うつ病の高校生が学校を休み始めたら?|回復の3段階と親子でできること【2026】

ある日突然、「学校に行けない」と言い始めたわが子。

どうすればいいか分からず、焦って声をかけてしまう。かといって、黙って見ているだけでいいのかも不安——。

うつ病で学校を休み始めた高校生の保護者のかたが、最初にぶつかる壁はまさにここにあります。「正しい対応」を知りたいのに、情報が多すぎて何をすべきか分からない。

この記事では、厚生労働省・文部科学省などの公的資料をもとに、うつ病の高校生への向き合い方、回復までの3つのフェーズ、学校との連携方法、そして将来の進路まで、順序立てて解説します。数字と制度は、2026年10月24日に一次情報(厚生労働省「こころの耳」、国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」、文部科学省の調査・制度のページ、e-Gov 法令検索)を開いて確かめ直しました。病気の診断や治療の判断は、主治医の役割です。この記事は、その間に親子でできることをまとめたものです。

一人でかかえ込まずに、まずはここから読み始めてみてください。

この記事で分かること

  • うつ病で学校を休み始めたとき、保護者がまずすべき5つのこと(最初の2週間の動き方)
  • 回復の3フェーズ(急性期・回復期・再発予防期)の目安と過ごし方
  • 学校に言っていいこと・頼んでいいこと(連絡の例文つき)
  • 出席日数・単位・進級と、休学・転学の仕組み、お金の制度
  • 通信制高校への転学を考えるタイミング
  • 専門家に相談すべきサインと相談窓口

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目次

結論:うつ病で学校を休み始めた高校生と親の早見

  • 最初の2週間は「休める状態をつくる」ことが先です。学校をどうするかは後で決められます。厚生労働省「こころの耳」は、うつ病の治療の柱の1つに「休養」を挙げています。
  • うつ病かどうかは、親には診断できません。厚生労働省の家族向けサイトも「どんな病気かは専門の医師でないと診断できません」としています。親がするのは、2週間以上続く変化を記録して、専門家につなぐことです。
  • 回復には3つの段階があります。典型的な目安は、急性期1〜3か月・回復期4〜6か月・再発予防期1年〜です(こころの耳)。良くなったり悪くなったりしながら進むので、波があっても失敗ではありません。
  • 学校への連絡は保護者が担い、窓口を1人に決めます。担任かスクールカウンセラーを窓口にし、連絡の頻度も決めておくと、本人も親も消耗しにくくなります。
  • 出席日数・単位・進級の基準は、学校ごとの規程で決まります。長く休む前に「進級に関わる時数」「補習・追試」「遠隔授業の扱い」の3つを学校に確認します。病気療養中の生徒の遠隔授業には、単位数の上限を外せる規定があります(学校教育法施行規則第96条第4項)。
  • 休学・転学・退学は、それぞれ別の手続きです。休学は校長の許可が必要で、就学支援金は休学中に「支給停止の申出」ができます。転学は前の学校の単位を引き継げます。
  • 回復期に入り、今の学校に戻ることが難しいと感じたら、通信制高校や、オンラインのサポート校(NIJIN高等学院など)を併用する道もあります。サポート校は高校ではなく、費用は在籍校の分と別にかかります。
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休み始めた直後は「学校をどうするか」より「安心して休める状態」をつくることが先です

子どもが「学校に行けない」と言い始めると、保護者は「このまま休んで大丈夫なのか」「単位は」「進級は」と、先のことが一気に心配になります。けれど、休み始めた直後の本人は、エネルギーが底をついている状態のことが少なくありません。この時期に進路の話を始めると、本人はますます自分を責め、休むことすらうまくできなくなってしまいます。

厚生労働省の働く人向けのポータルサイト「こころの耳」は、うつ病の治療には「休養」「薬物療法」「精神療法・カウンセリング」の3つの柱があると説明し、休養について「使いすぎてしまった脳をしっかり休ませるということが治療の基本」と書いています(出典:厚生労働省「こころの耳」ご存知ですか?うつ病「3 うつ病の治療と予後」、2026年10月24日確認)。国立精神・神経医療研究センターの「こころの情報サイト」も、治療を考える前に「心身の休養がしっかりとれるように環境を整えることが大事」とし、職場や学校から離れて自宅で過ごすことで症状が大きく軽くなることもある、と説明しています(出典:国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」うつ病、2026年10月24日確認)。

