「通信制高校に転校したら、毎日はどんなふうに過ぎていくのだろう」。転校を考え始めると、手続きや学費と同じくらい、転校したあとの生活が気になるものです。朝は何時に起きるのか、平日の昼間は何をするのか、友達や家族との時間はどうなるのか。想像がつかないまま決めるのは不安だと思います。
先に結論を書くと、通信制高校に転校して大きく変わるのは、学校が決める時間割が減り、1週間の予定を自分で組む部分が増えることです。変わるのは、時間の使い方・学習の進め方・人との関わり・家族との過ごし方・アルバイトや通院との両立・生活リズムの6つです。どれも「良くなる」「悪くなる」と一言では言えず、選ぶコースと、最初に決めておくことで形が変わります。
この記事は、2026年10月4日に、文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」、高等学校学習指導要領と「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン」、e-Govの高等学校通信教育規程と労働基準法、厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」、NHK学園高等学校と神奈川県立横浜修悠館高等学校の公式ページを実際に開いて確認した内容で書いています。本文に出てくる1週間の例は、説明のためにつくった例で、実在の生徒の体験談ではありません。確認できなかったことは、確認できなかったと書いています。
転校したあとの毎日に、決まった時間に仲間と会える場がほしい場合や、もっと自分らしい高校生活を探している場合は、オンラインという選択肢もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、全国の仲間とオンラインでつながり、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事に挑戦できます。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、全国にNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のリアルの教室があり、リアルでの通学もご検討いただけます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です。どんな学校なのかは、校長・星野達郎のYouTubeでも見られます。
結論:通信制高校に転校したあとの生活の早見
- いちばん変わるのは時間の使い方です。通う日数は選ぶコースで決まり、週5日通うコースの生徒は12.5%、特定の時期にまとめて通う形(集中スクーリング型)と、月1〜2回・都合のよい日に通うなどの「その他」を合わせると62.1%でした(文部科学省・令和7年度の実態調査)。
- 勉強は、レポート・スクーリング・試験の3つで進みます(高等学校通信教育規程第2条)。国語や数学などの科目は、1単位につきレポート3回・スクーリング1単位時間(50分)が標準です。
- レポートを年度末や試験前にまとめて出させる運用は行わないよう、国のガイドラインが学校に求めています。年間の計画に沿って、少しずつ出す生活になります。
- 人との関わりは、「毎日同じ教室で会う」から「決まった日に会う」に変わります。スクールカウンセラーに相談できる体制がある学校は、323校中273校(84.5%)でした。
- 通う日が少ないコースでは、アルバイトを平日の昼にも入れられます。ただし18歳未満は原則として午後10時から午前5時までは働けません(労働基準法第61条。交替制で働く16歳以上の男性などの例外があります)。スクーリングと試験の日を先に押さえます。
- 生活リズムは自分で決める部分が増えます。中学・高校生の睡眠時間の目安は8〜10時間です(厚生労働省)。「通信制に転校すると昼夜逆転しやすい」ことを示す国の統計は、確認できませんでした。
- 通う日が少ない通信制高校の学びに、毎週決まった時間に仲間と会う場を足す方法として、オンライン中心のサポート校(NIJIN高等学院など)を組み合わせる道もあります。
転校して大きく変わるのは、学校が決める時間割が減り、1週間を自分で組む部分が増えることです
全日制高校と通信制高校では、学習の進め方そのものが違います。神奈川県立横浜修悠館高等学校の公式ページは、全日制や定時制が年間35週にわたる授業に出席して学ぶのに対し、通信制は決められた回数のスクーリングに出席し、家でレポートに取り組んで添削を受けることで学習を進める、と説明しています(神奈川県立横浜修悠館高等学校「よくある質問」、2026年10月4日確認)。
