発達障害の高校生に親はどう接する?|家での対応・配慮の頼み方・進路【2026】

この記事は、2026年10月19日に、e-Gov法令検索の発達障害者支援法・障害者差別解消法・学校教育法施行規則・民法、文部科学省の「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」「令和6年度 通級による指導実施状況調査」「令和7年度 通信制高等学校実態調査」、文部科学省の障害者差別解消法の対応指針を実際に開いて確かめ、書き直したものです。

「高校生になってから、特性による困りごとが目立ってきた」「どこまで口を出して、どこから任せればいいのか分からない」「このまま今の高校でいいのか、進路をどう考えればいいのか」。発達障害(ASD・ADHD・LDなど)のあるお子さんを育てている保護者の方から、高校生の時期によく聞く悩みです。小中学校のころと同じ関わり方が通じなくなり、親として自信をなくしてしまうのは、ごく自然なことです。結論から書くと、高校生への接し方の軸は「本人を変える」より「環境と伝え方を変える」ことと、少しずつ「本人が選び、本人が頼む」形へ移していくことです。学校での配慮は、公立も私立も法律で提供が求められていますが、本人や家族からの申し出が出発点になります。進路は、全日制・定時制・通信制・特別支援学校高等部など、制度の違いを知ったうえで、本人に合う環境を選ぶことができます。

今の高校に毎日通うことが負担になっている場合や、家で学びながら自分らしい高校生活を探している場合は、オンラインという選択肢もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、全国の仲間とオンラインでつながり、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事に挑戦できます。発達特性や障害を、本人を変えるのではなく学びの構造や環境を変えることで支援する、という考え方を取っています。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、全国にNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のリアルの教室があり、リアルでの通学もご検討いただけます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です。どんな学校なのかは、校長・星野達郎のYouTubeでも見られます。小中学生のお子さんのことなら、NIJINアカデミーもあります。

目次

結論:発達障害のある高校生への接し方と進路の早見

  • 困りごとは「本人の努力不足」ではなく、特性と環境のずれから生まれると考えます。発達障害者支援法は、日常生活の制限を「発達障害及び社会的障壁」によるものと定義し、支援は社会的障壁を取り除くことを旨とする、としています。
  • 家での接し方は「短く・具体的に・見える形で」が基本です。叱る回数を増やすより、予定の見える化や声かけの仕方を変えるほうが、親子ともに楽になりやすいです。
  • 高校生の時期は、親が決めることを少しずつ減らし、本人が選ぶ・頼む練習を増やします。民法では18歳で成年になり、高3の途中で多くの子が成人を迎えます。
  • 学校の配慮は、申し出から始まる仕組みです。障害者差別解消法で、公立学校も私立学校も合理的配慮の提供が求められます(私立などの事業者は2024年4月1日から義務)。家族が本人を補佐して伝えることもできます。
  • 高校で支援を受けている生徒は、まだ多くありません。文部科学省の調査では、高校で学習面か行動面に著しい困難があるとされた生徒のうち、授業中に教室内で個別の配慮を受けていたのは18.2%でした。
  • 進路は「どの制度の学校で、どんな環境で学ぶか」で比べます。通信制高校や特別支援学校高等部からも大学を目指せます。
  • 家庭だけで抱えず、通信制高校やサポート校など環境を変える選択肢も知っておくと気持ちが軽くなります。オンライン中心のサポート校もその1つです(正直な注意点は後半に書きます)。
オンラインで学ぶNIJIN高等学院の生徒

NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制サポート校です。全国どこからでも。カメラ・マイクはオフのままで大丈夫です。

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「どう接すればいいか分からない」と感じるのは、高校生になって支え方の形が変わる時期だからです

小中学校のころは、宿題の確認や持ち物の準備、先生との連絡など、親が手を貸すことで回っていた部分が多かったはずです。ところが高校生になると、本人は「自分でやりたい」「親に口を出されたくない」と感じる年ごろになり、学校も、生徒が自分で動くことを前提に仕組みが作られています。親が手を貸せば反発され、手を引けば崩れてしまう。その板ばさみで疲れてしまう保護者の方は少なくありません。

