学校に行けない時期があった高校生にとって、「卒業したあと、進学するのか、働くのか」は重たい問いです。本人も保護者も答えが見えず、話題にするだけで空気が重くなる、という家庭も少なくないと思います。
先に結論を書くと、高校卒業後の進路は「進学か就職か」の二択ではありません。大学・短大、専門学校、就職のほかに、公的な職業訓練や、若者の就労支援機関を使って準備する道もあります。比べるときは「入るための条件」「毎日の通い方」「お金」「卒業・修了で得られるもの」の4つを並べると、自分に合う順番が見えてきます。この記事は高校を卒業したあとの進路に絞っています。高校をどう選ぶか・続けるかは、不登校 進路の記事にまとめています。
数字と制度は、文部科学省の学校基本調査(令和7年度確定値)、「不登校に関する実態調査(平成18年度不登校生徒に関する追跡調査)」、「不登校経験者等を対象とする調査」(令和7年)、文部科学省・厚生労働省の通知(令和8年2月25日)、厚生労働省のハローワーク・地域若者サポートステーションのページを実際に開いて確かめました。公式で確認できなかったことは、確認できなかったと書いています。
まだ高校の卒業に向けて学んでいる途中で、毎日決まった時間に通うのが難しい場合は、オンラインという選択肢もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、全国の仲間とオンラインでつながり、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事に挑戦できます。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、全国にNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のリアルの教室があり、リアルでの通学もご検討いただけます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です。どんな学校なのかは、校長・星野達郎のYouTubeでも見られます。
結論:不登校を経験した高校生の「進学か就職か」の早見
- 卒業の時点で進路を決めきれない人は少なくありません。通信制高校の卒業者(令和6年度間・91,809人)のうち、進学でも就職でもない人は26.1%でした(学校基本調査)。
- 通信制の卒業者の進路は、大学等28.6%・専門学校22.9%・就職14.1%です。全日制・定時制(大学等62.6%)とは分かれ方が違い、専門学校と「その他」が多いのが特徴です。
- 長い目で見ると、不登校を経験した人の多くが学ぶか働くかしています。中3で不登校だった人の追跡調査では、回答した1,604人のうち、20歳ごろに就学か就業をしていた人が合わせて81.9%でした。
- 高卒の就職は「学校経由・9月16日から選考・はじめは1人1社」が基本の仕組みです。47都道府県のうち40で、最初の一定期間は1人1社で応募します。
- 通信制・定時制の卒業者を全日制の卒業者と差別して扱わないよう、文部科学省と厚生労働省が通知で求めています。
- 卒業後に使える公的な窓口があります。地域若者サポートステーション(15〜49歳・無料)、わかものハローワーク(おおむね35歳未満)、新卒応援ハローワーク(大学・専門学校などの学生と卒業後おおむね3年以内)などです。
- 高校の卒業そのものに不安があるなら、オンライン中心のサポート校(NIJIN高等学院など)で、提携する通信制高校の卒業をめざしながら進路を考える方法もあります。
「進学か就職か」は二択ではありません。急いで一つに決めるより、選択肢を並べるところから始めます
進学か就職かという大きな選択は、気持ちのエネルギーが戻ってきてから考えても遅くはありません。不登校の時期を過ごした人は、学校に行けなかった自分を責めていたり、朝起きることや人と話すことにまだ疲れやすかったりします。その状態で「早く決めなさい」と言われると、選ぶこと自体が怖くなってしまいます。
一方で、何も知らないまま卒業の時期を迎えると、それはそれで不安が大きくなります。そこでおすすめしたいのは、決める前に、選択肢を全部テーブルに並べておくことです。
- 学ぶ道:大学・短大(通学・通信教育部)、専門学校、職業訓練校など
- 働く道:高校を通じた就職、卒業後のハローワーク経由の就職、アルバイトから始めて正社員をめざす形など
- 準備する道:卒業後に若者向けの就労支援機関で相談しながら、体力や生活リズム、人と関わる練習から始める形
