高校生の不登校の原因は?|1位は「やる気が出ない」と親ができる5つ【2026】

高校生のお子さんが学校に行けなくなったとき、多くの保護者がまず探すのは「原因」です。何が悪かったのか、どこで止められたのか。その答えを見つければ、また通えるようになるはずだと思うからです。

先に結論を書きます。文部科学省の最新の調査で、学校が把握した事実の第1位は「学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった」(26.9%)でした。いじめは0.9%、教職員との関係は1.3%です。つまり、はっきりした事件があって行けなくなる子は少数で、原因を1つに特定できないことのほうが普通だということが、全国の数字に表れています。

そして高校生の場合、原因を探すのと同時に、もう1つ動いているものがあります。単位と出席日数です。中学校までは、休んでも卒業そのものは揺らぎませんでした。高校では、休んだ時間がそのまま履修・修得・進級・卒業に効いてきます。だからこの記事は、原因の話と、期限のある判断(留年・転学・休学)の話を、両方並べて書きます。

この記事は、文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」、学校教育法施行規則(e-Gov)、実在する高校3校が公開している成績評価の規程、日本小児心身医学会、厚生労働省の資料を実際に開いて確認して書いています。確認できなかったことは、確認できなかったと書いています。

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目次

結論:高校生の不登校の原因と、親ができる対応の早見

  • 高校生の不登校は67,782人、生徒1,000人当たり23.3人です(令和6年度・文部科学省)。前年度の68,770人から988人減りました。減ったのは高校だけで、小・中学校は過去最多です。
  • 学校が把握した事実の1位は「やる気が出ない等の相談」26.9%、2位は「生活リズムの不調」26.2%、3位は「不安・抑うつ」16.0%です。いじめの被害は0.9%でした。原因が1つに絞れないのは、統計どおりです。
  • 不登校の生徒のうち85.1%は、欠席が30〜89日の段階にいます。90日以上休んでいる人は14.9%です。多くの家庭は「まだ数えられる段階」でこの記事を読んでいます。
  • 中学校との一番の違いは、休んだ分が単位と卒業にそのまま関わることです。高校の卒業は74単位以上の修得が条件で(学校教育法施行規則第96条)、各科目の履修は学校の規程で「授業時数の3分の2以上の出席」などと決められています。
  • 学校に聞くのは5つです。科目ごとの欠課の上限、いま何時間欠課しているか、追認考査(追認試験)の条件、補充授業・補習の条件、別室登校が出席に入るか。この5つで、残っている時間が分かります。
  • 不登校の生徒のうち15.6%が中途退学、4.4%が原級留置(留年)になりました。逆に言えば、8割の生徒は在籍を続けています。今日決めなくて大丈夫です。
  • 相談先は学校の中だけではありません。24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)は夜間も休日も無料でつながります。体の症状が続くときは、起立性調節障害などの可能性も含めて受診を検討してください。
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高校生の不登校は67,782人。中学生の不登校と違って、単位と在籍が同時に動きます

まず、いま起きていることの全体像を数字で確かめます。文部科学省は毎年、全国の国公私立の小・中・高等学校を対象に「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」を行っています。最新は令和6年度分(2025年10月29日公表、2026年1月16日一部修正)です。

  • 高等学校の不登校生徒数は67,782人(前年度68,770人)。生徒1,000人当たり23.3人(前年度23.5人)で、いずれも前年度から減りました。
  • 内訳は全日制53,128人・定時制14,654人です。足すと合計の67,782人とぴったり一致します。つまりこの数字に、通信制課程の生徒は入っていません。
  • 高等学校の長期欠席者(年度間に30日以上欠席)は全体で103,608人。理由の内訳は不登校67,782人、病気26,488人、その他9,025人、経済的理由313人でした。
  • このうち今回はじめて不登校に数えられた新規不登校生徒は48,869人(前年度50,868人)。不登校の約7割が、その年に新しく不登校になった生徒です。
  • 1,000人当たりの人数は都道府県で7.8人から37.8人まで、およそ4.8倍の幅があります。地域の事情のほか、学校がどこまで丁寧に把握しているかの差も含まれた数字です。

出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」(2026年9月確認)

ここで押さえておきたいのは、小・中学校の不登校が353,970人で過去最多になった一方、高等学校だけは前年度から減っていることです。中学校で不登校だった生徒がそのまま高校で不登校になるわけではない、ということでもあります。中学生の段階での原因と進路の整理は中学生 不登校 原因の記事にまとめているので、この記事は高校生に絞って書きます。

