「不登校のまま、1月の入試に間に合うのだろうか」。中学3年の秋から冬は、保護者も本人も、いちばん落ち着かない時期です。
先に結論を書きます。不登校でも、都立高校を受けることはできます。ただし、入試の準備は、願書より前の11月から動き始めます。この記事では、令和9年度(2027年1〜3月)の東京都立高校の入試について、いつ何をするのかを、時間の順に整理します。
欠席日数の扱いなど「不登校への配慮」は、高校受験で欠席日数は関係ある?で詳しく書いています。この記事は、日程と手続きの流れに絞ります。
結論:令和9年度の都立入試の早見
- 推薦に基づく選抜は、願書が1月8日〜18日、検査が1月26日・27日、合格発表は2月2日です。
- 学力検査に基づく選抜(一次募集)は、願書が1月29日〜2月4日、学力検査が2月21日、合格発表は3月1日です。
- 出願は、12月18日から専用サイトへの入力が始まります。
- 英語スピーキングテスト(ESAT-J)は11月22日です。受けられなかったときの扱いを、先に確認しておきます。
- 通信制課程(前期)と全日制の一次募集は、同時に出願できません。
- 学力検査を行わない入試(エンカレッジスクール、チャレンジ枠など)もあります。
- 相談先は、都立高校入試相談コーナー(03-5320-6755)と、東京都教育相談センター(03-3360-4175)です。
令和9年度の都立入試は、3つの入口に分かれます
| 入口 | 願書の受付 | 検査 | 合格発表 |
|---|---|---|---|
| 推薦に基づく選抜 | 1月8日(金)〜18日(月) | 1月26日(火)・27日(水) | 2月2日(火) |
| 学力検査に基づく選抜(一次募集) | 1月29日(金)〜2月4日(木) | 2月21日(日) | 3月1日(月) |
| 通信制課程(前期) | 1月29日(金)〜2月4日(木) | 2月22日(月) | 3月1日(月) |
出典:東京都教育委員会「令和9年度東京都立高等学校入学者選抜の日程について」
一次募集のあとには、第二次募集(検査3月9日、発表3月12日)があります。3月9日には、インフルエンザなどで一次募集を受けられなかった人のための追検査も行われます。
学力検査がない入試もあります
「勉強の遅れが大きくて、学力検査は受けられない」と感じる子もいます。都立高校には、学力検査を行わない入試があります。
- エンカレッジスクール(6校):面接、小論文または作文、実技検査で選考します。
- 定時制のチャレンジ枠など(8校):面接と作文で選考します。
学校名と方式は、年度ごとの募集案内で確認します。チャレンジスクールの入試は、チャレンジスクールとは?で詳しく書いています。
11月:英語スピーキングテスト(ESAT-J)を、どうするか
見落としやすいのが、11月22日の中学校英語スピーキングテストです。令和9年度の入試では、一次募集(学力検査に基づく選抜)で、この結果を使います。
- 結果はA〜Fの6段階で、調査書に記録されます。20点満点に換算され、学力検査と調査書の得点に足されます。
- 推薦、第二次募集、エンカレッジスクール、チャレンジスクールでは、結果は使われません。
- やむを得ない理由(インフルエンザなど)で受けられなかった場合は、中学校が申請し、東京都教育委員会が承認すれば、暫定の得点が付きます。予備日は12月13日です。
- 理由なく欠席した場合は、0点です。暫定の得点は付きません。
不登校でテストを受けるのが難しいときは、「どの扱いになるか」を、早めに中学校へ確認してください。20点は全体の中では大きくありませんが、あとから知って慌てることがないようにしておくと安心です。
12月〜1月:出願の準備をする
出願は、12月18日に専用サイトへの入力が始まります。入力のあと、書類は受付期間内に必着で、志望する都立高校へ郵送します。書類は、入学願書、調査書、自己PRカードなどです。入学考査料は、全日制で2,200円です。

この時期に、保護者と本人がやることは4つです。
- 中学校の先生と、受ける入口を決める。推薦、一般、通信制のどれにするかを、担任や進路担当と話します。学校に行けていなくても、電話やオンライン、保護者経由で進められます。
- 志望校の募集案内を確認する。「東京都立高等学校募集案内」(令和9年度版)に、学校ごとの入試方法が載っています。
- 自己申告書を出すか考える。自己申告書は、任意で提出できます。使われ方は学校と都道府県で違うので、高校受験で欠席日数は関係ある?も見てください。
- 配慮が必要な場合は、早めに中学校へ伝える。障害や特性があるときは、受検上の配慮(検査時間の延長、問題用紙の拡大など)を申請できます。申請は中学校長を通して行い、期限は12月中旬です(令和8年度は12月19日でした)。令和9年度の期限は、募集案内で確認してください。
特別支援学級に在籍している場合は、特別支援学級の中学生の進路も参考になります。
推薦入試のことを、もう少し詳しく
応募の条件(令和9年度)