文部科学省も、不登校の児童生徒への支援について、不登校の時期が「休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある」と通知に書いています。同じ通知は、学業の遅れや進路選択上の不利益といったリスクにも留意するよう求めています(出典:文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)」、令和7年10月29日、2026年10月24日確認)。つまり、「休むこと」と「学びや進路の道を残しておくこと」は、どちらか一方ではなく、順番の問題です。この記事は、その順番を時期ごとに並べていきます。

まだ毎日登校しているけれど学校がつらい、という段階なら、うつ病 学校 辛いの記事で、休む前に頼める配慮と伝え方をまとめています。受診の進め方や声かけをさらに詳しく知りたい場合は、高校生 うつ病 親の対応の記事もあわせてご覧ください。

自宅のリビングのソファに母親と高校生の息子が並んで座り、温かい飲み物を手に静かに話している
休み始めた直後は、学校の話より「安心して休める」ことを先にします(イメージ)

高校の不登校は令和6年度に67,782人。「病気」で30日以上休んだ高校生も26,488人います

文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、高等学校の不登校生徒数は67,782人(前年度68,770人)で、前年度から988人減りました。高等学校の長期欠席者数(年間30日以上の欠席)は103,608人で、そのうち「病気」を理由に30日以上登校しなかった生徒は26,488人(前年度26,268人)でした(出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」、2026年10月24日確認)。

同じ調査で、高等学校の不登校生徒について学校が把握した事実は、「学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった」が26.9%で最も多く、「生活リズムの不調に関する相談があった」26.2%、「不安・抑うつの相談があった」16.0%、「学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた」12.8%と続きます(同じ資料)。

ただし「うつ病による不登校」という診断名別の統計は現在公表されておらず、すべてが「うつ病」というわけではありません。上の割合も、学校が「把握した事実」であって、医師の診断ではありません。精神的な不調の程度や原因は一人ひとり異なるため、この記事を参考にしながら、気になる変化があれば専門家の診断を受けるようにしてください。

項目(高等学校・令和6年度) 人数・割合 読み方
不登校生徒数 67,782人 前年度68,770人から988人減
長期欠席者数(30日以上) 103,608人 不登校・病気などの理由を合わせた数
「病気」による30日以上の欠席 26,488人 前年度26,268人。病気の種類は分かれていない
不登校生徒で「不安・抑うつの相談があった」 16.0% 学校が把握した事実。診断名ではない

出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」(令和7年10月29日公表、令和8年1月16日更新)

うつ病かどうかは、親には診断できません。2週間以上続く変化を記録して、専門家につなぎます

「もしかしてうつ病では?」と思っても、保護者が病名を断言することは避けてください。厚生労働省の家族向けサイトでも「どんな病気かは専門の医師でないと診断できません」と明記され、「もしかしたら、うつ病かもしれないよ」と憶測で言うのは控えるよう書かれています(出典:厚生労働省「こころもメンテしよう」子どもが助けを拒むとき「カラダのつらさに共感して、受診を促す」、2026年10月24日確認)。

大切なのは、「2週間以上続く変化があるかどうか」を観察し、気になるなら早めに専門家に相談することです。こころの耳は、楽しみや喜びを感じない、良いことが起きても気分が晴れないといった症状が「2週間以上継続することにより、従来の社会生活が困難になる状態」をうつ病と説明しています(出典:厚生労働省「こころの耳」「2 うつ病の主な症状と原因」、2026年10月24日確認)。

こんな変化が2週間以上続いていたら要注意

  • 眠れない、または眠りすぎる
  • 食欲がない(または過食が続く)
  • 朝起きられない・強い倦怠感が続く
  • 「死にたい」「消えてしまいたい」「自分はダメだ」などの発言
  • 以前楽しかったことに興味が持てなくなった
  • 学校の話を一切したがらない、または話すと涙が出る

上記のような状態が2週間以上続き、学校生活・日常生活に支障が出ている場合は、精神科・心療内科(または小児科・かかりつけ医)への相談を検討してください。こころの情報サイトは、うつ病かなと思ったら自己判断をせず、総合病院の精神科や心療内科、精神科のクリニックに相談すること、内科などのかかりつけ医や、保健所・精神保健福祉センターの相談窓口を使うこともできることを案内しています。

出典:厚生労働省「こころの耳」、国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」(2026年10月24日確認)

受診の前につけておきたい記録(1日1行で十分です)

記録すること 書き方の例 受診で役立つ理由
睡眠 寝た時刻・起きた時刻、夜中に起きたか 眠れない・眠りすぎの変化が分かる
食事 3食のうち何回食べたか 食欲の変化が分かる
体の訴え 頭痛・腹痛・だるさ・めまい 体の症状から相談を始めやすい
言葉と様子 本人が言ったこと、涙が出た場面 いつから・どんなときにつらいかが伝わる