学校が把握した事実の1位は「やる気が出ない」。いじめは0.9%でした

「原因は何ですか」と聞かれて、はっきり答えられる高校生は多くありません。それは本人の説明が足りないからではなく、実際に1つに絞れないからです。令和6年度の調査から、学校が把握した事実(不登校の生徒全員について、当てはまるものをすべて回答)を割合の高い順に並べました。

学校が把握した事実 人数 不登校生徒に占める割合
学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった 18,236人 26.9%
生活リズムの不調に関する相談があった 17,787人 26.2%
不安・抑うつの相談があった 10,827人 16.0%
学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた 8,654人 12.8%
いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題 6,943人 10.2%
入学、転編入学、進級時の不適応による相談 4,761人 7.0%
親子の関わり方に関する問題 4,544人 6.7%
家庭生活の変化に関する情報や相談 3,190人 4.7%
あそび、非行に関する情報や相談 3,147人 4.6%
障害(疑いを含む)に起因する特別な教育的支援の求め 1,572人 2.3%
個別の配慮(障害(疑いを含む)以外)についての求めや相談 1,503人 2.2%
学校のきまり等に関する相談があった 1,176人 1.7%
教職員との関係をめぐる問題 861人 1.3%
いじめの被害の情報や相談 642人 0.9%
上のどれにも該当しない 8,087人 11.9%

出典:同上(令和6年度・国公私立の高等学校。複数回答のため、割合を足すと100を超えます)

この表から読み取れることは3つあります。

  1. 上位2つは「気持ちが動かない」と「体のリズムが崩れている」です。どちらも、誰かのせいにできる出来事ではありません。「なぜ行けないの」と聞かれても答えられないのは、本人に理由を隠す気があるからではなく、言葉にできる出来事が無いからです。
  2. いじめの被害は0.9%、教職員との関係は1.3%です。もちろん当事者にとっては全部ですし、この数字は学校が把握できた分にすぎません。ただ「何か事件があったはずだ」と探し続けると、見落としやすいものが上位に並んでいます。
  3. 11.9%は「どれにも該当しない」です。学校が14の項目をすべて見ても、当てはまるものが無かった生徒が8,087人います。原因が分からないままの家庭は、少数派ではありません。

進学校に入ってから行けなくなるケースが多いと言われますが、学校の種類ごとの内訳は、この調査では公表されていません。ただ「入学、転編入学、進級時の不適応による相談」が7.0%(全日制では7.7%)あり、入学直後のつまずきが一定数あることは読み取れます。

体の症状が続くときは、病気の可能性も一緒に考えてください。日本小児心身医学会は、起立性調節障害について中学生の約10%にみられ、不登校の約3〜4割に併存すると説明しています。立ちくらみ、朝の起床困難、頭痛、午前中に調子が悪く午後に回復するといった症状が3つ以上あるときは、受診を検討する目安になります。

出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害」(2026年9月確認)。診断と治療の判断は主治医にご相談ください。

朝のリビングで、手書きの表を一緒に見ている保護者と高校生
欠席の上限は、在籍校の規程で確かめられます

欠席30〜89日が85.1%。「まだ数えられる段階」の人がほとんどです

不登校という言葉は、年度内に30日以上欠席した生徒のうち、病気や経済的理由によらないものを指します。30日を超えた時点で統計に入るので、「不登校」と数えられている生徒の中身には、かなりの幅があります。

欠席日数の区分 人数 不登校生徒に占める割合
30〜49日 39,395人 58.1%
50〜89日 18,299人 27.0%
90日以上で出席日数11日以上 8,312人 12.3%
90日以上で出席日数1〜10日 1,310人 1.9%
90日以上で出席日数0日 466人 0.7%

出典:同上(令和6年度・国公私立の高等学校。合計67,782人)

30〜89日の区分に85.1%が入っています。そして90日以上休んでいる生徒でも、出席日数が0日という人は466人(0.7%)です。完全に学校との接点が切れている状態は、実はとても少ないということです。

同じ調査で、不登校の生徒のうち中途退学に至った者は10,566人(15.6%)、原級留置(留年)になった者は2,963人(4.4%)と公表されています。合わせて2割です。裏を返せば、その年に不登校だった生徒の約8割は、留年も退学もせずに在籍を続けています。不登校になった=進路が閉じる、ではありません。

