お子さんが通信制高校に進むことになった。あるいは、候補として本気で考え始めた。そんな保護者の方が最初に戸惑うのは、「何を、いつまでに、誰に聞けばいいのか」が見えないことではないでしょうか。全日制の高校受験なら学校の先生や周りの家庭から自然に入ってくる情報が、通信制高校では入ってきにくいからです。
先に結論を書きます。入学前に保護者がすることは、「手続きの順番を知る」「お金を払う時期と支援の対象を分けて準備する」「家での役割を決めすぎない」の3つに整理できます。とくにお金は、国の就学支援金が申請しないと受け取れないこと、対象は授業料だけでサポート校の費用には使えないこと、支給が決まるまで授業料をいったん払う学校があることを知っておくだけで、入学直前の慌てがかなり減ります。
この記事は、文部科学省の就学支援金・奨学給付金の資料と「令和7年度 通信制高等学校実態調査」、東京都教育委員会の入試日程・授業料のページ、私立の通信制高校の募集要項を、2026年9月27日に実際に開いて確かめた内容で書いています。確かめられなかったことは、そう書きます。
今の学校に通い続けるのが難しい場合や、もっと自分らしい高校生活を探している場合は、オンラインという選択肢もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、全国の仲間とオンラインでつながり、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事に挑戦できます。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、全国にNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のリアルの教室があり、リアルでの通学もご検討いただけます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です。どんな学校なのかは、校長・星野達郎のYouTubeでも見られます。
結論:通信制高校の入学前に保護者がすることの早見
- 手続きは「説明会・相談→出願→合格→入学手続き→4月の支援金の申請」の5段階です。公立は出願の時期が決まっており、東京都立の通信制の前期選抜(2027年4月入学)は、志願者情報の入力が2026年12月18日から2027年2月4日までです。
- 中学校の調査書や、在籍校の証明書は学校に作ってもらう書類です。厳封が条件の学校もあるので、出願先が決まったら早めに依頼します。
- お金は「出願時」「入学手続き時」「4月以降」「1年を通して」の4つの時期に分けて準備します。入学手続きの期日までに学費を納めて、入学が確定する私立の学校があります。
- 就学支援金は2026年度から所得制限がなくなりましたが、申請は必要です。私立の通信制は1単位13,668円・年337,200円まで。対象は授業料だけで、サポート校の費用には使えません。
- 教科書費・教材費などを支える奨学給付金は、就学支援金とは別の申し込みです。対象は生活保護世帯・住民税非課税世帯と、2026年度から広がった年収490万円未満が目安の世帯で、通信制の給付額は全日制より小さく設定されています。
- 家での支え方は、「提出期限とスクーリングの日程を一緒に見る」までにとどめると長続きします。学習の中身と進み具合の管理は、学校やサポート校と分担します。
- ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その費用とは別にニジ高の費用がかかります(学費のご案内)。
保護者の準備は「気持ちの整理」と「手続きの準備」を分けると、ぐっと軽くなります
通信制高校への進学が決まりかけたとき、保護者の頭の中では「この選択で本当によかったのか」という気持ちの問題と、「書類やお金はどうするのか」という手続きの問題が、同時に回っています。この2つが混ざったままだと、どちらも片づかずに疲れてしまいます。
この記事では、あとの方、つまり入学までの手続き・お金・家での支え方を中心に扱います。お子さんから「通信制高校に行きたい」と言われた直後の受け止め方や、親自身の揺れる気持ちについては、通信制高校 親の気持ちの記事で詳しくまとめています。学校を休みたいと言われて、休ませるかどうかで迷っている段階なら、学校休みたい 親が許さないの記事のほうが合うと思います。
もう1つ、最初に押さえておきたいのが、通信制高校の仕組みそのものです。通信制高校は、自宅などでの学習を中心に、レポートの提出(添削指導)、スクーリング(面接指導)、試験を通じて単位を取る高等学校で、卒業すれば全日制・定時制と同じ「高等学校卒業」になります(文部科学省通信制高等学校情報発信サイト よくある質問)。卒業の条件は、3年以上の在籍・74単位以上の修得・特別活動30単位時間以上です。仕組みの全体像は通信制高校とはの記事にまとめています。