高校では、学習の量も人間関係の複雑さも増えます。時間割が科目ごとに変わる、提出物の期限が先生ごとに違う、グループでの話し合いが増える、といった変化は、見通しを立てるのが苦手な子や、複数のことを同時に進めるのが苦手な子にとって大きな負担になります。困りごとが高校生になって目立ってきたのは、本人が悪くなったからではなく、求められることが変わったからだと考えられます。

また、高校生の時期は、思春期の気持ちの揺れと重なります。自分が周りと違うことに気づき、「自分だけおかしいのでは」と落ち込む子もいます。親が「どうしてできないの」と言いたくなる場面ほど、本人も同じことを自分に言っていることが多いものです。この記事では、まず法律と国の調査で分かっていることを整理し、そのうえで家庭での接し方、学校への頼み方、進路の選び方を順に書いていきます。

ダイニングテーブルで向かい合い、落ち着いて話す母親と高校生の息子
困りごとは、責める場ではなく、落ち着いて話せる時間に聞くと話しやすくなります。

発達障害者支援法は、困りごとを「特性」と「社会的障壁」の両方から生まれるものとしています

発達障害の考え方の土台は、発達障害者支援法にあります。第2条は、発達障害を「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定めています。そして発達障害者を、発達障害がある人で「発達障害及び社会的障壁により日常生活又は社会生活に制限を受けるもの」としています。

ここで大事なのが「社会的障壁」という言葉です。同じ条の3項では、社会的障壁を、日常生活や社会生活を送るうえで障壁となる「社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のもの」と定義しています。つまり法律は、困りごとを本人の特性だけで説明せず、周りの仕組みや慣習、考え方の側にもある、と捉えています。第2条の2では、支援は「社会的障壁の除去に資することを旨として」行うこと、本人の「意思決定の支援に配慮しつつ」切れ目なく行うことが基本理念とされています。

この考え方は、家庭での接し方にもそのまま使えます。たとえば「何度言っても忘れ物をする」なら、本人に「気をつけなさい」と言い続けるより、玄関に持ち物の写真を貼る、前の晩に一緒に確かめる時間を決める、といった環境の側を変えるほうが、困りごとは小さくなりやすいです。

発達障害者支援法の条文 書かれていること 親にとっての意味
第2条 発達障害の定義。制限は「発達障害及び社会的障壁」による 困りごとは本人だけの問題ではない
第2条の2 支援は社会的障壁の除去を旨とし、意思決定の支援に配慮して切れ目なく行う 環境を変え、本人の選ぶ力を支える
第8条 国と自治体は、特性を踏まえた教育的支援、個別の教育支援計画などの作成の推進を行う。18歳以上で高校に在学する人も含む 高校でも支援を求めてよい
第13条 都道府県と市町村は、家族に相談・情報提供・助言、家族同士が支え合う活動の支援を行うよう努める 親も支援を受けてよい
第14条 発達障害者支援センターは、本人と家族などからの相談に応じ、情報提供や助言を行う 親だけで相談に行ける窓口がある

第8条には、支援の対象として「十八歳以上の発達障害者であって高等学校、中等教育学校及び特別支援学校並びに専修学校の高等課程に在学する者」も含むと、かっこ書きで書かれています。高校生の間は、18歳を過ぎても教育の支援の対象になる、ということです。

※2026年10月19日時点の情報です。最新は公式でご確認ください。(e-Gov法令検索 発達障害者支援法・2026年10月19日確認)

高校で支援を受けている生徒は、小中学校よりずっと少ないのが現状です

文部科学省は2022年に、通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査の結果を公表しました(令和4年12月13日公表・2026年10月19日確認)。公立の高校(全日制・定時制の1〜3年次)では、学級担任などの回答から「知的発達に遅れはないものの学習面又は行動面で著しい困難を示す」とされた生徒は、推定で2.2%でした。小学校・中学校は8.8%です。