「どちらか一つ」と決めつけず、幅広い選択肢を知っておくこと自体が安心材料になります。そして、どの道も一度選んだら終わりではありません。専門学校から就職する、働いてから学び直す、準備期間のあとに進学する、という順番の入れ替えもできます。
もう一つの手がかりは、本人の「好き・得意」と「苦手な条件」です。好きなこと・得意なことを振り返るのはもちろん、「毎朝決まった時間に家を出るのがつらい」「大人数の教室が苦手」「電話よりチャットのほうが話せる」といった苦手な条件も、進路を比べるときの大事な材料になります。無理に答えを急がせず、少しずつ一緒に言葉にしていきましょう。

通信制の卒業者は、大学等28.6%・専門学校22.9%・就職14.1%。4人に1人は「進学でも就職でもない」形で卒業しています
通信制高校には、不登校を経験した生徒が多く在籍しています。文部科学省の令和7年度通信制高等学校実態調査では、2025年度の通信制高校の入学者のうち57.0%が中3のときに不登校でした。そこで、通信制高校を卒業した人がどんな進路に進んでいるかを、国の統計で見てみます。
| 卒業後の状況 | 通信制(令和6年度間の卒業者) | 全日制・定時制(令和7年3月の卒業者) |
|---|---|---|
| 大学等に進学 | 26,301人(28.6%) | 582,042人(62.6%) |
| 専門学校(専修学校の専門課程)に進学 | 21,013人(22.9%) | 137,652人(14.8%) |
| 専修学校の一般課程など・公共職業能力開発施設などに入学 | 2,526人(2.8%) | 35,085人(3.8%) |
| 就職者 | 12,989人(14.1%) | 127,501人(13.7%) |
| 進学でも就職でもない(左記以外の者) | 23,995人(26.1%) | 44,070人(4.7%) |
表は主な区分です。このほか、雇用契約期間が1か月未満の臨時労働者や、1年未満またはフルタイム相当でない有期雇用で働き始めた人は「就職者」に数えられず、表に入っていません(通信制4,918人・5.4%、全日制・定時制2,882人・0.3%)。不登校を経験した人が卒業までに何をするのかは、通信制高校 不登校の記事で整理しています。
出典:文部科学省 学校基本調査 令和7年度確定値 高等学校(通信制)卒業後の状況調査 表297/同 高等学校(全日制・定時制)表283(e-Stat。卒業者総数は通信制91,809人、全日制・定時制929,157人。2026年9月確認)
読み方のポイントは3つあります。
- 就職者の割合は、通信制も全日制・定時制もほぼ同じ14%前後です。「通信制だから働けない」という数字にはなっていません。
- 専門学校へ進む人の割合は、通信制のほうが高くなっています(22.9%と14.8%)。大学等の26,301人のうち3,982人(卒業者の4.3%)は、大学・短大の通信教育部への進学者です。
- 「進学でも就職でもない」人は、通信制では26.1%と、全日制・定時制の4.7%より大きく上回ります。学校基本調査はこの区分を「卒業後、進学でも就職でもないことが明らかな者」と定義していますが、その人たちが何をしているかの内訳は公表されていません。
数字の上でも、卒業の時点で進路が決まっていないことは、通信制では珍しいことではありません。だからこそ、卒業後にどこへ相談できるかを、在学中に知っておくことに意味があります。
出典:文部科学省 学校基本調査 用語の解説/文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(2026年9月確認)

国の追跡調査では、中3で不登校だった人の8割超が20歳ごろに学ぶか働くかしていました。ただし「仕事で苦労した」と感じた人も約半数います
高校を卒業したあと、もっと先はどうなるのか。国が不登校を経験した人を追いかけた調査が2つあります。
1. 中3で不登校だった人の、20歳ごろの状況(追跡調査)
文部科学省は、平成18年度に中学3年生で、学校基本調査で不登校として数えられた生徒(41,043人)を対象に、その後の状況を調べました。本人へのアンケートは平成24年(2012年)1〜3月に行われ、1,604人が答えています。ちょうど20歳ごろの時期です。
回答者の20歳の時点の状況は、就業のみ34.5%、就学のみ27.8%、就学と就業の両方19.6%、どちらもしていない18.1%でした。就学か就業、または両方をしていた人は合わせて81.9%です。平成5年度の中3を追いかけた前回の調査と比べると、次のように変わっています。