記録は、本人に見せて責める材料にするためのものではありません。受診のときに、親が「いつから・どんな様子か」を落ち着いて伝えるためのメモです。本人が受診を嫌がるときの声のかけ方は、高校生 うつ病 親の対応の記事で詳しく書いています。

休み始めた最初の2週間にやることは5つ。学校への連絡は保護者が担います

ここからは、休み始めた日から2週間までの動き方を、時期ごとに並べます。どの家庭にも当てはまる「正解の日程」はありません。本人の様子に合わせて、できるところから進めてください。

時期 本人の過ごし方 親がすること 学校とのやりとり
1〜3日目 眠る・食べる・横になる。理由を説明させない 「休んでいいよ」と伝える。記録を始める 保護者から欠席の連絡だけ入れる
4〜7日目 家の中で好きなこと・何もしないことを許す 体の不調を聞く。かかりつけ医か相談窓口を調べる 担任に「しばらく休む見込み」と伝え、窓口を決める
8〜14日目 生活の時刻を少しずつそろえる(無理はしない) 2週間以上の変化があれば受診を予約する 連絡の頻度(例:週1回)と方法を決める
2週間以降 主治医の方針に沿って休む 受診の結果を学校にどこまで伝えるか本人と決める 欠席の扱い・課題・進級の確認を始める

表の5つの動き(休んでいいと伝える/記録する/窓口を決める/受診につなぐ/学校との連絡のルールを決める)は、どれも親が代わりにできることです。本人にしてもらうのは「休むこと」だけ、くらいの気持ちで構いません。

うつ病で学校に行けない状態が長くなったときの単位の考え方は、うつ病 学校行けないの記事でも整理しています。

保護者がまずすべきことは「休んでいいよ」と伝えること。避けたいのは「頑張れ」と比べる言葉です

すべきこと

◆「休んでいいよ」と伝える
最初の一言が大切です。「学校を休む」という選択を責めず、まず安心できる場所をつくりましょう。焦って登校させようとすると、状態が悪化することがあります。

◆ 体のつらさに目を向ける
うつ病は心だけでなく、体にも症状が出ます。眠れているか、食事が取れているか、頭痛・腹痛・めまいがないかを日常的に気にかけましょう。こころの情報サイトも、身体に現れるサインとして、食欲がない、眠れない・過度に寝てしまう、体がだるい、頭痛や肩こり、めまいなどを挙げています。

◆ 早めに専門家へつなぐ
2週間以上の不調が続いている場合は、早期に受診することが大切です。まずはスクールカウンセラーやかかりつけの内科・小児科に相談し、精神科・心療内科につないでもらう方法もあります。厚生労働省の家族向けサイトは、受診を勧めるときは体のつらさに共感し、「専門家は症状をきっと軽くしてくれる」といったメリットを伝えるよう書いています。

◆ 学校への連絡は保護者が担う
欠席連絡・状況の説明は保護者が代わりに行い、本人の負担を減らしてください。

◆ 受診時のために記録をつける
いつから・どんな様子・何を言っていたかをメモしておくと、受診時に役立ちます。

避けたいこと

✕「頑張れ」「もっとしっかりしろ」
うつ状態の人は自分を責める気持ちが強く、「頑張れ」という言葉に「頑張れない自分はダメだ」と感じてしまうことがあります。

✕「甘えているだけ」と決めつける
怠けや甘えに見える行動も、症状の一つである場合があります。見た目には元気そうでも、内側では大きな消耗が起きていることがあります。

✕「あの子だって頑張っている」と比べる
他の人との比較は本人の自己否定感をさらに強めます。

✕「受診は大げさでは?」と後回しにする
精神的な不調は、早期に適切なサポートを受けるほど回復しやすいとされています。こころの耳も、早期に対応することが重要だと書いています。

出典:厚生労働省「子どもが助けを拒むとき」「こころの耳」、国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」(2026年10月24日確認)

うつの子どもへの声かけNG・OK集
▲ 声かけNG・OK集:よかれと思った一言が逆効果になることも
令和6年度の高等学校の不登校生徒数は67,782人で前年度から988人減り、病気で30日以上欠席した高校生は26,488人、不登校生徒のうち不安・抑うつの相談があったのは16.0%であることを示す図
出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」

