通信制高校と全日制高校を併願できるかは、全国一律ではありません。私立の通信制高校には「併願」で出願できる回を設けている学校がある一方で、公立は都道府県の要綱で「同時に出願できない」組み合わせが決まっていることがあります。
先に結論を書くと、確かめるのは「願書を出せるか」だけでは足りません。「第一志望の結果が出るまで席を待ってもらえるか」と「そのためにいつ、いくら払うか」まで見て、はじめて併願の計画になります。
この記事は、東京都教育委員会の令和9年度(2027年4月入学)の都立通信制課程の入学者選抜実施要綱、神奈川県・大阪府の令和9年度の入学者選抜の資料、私立の通信制高校2校の2027年度の募集要項を実際に開いて確かめた内容でできています。公式で確かめられなかったことは、確かめられなかったと書いています。受験を控えて気持ちが落ち着かない時期だと思います。1つずつ整理していきましょう。
結論:通信制高校の併願の早見
- 通信制高校と全日制高校の併願ができるかは、都道府県・公立か私立か・選抜の区分・学校の募集要項で変わります。「通信制なら全日制といつでも併願できる」とは言えません。
- 東京都(令和9年度)では、都立全日制の第一次募集に出願する人は、都立通信制の前期選抜に出願できません。前期選抜は1校だけです。第一次募集に合格しなかった場合は、4月の後期選抜に出願できます。
- 神奈川県では、国公私立の高校に合格している人は、定通分割選抜(公立通信制の後半の募集)に志願できません。入学手続をしていなくても同じです。
- 私立の通信制高校は、併願を受ける回と、結果を待ってもらえる期限が学校ごとに違います。確かめた2校は、どちらも併願の支払い・手続の期限が2027年3月18日でした。ただしN高等学校は、その前の3月9日までに入学する意思を回答します。
- 併願で起こりやすいのは、第一志望の発表より先に、第二志望の入学金の期限が来ることです。出願・発表・手続・辞退の日付を1枚に並べると見落としを防げます。
- 通信制高校サポート校は、高校卒業資格を出す学校ではないので「併願校」にはなりません。卒業資格を出す通信制高校への出願と、サポート校の利用は分けて考えます。
- オンライン中心のサポート校(NIJIN高等学院など)を使う場合も、出願と卒業資格は提携する通信制高校側で決まります。
「併願できる」は4段階あり、願書を出せても席を待ってもらえるとは限りません
学校説明会で「併願できます」と聞いても、どの段階まで認められるのかで意味が変わります。願書を出せること、複数の学校から合格をもらうこと、席を保持すること、実際にどちらかの学校に在籍することは、同じではありません。
| 段階 | 確認すること | よくある誤解 |
|---|---|---|
| 出願 | 同じ時期に複数の学校へ願書を出せるか | 資料請求や相談の申し込みを、正式な出願と取り違える |
| 受検・合格 | 他校を受けていても合否の判定を受けられるか | 合格したら、そこに入学しなければならないと思い込む |
| 席の保持 | 第一志望の結果まで入学手続を待ってもらえるか | 「併願可」なら支払いも自動で待ってもらえると思う |
| 在籍 | 最終的にどの高校に学籍を置くか | 2つの高校に同時に在籍して、両方で単位を取れると思う |
多くの人が本当に知りたいのは、「第一志望の結果を待ちながら、通信制高校という選択肢を残しておけるか」だと思います。その答えは、併願の可否を1回たずねるだけでは出ません。出願の期限、合格発表、入学手続の期限、延納の制度、辞退の方法を、1つのカレンダーに並べてはじめて見えてきます。
「併願」と「単願(専願)」という言葉そのものの意味は、高校受験の併願とは(単願との違い)の記事で基本から説明しています。この記事は、公立と私立の実際の要綱で「どこまでできるか」を確かめることに絞ります。

公立は都道府県の要綱で決まるので、全国共通の答えはありません
公立高校の入学者選抜は、都道府県の教育委員会が年度ごとに実施要綱を出して行います。通信制の課程をどの選抜の中で募集するか、ほかの選抜とどう組み合わせられるかも、その要綱で決まります。
通信制高校の入試そのものは、学力検査を行わない学校が多数です。文部科学省の「令和7年度 通信制高等学校実態調査」で、通信制の課程を置く323校の入学者選抜の方法(複数回答)を見ると、次のとおりでした。
- 面接:296校
- 調査書などの書類:230校
- 作文・小論文:154校
- 学力検査:91校
出典:文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(調査時点は2025年5月1日)