この調査には大事な注意書きがあります。結果は学級担任などの回答に基づくもので、医師の診断によるものではなく、発達障害のある生徒の割合を示すものではない、とされています。そのうえで、困難があるとされた生徒が、実際にどんな支援を受けているかも調べています。

困難があるとされた児童生徒が受けている支援 小学校・中学校 高等学校
校内委員会で支援が必要と判断されている 28.7% 20.3%
授業中に教室内で個別の配慮・支援を受けている(座席の配慮、個別の課題の工夫など) 54.9% 18.2%
授業時間以外の個別の配慮・支援を受けている(補習、宿題の工夫など) 29.1% 17.2%
個別の教育支援計画が作られている 18.1% 10.5%
通級による指導を受けている 10.6% 5.6%

出典:文部科学省「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」(令和4年12月13日)の表7・8・10・13・15(いずれも推定値)。

授業中に教室内で個別の配慮を受けている割合は、小中学校の54.9%に対して、高校では18.2%でした。小中学校で受けていた支援が、高校に上がると途切れてしまうことがある、と読める数字です。だからこそ、高校では「黙っていても配慮される」と考えず、本人と家族から学校に伝えることが大切になります。

高校にも、通常の授業の大部分を受けながら、一部だけ障害に応じた特別の指導を受ける通級による指導があります。文部科学省の通知によると、高校の通級は2018年(平成30年)4月1日から始まり、その単位は年間7単位を超えない範囲で卒業に必要な単位に加えることができます。令和6年度 通級による指導実施状況調査(2026年10月19日確認)では、高校で通級を受けた生徒は国公私立で2,930人(平成30年度は508人)、公立では2,864人で、通級を受ける生徒がいる公立高校は473校、公立高校全体の13.6%でした。年々増えていますが、どの高校でも受けられるわけではありません。

学習面か行動面で著しい困難があるとされた児童生徒のうち、授業中に教室内で個別の配慮を受けている割合が、小学校・中学校の54.9%に対して高校では18.2%にとどまることを示す図
出典:文部科学省「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」(令和4年12月13日公表・2026年10月19日確認)。学級担任などの回答による推定値で、医師の診断によるものではありません

家での接し方は、叱る回数を増やすより「伝え方と環境」を変えるほうが続きます

発達特性のある高校生への接し方に、全員に当てはまる正解はありません。ASDのある子とADHDのある子では困りごとが違いますし、同じ診断名でも一人ひとり違います。そのうえで、多くの家庭で取り入れやすい考え方は、「本人に頑張らせる」部分を減らし、「仕組みで助ける」部分を増やすことです。

たとえば、口で何度も言うより、紙やスマートフォンのメモに書いて見える場所に置く。「ちゃんとしなさい」のような抽象的な言葉より、「8時までにかばんを玄関に置く」のように、いつ・何を・どうするかを1つずつ伝える。予定が変わるときは、前もって知らせる。できたことは、その場で短く認める。どれも特別な技術ではありませんが、続けると親子のやりとりがぶつかりにくくなります。

よくある場面 言いがちな対応 環境・伝え方を変える対応の例
朝起きられない・準備が遅い 「何回起こせばいいの」と繰り返す 起きる時刻と出る時刻だけを短く伝える。続くなら体の不調も疑い、医療機関に相談する
課題や提出物が進まない 「早くやりなさい」 「最初の1問だけ」「15分だけ」と区切る。提出の期限を本人と一緒にカレンダーに書く
予定の変更でパニックになる 「それくらいで騒がないの」 分かった時点で予告する。変わる点と変わらない点を分けて伝える
感情が高ぶって言い合いになる その場で理由を問いただす 落ち着くまで言葉を減らし、話し合うのは時間をおいてからにする
進路の話を避ける 「将来どうするの」と迫る 話す日時を予告し、選択肢を紙に書き出して一緒に眺める

うまくいかない日があっても、それは親の失敗ではありません。言い換えが続かない日、つい強く言ってしまう日は誰にでもあります。場面ごとの声かけの言い換えは、発達障害 声かけ 接し方の記事に、具体的な例をまとめています。