| 項目 | 今回(平成18年度の中3) | 前回(平成5年度の中3) |
|---|---|---|
| 高校進学率 | 85.1% | 65.3% |
| 高校中退率 | 14.0% | 37.9% |
| 20歳で大学・短大・高専に在学 | 22.8% | 8.5% |
| 20歳で就学も就業もしていない | 18.1% | 22.8% |
出典:文部科学省「不登校に関する実態調査~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~」(2026年9月確認)
20歳の時点の在学先は、大学・短大・高専22.8%、専門学校・各種学校など14.9%、高等学校9.0%でした。就業の状況は、正社員9.3%、パート・アルバイト32.2%、家業手伝い・会社経営3.4%と示されています(いずれも回答者1,604人全体に占める割合です)。20歳の時点では、アルバイトなどから働き始めている人が多いことが分かります。
ただし、この調査の対象は平成18年度(2006年度)の中学3年生で、10年以上前の結果です。今の高校生にそのまま当てはまるとは限らない点は、差し引いて読んでください。
2. 小・中学校で不登校を経験した大人への調査(令和7年)
もう一つは、文部科学省が令和7年2〜3月に行った「不登校経験者等を対象とする調査」です。インターネット調査では、小・中学校で不登校を経験した18〜59歳の18,207人が答えています。「不登校を経験したことで、中学校卒業後に次のようなことがあったか」への答え(「おおいにあった」「ある程度あった」の計)は次のとおりです。
- 仕事(就職活動を含む)で苦労した:52.9%
- 生活リズムが乱れ苦労した:55.5%
- 人との関わりに不安を感じたり、人と関わりをもつことに苦労した:70.0%
- 成長した、視野が広がった:53.8%
出典:文部科学省「不登校経験者等を対象とする調査」概要(2026年9月確認)
働くことでの苦労は、約半数の人が感じていました。中学校卒業後の苦労として、とくに多かったのは人との関わり(70.0%)と生活リズム(55.5%)です。進路を選ぶときは「何を学ぶか・どこで働くか」だけでなく、人と関わる練習や、生活リズムを整える段階をどこに入れるかも一緒に考えておくと、あとで楽になります。同じ報告書のインタビューでは、自分の経験を生かして福祉系や心理系の進路をめざしたり、実際にその仕事に就いたりしている人の例も複数あったと書かれています。
卒業後の道は6つ。「入る条件」「通い方」「得られるもの」で並べると、向いている順番が見えます
ここからは、高校卒業後の主な道を、同じ物差しで並べます。どれが正解ということではなく、今の自分の体力や気持ちに近いものから検討するための表です。
| 進路 | 入るための条件・時期 | 通い方・負担の目安 | 得られるもの |
|---|---|---|---|
| 大学・短大(通学) | 高校卒業(見込み)で受験資格。総合型選抜・学校推薦型選抜・一般選抜 | 時間割に沿って通う。学部によって実習もある | 学位(学士・短期大学士) |
| 大学・短大の通信教育部 | 高校卒業で入学資格。入学の方法は大学ごと | 自宅での学習が中心。スクーリングの有無や日数は大学ごと | 学位(学士・短期大学士) |
| 専門学校(専修学校の専門課程) | 高校卒業で入学資格。入試の方法は学校ごと | 実習が中心の学科が多い。出席の扱いは学校ごとに確認 | 仕事に直結する技能。学科によっては資格の受験資格。「専門士」の称号が付く課程もある |
| 就職(高卒の求人) | 在籍する高校やハローワークを通じて応募。選考は9月16日以降 | 働きながら生活リズムを作る | 収入と職歴 |
| 公的な職業訓練(学卒者訓練) | 高校卒業者など。都道府県立の職業能力開発校(1年又は2年)など | 訓練校に通う | 仕事に必要な技能・知識 |
| いったん準備期間をとる | 卒業後に地域若者サポートステーションなどへ相談(15〜49歳・無料) | 相談から始め、自分のペースで段階を上げる | 働き出す準備と、職場定着までの支援 |
出典:学校教育法 第90条第1項・第125条第3項(e-Gov)/厚生労働省「ハロートレーニング(学卒者訓練)」/サポステ「サポステとは」(2026年9月確認)