もう1つ、公立の通信制には住所の条件があります。今回確かめた3都府県は、いずれも本人の住所か勤務先がその都府県内にあることを志願の条件にしていました(東京都は入学後も都内に住所か勤務先があることが確実な人)。「オンラインで学ぶから、どこの県の公立通信制でも受けられる」とは限りません。
入試の中身や、落ちる場面が気になる人は、通信制高校で落ちることはあるかを整理した記事も参考にしてください。
東京都では、都立全日制の第一次募集と都立通信制の前期選抜に同時に出願できません
東京都教育委員会の「令和9年度 東京都立高等学校通信制課程入学者選抜実施要綱」では、都立の通信制課程は一橋高校・新宿山吹高校・砂川高校の3校です。前期選抜について、要綱は次のように定めています。
- 前期選抜は1校に限り出願できる
- 都立高校の第一次募集・分割前期募集の選抜に出願する人、推薦に基づく選抜などで合格した人は、前期選抜への応募を認めない
- 前期選抜は第1学年相当だけ。検査は国語・数学・英語を総合して、新宿山吹高校は70分、一橋高校と砂川高校は60分
- 入学考査料は950円、入学料は500円
| 令和9年度の日程 | 都立全日制 第一次募集 | 都立通信制 前期選抜 |
|---|---|---|
| 書類の提出 | 2027年1月29日〜2月4日 | 2027年1月29日〜2月4日 |
| 検査 | 2月21日(日) | 2月22日(月) |
| 合格発表 | 3月1日(月) | 3月1日(月) |
| 両方への出願 | できない(前期選抜は、第一次募集に出願する人の応募を認めない) | |
出典:東京都教育委員会「令和9年度 東京都立高等学校通信制課程入学者選抜実施要綱」/東京都教育委員会「令和9年度東京都立高等学校入学者選抜の日程について」(2026年9月21日確認)
検査日は1日ずれていて発表日が同じなので、「両方受けられそう」に見えます。しかし要綱の上では、都立の全日制と都立の通信制の前期は、どちらか一方を選ぶ形です。願書を出す前に、中学校の進路の先生と一緒に確かめてください。

第一次募集に合格しなかったときは、4月の後期選抜に出願できます
都立の通信制には、4月に行う後期選抜があります。令和9年度は、出願が2027年4月1日・2日、検査は学校ごとに4月4日〜6日、合格発表は4月9日です。
後期選抜で応募を認めないのは、第一次募集などの合格者です。つまり、都立全日制の第一次募集を受けて合格しなかった人は、後期選抜に出願できます。要綱では、検査日の違う都立の通信制高校にそれぞれ出願でき、都立の定時制課程にも出願できるとされています。ただし、複数合格しても入学手続ができるのは1校だけです。
注意点が2つあります。
- 要綱は、すでに国立・私立の高校で入学手続を終えている人には、以後の募集への出願を遠慮するよう求めています。私立の併願先に入学金を払って手続を済ませたあとで、都立の後期選抜に切り替えることは想定されていません。
- 後期選抜も、募集人員は年度ごとの「第一学年生徒募集人員」で決まります。後期選抜を「いつでも残る受け皿」と見込まず、その年度の資料で確かめます。
このため東京都で「都立全日制が第一志望、通信制も視野に入れたい」場合は、都立全日制の第一次募集 → 合格しなければ都立通信制の後期選抜か私立という順番で考えることになります。私立の併願先の手続をどこまで進めるかが、4月の選択肢に影響します。
神奈川県と大阪府では、私立に合格していると公立通信制の後半の募集に出せないことがあります
ほかの府県も同じ仕組みとは限りません。令和9年度の資料で確かめた神奈川県と大阪府は、どちらも公立の通信制を「前半の選抜」と「後半の選抜」の2段階で募集し、後半の選抜には「ほかの高校に合格していないこと」という条件を付けていました。
| 都府県 | 公立通信制の前半 | 後半の募集と条件 |
|---|---|---|
| 東京都 | 前期選抜(2月22日検査・3月1日発表)。全日制の第一次募集に出願する人は出願できない | 後期選抜(4月1日・2日出願)。第一次募集などの合格者は出願できない |
| 神奈川県 | 共通選抜(全日制と同じ選抜。2月16日検査・2月26日発表)。通信制は作文と調査書で選考し、定員の80%を募集 | 定通分割選抜(3月15日・16日検査、3月19日発表)。志願時に国公私立の高校に合格している人は、入学手続をしていなくても志願できない |
| 大阪府 | 一般入学者選抜(全日制と同じ選抜)。通信制は3月1日〜3日出願・面接。発表は全日制と同じ3月18日 | 二次入学者選抜(合格者が募集人員に満たない学校がある場合だけ実施。定時制・通信制は3月23日出願、3月25日発表)。国公私立のいずれの選抜にも合格していない人、または合格しても手続をせず入学の資格を失った人など |