回復には急性期・回復期・再発予防期の3段階があり、段階ごとに親子でできることが違います

うつ病には一般的に「急性期→回復期→再発予防期」という3段階の経過があります(厚生労働省「こころの耳」)。こころの耳は、3つの期間がどれくらいかかるかは「状況によってたいへん幅があります」としたうえで、典型的な場合の大まかな目安を、急性期1か月〜3か月、回復期4か月〜6か月、再発予防期1年〜と示しています。個人差が大きく、以下はあくまで目安です。治療の進め方は、主治医の指示に従ってください。

フェーズ 目安期間 この時期に大切なこと
急性期 1〜3か月 とにかく休む。薬物療法が始まる場合、抗うつ薬は効果が出るまでおおむね2週間くらいかかる。学校の話は一旦脇に置く。
回復期 4〜6か月 外出・軽い運動・会話を少しずつ再開。「良くなったり悪くなったり」は回復の途中でよくあること。急ぎすぎない。
再発予防期 1年以上 薬の減量・中止は主治医と相談して決める。再発のサインを本人・保護者で共有する。

出典:厚生労働省「こころの耳」「3 うつ病の治療と予後」(2026年10月24日確認)。こころの耳は、治っていく経過を「良くなったり、悪くなったりという小さな波をもちながら、階段をゆっくりと1段ずつ上るように改善していきます」と説明し、「元気が回復してもすぐに薬は止めない」ことを大切な点として挙げています。

うつ病の回復3フェーズガイド
▲ 回復の3フェーズ:焦らず段階に合わせたサポートを

段階ごとに、親子でできること・学校とのやりとり

段階 親子でできること 学校とのやりとり この段階で決めなくてよいこと
急性期 休む。食事と睡眠を整える。受診に付き添う 欠席の連絡と、窓口・頻度の取り決めだけ 転学・退学・進路の結論
回復期 散歩や家の手伝いなど小さな活動を増やす。調子の波を一緒に記録する 課題や補習、別室・保健室の利用、遠隔授業の可否を相談する 元の生活に一気に戻すこと
再発予防期 再発のサイン(眠れない・食べられないなど)を家族で共有する 登校の頻度や配慮を、主治医の意見も聞きながら見直す 薬を自己判断でやめること

回復期の「少しずつ動く」時期については、こころの情報サイトが、散歩などの軽い有酸素運動がうつ症状を軽くすることが知られている、と紹介しています。ただ、どのくらい動いてよいかは本人の状態で違うので、主治医に相談しながら決めてください。治療の中身(休養・薬・精神療法)や回復の目安をもっと詳しく知りたい場合は、高校生 うつ病 治るの記事にまとめています。

学校との連絡は「誰に・何を・どの頻度で」を決めておくと、親子とも消耗しにくくなります

1. スクールカウンセラーを活用する
担任の先生だけでなく、スクールカウンセラーに状況を共有することで、学校内での配慮が得られやすくなります。「先生に話すのが怖い」という場合は、カウンセラーが橋渡しをしてくれることもあります。

2. 診断書で状況を伝える
専門家の診断書があると、担任や管理職に状況を説明しやすくなります。診断書の提出を求めるかどうか、欠席を「病気欠席」などどう記録するかは、学校の規程によって違うので、担任に確認してください。なお、学校保健安全法第19条の「出席停止」は、感染症にかかっている、かかっている疑いがある、またはかかるおそれのある児童生徒等を対象にした仕組みで、うつ病で休むときに使う制度ではありません(出典:e-Gov 法令検索「学校保健安全法」第19条、2026年10月24日確認)。

3. 合理的配慮を相談する
障害者差別解消法は令和3年に改正され、令和6年4月1日から、事業者による合理的配慮の提供が努力義務から法的義務に変わりました。文部科学省の対応指針は、学校法人も「事業者」に含まれるとしています(出典:内閣府「障害を理由とする差別の解消の推進」、文部科学省「文部科学省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針の策定について」、2026年10月24日確認)。別室登校、テストの別室受験、遅刻・早退の柔軟な扱いなどが具体例として考えられます。うつ病の状態がこの法律の対象にどこまで当たるかは一人ひとり違うので、まずは「こういう配慮を相談したい」と学校に伝え、話し合いから始めてください。

学校への連絡の例文(そのまま使えます)