表を見るときのコツは、「通い方・負担」の列から見ることです。不登校の時期があった人にとって、最初につまずきやすいのは学ぶ内容よりも、毎日通うこと・人の多い場所にいることだからです。
- 決まった時間に通うのがまだ不安なら、通信教育部や、準備期間をとる道を先に検討する
- やりたい仕事がはっきりしているなら、専門学校や職業訓練で、その仕事に直結する技能を身につける
- 早く自分でお金を得たい、働くほうが気持ちが楽になりそうなら、就職やアルバイトから始める
公的な職業訓練は、専門課程(高校卒業者など・2年)を、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構の職業能力開発大学校・職業能力開発短期大学校(ポリテクカレッジ)や、都道府県立の職業能力開発短期大学校でも行っています。費用や入校の時期は施設ごとに違うため、公式では一律の額を確認できませんでした。

進学を選ぶなら:受験資格は通信制でも同じです。費用は「修学支援新制度」の対象かを先に確かめます
大学・短大の入学資格は学校教育法第90条第1項、専門学校(専修学校の専門課程)の入学資格は第125条第3項で、高等学校を卒業した者などと定められています。通信制・定時制の卒業も、全日制と同じ高等学校の卒業です。通信制だから受験できない、ということはありません。
大学入試の形は、総合型選抜・学校推薦型選抜・一般選抜に分かれます。通信制高校からの大学受験の進め方は通信制高校 大学進学、専門学校への進み方は通信制高校 専門学校 進学の記事で詳しく書いています。
お金の面では、国の高等教育の修学支援新制度があります。文部科学省のページでは、大学・短大・高専(4・5年次など)・専門学校を対象に、授業料・入学金の減免と、返還しなくてよい給付型奨学金で学びを支える制度と説明されています。さらに令和7年度から、多子世帯の学生は所得制限なく授業料等の減免の対象になりました。対象になる世帯の条件や申し込みの時期は、高校の進路担当や文部科学省の案内で確かめてください。
出典:学校教育法 第90条第1項・第125条第3項(e-Gov)/文部科学省「高等教育の修学支援新制度」(2026年9月確認)
進学を考えるときに見落とされやすいのは、入学したあとに通い続けられるかです。オープンキャンパスや個別相談では、学ぶ内容に加えて次のようなことを聞いておくと安心です。
- 体調を崩して休んだとき、課題や試験の扱いはどうなるか
- 学生相談室やカウンセラーはあるか。予約の方法は
- 少人数の授業や、オンラインで受けられる授業はあるか
なお、まだ高校の卒業の見通しが立っていない場合は、進学の前に「どの高校で卒業するか」を考える段階です。今の高校から移ることも含めて検討するなら、高校 転入や通信制高校 選び方の記事が参考になります。
高卒の就職は「学校経由・9月16日から選考・はじめは1人1社」という独特の仕組みで動きます
高校生の就職は、大学生の就職活動とはかなり違う仕組みです。文部科学省・厚生労働省の通知(令和8年2月25日)で、令和9年3月に卒業する高校生の日程が次のように決められています。
- ハローワークが企業から高校生向けの求人を受け付けるのは令和8年6月1日から。学校での求人の受け付けは7月1日から
- 学校から企業への推薦は、推薦の書類が企業に届くのが9月5日以降(沖縄県は8月30日以降)
- 企業の選考と採用内定は9月16日以降
- 応募書類は「全国高等学校統一用紙」などを使う
出典:文部科学省・厚生労働省「令和9年3月新規中学校・高等学校等卒業者の就職に係る推薦及び選考開始期日等並びに文書募集開始時期等について(通知)」(令和8年2月25日。2026年9月確認)
もう一つの特徴が「1人1社制」です。これは法律ではなく、都道府県ごとに学校・労働局・経済団体などが話し合って決める申し合わせです。令和9年3月卒業者について、厚生労働省がまとめた一覧(令和8年6月現在)では、47都道府県のうち40が「一定の期日までは1人1社、その後は複数応募できる」、7が「当初から複数応募できる」形でした。たとえば東京都は、9月中は1人1社、10月1日以降は1人2社まで応募・推薦できるとしています。
出典:厚生労働省 高卒就職情報WEB提供サービス「都道府県高等学校就職問題検討会議における申し合わせ等(令和9年3月卒業者の応募・推薦について)」(2026年9月確認)
高校生の求人倍率は、令和8年7月末時点で3.60倍(求人数約45万9千人、求職者数約12万7千人)でした。ただしこれは学校やハローワークからの職業紹介を希望した生徒の数字です。それ以外の形で仕事を探す人は含まれていません。