出典:神奈川県「令和9年度神奈川県公立高等学校の入学者選抜募集案内」(日程・基本事項Q&A)/大阪府「令和9年度公立高等学校入学者選抜」(選抜方針・日程)(2026年9月21日確認)
神奈川県の資料は、公立の発表前に入学したい私立や国立の合格が決まった場合、公立の合格発表の前日正午までに、公立の志願を取り消す手続をするよう求めています。公立は合格発表のあとに追加合格を行わないためです。
この表から分かるのは、「私立の全日制に併願で合格しておき、公立がだめなら公立の通信制」という順番は、後半の選抜では成り立たないことがあるという点です。公立の通信制を考えるなら前半の選抜の段階で決めるか、私立の通信制を併願先にするか、を早めに考えておくと慌てずにすみます。
なお、大阪府は桃谷高校の通信制課程で秋の入学者選抜も行っています(令和9年度は9月に出願)。春だけが入り口ではありません。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

私立の通信制高校は「併願を受ける回」と「待ってもらえる期限」が学校ごとに違います
私立の通信制高校は、入学の時期や選考の回を複数設けている学校が多くあります。ただし、日程が柔軟なことと、どの全日制高校とも無条件に併願できることは別です。2027年度の募集要項を公式サイトで確かめた2校を並べます。
| 学校(2027年4月入学) | 併願の扱い | 併願の期限 |
|---|---|---|
| N高等学校など(学校法人角川ドワンゴ学園) | 出願は4期(第1期は2026年9月17日から、第4期は2027年2月9日まで)。単願・併願を選べる | 入学意思の回答は3月9日まで、学費の納入は3月18日まで |
| 賢明学院高校 通信制課程(大阪府堺市) | A日程・C日程は専願だけ。併願で出願できるのはB日程(2月20日試験)だけ。大阪府・兵庫県に住む人が対象 | 併願の入学手続は3月18日15時まで(専願は3月1日) |
出典:N高等学校・S高等学校・R高等学校「入学案内」/賢明学院 通信制課程「2027年度募集要項(新入学)」(2026年9月21日確認)
併願の支払い・手続の期限は、2校とも3月18日でした(N高等学校は、入学意思の回答が3月9日まで)。大阪府の公立の一般入学者選抜の合格発表も3月18日です。公立の発表と私立の期限が同じ日に重なることがあるので、発表の時刻と手続の時刻まで確かめておくと安心です。
見落としやすいのは、N高等学校の入学意思の回答(3月9日)が、大阪府の公立の発表(3月18日)より前に来ることです。支払いの期限だけを見ていると、公立の結果が出る前に回答の期限が過ぎてしまいます。回答の扱いは、候補校に直接たずねておくと確実です。
賢明学院高校は、出願の前に個別相談と事前面談を受けた人だけ出願を受け付けると書いています。また、一度払った検定料は返金できないとしています。このように、併願の条件は「出願の回」「事前の相談」「返金」の組み合わせで決まることがあります。
募集要項に出てくる言葉の意味も、学校や地域で少しずつ違います。一般的な意味と、確かめる点を並べておきます。
| 用語 | 一般的な意味 | 確かめる点 |
|---|---|---|
| 専願・単願 | 合格したらその学校に入学する前提の区分 | 他校を受けてよいか、辞退の条件 |
| 併願 | 他校の受検や結果待ちを認める区分 | 結果を待てる期限、延納の手続 |
| 推薦 | 学校長の推薦など、条件付きで出願する区分 | 推薦の条件、合格後の入学の義務 |
| 併願優遇 | 地域や学校によって使われる制度・運用 | 対象校、評定の基準、事前相談、確約の有無 |
全日制の私立でよく聞く併願優遇の仕組みは、高校受験の併願優遇の記事にまとめています。電話で確かめた内容は、担当部署・確認日・回答をメモし、大事なことはメールや書面でも確かめておきましょう。
日程表を1枚作ると、支払いが先に来る場面が見えてきます
併願で一番起こりやすいのは、第一志望の合格発表より先に、第二志望の入学手続の期限が来ることです。席を確保するには入学金などを納める必要があり、辞退しても返金されない場合があります。受検料だけで比べず、結果を待つために必要なお金まで確かめます。
| 日付 | 第一志望 | 第二志望 | 行動 |
|---|---|---|---|
| 出願の期限 | 願書・調査書 | ウェブ登録・書類 | 中学校からの発送日も確認 |
| 選考日 | 学力検査・面接 | 作文・面接など | 重なっていないか確認 |
| 合格発表 | 発表の日時 | 発表の日時 | 手続の期限との前後を見る |