- 都内の中学校に在籍し、令和9年3月に卒業見込みであること
- 在学中の中学校長の推薦を受けること
- 保護者と同居し、都内から通学することが確実であること
- 志望する都立高校を、第一志望とすること
検査と選考
- 一般推薦では、全員に個人面接があります。集団討論を行う学校もあります。
- 必要に応じて、小論文・作文、実技検査などのうち1つ以上が課されます。
- 調査書、面接、小論文などを総合して判定します。調査書は、評定(9教科)か、観点別学習状況の評価(27観点)のどちらか一方を点数にします。観点別を使うのは、令和9年度は7校です。
- 自己PRカードは点数になりません。面接の資料として使われます。
注意したいこと
- 出願できるのは1校だけで、出願後の志望校の変更はできません。
- 合格したら、入学確約書を提出します。期間内に出さないと、合格を放棄したとみなされます。入学料(全日制5,650円)は、合格発表の翌日から5日以内に納めます。
- 推薦に合格しなかった場合でも、一次募集の願書受付は2月4日まで続いています。2月2日の発表のあとに、一次募集へ出願できます。
自己PRカードや面接では、「学校に行けなかった期間」をどう話すかが、気になるところかもしれません。無理に隠す必要も、全部を話す必要もありません。家で続けてきたこと、いま取り組めていることを、短い言葉で話せるように、中学校の先生と一緒に練習しておくと安心です。
一般(学力検査)を受けるときのこと
一次募集は、学力検査と調査書、スピーキングテストの得点で判定します。
- 学力検査は、国語・数学・英語・社会・理科の5教科です(芸術・体育系の学科は3教科)。
- 学力検査と調査書の比率は、全日制では7対3です。令和9年度は、全日制普通科の2校で、「7対3」と「10対0」の両方で計算して、高いほうを使う方法が新しく始まります。どの学校かは、募集案内で確認できます。
- 願書を出したあとは、志願変更ができる期間があります。最終的な応募人員は、2月12日(金)の夜に発表されます。
- 一部の高校は、学力検査の問題を高校ごとに作ります(全日制の第一次募集は10校)。
推薦と一般、どちらで受ける?
| 推薦 | 一般(一次募集) | 通信制(前期) | |
|---|---|---|---|
| 時期 | 1月 | 2月 | 2月 |
| 見られるもの | 調査書、面接、小論文・作文など | 学力検査、調査書、スピーキングテスト | 学校ごとに異なる |
| 注意点 | 第一志望。志願変更はできない | 5教科の準備が要る | 全日制の一次募集と同時に出願できない |
通信制(前期)を考えるときは、全日制の一次募集と同時に出願できない点が、いちばんの分かれ道です。併願の考え方は、通信制高校の併願はできる?で整理しています。行きたい高校がまだ決まらないときは、行きたい高校がない中3へも読んでみてください。
面接や検査の日に、行けるか不安なとき
不登校の子にとって、いちばん大きいのは「当日、会場に行けるだろうか」という不安かもしれません。

- 検査日の前に、会場の下見ができないか、中学校を通して志望校に相談します。
- 直前にけがや病気をしたときは、受検できるかを、医師・中学校の先生・保護者で相談します。配慮が必要なら、中学校を通して志望校に申請します。
- 一次募集を受けられなかったときは、追検査(3月9日)があります。
家での学習を出席扱いや成績につなげる方法は、不登校の中学生はオンライン授業で受験に備えられる?にまとめています。
合格できなかったときの道
- 一次募集のあとに、第二次募集(3月9日検査)があります。
- 都立の通信制には、後期(3月)の選抜もあります。
- 私立高校や、私立の通信制高校は、1月〜3月でも出願できる学校が多くあります。
「ここしかない」と考えず、複数の道を持っておくと、気持ちにゆとりが出ます。

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都立高校を受けるかどうかは、本人と家族で決めるものです。「受ける」と決めた場合も、結果がどうであっても、次の道が残っていることを知っておくだけで、冬の過ごし方が変わります。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- 今日か明日、中学校の担任に「都立の入試を受けたい」と連絡する。
- スピーキングテスト(11月22日)の扱いと、志望校の募集案内を確認する。
- 12月18日の入力開始までに、「推薦・一般・通信制のどれか」を決める。
よくある質問
A. はい。出席日数だけで受験が止められることはありません。調査書の評定が判定に使われるので、中学校の先生と早めに相談してください。
A. 受験はできます。ただし、一次募集では、受けなかった理由によって点数の扱いが変わります。中学校に確認してください。推薦や通信制では、結果は使われません。
A. 推薦の合格発表は2月2日、一次募集の願書は2月4日までです。発表のあとに出願できます。
A. 都立の通信制(前期)と全日制の一次募集は、同時に出願できません。
A. エンカレッジスクール(6校)や、定時制のチャレンジ枠など(8校)は、学力検査を行いません。学校名と方式は、募集案内で確認してください。
A. 都立高校入試相談コーナー(03-5320-6755)、東京都教育相談センター(03-3360-4175)があります。
まとめ:11月に扱いを確認し、12月までに入口を決める
不登校でも、都立高校の入試には間に合います。大事なのは、11月のスピーキングテストの扱いを確認し、12月までに「推薦・一般・通信制のどれか」を決めて、中学校の先生に伝えることです。
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参考文献
- 東京都教育委員会「令和9年度東京都立高等学校入学者選抜の日程について」
- 東京都教育委員会「令和9年度東京都立高等学校募集案内」(入試の概要・主な特色・入試Q&A)
- 東京都教育委員会「中学校英語スピーキングテスト結果の都立高校入試への活用について」
- 東京都教育委員会「障害のある受検者に対する配慮」(令和8年度)
執筆者:ニジ高編集部 2026年11月1日
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