高校生の時期は、親が「決める人」から「一緒に考える人」へ立つ位置を変えていきます

高校生への接し方で、小中学校のころと一番違うのは、本人が自分で選び、自分で頼む力を育てていく時期だという点です。民法第4条は「年齢十八歳をもって、成年とする」と定めています。多くの子は高3の途中で成人になり、契約などを自分ひとりでできるようになります。卒業後の進学先や職場では、配慮を求めるのも本人になる場面が増えていきます。

そのため、高校生のうちから、少しずつ役割を本人に移していくのが現実的です。いきなり全部を任せるのではなく、「親が決める」→「親が案を出して本人が選ぶ」→「本人が決めて親が確かめる」→「本人が決めて必要なときだけ相談する」と段階を踏むと、本人の負担も親の不安も小さくなります。

やること 親が手放していくこと 親が続けること
毎日の予定・提出物 毎日の声かけと確認 仕組み(カレンダー・メモ)を一緒に作る
学校への配慮の相談 親だけで先生に頼むこと 本人と一緒に話す場に同席し、言葉にするのを手伝う
体調・通院 予約や服薬の管理を全部引き受けること 体調の変化に気づいたら声をかける
進路 親が行き先を決めること 情報を集め、選択肢を並べて一緒に見る

自分の得意なことと苦手なこと、困ったときに助けになる工夫を、本人が言葉にできるようになることは、進学や就職のときの大きな力になります。親ができるのは、その言葉を一緒に探すことです。高校生になってからの関わり方の変え方や、18歳の区切りについては、発達障害 高校生 親の関わり方の記事でも詳しく書いています。

机の上で色つきの付せんを並べて1週間の予定を整理する高校生の手元
予定や期限は、目に見える形にすると本人も家族も確かめやすくなります。

学校での配慮は、公立も私立も法律で求められています。ただし申し出から始まります

障害者差別解消法は、第7条第2項で行政機関等(公立の学校を設置する自治体など)に、第8条第2項で事業者(私立の学校など)に、障害のある人から「現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合」に、負担が重すぎないときは「必要かつ合理的な配慮をしなければならない」と定めています。内閣府のページによると、事業者にもこの提供を義務とした改正法は、2024年(令和6年)4月1日に施行されました(2026年10月19日確認)。

文部科学省の対応指針(令和6年1月17日の通知で改正・2026年10月19日確認)は、意思の表明について、本人からだけでなく、障害の特性などで本人が伝えるのが難しい場合には、家族などが「本人を補佐して行う意思の表明も含む」としています。また、障害者に当たるかどうかは個別に判断され、「いわゆる障害者手帳の所持者に限られない」とも書かれています。配慮の中身は、学校と本人・家族の「建設的対話」で決めていく考え方です。

対応指針にある学校での配慮の例 発達特性のある高校生だと、たとえば
入学試験などで、別室での受験、試験時間の延長、音声読み上げ機能の使用などを許可する 周りの音が気になる子の別室受験、読みに時間がかかる子の時間延長
読み書きに困難のある児童生徒に、読みやすい字体の資料、タブレット端末などの使用、口頭試問への切り替え LDのある子が板書を写す代わりに撮影する、タブレットで書く
人前での発表が困難な児童生徒に、代わりにレポートを課す、録画した発表を使う 強い不安がある子の発表の形を変える
対人関係の形成に困難があったり、意思を伝えるのに時間がかかる児童生徒に、活動時間を十分に取り、個別に対応する グループ活動で役割をはっきり決める、答えるまで待つ

出典:文部科学省「文部科学省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針」別紙の例(左の列)。右の列は、例を高校生の場面に当てはめた一例で、どの学校でも同じ配慮が受けられるという意味ではありません。