出典:厚生労働省 令和8年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ(7月末現在)(2026年9月確認)
この仕組みでは、在籍する高校がどれだけ求人を受け取り、生徒と企業をつないでいるかで、在学中の就職のしやすさが変わります。通信制高校は学校によって就職の支援の形が大きく違うため、在籍校の進路担当に「求人票はどこで見られるか」「推薦はしてもらえるか」を早めに聞いておきましょう。通信制高校からの就職の仕組みは通信制高校 就職の記事で詳しく書いています。

通信制・定時制の卒業者を差別しないよう、国は企業に求めています。履歴書の学歴は「高等学校卒業」です
「不登校だったこと」や「通信制を卒業したこと」が就職で不利になるのでは、という心配はよく聞きます。この点について、先ほどの令和8年2月25日の通知は、企業などに次のように求めています。
- 本人の適性と能力に基づいた基準による公正な採用選考を確立すること
- 定時制課程及び通信制課程の卒業者と全日制課程の卒業者との間の差別的取扱いが行われないようにすること
- 障害のある人が、就職・採用活動で不当な差別的取扱いを受けないようにすること
通信制課程は、学校教育法で高等学校に置かれる課程の一つです。卒業すれば、履歴書の学歴は全日制と同じく「高等学校卒業」です。通信制であることを隠す必要はありません。
また、卒業までに就職先が決まらなかった場合の考え方として、厚生労働省は「青少年の雇用の促進等に関する法律」に基づく指針で、新卒採用の枠に、既卒者が卒業後少なくとも3年間は応募できるように努めること、できる限り上限の年齢を設けないように努めることを事業主に求めています。努めるように求める内容なので、すべての企業が受け付けるとは限りませんが、卒業した年に決まらなくても、道が閉じるわけではありません。
出典:文部科学省・厚生労働省 通知(令和8年2月25日)/厚生労働省「卒業後3年以内の既卒者は『新卒枠』での応募受付を!」(2026年9月確認)
もちろん、国の通知があるからといって、面接で何も聞かれないわけではありません。聞かれたときに話せるように、高校時代にしたこと(学び直し、アルバイト、活動、好きで続けていること)を短く言葉にしておくと、自分を守る準備になります。
卒業後に使える公的な窓口は4つ。対象年齢と「在学中に使えるか」が違います
進学も就職も決めきれないまま卒業する場合や、卒業後しばらくしてから動き出す場合に使える、国の窓口を並べます。いずれも無料です。
| 窓口 | 対象 | できること | 気をつけたい点 |
|---|---|---|---|
| 地域若者サポートステーション(サポステ) | 働くことに悩みを抱える15〜49歳。仕事をしていない・就学中でない人 | 個別相談、プログラム、職場定着までの支援。中退した人・進路未決定で卒業した人へのアウトリーチ型相談も | 教育機関向けページに「在学生は利用できない」とある。全国179か所(令和7年4月現在) |
| わかものハローワーク | 正社員をめざすおおむね35歳未満の若者 | 担当者制の職業相談、応募の準備、就職後の定着支援 | わかものハローワークは全国21か所。わかもの支援コーナー・窓口は199か所 |
| 新卒応援ハローワーク | 大学院・大学・短大・高専・専修学校などの学生と、卒業後おおむね3年以内の人 | 担当者制の個別相談、応募書類・面接の相談、就職後の定着支援 | 高校生向けではなく、進学した後に使う窓口。全国56か所 |
| ハローワーク(高校生の求人) | 就職を希望する高校生 | 高校生向けの求人を受け付け、学校またはハローワークを通じて応募する | 在学中は在籍校の進路担当と一緒に進めるのが基本 |
出典:厚生労働省「地域若者サポートステーション」/サポステ「教育機関のみなさまへ」/厚生労働省「わかものハローワーク」/厚生労働省「新卒応援ハローワーク」・同リーフレット/文部科学省・厚生労働省 通知(令和8年2月25日)(2026年9月確認)
サポステの教育機関向けページでは、在学生は利用できないため、3学期の終わりに進路が決まっていない3年生に情報を伝え、希望者は仮登録をして、卒業後の4月1日以降に本登録するという高校とサポステの連携の例(秋留台高校)が紹介されています。どの高校でも同じ仕組みがあるわけではありませんが、卒業前に窓口の場所と連絡先だけでも調べておくと、卒業後の空白を短くできます。