この違いが、生活のあちこちに表れます。全日制から転校したときに変わることを、6つに分けて並べると次のようになります。
| 変わること | 全日制のとき(一般的な形) | 通信制に転校したあと |
|---|---|---|
| 1. 時間の使い方 | 平日は学校の時間割に沿って過ごす | 通う日数はコースで決まる。通わない日の予定は自分で組む |
| 2. 学習の進め方 | 毎日の授業に出て、試験を受ける | レポート・スクーリング・試験の3つで単位を取る |
| 3. 人との関わり | 同じクラスの仲間と毎日会う | スクーリングや通学の日、オンラインの時間に会う |
| 4. 家族との過ごし方 | 平日の昼は学校にいる | 家で学ぶ日は、家族と同じ場所にいる時間が長くなる |
| 5. アルバイト・通院 | 入れるなら放課後と休日(アルバイトの可否は学校の決まりによる) | 平日の昼にも入れられる。スクーリングと試験の日は動かしにくい |
| 6. 生活リズム | 登校の時刻が、起きる時刻を決める | 通わない日の起きる時刻は、自分で決める |
「全日制のとき」の列は、説明のために一般的な形を書いたもので、統計にもとづくものではありません。単位制の全日制高校など、学校によって違います。通信制でも、週5日通うコースを選べば、全日制に近い時間の使い方になります。表から分かるのは、自由になる部分と、自分で決める部分が同時に増えるということです。「自由な時間が増えるから楽になる」とも、「自己管理ができないと続かない」とも言い切れません。どちらになるかは、選ぶコースと、転校の前後に決めておくことで変わります。
通信制高校の仕組みを最初から知りたい場合は通信制高校とはの記事を、転校の手続きの流れは全日制から通信制へ転校の記事をご覧ください。この記事では、手続きが終わったあとの毎日に絞って書いていきます。

通う日数は選ぶコースで決まります。週5日は12.5%、特定の時期にまとめて通う形と「その他」で6割を超えます
転校後の生活の骨組みを決めるのは、「週に何日通うか」です。通信制高校には、通う頻度の違うコースを開いている学校があります。文部科学省の実態調査で、コースごとの生徒数(合計300,406人。高校の正規の課程ではないコースを含む)は次のとおりでした。
| 通う頻度のコース | 生徒数 | 割合 | 1週間の形 |
|---|---|---|---|
| 週5日通う | 37,505人 | 12.5% | 平日は毎日通う。全日制に近い時間の使い方 |
| 週1〜4日通う | 76,218人 | 約25% | 通う日と、家で学ぶ日が混ざる |
| 集中スクーリング型 | 86,961人 | 28.9% | ふだんは家で学び、特定の時期にまとめて通う |
| その他 | 99,722人 | 33.2% | 月1〜2回、または都合のよい日に通う |
出典:文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(調査時点2025年5月1日。週1〜4日は週4・週3・週2・週1の4コースの合計。2026年10月4日確認)
集中スクーリング型と「その他」を合わせると186,683人で、全体の62.1%です。コースに入っている生徒の6割以上は、「週に何日通う」と決まったコース以外で学んでいます。週5日通うコースを開いている学校は、323校のうち90校でした。
公立と私立でも形が違います。公立の通信制のコースの生徒(61,065人)は、週1日通うコースが19,197人、「その他」が35,397人で、この2つで約9割を占めます。私立(214,272人)は、集中スクーリング型が68,578人、「その他」が60,949人、週5日通うコースが36,099人で、通う頻度の幅が広くなっています。
なお調査の注記には、集中スクーリング型以外のコースでも、スクーリングを集中して行う場合があると書かれています。コースの名前だけで決めず、「スクーリングはいつ、どこで、何日あるか」を学校ごとに確かめる必要があります。週5日通う形を考えている場合は、通信制高校 毎日通うの記事で、仕組みと費用を詳しく整理しています。

勉強はレポート・スクーリング・試験の3つで進みます。レポートは計画に沿って少しずつ出します
通信制高校の教育は、添削指導(レポート)・面接指導(スクーリング)・試験の3つの方法で行うと、高等学校通信教育規程第2条に定められています。放送やインターネットなどのメディアを使った学習を加えることもできます。
レポートとスクーリングの量には、国の標準があります。高等学校学習指導要領は、1単位あたりの回数と時間の標準を次のように定めています(1単位時間は50分で計算します)。