仕組みが分かると、保護者の役割も見えてきます。通信制高校の自由は、放任とは違います。登校日数や学習のペースを選べる分、レポートの提出期限、スクーリングの日程、試験の日を、本人が自分で追いかける場面が増えます。最初からひとりで全部できる子は多くありません。だからこそ、入学前に「誰が何を見るのか」を決めておくことに意味があります。

入学までの手続きは5段階。公立は出願の時期が決まっていて、私立は学校ごとに違います
新しく高校に入る場合(新入学)の流れは、公立と私立で細部は違っても、おおむね次の5段階です。保護者の出番がどこにあるかを先に見ておくと、慌てずにすみます。
| 段階 | 時期の目安 | 保護者がすること | 確かめる先 |
|---|---|---|---|
| 1. 説明会・個別相談 | 中3の夏〜冬(私立は随時の学校も) | 候補を2〜3校に絞り、同じ質問をする | 各校の説明会 |
| 2. 出願 | 公立は決まった期間。私立は学校ごと | 願書・写真・入学検定料の用意、調査書の依頼 | 募集要項・中学校 |
| 3. 選考・合格 | 面接や書類で選ぶ学校が多い | 面接の日の付き添いや移動の手配 | 募集要項 |
| 4. 入学手続き | 合格の通知から所定の期日まで | 入学金(入学料)や学費の納付、書類の提出 | 合格通知の案内 |
| 5. 4月の申請 | 入学直後 | 就学支援金の申請(学校の案内に従う)、奨学給付金の申し込み | 学校・都道府県 |
公立の例:東京都立の通信制は、前期選抜の出願が12月〜2月です
東京都教育委員会が公表している令和9年度 東京都立高等学校入学者選抜の日程(2026年5月28日更新)では、通信制課程の前期選抜は、志願者情報の入力期間が2026年12月18日から2027年2月4日の午後5時まで、書類の提出期間が2027年1月29日から2月4日まで、実施日が2月22日、合格発表が3月1日です。出願はインターネットで行い、前期選抜は1年生相当の募集だけです。後期選抜の出願日は別に定めるとされています。
ほかの道府県も、公立の通信制は教育委員会が決めた期間に出願します。住んでいる都道府県の教育委員会のページで、その年度の日程を確かめるのが最初の一歩です。
私立の例:出願は学校ごとで、学費を納めて入学が確定する流れの学校があります
私立の通信制高校は、出願の時期も方法も学校ごとに違います。例として、ルネサンス高等学校の出願から入学までの流れと募集要項(2026年9月27日確認)では、新入学の入学時期は4月と10月の年2回で、書類選考(必要に応じて面談)のあと、合格者は所定の期日までに学費を納め、志願者マイページに入学許可書が通知された時点で入学が確定するとされています。願書の裏には入学検定料の振込証明を貼ります。
つまり、私立では合格から入学手続きの期日までの間に、まとまったお金が必要になることがあります。この点は後の「お金」の節で詳しく見ます。
中学校の調査書は「開けてはいけない書類」です
新入学の出願では、中学校が作る調査書を出すのが一般的です。同じ学校の「出願から入学までの流れ」のページでは、調査書は出身中学校が作成して厳封したものを願書と一緒に送り、一度開封されたものは受理されないと書かれています。卒業から年数がたっていて調査書が作れない場合は、卒業証明書で代える学校もあります。
文部科学省の実態調査でも、入学者の選び方は、323校のうち面接が296校、調査書などの書類が230校、作文・小論文が154校、学力検査が91校(複数回答)でした(令和7年度 通信制高等学校実態調査)。書類と面接で選ぶ学校が多い分、書類の準備が遅れると、それだけで出願が遅れます。中学校の先生には、出願先が決まった段階で早めに相談しておきましょう。
今の高校から移るなら、退学届を出す前に受け入れ先と時期を決めます
高校1〜2年生で、今の高校から通信制高校へ移る場合は、手続きが新入学と変わります。在籍したまま移るのが「転入」、いったん退学してから入り直すのが「編入」です。転入なら、前の学校で取った単位と在籍期間を引き継げます。
| 入り方 | どんな人 | 主な書類の例 | 入学時期の例 |
|---|---|---|---|
| 新入学 | 中学校を卒業する(した)人 | 願書・調査書(中学校が作成) | 4月・10月 |
| 転入 | 今、ほかの高校に在籍している人(休学中を含む) | 転入学についての照会・成績単位修得証明書(在籍校が作成) | 随時 |