サポステの紹介文には「職場定着するまで」を支える、とあります。不登校の経験がある人が苦労しやすい「人との関わり」「生活リズム」を、相談しながら段階的に整えていける窓口です。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。
よくある落とし穴は3つ。「決まらないまま卒業=失敗」「進学すれば安心」「就職は一度で決まり」
進路の話をしていると、半分だけ正しい思い込みに出会います。代表的な3つを整理します。
1. 「進路が決まらないまま卒業したら終わり」
上で見たように、通信制の卒業者の26.1%は進学でも就職でもない形で卒業しています。決まらなかったこと自体は珍しいことではありません。落とし穴になるのは、卒業と同時に相談先とのつながりが切れてしまうことです。サポステの教育機関向けページも、中退した人などが働くことにつながるよう「切れ目のない支援」が大切だとして、進路が決まらないまま卒業した人の就職も支援しています。卒業前に1つ、つながれる窓口を作っておきましょう。
2. 「とりあえず進学すれば安心」
進学は選択肢を広げます。ただ、「就職を考えるのが怖いから、とりあえず進学」という選び方だと、入学後に通えなくなったときに同じ悩みに戻ってしまうことがあります。学ぶ内容と通い方の両方で納得して選ぶことが大切です。
3. 「最初の就職で一生が決まる」
厚生労働省の調べでは、令和4年3月に高校を卒業して就職した人のうち、就職後3年以内に離職した人は37.9%でした(大学卒は33.8%)。働き始めてから合わないと気づき、別の道を選び直す人は少なくありません。だからこそ、最初の就職を「一生の決定」と思い詰めすぎず、困ったときに相談できる窓口(わかものハローワークやサポステなど)を知っておくことのほうが大切です。
出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」(令和7年10月24日公表)/サポステ「教育機関のみなさまへ」(2026年9月確認)
高校生の不登校が「やばい」と言われる理由と、進路を守る考え方は高校生 不登校 やばいの記事でも書いています。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
ここまで読んで、「まず高校を卒業するところから不安」「卒業までの間に、人と関わる経験や、進路につながる経験を少しずつ積みたい」と感じた方もいると思います。
NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも参加でき、担任がつきます。カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。生活のリズムに波があっても学べるように、中学の内容の学び直しや授業のアーカイブ視聴にも対応しています。生徒会・サークル・学園祭・企業コラボなど、オンラインでも人と関われる場があります。途中からの入学(転入・編入)もでき、出願費用は無料です。不登校の生徒を650名以上サポートしてきました(グループ全体)。
進路につながる取り組みとして、公式サイトでは、企業インターンとして出社できること、総合型選抜に向けた小論文・面接・自己PRの講座、社会共創プロジェクト、提携企業・自治体が100以上あることが紹介されています。校長の星野は「社会に一番近い学校」をめざしています。小・中学生のオルタナティブスクールNIJINアカデミーの高等部でもあります。
そのうえで、はじめに正直にお伝えしておくことがあります。
- ニジ高そのものは高校ではありません。高校卒業の資格は、提携する通信制高校に在籍して取ります。大学などの受験や就職の応募で使う調査書も、在籍する通信制高校のものです。
- 学院内でのスクーリングはありませんが、提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。スクーリングの形や日程は、個別相談会でご案内しています。
- 費用は、提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかります。ニジ高の分に就学支援金は使えません。金額は学費のご案内に、通信制高校の費用の考え方は通信制高校 学費の記事にまとめています。