場面 例文 ポイント
最初の欠席連絡 体調が悪く、しばらく休ませます。様子が分かりしだい、改めてご連絡します。 理由を細かく言わなくてよい
窓口を決めたいとき 連絡の窓口を担任の先生にお願いし、週に1回、こちらからご連絡してもよいでしょうか。 頻度を親から提案する
受診の後 医療機関を受診し、しばらく休養が必要と言われました。本人の了解を得た範囲でお伝えします。 どこまで話すかは本人と決める
進級が心配になったとき 進級に関わる時数と、補習や課題で補える仕組みを教えていただけますか。 数字で聞くと判断しやすい

家庭訪問や電話がつらいと感じる場合は、「連絡は保護者にお願いします」と最初に伝えておくと、本人に直接の連絡が来にくくなります。保健室や別室で過ごす形から戻る方法については、保健室登校の記事も参考になります。

出席日数・単位・進級は学校ごとの規程で決まります。長く休む前に3つを確認しておきます

学年制の高校は、学年ごとに「課程の修了」を認めて進級する仕組みです(単位制の高校は学年の区分がなく、単位を積み重ねて卒業をめざします)。学校教育法施行規則は、各学年の課程の修了や卒業を認めるときは生徒の平素の成績を評価して定めるとし(第57条を高等学校に準用する第104条)、卒業には74単位以上の修得が必要としています(第96条)。何日休むと単位が取れないかという国の統一の基準は法令に無く、学校ごとの規程(内規)で決まります(出典:e-Gov 法令検索「学校教育法施行規則」、2026年10月24日確認)。

休んでいる間の学び方には、知っておくと選択肢が広がる規定があります。

  • 遠隔授業(オンライン授業):高等学校は、多様なメディアを高度に利用して、教室以外の場所で授業を履修させることができます(第88条の3)。この方法で修得する単位は、卒業に必要な74単位のうち36単位を超えないものとされています(第96条第2項)。
  • 不登校の生徒への遠隔授業・通信教育:学校生活への適応が困難で相当の期間欠席している生徒に、自宅などで授業を受けさせる場合の単位なども、合わせて36単位までの範囲で数えられます(第96条第2項第2号・第3項)。文部科学省によると、令和6年度から各学校長の判断で実施できるようになり、令和6年度は全日制・定時制の不登校生徒のうち2,172人が遠隔授業を受け、1,405人が単位を修得しました(文部科学省 令和7年10月29日の通知)。
  • 病気療養中の生徒:疾病による療養のため、病院など適当な場所で医療の提供などの支援を受ける必要があり、相当の期間欠席すると認められる生徒は、上の36単位の上限によらないことができます(第96条第4項)。

どれも「学校がその仕組みを使っているか」「本人が対象になるか」は学校の判断です。下の3つを、担任か学年主任に確認しておくと安心です。

確認すること 聞く相手 なぜ聞くか
進級に関わる欠課時数の目安と、今の残り 担任・教務の先生 あと何日休めるかが分かり、焦りが減る
補習・課題・追試で補える仕組み 担任・教科の先生 回復期に何から取り組めばよいかが分かる
遠隔授業や別室での受講の扱い 担任・管理職 家にいながら単位を積める道があるかが分かる

※2026年10月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。何日休んだら留年になるかの考え方は、高校 何日休んだら留年の記事で詳しく説明しています。

夕方の川沿いの道を、父親と高校生の娘が並んでゆっくり歩いている
回復期には、散歩などの小さな活動から少しずつ増やしていきます(イメージ)

休む・休学・転学・退学は、それぞれ別の手続きです。比べてから、回復期に選びます

「このまま休み続けるのか、休学するのか、転校するのか」——保護者が一番迷うところです。この4つは、在籍が続くか、単位や在籍期間がどうなるか、お金がどうなるかが違います。

選択肢 在籍 単位・在籍期間 お金(就学支援金)
欠席を続ける 今の学校に在籍 規程の時数を超えると、その年の単位や進級に影響 在籍している間は対象
休学 在籍したまま休む(校長の許可が必要) 休学中の扱いは学則で確認 授業料を取らない期間は「支給停止の申出」ができる
転学(転入学) 籍を移す 課程の間の転学は、修得した単位に応じて相当学年に転入できる 転学先で申請し直す。在学した月数で通算
退学→編入学 いったん籍がなくなる 修得済みの単位の扱いは編入先の学校で確認 条件により学び直しの支援がある

根拠:学校教育法施行規則第94条(休学・退学は校長の許可)、第92条(転学。全日制・定時制・通信制の課程の間の転学は、修得した単位に応じて相当学年に転入できる)。就学支援金の扱いは文部科学省「高等学校等就学支援金制度に関するQ&A」(Q14・Q15)と「高等学校等就学支援金制度」のページ(いずれも2026年10月24日確認)。

