 20歳が近づいたら相談 |
出典:発達障害者支援法 第13条・第14条(e-Gov)/国立障害者リハビリテーションセンター「発達障害者支援センターとは」/同「発達障害者支援センターの事業内容」/同「発達障害者支援センター FAQ」/同「発達障害者支援センター・一覧」(2026年9月確認)
疲れを感じたら、それはここまで向き合ってきた証拠です。気持ちの整え方は発達障害の高校生の親がもう限界と感じたときの記事にも書いています。
選択肢の1つとしての通信制高校・サポート校(正直な注意点)
高校で配慮を頼んでも、教室の音や人数、時間割の固さなど、環境そのものが合わないこともあります。そのときは、今の学校にこだわらず、学ぶ環境ごと変えるという考え方もあります。通信制高校には、前の学校の単位と在籍期間を引き継いで途中から入る「転入」の道があり、手順は高校 転入の記事で書いています。
文部科学省の「令和7年度 通信制高等学校実態調査」では、2025年度に通信制高校へ入学した77,998人のうち、中学3年のときに不登校だった生徒が44,461人(57.0%)でした(文部科学省 令和7年度 通信制高等学校実態調査)。通信制高校が発達特性のある高校生にどう合うかは、通信制高校 発達障害の記事にまとめています。
NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。発達特性や障害を、本人を変えるのではなく、学びの構造や環境を変えることで支援するという新しいアプローチを取っています。全国どこからでも自宅から参加でき、担任制で、カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められます。生活リズムに波があっても学べるよう、授業のアーカイブ視聴や中学内容の学び直しにも対応しています。途中からの入学(転入・編入)もでき、出願費用は無料です。不登校の生徒を650名以上サポートしてきました(グループ全体)。小中学生のお子さんがいる場合は、姉妹事業のNIJINアカデミーもあります。
ただし、はじめに正直にお伝えしておくことがあります。
- ニジ高そのものは高校ではありません。高校卒業の資格は、提携する通信制高校に在籍して取ります。
- 学院内でのスクーリングはありませんが、提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。ニジ高のスタッフがスクーリングに付き添うことはなく、ニジ高が行うのは日程の調整と準備の支援です。スクーリングの形や日程は、個別相談会で詳しくご案内しています。
- 診断や服薬など医療の判断は、主治医や専門機関にご相談ください。ニジ高では、学び方と環境の面から一緒に考えます。
- 費用は、提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかり、ニジ高の分は就学支援金の対象になりません。金額は学費のご案内に載せています。通信制高校全般の費用の考え方は通信制高校 学費の記事で整理しています。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- 中学までの支援を、1枚の紙にまとめる。困りやすい場面、効いた配慮、効かなかったこと、本人の言葉の4つです。高校の先生に渡すときも、主治医や支援センターに相談するときも、この1枚が話の出発点になります。
- 高校の窓口に、本人と一緒に伝える。通級があるか、ない場合に授業の中でどんな配慮ができるか、欠課数をどう確かめられるかを聞きます。親が話す場面を少しずつ減らし、本人が自分の言葉で頼めるように練習していきます。
- 18歳・20歳の区切りを、高2のうちに家族で確かめる。契約のルール、医療の同意の扱い、手当と年金、福祉サービスの窓口。1人で抱えきれないと感じたら、発達障害者支援センターに電話してみてください。
今の学校を続けるか、環境を変えるかを比べたいときは、通信制高校 選び方のページから、テーマ別の記事を探せます。話を整理しながら考えたい場合は、体験説明会・個別相談で状況を聞かせてください。


高校での支え方を、一緒に整理しませんか
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングへの参加が必要です。今の学校を続けるか迷っている段階でも、個別相談で状況をお聞きします。
よくある質問
Q. 高校生になったら、親はどこまで口を出していいですか?
A. 目安は、中身の管理は少しずつ本人に任せ、取り返しがつきにくいもの(科目ごとの欠課の上限、提出期限、試験日)だけを一緒に見える場所に置いておくことです。高校は科目ごとの単位で進級が決まるため、1つの見落としが進級に響くことがあります。週に1回だけ一緒に確かめる、のように回数を決めると、口出しが増えすぎずに済みます。
Q. 中学で作ってもらった個別の教育支援計画は、高校に自動で届きますか?
A. 自動で届くとは限りません。作成が法令で義務づけられているのは特別支援学校・特別支援学級・通級の子どもで、高校では通級の生徒以外は作成に「努める」とされています。文部科学省も中学校からの引き継ぎの仕組み作りが必要だとしています。中学3年のうちに、中学の先生に高校へどう伝えるかを相談しておくと安心です。
Q. 高校にも通級はありますか?
A. あります。平成30年度から高校でも通級による指導が始まり、年間7単位まで卒業に必要な単位に加えられます。ただし令和5年度に高校で通級を受けた生徒は2,371人で、公立高校の在籍者の0.1%でした。進学先に通級があるか、ない場合にどんな配慮ができるかを確かめてください。
Q. 18歳になったら、親は子どもの契約を取り消せなくなりますか?
A. はい。民法第4条で18歳が成年とされ、18歳・19歳の人は未成年者取消権を使えません(法務省Q&A)。携帯電話の購入やクレジットカードの作成、ローンなども本人だけでできるようになります。18歳になる前に、契約の前に家族へ一言相談するなどのルールを本人と一緒に決めておくと安心です。
Q. 親自身の悩みは、どこに相談すればいいですか?
A. 住んでいる都道府県・指定都市の発達障害者支援センターは、本人だけでなく家族からの相談にも応じ、必要に応じて医療・福祉・教育などの関係機関を紹介しています。電話での相談も受け付けています。学校のことは在籍校のスクールカウンセラー、診断や服薬のことは主治医に相談するのが近道です。
手を離すのではなく、立つ位置を少し後ろにずらすだけです
高校生になったお子さんへの関わり方が変わるのは、支えるのをやめるからではありません。学校の仕組みと法律の区切りが変わり、お子さんが自分の力で人に頼れる場面が増えていくからです。親は前に立つ人から、後ろで見守り、振り向けばそこにいる人へ。その移り変わりのために、高校の3年間があります。
今日すべてを決めなくて大丈夫です。まずは中学までの支援を1枚の紙に書き出すところから始めてみてください。書きながら、お子さんがここまでどれだけのことを乗り越えてきたかにも、気づけるはずです。
支え方に迷ったら、話すところから始めてみませんか
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