| 編入 | 高校を中途退学した人 | 在籍期間証明書・成績単位修得証明書(前の学校が作成) | 4月・10月 |
表の書類と時期は、ルネサンス高等学校の募集要項(2026年9月27日確認)の例です。受け入れの時期や書類は学校ごとに違うので、候補の学校で確かめてください。
保護者として気をつけたいのは、先に今の高校へ退学届を出してしまわないことです。退学すると編入の扱いになり、入れる時期が限られる学校があります。在籍校の先生に「転学を考えている」と伝え、受け入れ先の学校と書類のやりとりを進めてから、在籍校での手続きをするのが安全な順番です。転入と編入の違いや時期の考え方は、転入 編入 違いの記事で詳しく整理しています。
もう1つ、転校すると就学支援金は転校先で申請し直す必要があります。支給を受けられる期間は、全日制が36か月、通信制が48か月です。前の高校に在学した月数は差し引かれ、たとえば全日制に20か月在学してから通信制に移った場合は、48か月−20か月×4/3で、通信制では22か月分になります(文部科学省高等学校等就学支援金制度に関するQ&A)。残りの月数を転校先の学校で確かめておきましょう。

お金は「いつ・何に・どこへ」払うかで、4つの時期に分けて準備します
「通信制高校はいくらかかるのか」という問いに1つの答えが出ないのは、学費がいくつもの部品の足し算で、しかも払う時期がばらばらだからです。入学前の準備としては、金額より先に払う時期で分けておくと、家計の段取りが立てやすくなります。
| 時期 | 主なお金 | 就学支援金の対象か |
|---|---|---|
| 出願のとき | 入学検定料(受験料) | 対象外 |
| 入学手続きのとき | 入学金(公立は入学料)、学校によっては初年度の学費 | 入学金は対象外。授業料分は後で支援や還付の対象になりうる |
| 4月以降 | 授業料(公立は受講料) | 対象(申請して認定された場合) |
| 1年を通して | 教科書・教材、端末、スクーリングの交通費や宿泊費、行事費、サポート校の費用 | 対象外 |
文部科学省のよくある質問でも、学費は学校によって違い、本校の授業料とは別に、連携している施設が独自に行う活動の費用がかかる可能性があると説明されています(通信制高等学校情報発信サイト)。サポート校や学習センターを使う場合も、その費用は高校の授業料とは別にかかります。
公立の例:東京都立の通信制は、入学料500円・受講料1単位336円
公立の授業料は都道府県の条例で決まり、県によって違います。東京都教育委員会の都立高等学校の授業料・入学料のページ(2026年4月21日更新)では、通信制課程の入学料は500円、通信教育受講料は1単位336円×履修単位数です。入学料は合格発表のときに配られる納入通知書で、合格発表の翌日から数えて5日以内に金融機関で納めます。経済的に納めるのが難しい家庭には、入学料を免除または半額にする制度があり、申請の受付はこの納付期間と同じなので、希望する場合は早めに志願先の高校に相談します(東京都教育委員会「都立高等学校(通信制課程)の入学料の納付について」)。受講料は、就学支援金の申請をして受給が認定されると無料になります(すでに高校を卒業した人や、通信制などでの在学期間が48か月を超えた人などは、受講料がかかります)。ほかの県の額は、その県の教育委員会のページで確かめてください。
私立の例:入学手続きの期日と、授業料の払い方を先に聞いておきます
私立は、入学金・授業料・施設費などの額も、払う時期と方法も学校ごとです。先に見たとおり、所定の期日までに学費を納めて入学が確定する流れの学校もあります。「入学手続きのときに、いくらを、いつまでに、どの方法で払うのか」と「就学支援金の分は最初から差し引かれるのか、いったん払って後から戻るのか」の2つは、出願の前に聞いておくと安心です。学費の相場や年額の出し方は通信制高校 学費のガイドで、公式の数字をもとに計算しています。
就学支援金は申請しないと受け取れず、対象は授業料だけ。サポート校の費用には使えません
国の高等学校等就学支援金は、2026年度(令和8年度)から所得制限がなくなり、多くの生徒が授業料の支援を受けられるようになりました(文部科学省高校生等への修学支援)。返済は不要です。私立の通信制高校の支給上限は1単位13,668円・年337,200円です。公立は授業料そのものが都道府県の条例で決まるので、住んでいる県の案内で確かめます。
ただし、「無償化」という言葉から想像するほど自動ではありません。入学前に知っておきたいのは次の4点です。
- 申請が必要です。文部科学省は、授業料の支援を受けるには申請手続きが必要で、詳しくは学校からの案内に従うよう説明しています。オンライン申請(e-Shien)では、学校から配られるログインID通知書を使います。書類での申請もできます。