いま何日休んでいるかを数えている段階の方は、高校 欠席日数と高校 出席日数の記事も合わせて読んでください。学校ごとの数え方の違いを詳しく書いています。

中学校との一番の違いは、休んだ分が単位と卒業にそのまま関わることです

ここが、中学生の不登校と高校生の不登校の決定的な差です。義務教育には留年の制度が実質的にありませんが、高校には次の3つの壁があります。

1. 卒業には74単位以上の修得が要る

学校教育法施行規則第96条第1項は、校長は生徒の高等学校の全課程の修了を認めるにあたって、高等学校学習指導要領の定めるところにより74単位以上を修得した者について行わなければならないと定めています。加えて、3年以上の在籍と、特別活動への取り組みが卒業の条件になります。

2. 「履修」と「修得」は別で、履修には出席が必要

単位を取るには、まず授業に参加した記録(履修)が要り、そのうえで成績(修得)が要ります。この履修の線は、国の法令ではなく学校の規程で決まります。静岡県立三島長陵高等学校(定時制・単位制)が公開している案内には、履修とは「履修期間の授業時間数の3分の2以上に出席し、学習すること」と書かれ、欠課時数が授業時間数の3分の1を超えると履修が認められないと明記されています。

3. 自宅で積める単位には上限がある

同じ施行規則には、学校に行けない生徒のための道も用意されています。第88条の4は、学校生活への適応が困難で相当の期間欠席し引き続き欠席すると認められる生徒などを対象に、教育上有益と認めるときは授業に代えて通信教育を行うことができると定めています。また第88条の3により、多様なメディアを高度に利用して教室以外の場所で履修させることもできます。

ただし第96条第2項・第3項で、こうした方法で修得できる単位は74単位のうち36単位までと上限が置かれています。例外は第96条第4項で、疾病による療養のためまたは障害のため、病院その他の適当な場所で医療の提供などを受ける必要があると認められる生徒については、この36単位の上限によらないことができるとされています。

出典:学校教育法施行規則 第88条の3・第88条の4・第92条・第94条・第96条・第104条(e-Gov)(2026年9月確認)

この3つを並べると、高校生の不登校で親が見るべきものがはっきりします。「あと何日休めるか」ではなく、「科目ごとに、あと何時間欠課できるか」です。週1コマの科目と週4コマの科目では、欠課できる時間数がまったく違います。月曜だけ休んでいると、月曜に集まっている科目だけが先に上限に届きます。

※2026年9月時点の情報です。最新は文部科学省・各学校の公式ページでご確認ください。

令和6年度に高等学校で不登校だった生徒は67,782人、生徒1,000人当たり23.3人で、前年度の68,770人から988人減ったことを示す図
出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」(2026年9月確認)

3校の規程で確かめました。追認考査・補充授業・別室登校の扱いは学校ごとに違います

「もう単位が足りない」と言われたあとにも、学校の規程には取り返す仕組みが書かれていることがあります。実際に公開されている3校の規程を開いて比べました。名前も条件も、3校で違いました。

学校 履修が認められる線 取り返す仕組み
静岡県立三島長陵高等学校(定時制・単位制) 授業時間数の3分の2以上に出席。欠課時数が3分の1を超えると履修が認められない 評定1の場合、教科担当の指導を受けたうえで追認試験を受けられる。合格すれば評定2になり修得が認められる
沖縄県立沖縄工業高等学校(全日制課程) 履修とは出席すべき授業時数の3分の2以上の出席時数がある場合(進級は別に、出席日数が出席すべき日数の3分の2以上) 評定1は単位保留となり、次年度に追認考査の機会が与えられる。正当な理由(原則として届出のある欠席・欠課)による授業時数不足は補習で補える(原則 単位数×2時間)
沖縄県立首里高等学校(普通科・染織デザイン科) 単位認定は評定2以上、かつ出席時数が年間授業時数の3分の2以上 出席時数不足の補充授業を実施できる(1年間に補充できる総時数は 単位数×3 の範囲内)

出典:静岡県立三島長陵高等学校「学習・生活のきまり」(令和8年4月1日版)/沖縄県立沖縄工業高等学校 職員必携(内規集)令和7年12月11日/沖縄県立首里高等学校 校内規程(令和7年度改訂版)「生徒の成績評価等に関する規程」(いずれも2026年9月26日に各校の公式サイトで確認)。他校も同じとは限りません。