| 入学手続 | 納入の期限 | 納入・延納の期限 | 金額と返金の条件を書き込む |
| 辞退の連絡 | 方法・期限 | 方法・期限 | 書面が必要か確認 |
日程が重なるときは、学校に「第一志望の発表日まで手続を延ばせるか」「延納の願い出が必要か」「一部の金額だけで席を保持できるか」をたずねます。答えが口頭だけなら、募集要項や手続の案内のどこに書いてあるかを示してもらいましょう。
学校へ送る問い合わせは、次のように年度・区分・日付を入れると、自分の条件に沿った答えが返ってきやすくなります。
「2027年度の○○選抜への出願を考えています。○○高校の○○選抜も受ける予定です。両方への出願はできますか。また合格した場合、第一志望の発表日(○月○日)まで入学手続を待っていただけますか。必要な申請、納める金額、辞退したときの返金の条件が書かれた資料を教えてください。」

お金は「受検料」「席を保持する費用」「入学後の年間の総額」に分けて比べます
通信制高校の授業料は、単位数で決まる学校が多く、全日制とは費用のしくみが違います。さらに、通信制高校とサポート校を一緒に使う場合は、それぞれに費用がかかります。併願のときに一時的に払うお金と、入学後の年間の総額を分けて比べてください。
- 受検料・選考料はいくらか。受けなかった場合に返金されるか
- 合格後に納める入学金はいくらか。いつまでに払うか
- 第一志望の結果まで延納できるか。申請の期限と手数料はあるか
- 辞退した場合、どの費用が返金されるか
- 授業料・施設費・教材費・端末代・スクーリング費の年間の総額
- 通信制高校とサポート校で、支払い先が分かれているか
国の高等学校等就学支援金は、2026年度から私立の通信制で1単位13,668円・年間337,200円まで、所得制限なしです。ただし対象は授業料だけで、入学金やサポート校の費用には使えません。また、申請した月から支給され、さかのぼりません(出典:文部科学省「高校生等への修学支援」)。「支援金適用後」の表示だけでなく、支給が始まるまでの立て替えの額も聞いておきましょう。
通信制高校の学費の全体像は、通信制高校の学費の記事で詳しく書いています。
通信制高校サポート校は卒業資格を出す学校ではないので「併願校」にはなりません
通信制高校は、高校教育を行い、単位の認定と卒業の判定をする学校です。一方、通信制高校サポート校は、在籍する通信制高校での学習や生活、進路を支える民間の教育施設で、サポート校だけでは高校卒業資格は取れません。
入学したあとに、全日制に在籍したまま通信制の科目を取ったり、サポート校を使ったりする形については、通信制高校 全日制 併用の記事で制度ごとに整理しています。
そのため、サポート校の利用の申し込みを「全日制高校との併願校」と同じ意味で扱うのは正確ではありません。高校卒業資格を取るための通信制高校への出願と、日々の支援を受けるためのサポート校の利用は、契約も役割も分けて確かめます。
| 項目 | 通信制高校 | 通信制高校サポート校 |
|---|---|---|
| 学籍 | 高校生として在籍する | 利用・所属するが、高校の学籍とは別 |
| 単位・卒業 | 単位の認定と卒業の判定をする | 学習を支えるが、単独で単位認定・卒業資格の授与はしない |
| 出願・選考 | 募集要項に沿って出願し、選考を受ける | 利用の申し込み。高校への出願は別に必要 |
| 費用 | 授業料・入学金・施設費など(授業料は就学支援金の対象) | 利用料など(就学支援金の対象外) |
サポート校の仕組みはサポート校とはの記事で詳しく説明しています。説明会の施設名と、募集要項に書かれた高校名が違うときは、学籍・単位認定・スクーリングの実施・契約先を1つずつ確かめてください。
状況によって、併願の組み立て方は4つのパターンに分かれます
全日制が第一志望で、私立の通信制を第二志望にする
最初に確かめるのは、私立の通信制高校の出願区分が併願を認めているかです。次に、全日制の合格発表まで通信制高校の席を待ってもらえるか、待つためにいくら必要かを確かめます。選考の回が複数ある学校では、早い回に出すほど安心材料にはなりますが、入学手続の期限も早まる可能性があります。
第二志望だからといって、学び方の確認を省かないことも大切です。第一志望が不合格だった直後に、はじめて通信制高校の仕組みを知るのでは判断が難しくなります。レポート、スクーリング、試験、ふだんの支援、登校の回数を先に確かめ、「進学することになっても納得できる学校」に絞ります。
公立の通信制と、都立・県立の全日制を考える