- 新入生の流れは、4月に申請、5〜6月に認定の通知というイメージです(文部科学省「令和8年度における申請・認定手続き(イメージ)」)。支給の期間は4月から翌年3月までです。
- 支給が決まるまで、授業料をいったん払う学校があります。文部科学省のリーフレットには、支給決定までの間は授業料を徴収し、就学支援金に当たる額を後日返す場合があると書かれています。経済的に苦しい家庭には、授業料の支払いを待ってもらえる仕組みを使える場合もあるので、学校に相談してください。
- 対象は授業料だけです。入学金、施設費、教材費、スクーリングの交通費、そしてサポート校の費用には使えません。
原則として申請した月から支給されますが、2026年度はシステムの一時停止の影響で、5月以降に申請した場合も4月分から受け取れるよう扱うと文部科学省が案内しています。2027年度以降も同じ扱いになるかは確認できていないので、4月に学校から案内が来たら、その月のうちに申請するつもりでいるのが安全です。制度の細かい点は通信制高校 就学支援金の記事で詳しく説明しています。
奨学給付金は別の申し込み。通信制の給付額は全日制より小さめです
授業料以外の教育費(教科書費・教材費など)を支える返還不要の給付金が、高校生等奨学給付金です。就学支援金とは別に、お住まいの都道府県または学校に申し込みます。新入生は、4〜6月に一部を早く受け取る申請ができます。手続きの時期は都道府県ごとに違います。
| 世帯の区分(年収は目安) | 通信制・国公立 | 通信制・私立 |
|---|---|---|
| 生活保護世帯 | 年32,300円 | 年52,600円 |
| 生活保護世帯以外の住民税非課税世帯(年収270万円未満) | 年50,500円 | 年52,100円 |
| 年収270〜380万円の世帯(所得割額100円以上105,500円未満) | 年16,830円 | 年17,370円 |
| 年収380〜490万円の世帯(所得割額105,500円以上182,500円未満) | 年12,630円 | 年13,030円 |
出典は文部科学省高校生等奨学給付金リーフレット(令和8年度の給付額)です。全日制の同じ区分(非課税世帯・私立で年152,000円)と比べると、通信制は約3分の1です。年収の区分は保護者全員の住民税の所得割額で判定され、保護者の病気や離職などで家計が急に変わった場合も対象になりえます。
都道府県が独自に上乗せしている制度もあります
国の制度とは別に、都道府県が独自の助成をしていることがあります。たとえば東京都には、生徒と保護者が都内に住み、東京都以外の自治体が認可した私立の通信制高校に通う生徒の保護者向けの私立都認可外通信制高等学校在学生授業料助成金があります。ただし、国の就学支援金で授業料が全額まかなえる場合は0円で、入学金・施設整備費・交通費・サポート校の受講料などは対象外です。毎年度の申請が必要で、2026年度の申請時期は、2026年9月24日更新の時点では「決まり次第案内」とされていました。
※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

入学前の春休みは、勉強の先取りより「生活の型」を1つ決める期間にします
合格が決まってから入学までの時間を、どう過ごせばいいか。保護者としては「今のうちに勉強させておかないと」と考えがちですが、通信制高校の場合、入学後に一番効いてくるのは自分で1日の予定を回す力です。
文部科学省の実態調査では、通学の頻度別に見たコースの生徒数(正規外のコースを含む合計300,406人)のうち、週5日通うコースは37,505人(12.5%)でした。一方、年に何日かまとめて通う集中スクーリング型が86,961人(28.9%)、月1〜2回や自由登校などの「その他」が99,722人(33.2%)です。多くの生徒にとって、平日の大半は家などで過ごす時間だということです。
そこで、入学前にやっておきたいのは、次のようなことです。
- 起きる時刻か、学習を始める時刻のどちらか1つだけを決めて、2週間試す(全部を一度に決めない)
- 学習する場所を家の中で1か所決める(リビングの一角でもよい)
- 入学前に学校から課題や教材が届いたら、それを最初の練習にする
- 中学の内容に不安がある教科があれば、無理のない範囲で1つだけ戻って復習する
通信制高校の通い方は、毎日登校する形から、年に数日のスクーリングだけの形、オンライン中心の形まで、学校とコースによって大きく違います。入学前に決めた生活の型が、選んだ学校の通い方と合っているかを見るのが、この時期の保護者の役目です。学校とコースの選び方そのものは、通信制高校 選び方のページで8つの項目に分けて整理しています。