3校を読み比べて見えた、大事な違いが3つあります。

  • 呼び名が違います。三島長陵は「追認試験」、沖縄工業と首里は「追認考査」です。学校に問い合わせるときは、「評定1だったとき、あとから単位を取れる試験はありますか」と内容で聞くほうが確実です。
  • 補充の対象が違います。首里高校の規程は、補充授業の対象を「長期療養・長期入院」「診断書付きのケガ・病気による欠課・欠席」「診断書付きの通院」、そのほか職員会議に申し出があり認められた生徒としています。沖縄工業は「正当な理由による授業時数不足」が条件で、正当な理由は原則として届出のある欠席・欠課とされています。受診や届け出の記録を残しておくことが、制度を使える条件になる場合があるということです。
  • 別室登校の扱いが違います。首里高校の規程には、単位認定の出席時数について「職員会議において承認された別室登校も出席時数に加える」と書かれています。教室に入れなくても、学校の中の別の部屋で過ごせば出席になる可能性がある、という条文です。これが自分の学校にあるかどうかは、大きな分かれ目になります。

なお、在籍できる年数についても法令の上限は見つかりませんでした。三島長陵高等学校は在籍期間の上限を6年(令和7年度入学生から。休学期間は含めない)と定めています。学校ごとの学則で決まるものなので、自分の学校の規程を確認してください。

学校に確認するのは5つ。聞く順番も決まっています

担任との面談の前に、この5つをメモにして持っていってください。順番に意味があります。先に事実を確定させてから、進路の話をするためです。

  1. 科目ごとの欠課の上限は何時間ですか。「3分の1」と言われたら、科目ごとの実際の時間数まで出してもらいます。週のコマ数が違えば、上限も違います。
  2. いま、科目ごとに何時間欠課していますか。学校には記録があります。合計ではなく科目別の数字をもらうと、どの科目が危ないかが分かります。
  3. 評定1になったとき、あとから単位を取れる試験はありますか。時期と条件を教えてください。追認考査・追認試験など呼び名は学校ごとです。学年末なのか次年度なのかも確認します。
  4. 出席時数が足りないときの補充授業や補習はありますか。対象になる条件は何ですか。診断書が要るのか、いつまでに申し出るのか。ここで受診の必要が出てくることがあります。
  5. 別室登校やオンラインでの参加は、出席や欠課にどう記録されますか。出席に入る学校もあります。入らない場合も、記録が残ることに意味があります。

この5つを聞くと、「あと何時間の余裕があるか」が数字で出ます。数字が出てはじめて、続けるのか、転学するのか、休学するのかを比べられます。逆に、数字が分からないまま「頑張って行こう」と励ましても、判定会議の日は近づいてきます。

面談では、原因の追及ではなく事実の確認に時間を使ってください。学校側も、原因を1つに絞れないことは統計で分かっています。

自室の机でヘッドホンをしてオンラインの授業を受ける高校生
学校に行かない日の学び方も、選択肢の一つです

不登校の生徒の15.6%が中途退学。中退の理由の4割は「進路変更」です

高校をやめるという判断について、全国の数字を見ておきます。令和6年度の高等学校における中途退学者数は44,571人(前年度46,238人)、中途退学率は1.4%(前年度1.5%)でした。

中途退学の主な理由 人数 中途退学者に占める割合
進路変更 18,505人 41.5%
学校生活・学業不適応 15,618人 35.0%
学業不振 2,814人 6.3%
その他 2,474人 5.6%
病気・けが・死亡 1,799人 4.0%
問題行動等 1,506人 3.4%
家庭の事情 1,306人 2.9%
経済的理由 549人 1.2%

出典:同上(令和6年度。中途退学者1人につき主たる理由を1つ選択したもの)

いちばん多い理由が「進路変更」で41.5%だというのが、この表の要点です。中途退学の4割は、行き先を決めたうえでの前向きな移動として学校が記録しています。次に多い「学校生活・学業不適応」35.0%と合わせると、合計76.5%が今の学校の形が合わなかったことに関わる理由です。

文部科学省の通知(令和元年10月25日、元文科初第698号)も、不登校の支援について「学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要がある」としています。国の方針としても、登校できたかどうかだけが目標ではありません。

出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(2026年9月確認)