同じ自治体が行う選抜では、東京都のように同時に出願できない組み合わせや、神奈川県・大阪府のように「ほかに合格していると後半の選抜に出せない」条件があります。教育委員会の実施要綱と、定時制・通信制の入学案内を読み、中学校の進路の先生に日程を伝えてから願書を出しましょう。
私立の通信制高校どうしを比べる
私立の通信制高校は、学校ごとに選考方法、入学の時期、学習の拠点、コースが大きく違います。複数の学校に相談・見学することと、正式に複数へ出願することは分けて考えましょう。出願前に体験や個別相談で候補を絞れば、受検料や手続のお金が重なるのを減らせます。
全日制に入学してから、通信制に移ることも考える
入学前の併願と、入学後の転入・編入は別の手続です。転入は在籍を切らさずに別の高校へ移ること、編入は退学したあとに改めて入ることを指し、転入なら前の学校の単位と在籍期間を引き継げます。先に退学すると扱いが変わる可能性があるため、今の学校と受け入れ先の両方に確かめてから進めます。流れは通信制高校への転入・編入の記事にまとめています。
全日制に進んでみる選択そのものは間違いではありません。ただ「合わなければすぐ移ればいい」と軽く考えず、転入を受け付ける月、必要な書類、卒業の見込みの時期を先に知っておくと、困ったときに急いで退学せずにすみます。
よくある失敗は「古い年度の情報」と「手続の期限の見落とし」です
古い年度の情報で願書を準備する
入試の制度、選考日、必要な書類は年度ごとに変わります。検索で上に出た記事が、今年度向けとは限りません。募集要項の表紙の年度、更新日、訂正の案内を確かめます。
「併願可」だけ見て、手続の期限を確かめない
願書を出せても、第一志望の発表前に入学金を納める必要があれば、家計に影響します。延納・返金の条件まで含めて判断してください。
サポート校を卒業資格の出る高校だと思う
パンフレットや施設名だけで判断せず、学籍を置く高校の正式名称、単位を認定する学校、卒業証書に書かれる学校名を確かめます。高校の費用とサポート校の費用も分けます。
比べる学校を増やしすぎる
安心のために候補を増やしても、情報が整理できなければ本人の不安が強くなります。最初は「卒業資格」「続けやすさ」「費用」の3つで候補を3校ほどに絞り、そのあとで活動や進路の支援を比べます。
本人の状態を置いたまま、制度だけで決める
制度の上で併願できても、複数の説明会・選考・手続が本人の負担になることがあります。選択肢を増やす目的と、いまの体調や生活のリズムを比べ、必要なら保護者が先に情報を整理します。
中学校と候補校には、同じ10の質問をそろえて聞きます
併願の条件は複雑に見えますが、聞くことをそろえれば整理できます。同じ質問をすべての候補校に聞き、答えを横に並べてください。
- この選抜区分で、ほかの全日制・通信制高校に同時に出願できますか。
- 推薦・専願・単願に当たりますか。合格したら入学する義務はありますか。
- 第一志望の合格発表日は、入学手続の期限より前ですか。
- 結果を待つための延納の制度はありますか。申請はいつまでですか。
- 席を保持するために、いつ、いくら納める必要がありますか。
- 辞退した場合、入学金・授業料・施設費は返金されますか。
- 学籍を置き、高校卒業資格を出す学校の正式名称は何ですか。
- 入学前に個別相談や面談を受ける必要がありますか。
- スクーリングの場所、年間の予定、宿泊、欠席したときの振り替えはどうなりますか。
- 中学校からの調査書や推薦書は、いつまでに必要ですか。
「大丈夫です」「例年問題ありません」という答えだけで決めず、今年度の募集要項のどこに書かれているかを確かめます。書面に見当たらない場合は、学校の入試の担当部署に直接たずねてください。
保護者は卒業資格や進路、費用を、本人は登校の負担や先生との距離、友人関係を重く見ることがあります。どちらかを説得する前に、それぞれが避けたいことと得たいことを書き出してみてください。第一志望と第二志望の順番を早く決めることより、「どこなら続けられそうか」を言葉にすることが先です。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
NIJIN高等学院(ニジ高)は、株式会社NIJINが運営するオンライン中心の通信制高校サポート校で、NIJINアカデミーの高等部という位置づけです。全国どこからでも通え、担任がつきます。カメラ・マイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。
併願を考えている人に向けて、先に正直な注意点を書きます。
- ニジ高は高校ではありません。高校卒業資格は、提携する通信制高校で取ります。出願や選考、併願の扱いも、提携する通信制高校の募集要項で決まります。