配慮を頼むときは、「困っている場面」「本人が試した工夫」「お願いしたいこと」の3つを、短く紙にまとめて担任や特別支援教育コーディネーターに渡すと、話が具体的になりやすいです。中学校で受けていた配慮があれば、その内容を書いておくと、高校側も検討しやすくなります。対応指針も、合理的配慮は事業の目的・内容・機能の本質的な変更には及ばない、としているので、「何でも認めてもらえる」わけではありません。合わないときは、別の方法を一緒に考える、という姿勢で話すと進みやすくなります。

※2026年10月19日時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

学校での合理的配慮は、本人や家族による意思の表明から始まり、学校との建設的対話で中身を決め、障害者手帳の所持者に限られないことを3枚のカードで示した図
出典:e-Gov法令検索「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」、内閣府、文部科学省 対応指針(2026年10月19日確認)

進路は「どの制度の学校か」と「どんな環境で学ぶか」の2つで比べると選びやすくなります

今の高校が合わないと感じたとき、あるいは中学生のうちに高校を選ぶとき、選択肢は1つではありません。文部科学省の大学入学資格のページ(2026年10月19日確認)では、高校を卒業した人のほか、特別支援学校の高等部を修了した人も、学校教育法第90条第1項により大学の入学資格がある、とされています。どの道を選んでも、その先の進学の道が閉ざされるわけではありません。

学校の種類 学び方の特徴 合いやすい子の例 確かめたいこと
全日制高校 毎日通学・時間割で集団授業 集団の生活リズムが合う、通級や配慮が受けられる学校がある 通級の有無、配慮の相談先
定時制高校 授業の時間帯(夜間・昼間など)や1日の授業時間は学校によって違う 少人数や短い時間なら通える 時間帯、通学の負担
通信制高校 レポート・スクーリング・試験で単位を取る。登校日数は学校で違う 自分のペースで学びたい、集団が負担 スクーリングの形と日程、質問や相談の仕組み
特別支援学校高等部 障害に応じた教育。修了で大学入学資格もある 生活や就労に向けた手厚い支援が合う 入学の対象となる障害、教育課程

通信制高校は、学校を休んでいた期間がある生徒が多く学ぶ場でもあります。文部科学省の令和7年度 通信制高等学校実態調査(2026年10月19日確認)では、2025年度の通信制高校の入学者77,998人のうち、中学3年生のときに不登校だった生徒は44,461人(57.0%)でした。スクールカウンセラーに相談できる体制を整えている学校は、323校中273校です。

一方で、通信制高校は自分で計画を立てて進める部分が大きく、スクーリングの形や支援の手厚さは学校によってかなり違います。発達特性のある子にとっては、「登校が少なくて楽」になる面と、「ひとりで進めるのが難しい」面の両方があります。特性ごとの合い方は、ADHD 通信制高校とASD 通信制高校の記事、学校選びの6項目は通信制高校 発達障害の記事、進学先5種類と入試の配慮は発達障害 高校進学の記事で詳しく書いています。

よくある誤解は「診断がないと配慮されない」「環境を変えるのは逃げ」「親が全部決めるべき」の3つです

誤解1:診断書や手帳がないと、配慮は受けられない

文部科学省の対応指針には、障害者に当たるかどうかは個別に判断され、障害者手帳を持っている人に限られない、と書かれています。学校が配慮を考えるために、必要な範囲で障害の状況を確かめることはありますが、まずは困っている場面を具体的に伝えて相談することから始められます。診断の有無で迷っている場合は、発達障害 グレーゾーン 高校生の記事も参考にしてください。診断や服薬など医療の判断は、主治医や専門機関に相談してください。

誤解2:今の学校をやめたり、環境を変えたりするのは「逃げ」だ

発達障害者支援法が、支援を「社会的障壁の除去」を旨として行うとしているように、困りごとは環境とのずれで大きくも小さくもなります。合わない環境で頑張り続けることだけが正解ではありません。ただし、転校や退学には単位や時期の確認が要ります。辞めたいと感じたときの確かめ方は、発達障害 高校 辞めたいの記事にまとめています。