留年・転学・休学・そのまま続ける。4つの分かれ道は、気づく時期で有利不利が変わります

高校生の不登校で親が悩むのは、選択肢が多いことではなく、どれにも期限があることです。判定会議の日、学期の切り替わり、出願の締め切り。状況ごとに現実的な選択肢と、考えておく時期を整理しました。

いまの状況 現実的な選択肢 考えておく時期
欠席が増えてきたが、どの科目も欠課の上限には届いていない 今の学校で続ける。別室登校・オンライン参加・補充の相談 学期末の成績判定の前
特定の科目だけ、欠課が上限に近い 追認考査・補充授業の条件を確認して間に合わせる 学年末の判定会議の前
複数の科目が履修不認定になりそう 留年(原級留置)で残るか、修得した単位を持って転学するか 3月の判定会議の前
体調の回復が見通せない 休学。校長の許可が必要(施行規則第94条) 主治医と相談のうえで早めに
学校に戻る気持ちが戻らない 通信制高校への転入(在籍を切らずに移る) 在籍が切れる前
すでに退学している 編入。空白の期間は在籍年数に入らない 随時出願できる学校を探す

※表は制度から見た一般的な目安です。判定の時期や条件は学校ごとに違います。

転学について、法令の根拠を確認しておきます。施行規則第92条第1項は、他の高校に転学を志望する生徒があるときは、校長がその事由を記し、在学証明書その他必要な書類を転学先の校長に送付しなければならないと定めています。そして第2項が要点です。全日制・定時制・通信制の課程相互の間の転学または転籍については、修得した単位に応じて相当学年に転入することができるとされています。

さらに第104条第3項は、校長は特別の必要があり、かつ教育上支障がないときは、学年の途中でも学期の区分に従って入学を許可し、各学年の課程の修了および卒業を認めることができると定めています。4月を待たなくても動ける、という条文です。

ここから、時期についての現実的な結論が出ます。

  • 在籍が切れないうちに動くほうが、引き継げるものが多いです。転入なら、それまでに修得した単位と在籍期間を持っていけます。退学してからの編入では、退学から入学までの空白期間は在籍年数に数えられません。3年で卒業したい場合は、この差が効いてきます。
  • 休学も選択肢です。施行規則第94条は、休学・退学をしようとするときは校長の許可を受けなければならないと定めています。退学ではなく休学にしておけば、籍は残ります。
  • 留年は「失敗」ではなく1つの選択です。今の学校の人間関係や部活を続けたい場合、もう1年かけて同じ学年をやり直す判断もあります。ただし原級留置になると、その年に修得した単位の扱いが学校ごとに違います(首里高校の規程では、原級留置者の修得科目の単位はすべて保留され、全科目を再履修することになっています)。

それぞれの選択肢は、高校 留年、高校 休学、高校 転入の記事で手順まで書いています。転入と編入の違いと単位の引き継ぎは転入 編入 違いの記事が詳しいです。学校の選び方そのもので迷っているときは通信制高校 選び方から、費用の見当をつけたいときは通信制高校 学費から読めます。

高校生の不登校について学校が把握した事実は、やる気が出ない26.9%、生活リズムの不調26.2%、不安・抑うつ16.0%の順に多いことを示す図
出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」(2026年9月確認)

親ができることは5つ。「理由を聞き出す」は、その中に入っていません

ここからは保護者の方へ書きます。統計で上位に来ていたのは「やる気が出ない」「生活リズムの不調」「不安・抑うつ」でした。どれも、問い詰めて出てくる答えではありません。親ができることを5つに絞ります。

1. 理由を特定しようとするのを、いったんやめる

「どうして行けないの」という質問は、答えを持っていない子にとっては、答えられない自分を責める時間になります。調査でも11.9%が「どれにも該当しない」でした。原因が分からないまま支援を始めても構わないということが、この数字から言えます。聞くとしたら「行けない」ではなく「今日、体はどう」くらいの距離から始めてください。

2. 体の症状は、医療の入口として扱う

朝起きられない、立ちくらみがする、午前中だけ調子が悪い。こうした症状が続くときは、気持ちの問題として片づけずに受診を検討してください。起立性調節障害は不登校の約3〜4割に併存すると日本小児心身医学会が説明しています。受診して記録が残ることは、補充授業や補習の条件を満たすうえでも意味を持つ場合があります(確認した3校のうち1校は診断書を条件に挙げ、別の1校は届出のある欠席・欠課を条件にしていました)。診断や治療の判断は主治医にご相談ください。