- ニジ高の中でのスクーリングはありません。提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要で、ニジ高はその参加を支援します。
- 費用は、提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかり、ニジ高の分に就学支援金は使えません。金額は学費のご案内をご覧ください。
そのうえで、生活リズムに波があっても学べるよう、授業のアーカイブ視聴や中学内容の学び直しに対応しています。途中入学(転入・編入)ができ、出願費用は無料です。不登校の生徒を650名以上サポートしてきた実績があります(グループ全体)。
「第一志望の結果を待つあいだに、通信制の学び方も知っておきたい」という段階で話を聞いておくと、3月に慌てずにすみます。よく寄せられる質問はよくある質問にもまとめています。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- その年度の資料を集める。住んでいる都道府県の教育委員会の実施要綱と、候補の私立の募集要項を保存し、年度と更新日を確かめます。本人がしんどい日は、保護者が集めるだけで十分です。
- 日付を1枚に並べる。出願・選考・合格発表・入学手続・辞退の期限を、第一志望と第二志望で横に並べます。「公立の後半の選抜に出せる条件」と「私立の併願の期限」が、どちらが先に来るかを見ます。
- 空いた欄だけを学校に聞く。空欄のままの項目は「問題なし」ではなく「未確認」です。卒業資格・出願資格・入学手続・返金に関わる欄が空いているうちは、支払いを急がないでください。


第一志望の結果を待つあいだに、通信制の学び方も聞いておく
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校で、カメラ・マイクをオフにしたチャット参加から始められます。ただし学院は高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、出願・選考やスクーリングへの参加はその高校側で必要です。併願の日程を整理する段階からご相談ください。
よくある質問
A. いつでもではありません。都道府県、公立か私立か、選抜の区分、学校の募集要項で変わります。たとえば東京都の令和9年度の要綱では、都立全日制の第一次募集に出願する人は、都立通信制の前期選抜に出願できません。
A. 前期選抜は1校だけです。4月の後期選抜では、検査日の違う都立の通信制高校にそれぞれ出願でき、都立の定時制課程にも出願できます。ただし複数合格しても、入学手続ができるのは1校だけです。
A. 地域によってはできません。神奈川県の定通分割選抜は、国公私立の高校に合格している人は入学手続をしていなくても志願できません。大阪府の二次入学者選抜も、ほかの選抜に合格していない人(合格しても手続をせず入学の資格を失った人を含む)などが対象で、実施するのは合格者が募集人員に満たない学校がある場合だけです。東京都は、国私立で入学手続を終えた人に以後の募集への出願を遠慮するよう求めています。
A. 学校ごとに違います。確かめた2027年度の2校では、N高等学校は併願の学費納入が3月18日まで(入学意思の回答は3月9日まで)、賢明学院高校の通信制課程は併願の入学手続が3月18日15時まででした。ほかの学校も同じとは限らないので、候補校の募集要項で確かめてください。
A. ふつうは同じ意味では扱いません。サポート校は高校卒業資格を出す学校ではなく、在籍する通信制高校での学習や生活を支える場です。併願として考えるのは、卒業資格を出す通信制高校のほうです。
併願は「落ちたときの保険」より、「どこでも続けられる準備」です
併願を考えるのは、不安だからだと思います。第一志望に届かなかったらどうしよう、行く場所がなくなったらどうしよう。その不安は、とても自然なものです。
ただ、併願先は「受かるための場所」であると同時に、「進学したら毎日を過ごす場所」でもあります。要綱と募集要項で条件を確かめ、日付を1枚に並べておけば、どちらの結果になっても次の一歩を落ち着いて選べます。
今日すべてを決めなくて大丈夫です。まずは、住んでいる都道府県の今年度の要綱を1つ開くところから始めてみてください。

併願先を決める前の、情報を整理する段階から相談できます
全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付
通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。
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