急性期(最もつらい時期)に、これらを決める必要はありません。休学の手続きや期間、学費の扱いは学校ごとに違うので、くわしくは高校 休学の記事でまとめています。

「通信制高校への転学」を考えるのは、回復期に入って本人の気持ちが見えてからで遅くありません

全日制高校での回復が難しいと感じたとき、通信制高校やサポート校という選択肢があります。

こんな状況が続くようなら、選択肢を広げて考えてみても

  • 在籍校への欠席が長期化し、回復の見通しが立ちにくい
  • 進級・卒業に必要な単位や出席日数の確保が難しくなってきた
  • 本人が「今の学校に戻る気持ちを持てない」と話している
  • 保護者と本人で「環境を変えてみたい」という気持ちが共有できている

急性期(最もつらい時期)は、転学の手続き自体が大きな負担になることもあります。まずは休養を優先し、回復期に入ってから具体的に検討するのが多くの場合スムーズです。

種類 内容 備考
転入学 在籍を続けながら移る 前の学校の単位と在籍期間を引き継げる。受け入れの時期は学校ごとに違う
編入学 退学後に入学 受け入れの時期は学校ごとに違う。籍が空く期間があると卒業が遅れる場合がある

通信制高校の卒業の条件は、3年以上の在籍・74単位以上の修得・特別活動30単位時間以上で、単位は添削指導(レポート)・面接指導(スクーリング)・試験で修得します(学校教育法第56条、文部科学省 通信制高校ポータル「通信制高校とは」、2026年10月24日確認)。卒業すれば、全日制・定時制と同じ「高等学校卒業」になります(同ポータルのFAQ)。転入と編入の違いや時期は、転入学と編入学の違いの記事で詳しく説明しています。いくつかの学校を比べるときの見方は、通信制高校 選び方のページにまとめています。

全日制と通信制の違いを、タツロー校長が動画で解説しています。

窓辺でオンライン学習をする高校生
▲ 自分のペースで学べる環境が回復期の子どもを支えます

お金の制度:就学支援金は休学中に支給を止められ、転学しても在学月数で通算されます

休学や転学を考えるとき、気になるのがお金のことです。高等学校等就学支援金は、授業料にあてるための国の制度で、令和8年度(2026年度)から所得制限が撤廃されました(出典:文部科学省「高等学校等就学支援金制度」、2026年10月24日確認)。

場面 就学支援金の扱い 確認先
休学するとき 休学中に授業料を取らない場合、支給停止の申出を学校に出せる。申出をすると、その期間は支給期間の計算も止まる 在籍校の事務室
申出をしなかったとき 休学中の支給額は0円として計算され、復学後の残りの支給期間は休学した期間を差し引いた期間になる 在籍校の事務室
通信制へ転学するとき 転学先で申請し直す。支給期間は在学した月数で通算(通信制は48月) 転学先の学校
私立の通信制の上限 授業料が年額・月額の学校は年337,200円(月28,100円)まで。単位ごとの学校は1単位13,668円 入学する学校

出典:文部科学省「高等学校等就学支援金制度に関するQ&A」Q14(休学した場合)・Q15(全日制から通信制に移った場合)、「高等学校等就学支援金・新制度の概要」(いずれも2026年10月24日確認)。※2026年10月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

中途退学したあとに再び高校で学び直す場合は、法律上の支給期間(定時制・通信制は48月)を過ぎた後も、卒業までの間(最長2年)就学支援金に相当する額を支給する「学び直し」の支援があります(同じ文部科学省のページ)。また、通院の医療費については、精神疾患で通院による精神医療を続ける必要がある人の自己負担を軽減する「自立支援医療(精神通院医療)」があります(出典:厚生労働省「自立支援医療」、2026年10月24日確認)。対象になるかは主治医や市区町村の窓口に相談してください。

就学支援金の対象は授業料です。サポート校の費用には使えません。制度の全体は高等学校等就学支援金の記事でまとめています。

「死にたい」という言葉や自傷の様子があるときは、その日のうちに相談します。24時間の窓口もあります

こんな場合は早めに動いてください

  • 「死にたい」「消えたい」「いなくなりたい」という発言や素振りがある
  • 食事がほとんど取れない・眠れない日が続いている
  • 自傷行為の様子がある

命の危険がさし迫っているときは、迷わず119番に連絡してください。それ以外のときも、親だけでかかえ込まず、次の窓口を使ってください。番号と受付時間は、厚生労働省「まもろうよ こころ」の電話相談のページと、文部科学省のページで確かめました。