3. 数字を代わりに集める

本人が学校に電話するのはハードルが高いことがあります。科目ごとの欠課時数、追認考査の条件、補充の条件。この3つを保護者が確認しておくと、家での会話が「頑張ろう」から「あと何時間ある」に変わります。事実が分かると、追い詰められる感じが少し減ります。

4. 進路の選択肢を、決める前に並べておく

留年、転学、休学、そのまま続ける。この4つを、決める前に机に並べておくだけで十分です。どれを選ぶかを決めるのは今日でなくてかまいません。ただ、それぞれに期限があることだけは、先に知っておいてください。小中学生の段階のお子さんが同時にいる場合は、NIJINアカデミーのようなオルタナティブスクールも選択肢になります。

体の症状から進路まで一続きで考えたい方は、起立性調節障害 進路の記事も参考になります。

5. 学校の外の窓口も、同時に使える

学校とだけ話していると、選択肢が学校の中の話に寄りがちです。本人が動けない段階から保護者だけで使える公的な窓口を整理しました。

窓口 できること・対象 連絡先・出典
24時間子供SOSダイヤル(文部科学省) いじめを含む子どものSOS全般。悩んでいる子供や保護者等が、夜間・休日を含めいつでも相談できる体制。通話料無料 0120-0-78310(なやみ言おう)
スクールカウンセラー(在籍校) 校内で心理の専門家に相談できる。予約は担任や養護教諭を通すことが多い 在籍している高校へ
教育支援センター(自治体) 学習支援や心理支援を行う通室施設。主な対象は小中学生で、高校生を受け入れるかは自治体ごとに違う 住んでいる市区町村・都道府県の教育委員会へ
大阪府高等学校教育支援センター(ルポン) 不登校の状態にある高校生を対象にした通室施設。学習支援・心理支援を行う(大阪府の例) 大阪府教育庁
ひきこもり地域支援センター(厚生労働省) 本人と家族の相談。全都道府県・指定都市(67自治体)に設置され、市町村にも拡充されている(令和7年度は47自治体) 厚生労働省のひきこもり支援のページ

出典:文部科学省「24時間子供SOSダイヤルについて」/大阪府高等学校教育支援センター(ルポン)/厚生労働省「ひきこもり支援に関する取組」(2026年9月確認)

2つ、正直に書いておきます。

  • 教育支援センターは、もともと義務教育段階の子どもを支える仕組みとして広がってきました。高校生が通えるかは自治体によって違います。大阪府のように高校生向けの施設を置いている自治体もありますが、全国にどれだけあるかは、公式では確認できませんでした。住んでいる地域の教育委員会に問い合わせるのが確実です。
  • ひきこもり地域支援センターは、厚生労働省が平成30年4月までに全都道府県・指定都市(67自治体)に設置し、令和4年度から市町村にも設置主体を広げています(令和7年度は47自治体)。お住まいの市町村に窓口があるとは限らないので、都道府県のセンターも合わせて探してください。高校生の年齢でも相談できますが、対応の中身は自治体ごとに違います。

選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)

ここまで読んで、「今の学校を続けるのは難しそうだけれど、高校卒業はしておきたい」と感じた方もいると思います。オンライン中心で学ぶ形は、その場合の選択肢の1つです。

NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも自宅から参加でき、カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。担任制で、生活リズムに波があっても学べる設計です。授業のアーカイブ視聴や中学内容の学び直しにも対応しています。途中からの入学(転入・編入)ができ、出願費用は無料です。不登校の生徒を650名以上サポートしてきました(グループ全体)。メタバースの校舎で、担任や同級生と集まる時間もあります。

ただし、先にお伝えしておくことがあります。

  • ニジ高そのものは高校ではありません。高校卒業の資格は、提携する通信制高校に在籍して取ります。
  • 学院の中でのスクーリングはありませんが、提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。ニジ高がするのは日程の調整と準備の支援で、スクーリングの形や日程は個別相談会でご案内しています。
  • 費用は、提携校の分とニジ高の分の両方がかかります。ニジ高の分に就学支援金は使えません。金額は学費のご案内に載せています。
  • いま在籍している高校で単位をどこまで引き継げるかは、転入先の校長の判断になります。入学前に個別に確認してください。