入学後の家での支え方は「期限を一緒に見る」まで。中身の管理は学校と分担します
通信制高校の単位は、レポート(添削指導)・スクーリング(面接指導)・試験の3つで取ります。どれか1つでも欠けると、その科目の単位は取れません。家で保護者が関われるのは、主にこの3つの期限と日程です。
| やること | 保護者 | 本人 | 学校・サポート校 |
|---|---|---|---|
| レポートの提出期限 | 月に1回、一覧を一緒に見る | 自分で出す | 遅れの把握と声かけ |
| スクーリングの日程 | 移動・宿泊の手配、費用の準備 | 参加する | 日程と会場の案内 |
| 試験 | 日程を家族の予定に入れる | 準備して受ける | 範囲と再試験の案内 |
| 学習の中身 | 教えようとしない | 分からない所を聞く | 質問への対応・学び直し |
| 体調・気持ち | 変化に気づいたら学校に共有 | しんどい日は伝える | 相談の窓口 |
気をつけたいのは、保護者が先生・進路指導・生活管理の全部を引き受けてしまうことです。毎日「レポートやったの?」と聞き続けると、家が学校の延長になり、本人にとって休める場所がなくなります。家が安心できる場所であることが、学校での挑戦を支える土台になります。見るのは月に1回の一覧、あとは学校やサポート校に任せる、くらいの分担を入学前に話し合っておくとよいでしょう。
実態調査では、レポートなどの添削課題は出しているのに、スクーリングに1日も来ていない生徒が8,097人(2.6%)いました。学校が挙げた理由で最も多かったのは「心身に関すること」(161校)です。スクーリングは、家での学習とは別の負担がかかる場面です。日程が出たら早めに家族の予定に入れ、移動や宿泊に不安があれば、入学前のうちに学校へ相談の仕方を聞いておきましょう。
また、2024年度の卒業生90,872人(2022年度以降に開校した73校を除く)のうち、在籍期間が3年間だったのは42,667人(47.0%)、3年より長くかかったのは4,143人(4.6%)でした。3年より長くかかった人の内訳は、4年間が1,775人、6年以上が515人です。3年で卒業しないと失敗、というわけではありません。ペースが落ちた時期があっても、学校と相談しながら立て直す道があります。

子どもの気持ちは、入学が決まってから揺れることがあります
進学先が決まると、保護者はほっとします。ところが、本人はその頃から不安が強くなることがあります。「新しい場所でうまくやれるか」「また行けなくなったらどうしよう」。とくに中学校で学校に行けない時期があった場合、入学が近づくほど、その記憶がよみがえりやすくなります。
文部科学省の実態調査では、2025年度に通信制高校へ入学した77,998人のうち、中学3年生のときに不登校だった生徒は44,461人(57.0%)でした。公立で53.5%、私立で56.6%、株式会社立で65.4%です。学校に行けなかった経験を持って通信制高校に入る生徒は、少数派ではありません。この数字は、本人にそのまま伝えてもよい事実だと思います。
入学前の時期の声かけとしては、次のような形が負担になりにくいです。
- 「楽しみ?」と気持ちを確かめるより、「最初の1週間、何があるか一緒に見てみよう」と予定を見る
- 不安を口にしたら、打ち消さずに「そう思うよね」と受け取る
- 「高校では頑張ろうね」より、「しんどかったら途中で相談していいからね」と伝える
- 入学前に本人が嫌がることを、無理に練習させない(オンラインの授業に顔を出すかどうか、など)
眠れない、食べられない、強い不安が続くなど、心身の状態が心配なときは、入学の準備より相談を優先してください。文部科学省の子供のSOSの相談窓口には、保護者が相談できる窓口も載っています。文部科学省の24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)は、悩んでいる子供や保護者などが、夜間・休日も含めて相談できる窓口です。
まだ中学生で、今は学校に行けていないというお子さんには、高校に入る前の居場所を先に整える道もあります。NIJINアカデミーは、小中学生のためのオルタナティブスクールで、ニジ高はその高等部です。
学校に聞いておくことは、「お金の流れ」と「困ったときの連絡のしかた」が中心です
説明会や個別相談では、学校の雰囲気や授業の内容に目が行きがちです。入学前の保護者として、それと同じくらい大事なのが、入学後に困ったとき、どこに、どう連絡すればいいかです。通学のスタイルや学習の方法は学校によってかなり違うので、「普通はこうだろう」で済ませず、候補の学校ごとに同じ質問をして比べます。