窓口 電話番号 受付 対象・備考
こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556 都道府県によって異なる かけた所在地の都道府県・政令指定都市の公的な相談機関につながる。ナビダイヤルのため通話料がかかる
よりそいホットライン 0120-279-338 24時間 ガイダンスで専門的な対応も選べる。050で始まるIP電話からは050-3655-0279
#いのちSOS 0120-061-338 24時間365日 「死にたい」「消えたい」などの気持ちを専門の相談員が受け止める
24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310 24時間 子供や保護者が夜間・休日も相談できる。かけた所在地の教育委員会の相談機関につながる
チャイルドライン 0120-99-7777 毎日16時〜21時(12月29日〜1月3日は休み) 18歳までの子どもがかける電話。チャットの相談もある
精神保健福祉センター・保健所 お住まいの地域の窓口 窓口ごとに異なる こころの病気について相談できる公的な窓口

出典:厚生労働省「まもろうよ こころ」電話相談、文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」について、チャイルドライン支援センター、国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」(いずれも2026年10月24日確認)

保護者自身が眠れない・食べられないと感じたら、それも相談してよいサインです。子どもの回復は長い道のりになることがあるので、親が先に倒れないことも大切な対応の1つです。

寄り添う午後のリビング
▲ 「休んでいいよ」の一言が、回復への第一歩になります
うつ病の回復を急性期(1〜3か月)・回復期(4〜6か月)・再発予防期(1年〜)の3段階に分け、重視される治療と、親子でできること、学校とのやりとりを比べた表
出典:厚生労働省「こころの耳」ご存知ですか?うつ病「3 うつ病の治療と予後」

選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)

私たちNIJIN高等学院は、通信制高校の課題・単位取得をサポートするサポート校です。精神的な不調がある生徒の受け入れは行っていますが、医療機関・療育機関ではなく、教育的なサポートを行う場所です。受け入れが適切かどうかは個別のご相談でお話しできますので、まずはお気軽にどうぞ。

ニジ高はオンライン中心で、全国どこからでも学べます。カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。生活リズムに波があっても学べるように、授業のアーカイブ視聴や中学内容の学び直しにも対応しています。1クラスは8人で担任制です。毎週火曜13時からの全校ホームルームは、YouTubeのLIVE配信を見るだけの参加もできます。回復期に「まずは見ているだけ」から始めたい人には、合う形かもしれません。希望する生徒には、スタッフが1対1で伴走する支援もあります。

正直な注意点もお伝えします。

  • ニジ高は高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校(または在籍する通信制高校)で取ります
  • 提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。スクーリングの形や日程は、個別相談でご案内しています
  • 費用は通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかり、ニジ高の分に就学支援金は使えません。実額は学費のご案内をご覧ください
  • オンライン中心なので、毎日通う場所を求める人には合わない場合があります(相談のうえで、NIJINアカデミーの教室に通うこともできます)
  • 診断や服薬など医療の判断は、主治医・専門機関にご相談ください

今の学校に在籍したままニジ高を併用することもできます。体験説明会・個別相談は体験説明会・個別相談(オンライン・無料。保護者の方だけでも参加できます)から申し込めます。中学生のうちから学び方を探したい場合や、小中学生のきょうだいがいるご家庭は、NIJINアカデミーも参考にしてください。ニジ高だけを見て決めるのではなく、他の学校とも比べて選んでください。

迷ったときの進め方(3ステップ)

ステップ1:今週は「休む」を決める。「休んでいいよ」と伝え、学校には保護者から欠席の連絡を入れます。記録を1日1行つけ始め、窓口になる先生を1人決めます。

ステップ2:2週間以内に専門家につなぐ。2週間以上の変化があれば、かかりつけ医・精神科・心療内科、または精神保健福祉センターなどに相談します。「死にたい」などの言葉があるときは、その日のうちに相談窓口へ。

ステップ3:回復期に入ったら、学校の仕組みと選択肢を並べる。進級に関わる時数・補習・遠隔授業の扱いを学校に確認し、休学・転学・併用を表で比べます。決めるのは、本人の気持ちが見えてからで構いません。

窓辺の机でヘッドホンをつけてオンラインの授業を受ける高校生と、そばにお茶を置く母親
家にいながら学びを続ける道もあります。遠隔授業の扱いは学校に確認します(イメージ)
オンラインで学ぶニジ高の生徒

回復のペースに合わせて、オンラインで学びを続ける選択肢

ニジ高は、カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められるオンライン中心の通信制高校サポート校です。授業のアーカイブ視聴や学び直しにも対応しています。高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。個別相談(オンライン・無料)は保護者の方だけでも参加できます。