誤解3:子どものためには、親が進路を決めてあげるべきだ

発達障害者支援法の基本理念には、本人の「意思決定の支援に配慮」することが書かれています。親が情報を集めて選択肢を並べることは大きな支えですが、最後に選ぶのが本人であるほど、その後の学校生活は続きやすくなります。本人が決めきれないときは、「どれなら試せそうか」を聞き、見学や体験から始めると負担が小さくなります。

親自身が疲れたときは、家族向けの相談先を使ってかまいません

発達障害者支援法の第13条は、都道府県と市町村に、発達障害者の家族への相談・情報提供・助言や、家族同士が支え合う活動の支援を行うよう努めることを求めています。第14条の発達障害者支援センターは、本人だけでなく家族などからの相談にも応じる機関です。お住まいの地域のセンターは、国立障害者リハビリテーションセンターの発達障害者支援センター・一覧で探せます(2026年10月19日確認)。同じページには、地域によって事業の内容が違うこと、まずは住んでいる地域を担当するセンターに問い合わせてほしいことが書かれています。

相談したいこと 相談先の例
学校での配慮・通級・授業のこと 担任、特別支援教育コーディネーター、スクールカウンセラー
家庭での関わり方、地域の支援のこと 発達障害者支援センター、市区町村の福祉や子育ての窓口
診断・服薬・体調のこと 主治医、医療機関
進路・転校のこと 今の学校の先生、進学先の候補の学校の相談会
本人がつらくて、夜間や休日に話したいとき 文部科学省の24時間子供SOSダイヤル

親が休むことは、子どもを放っておくことではありません。親が少し余裕を取り戻すと、家の空気がやわらぎ、本人も話しやすくなることがあります。子育てがつらいと感じたときの相談先と休み方は、発達障害 子育て 辛いの記事にまとめています。卒業後の進学や就労の支援は、発達障害 高校生 将来の記事も参考にしてください。

選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)

NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも、海外からも通え、担任制で、1クラス8人のクラスで学びます。カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。生活リズムに波があっても学べるように、中学の内容の学び直しや授業のアーカイブ視聴に対応しています。希望する生徒には、スタッフが1対1で伴走する支援もあります。

ニジ高は、発達特性や障害を、本人を変えるのではなく学びの構造や環境を変えることで支援する、という考え方を取っています。一律の基準にその子を当てはめるのではなく、いまできることの少し先に合う課題を置き、その子の個性が輝くように学びの組み立てそのものを変えていきます。毎週火曜13時の全校ホームルームや、メタバースの校舎で担任や同級生と集まるクラス会議、生徒が企画する行事やサークルもあり、オンラインでも仲間とつながる場があります。制服や頭髪の決まりはありません(よくある質問)。

正直な注意点もあります。

  • ニジ高は高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取り、単位や調査書もその高校のものになります。今の通信制高校に在籍したまま、ニジ高を併用する形もあります。
  • 提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。スクーリングの形や日程は高校によって違い、地元の会場で受けられる場合もあります。ニジ高がするのは日程の調整と準備の支援で、スクーリングにスタッフは付き添いません。人の多い場所や初めての場所が苦手な子は、事前に形や日程を確かめておくと安心です。
  • 費用は、在籍する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかります。就学支援金は高校の授業料に使える制度で、ニジ高の分には使えません。金額は学費のご案内でご確認ください。
  • オンライン中心なので、毎日通う場所がほしい子には合わない場合があります。全国にNIJINアカデミーのリアルの教室があり、相談のうえで通うこともできます(キャンパス)。
  • 診断や服薬など医療の判断は、主治医や専門機関に相談してください。ニジ高は学びの環境を整える場です。

サポート校と通信制高校それぞれに頼めることの違いは、サポート校 発達障害の記事に詳しく書いています。

迷ったときの進め方(3ステップ)