| 聞くこと | なぜ聞くか |
|---|---|
| 入学手続きで、いくらを、いつまでに、どう払うか | 合格から期日までが短いことがあるため |
| 就学支援金の分は最初から差し引かれるか、後で戻るか | 4〜6月の立て替えの有無で、用意するお金が変わるため |
| 高校の費用と、サポート校・学習センターの費用の内訳 | 支援金が使えるのは高校の授業料だけのため |
| 途中でやめたときや、コースを変えたときの返金 | 合わなかったときの負担が変わるため |
| スクーリングの日程・会場・形(宿泊があるか) | 交通費・宿泊費と、本人の負担の見通しのため |
| 保護者への連絡の方法と頻度 | 家で抱え込まないため |
| 大学進学などを考えるなら、具体的に何をしてくれるか | コースの名前だけでは中身が分からないため |
大学進学については、文部科学省のよくある質問に、2024年度に通信制高校を卒業した人の約29%が大学等へ進学したとあります。進学は十分に目指せる一方で、支援の中身は学校ごとに違います。「進学コース」という名前だけで判断せず、どんな授業や面談があるのかを具体的に聞きましょう。詳しくは通信制高校 大学進学の記事で整理しています。説明会でそのまま使える質問のリストは、通信制高校 親の気持ちの記事にもあります。
なお、2026年7月23日に通信制高校に関する法律の改正が公布され、公布から6か月後(2027年1月ごろの見込み)に施行されます。文部科学大臣が通信制高校の運営の基本的な指針を定めることになっています。学校選びで見る点がどう変わるかは、通信制高校 法改正の記事にまとめています。
よくある誤解:「無償化だから入学時にお金は要らない」「サポート校にも支援金が出る」は違います
入学前の保護者がつまずきやすい思い込みを、制度に照らして整理します。
- 「無償化だから、入学時にお金は要らない」→ 入学検定料・入学金は支援の対象外です。授業料も、支給が決まるまでいったん払う学校があります。
- 「所得制限がなくなったから、申請しなくてもいい」→ 所得の条件がなくなっても、申請は必要です。4月に学校から来る案内を見落とさないようにします。
- 「サポート校の費用にも支援金が使える」→ 使えません。就学支援金の対象は、在籍する通信制高校の授業料だけです。サポート校を併用すると、費用は高校の分とサポート校の分の2本立てになります。サポート校の仕組みは通信制サポート校とはの記事で説明しています。
- 「公立の通信制は、どこでも1単位336円」→ 公立の授業料は都道府県の条例で決まり、県によって違います。1単位336円は東京都の額です。
- 「通信制は自由だから、親は何もしなくていい」「逆に、親が毎日管理しないと続かない」→ どちらも極端です。期限と日程を一緒に見る程度に関わり、中身は学校と分担するのが続けやすい形です。
- 「通信制高校に行くと大学には行けない」→ 卒業すれば高等学校卒業で、大学の受験資格があります。約29%が大学等へ進学しています。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
NIJIN高等学院(ニジ高)は、株式会社NIJINが運営する、オンライン中心の通信制高校サポート校です。全国どこからでも、海外からも参加でき、担任制で、1クラス8人です。カメラやマイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。授業のアーカイブ視聴や中学内容の学び直しにも対応していて、生活リズムに波があっても学べる設計にしています。メタバースの校舎で、担任や同級生と集まるクラス会議の時間もあります。
「オンラインで最高の青春を」を掲げ、全国の仲間とつながる「孤独を、青春に」、企業や地域と関わるリアルな体験の「退屈を、わくわくに」を大事にしています。生徒会・サークル・学園祭があり、行事は生徒が企画し運営する側になります。不登校の生徒を650名以上サポートしてきた実績があります(グループ全体)。途中入学(転入・編入)ができ、出願の費用は無料です。
そのうえで、入学前の保護者の方に正直にお伝えしたい注意点があります。
- ニジ高は高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングへの参加が必要です。ニジ高の中でのスクーリングはありません。スクーリングの形や日程は、個別相談会で詳しくご案内しています。
- 費用は、提携する通信制高校の分と、ニジ高の分の両方がかかります。就学支援金が使えるのは通信制高校の授業料だけで、ニジ高の分には使えません。金額は学費のご案内でご確認ください。