体験説明会の日程を見る → LINEで気軽に相談する

よくある質問

Q. うつ病で休んでいる間、どんな声かけをすればいいですか?

A. 「何かしてほしいことがあれば言ってね」「そのまま休んでいていいよ」など、プレッシャーを与えない一言が基本です。将来の話は、本人の状態が落ち着いてからにしましょう。

Q. 診断がないと学校を休ませてもらえないですか?

A. 欠席の届け方や、診断書が要るかどうかは学校の規程によります。診断書があると学校側が配慮しやすくなるので、まずは担任・スクールカウンセラーに現状を話すところから始めてください。

Q. 通信制に転学すると、高校卒業はできますか?

A. 通信制高校でも、3年以上の在籍・74単位以上の修得・特別活動30単位時間以上の条件を満たせば卒業でき、全日制と同じ「高等学校卒業」になります。大学などの受験資格も同じです。

Q. 回復したと思っていたのに、また悪化してしまいました。

A. うつ病の回復は「良くなったり悪くなったりを繰り返す」ことが多く、こころの耳も、小さな波をもちながら階段を1段ずつ上るように改善すると説明しています。悪化した際は急いで活動量を増やさず、主治医に相談しながら対応してください。

Q. 学校に行けなかった期間のことが、受験に影響しますか?

A. 大学入試で欠席日数をどう見るかは、大学や入試方式(一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜)ごとに違い、一律の基準は確認できませんでした。志望する大学の募集要項を見て、学校の進路担当に確認してみてください。

Q. 子ども自身が「病院に行きたくない」と言います。

A. 無理に連れて行くと関係が崩れることがあります。「なんで行きたくないのか」を聞いてみてください。厚生労働省の家族向けサイトも、すぐに受診したがらないときは生活リズムを整えながら様子を見て、症状が続いたり悪化したりしたらもう一度勧めるよう書いています。スクールカウンセラーや保健室の先生への相談なら、ハードルが低い場合もあります。

Q. 休学すると、就学支援金はどうなりますか?

A. 休学中に授業料を取らない場合は、学校に「支給停止の申出」を出すと、その期間の支給と支給期間の計算を止められます(文部科学省Q&A Q14)。申出をしないと、休学した期間の分だけ残りの支給期間が減ります。手続きは在籍校の事務室で確認してください。

Q. 家でオンライン授業を受けて、単位にすることはできますか?

A. 学校が遠隔授業を実施していれば、36単位までの範囲で単位にできる仕組みがあります。病気療養中で相当の期間欠席すると認められる生徒は、その上限によらないこともできます(学校教育法施行規則第96条)。実施するかは学校の判断なので、担任に確認してください。

まとめ:休養は治療の柱の1つ。焦らず、回復の段階に合わせて一歩ずつ進めていきましょう

  • 高校生の不登校は令和6年度で67,782人。「病気」で30日以上休んだ高校生も26,488人いて、精神的な不調が関わっているケースは少なくありません
  • うつ病かどうかは親には診断できません。2週間以上変化が続くようなら早めに専門家へ
  • まず「休んでいいよ」と伝え、焦って登校させることは避けてください
  • 回復は急性期→回復期→再発予防期の3段階。良くなったり悪くなったりを繰り返しながら進みます
  • 学校とはスクールカウンセラー・診断書・合理的配慮を通じて連携できます。窓口と連絡の頻度を決めておきます
  • 出席日数・単位・進級の基準は学校ごと。遠隔授業や病気療養中の特例も確認します
  • 回復の見通しが立ちにくい場合は、休学・転学・通信制高校という選択肢もあります。就学支援金は休学中に支給を止められます
  • 「死にたい」などの発言があるときは、すぐに専門窓口へ

子どもが学校を休み始めたとき、親が一番つらいのは「この先どうなるのか分からない」ことかもしれません。けれど、回復には段階があり、学校の仕組みにも、休学や転学、オンラインの学びといった道が用意されています。今日決めなければいけないことは、思っているより少ないはずです。

休むことは、あきらめることではありません。お子さんが安心して休めた1日を、どうか小さな前進として数えてあげてください。

参考文献

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執筆者:ニジ高編集部 2025年10月(2026年10月24日 情報を確認・追記)

オンラインで学ぶニジ高の生徒

オンラインで、青春する。

休む時間も、学びの道も大切に。まずは保護者の方だけでもご相談を

全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付

通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。


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