ニジ高は、発達特性や障害を、本人を変えるのではなく学びの構造や環境を変えることで支援するという考え方をとっています。医療の判断は主治医や専門機関にご相談ください。

迷ったときの進め方(3ステップ)

  1. 科目ごとの欠課時数を、学校からもらう。合計ではなく科目別です。この1枚で、どの科目が危なくて、どこに余裕があるかが分かります。原因が分からなくても、この作業は今日できます。
  2. 体の症状があれば受診する。朝起きられない、立ちくらみ、午前中だけ調子が悪いなどが続くときは、小児科やかかりつけ医に相談してください。診断書や通院の記録が、補充授業や補習の条件になる学校もあります。
  3. 今の学校の救済策と、外の選択肢を同じ紙に並べる。追認考査と補充の条件(学校に確認)、転入・編入の時期(学校に問い合わせ)、留年と休学の扱い(規程を確認)。並べてから決めれば、どれを選んでも納得しやすくなります。

3つとも、転校すると決めていなくても進められます。状況を整理しながら考えたい場合は、体験説明会・個別相談で聞かせてください。まだ何も決めていない段階のご相談も受け付けています。

学校の面談室で、保護者と職員が紙を前に話している場面
期限のある判断ほど、先に学校へ確かめます
オンラインで学ぶニジ高の生徒

転校を決めていない段階でも、話を聞くだけで大丈夫です

科目ごとの欠課の時数や単位の話は、ひとりで整理しようとすると行き詰まりやすいところです。ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。高校そのものではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です。転校を決めていない段階のご相談も受け付けています。

体験説明会の日程を見る → LINEで気軽に相談する

よくある質問

Q. 高校生の不登校の原因は、どうやって特定すればいいですか?

A. 特定できないことのほうが多いです。令和6年度の文部科学省の調査で、学校が把握した事実の1位は「学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった」(26.9%)で、11.9%は14の項目のどれにも該当しませんでした。原因が分からないまま、出席や単位の状況を確かめるところから始めて問題ありません。

Q. 高校は何日休むと留年になりますか?

A. 国に統一の基準はなく、学校の規程で決まります。多くの学校は「授業時数の3分の2以上の出席」を履修の条件にしており、今回確認した3校もその線でした。大事なのは日数ではなく科目ごとの欠課時数です。週のコマ数が少ない科目は、欠課できる時間数そのものが少なくなります。

Q. 不登校になったら、もう卒業できませんか?

A. そうとは限りません。令和6年度に不登校だった高校生67,782人のうち、中途退学に至ったのは15.6%、原級留置は4.4%でした。約8割はその年に在籍を続けています。また、施行規則第88条の4により、学校が授業に代えて通信教育を行える仕組みもあります(自宅などで修得できる単位は原則36単位まで)。

Q. 転校を考えるなら、いつ動くのが有利ですか?

A. 在籍が切れないうちです。施行規則第92条第2項により、全日制・定時制・通信制の相互の転学は、修得した単位に応じて相当学年に転入できます。第104条第3項では、学年の途中でも学期の区分に従って入学を許可できるとされています。退学後の編入だと、退学から入学までの空白期間は在籍年数に数えられません。

Q. 子どもが何も話してくれません。どこに相談すればいいですか?

A. 保護者だけで相談できる窓口があります。24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)は夜間・休日も含めて24時間、通話料無料でつながります。在籍校のスクールカウンセラー、自治体の教育支援センター、厚生労働省のひきこもり地域支援センターも、本人が動けない段階から使えます。

原因が分からなくても、次の一歩は決められます

「原因が分かれば、解決できるはずだ」という気持ちは、お子さんを思う気持ちそのものです。ただ、全国の数字は、原因が1つに絞れないことのほうが普通だと示しています。分からないままでも、できることはあります。

科目ごとの欠課時数を聞く。体の症状があれば受診する。救済策と外の選択肢を並べる。この3つは、原因が分からなくても今日から進められて、しかもどの結論を選ぶことになっても無駄になりません。

今日決めなくて大丈夫です。留年でも、転学でも、休学でも、そのまま続けるのでも、高校を出る道はどの選択からでも探せます。どの道を選ぶか迷っている段階のご相談も、遠慮なくお寄せください。

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オンラインで、青春する。

今日決めなくて大丈夫です。話を聞くだけでもどうぞ

全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付

通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。


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