- 総合型選抜の講座はありますが、合格や就職の結果を約束するものではありません。進路についてどんな支援があるかは、個別相談会で聞くことができます。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- 「好き・得意」と「苦手な条件」を紙に書き出す。好きなこと・得意なことに加えて、「朝が苦手」「大人数が苦手」「チャットなら話せる」など、避けたい条件も書きます。上の6つの進路の表の「通い方・負担」の列と見比べると、先に検討する道が絞れます。
- 在籍校の進路担当に、3つだけ聞く。「この学校で求人票はどこで見られるか・推薦はしてもらえるか」「進学する場合、調査書や推薦はどう出るか」「卒業後も相談にのってもらえるか」。答えによって、在学中に動くか、卒業後の窓口を使うかの見通しが立ちます。
- 卒業後の窓口を1つ、場所と連絡先まで調べておく。最寄りのサポステやわかものハローワークを調べ、保護者と共有しておきます。使うかどうかは後で決めてかまいません。「困ったらここ」があるだけで、卒業の不安は小さくなります。
3つとも、進学か就職かを決めていなくても進められます。高校の卒業の形から一緒に整理したい場合は、よくある質問もご覧ください。


卒業までの時間に、人と関わる経験を少しずつ積む形もあります
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。カメラオフ・チャット参加から始められ、企業コラボや行事など人と関われる場があります。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。進路の悩みも含めて、個別相談会でお聞かせください。
よくある質問
Q. 通信制高校を卒業すると、就職で不利になりますか?
A. 学歴は全日制と同じ「高等学校卒業」です。文部科学省と厚生労働省は、定時制・通信制の卒業者と全日制の卒業者との間で差別的な取扱いが行われないよう、通知で求めています。学校基本調査でも、卒業者に占める就職者の割合は通信制14.1%、全日制・定時制13.7%とほぼ同じでした。ただし、在学中に受け取れる求人の数や支援の形は学校によって違うため、在籍校に確認してください。
Q. 卒業までに進路が決まらなかったら、どうすればいいですか?
A. 通信制の卒業者の26.1%は、進学でも就職でもない形で卒業しています。卒業後は、地域若者サポートステーション(15〜49歳・無料)や、わかものハローワーク(おおむね35歳未満)に相談できます。サポステは在学中は利用できないため、卒業前に場所と連絡先を調べておくと動きやすくなります。
Q. 大学に行きたいけれど、また通えなくなるのが心配です。
A. 大学・短大の通信教育部という形もあります。令和6年度間の通信制高校の卒業者のうち3,982人が、大学・短大の通信教育部に進学していました。通学する大学を選ぶ場合も、学生相談室の有無や、休んだときの課題・試験の扱いを、オープンキャンパスなどで確かめておくと安心です。
Q. アルバイトから始めるのは遠回りですか?
A. 遠回りとは限りません。中3で不登校だった人の追跡調査では、回答者1,604人全体のうち、20歳ごろにパート・アルバイトで働いていた人が32.2%、正社員が9.3%でした。アルバイトで生活リズムや人と関わる経験を積んでから、正社員をめざす人もいます。正社員をめざすときは、おおむね35歳未満が対象のわかものハローワークで相談できます。
Q. 保護者は、どう関わればいいですか?
A. 答えを急がせず、選択肢と窓口の情報を集めて並べる役割が向いています。「進学か就職か」を問い詰めるより、「どんな条件なら続けられそうか」を一緒に言葉にするほうが、本人は考えやすくなります。決めるのは本人、情報をそろえるのは保護者、という分担もひとつの形です。
進路は一度で決まるものではありません。今の自分に合う一歩から選んでください
進学か、就職か。どちらを選んでも、途中で順番を入れ替えたり、準備の期間を挟んだりすることができます。国の追跡調査でも、中3で不登校だった回答者の多くが、20歳ごろまでに学ぶ場所や働く場所を見つけていました。
今日決めなくてかまいません。まずは好きなことと苦手な条件を書き出し、卒業後に頼れる窓口を1つ調べておく。それだけでも、先の見え方は少し変わります。
高校の卒業をどんな形でめざすか、から考えたい場合は、迷っている段階の相談も受け付けています。
進学か就職か決める前の段階の相談から受け付けています
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