  1. 困っている場面を3つ書き出す:「朝」「提出物」「人間関係」など、場面ごとに、何が起きているか、本人が試した工夫は何かを短く書きます。親の目線と本人の目線で分けて書けると、話し合いの材料になります。
  2. 今の学校に、配慮と通級のことを聞いてみる:書き出した紙を持って、担任や特別支援教育コーディネーターに相談します。できれば本人も同席し、言葉にするのを親が手伝う形にします。今の学校でできることが分かると、環境を変えるかどうかを落ち着いて判断できます。
  3. 環境を変える選択肢も、話を聞いて比べる:通信制高校やサポート校を考えるなら、スクーリングの形、質問や相談の仕組み、費用を比べます。ニジ高の体験説明会・個別相談は、オンライン・無料で、保護者の方だけでも参加でき、カメラやマイクはオフでかまいません。入学を決めていない段階の相談もできます。
紅葉した公園の道を並んで歩く父親と高校生の娘の後ろ姿
進路の話は、急がず、本人の考えを聞きながら少しずつ進めます。
オンラインで学ぶニジ高の生徒

お子さんに合う学びの環境を、一緒に考えられます

ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。担任制で、カメラオフ・チャット参加から始められ、学び直しやアーカイブ視聴、希望者には1対1の伴走があります。高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。個別相談会は保護者の方だけでも参加できます。

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よくある質問

Q. 高校生の子どもに、発達障害のことをどう伝えればいいですか?

A. 伝える時期や言葉は、本人の様子や主治医の考えによって違うので、主治医や支援者と相談しながら決めるのが安心です。伝えるときは、診断名よりも「あなたはこういうことが得意で、こういう場面で疲れやすい。だからこういう工夫をすると楽になる」という形で、困りごとと工夫をセットで話すと、本人が受け止めやすくなります。

Q. 高校に配慮をお願いしたら、迷惑をかけるのではと心配です。

A. 障害者差別解消法は、本人や家族からの申し出があった場合に、負担が重すぎない範囲で必要かつ合理的な配慮をすることを、公立の学校にも私立の学校にも求めています。申し出は特別なわがままではなく、法律が想定している手続きです。配慮の中身は学校との対話で決めるので、困っている場面を具体的に伝えるところから始めてみてください。

Q. 高校でも通級による指導は受けられますか?

A. 高校の通級は2018年度に始まり、令和6年度には公立高校の13.6%(473校)で通級を受ける生徒がいました。単位は年間7単位まで卒業の単位に加えられます。ただし、実施している学校は限られているので、今の学校や進学先の候補に、通級があるか、ない場合はどんな配慮ができるかを聞いてみてください。

Q. 通信制高校に移ると、大学進学は難しくなりますか?

A. 通信制高校を卒業すれば、高校卒業として大学の入学資格があります。特別支援学校の高等部を修了した場合も同じです。ただし、受験の準備や科目の選び方は学校によって支え方が違います。大学入試での受験上の配慮については、発達障害 大学進学の記事にまとめています。

Q. 18歳になったら、親はもう関われなくなりますか?

A. 民法では18歳で成年になり、契約などを本人がひとりでできるようになります。ただ、発達障害者支援法は、18歳以上でも高校に在学している人を教育の支援の対象に含め、家族への支援も定めています。親が関わり続けることはできますが、役割は「代わりに決める」から「一緒に考える」へ少しずつ移していくのが現実的です。手当や医療費など、お金の制度の切り替わりは発達障害 高校生 手当の記事で確かめられます。

親が全部を背負わなくていい。環境を少し変えるところから始めてみてください

発達障害のある高校生への接し方に、完璧な答えはありません。法律が困りごとを「特性」と「社会的障壁」の両方から捉えているように、うまくいかないのは、お子さんの努力不足でも、親の育て方のせいでもありません。家の中の伝え方を1つ変える、学校に1つ相談してみる、合う環境を1つ調べてみる。その小さな一歩が、本人の過ごしやすさにつながっていきます。

進路も、今日決めなくてかまいません。お子さんの得意なこと、疲れやすい場面を一緒に言葉にしながら、選べる道を少しずつ並べていけば十分です。迷ったときは、ひとりで抱えずに、学校や相談先、そして気になる学校の相談会を頼ってください。

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