- 提携校以外の通信制高校に在籍しながら、ニジ高を併用することもできます。その場合も、卒業資格・スクーリング・単位は在籍する高校のものです。
この記事で見てきた「入学手続きのときの支払い」「支援金の立て替え」「保護者への連絡の方法」も、体験説明会や個別相談で遠慮なくお尋ねください。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- カレンダーに「出願」「入学手続き」「4月の申請」の3つの時期を書き込む。公立なら都道府県の日程、私立なら候補校の募集要項で確かめます。中学校や在籍校に頼む書類も、ここで一緒に書き出します。
- お金を4つの時期に分けて、入学手続きのときに必要な額を先に聞く。就学支援金を差し引いた後の授業料なのか、立て替えが要るのかで、用意する額が変わります。奨学給付金や都道府県の助成の対象になるかも、ここで確かめます。
- 家での役割を「月に1回、期限の一覧を一緒に見る」くらいに決めて、候補の学校に相談する。本人が相談に乗り気でないときは、保護者だけで話を聞くところから始めてもかまいません。
全部を一度に決めなくて大丈夫です。順番が見えれば、今週やることは1つか2つに絞れます。


「オンラインで最高の青春を」を、入学前に親子で確かめる
ニジ高は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、生徒が自分たちで行事を企画します。カメラ・マイクをオフにして始められます。高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。費用の分け方も含め、体験説明会で見てみませんか。
よくある質問
Q. 就学支援金は、入学前に申し込めますか。
A. 新入生の申請は、入学後に学校から配られる案内に従って行うのが基本です。文部科学省の手続きのイメージでは、4月に申請し、5〜6月に認定の通知が届きます。オンライン申請(e-Shien)では学校から配られるログインID通知書を使います。入学前にできるのは、学校に申請の時期と、支給が決まるまでの授業料の扱いを聞いておくことです。
Q. サポート校の費用に、就学支援金や奨学給付金は使えますか。
A. 就学支援金は使えません。対象は在籍する通信制高校の授業料だけです。奨学給付金は、教科書費・教材費など授業料以外の教育費を支える給付金で、対象は生活保護世帯・住民税非課税世帯と年収490万円未満が目安の世帯で、通信制の給付額は2026年度で年12,630円〜52,600円です(世帯の区分と国公立・私立の別で変わります)。サポート校の費用は、これらの制度とは別に準備しておくのが現実的です。
Q. 入学前に、勉強を先取りさせておいたほうがいいですか。
A. 先取りより、生活の型を1つ決めることをおすすめします。学校から入学前の課題が届いたらそれに取り組み、中学の内容に不安がある教科があれば1つだけ復習する、くらいで十分です。入学後に困りやすいのは、勉強の中身より、提出期限とスクーリングの日程を自分で回すことだからです。
Q. 入学直前になって、子どもが「やっぱり行きたくない」と言い出しました。
A. まずは理由を急いで聞き出さず、不安を受け取ってください。入学の時期を4月以外(10月など)に設けている学校もあります。入学を遅らせる、辞退するといった判断をするときは、納めたお金の返金の扱いが学校ごとに違うので、学校に相談して確かめてから決めましょう。
Q. 公立の通信制高校の授業料は、どこの県でも同じですか。
A. 同じではありません。公立の授業料は都道府県の条例で決まります。東京都立の通信制は入学料500円・受講料1単位336円で、就学支援金の受給が認定されると受講料は無料になります。ほかの県の額は、その県の教育委員会のページで確かめてください。
保護者が全部を背負わなくても、入学の準備は進められます
通信制高校への進学は、保護者にとっても初めてのことが多い道です。分からないことがあって当然ですし、全部を先回りして準備できなくても大丈夫です。手続きの順番と、お金を払う時期と、家での役割。この3つが見えていれば、あとは学校に聞きながら1つずつ進められます。
そして、入学の準備でいちばん大切なのは、お子さんにとって家が安心して戻れる場所であり続けることです。書類やお金のことは保護者と学校で分担し、お子さんには「新しい場所で、自分のペースでやってみよう」と思える余白を残してあげてください。
入学前の準備は、順番とお金の分け方を知れば落ち着いて進められる
全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付
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