| 教科 | レポート(添削指導) | スクーリング(面接指導) |
|---|---|---|
| 国語・地理歴史・公民・数学 | 3回 | 1単位時間 |
| 理科 | 3回 | 4単位時間 |
| 保健体育のうち「体育」 | 1回 | 5単位時間 |
| 保健体育のうち「保健」 | 3回 | 1単位時間 |
| 芸術・外国語 | 3回 | 4単位時間 |
| 家庭・情報・専門教科 | 必要に応じて2〜3回 | 必要に応じて2〜8単位時間 |
出典:文部科学省「通信制高校に関する関係法令等(抜粋)」の高等学校学習指導要領 第1章第2款5(1)、e-Gov 高等学校通信教育規程第2条(2026年10月4日確認)
計算の例を挙げると、国語や数学の2単位の科目なら、標準ではレポート6回・スクーリング2単位時間(100分)です。体育は1単位につきレポート1回・スクーリング5単位時間(250分)なので、家で書く量は少なく、通って体を動かす時間が長くなります。実際の回数は学校が決めます。実態調査では、「現代の国語」のレポートを1単位あたり3回としている学校が323校中322校、スクーリングを1単位時間としている学校が292校でした。
学校の公式ページでも回数を確かめられます。たとえば神奈川県立横浜修悠館高等学校は、例として、数学Ⅰはレポート12通・スクーリング4回以上、体育Ⅰはレポート2通・スクーリング10回以上を挙げています。レポートは1通目から順に、合格してから次を出す形です(神奈川県立横浜修悠館高等学校「学びの仕組み」、2026年10月4日確認)。
生活の面で知っておきたいのは、レポートはためてから一気に出すものではないという点です。文部科学省のガイドラインは、年度末や試験前にまとめて提出させたり、学期の初めに全部の回の分をまとめて出せるようにしたりする運用を行わないよう、学校に求めています。そのため、毎週少しずつ進める時間を、自分の1週間の中に置くことになります。
予定を立てる手がかりもあります。高等学校通信教育規程第4条の3により、校長は、科目ごとの通信教育の方法と内容、1年間の計画、評価と単位認定の基準を書いた「通信教育実施計画」を作り、生徒にあらかじめ示すことになっています。転校したら、まずこの計画からスクーリングと試験の日を自分のカレンダーに書き写すと、ほかの予定を入れやすくなります。ガイドラインは、レポートについての質問を受け付けて速やかに答える仕組みを整えることも学校に求めています。
出典:文部科学省「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン」(令和5年2月一部改訂)、文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(2026年10月4日確認)
家での学習をどう続けるか、映像授業や進み具合の確かめ方は、通信制高校 授業の記事で扱っています。
※2026年10月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。
スクーリングの1日は、学校の公式の時間割を見ると想像しやすくなります
「スクーリングの日は何時に行って、何をするのか」は、学校が公式ページで公開している時間割を見るのが近道です。2校の例を紹介します。
NHK学園高等学校(私立・広域)は、月1〜2回のスクーリングがあるスタンダードコースについて、東京本校のある日の時間割を公開しています。
| 時刻 | 内容 |
|---|---|
| 9:15 | 登校 |
| 9:30 | 数学 |
| 10:30 | 体育 |
| 12:20 | 昼食・休憩 |
| 13:10 | 美術 |
| 14:10 | 家庭科 |
| 15:00 | 先生に相談・自習・部活(参加は自由) |
出典:NHK学園高等学校「1日の過ごし方」(東京本校スクーリングの例。会場により開始時刻などは違います。2026年10月4日確認)
同じページによると、スクーリングの曜日は、協力校では日曜日(一部土曜日)、東京本校では土・日・月・火曜日から選びます。生徒は自分が履修している科目の指導に出るため、科目ごとに教室を移動します。同じクラスの生徒が自分たちの教室でそろって授業を受ける形とは様子が違う、とも書かれています。月1〜2回のスクーリングと、3〜4日間連続のスクーリングを併用することもできます。
神奈川県立横浜修悠館高等学校(公立)は、スクーリングの受け方を科目ごとに選べます。日曜日に登校する「日曜講座」と、自分で時間割を組んで平日に登校する「平日講座」があり、ある科目は日曜、別の科目は平日、という組み合わせもできます(同校「講座の形態」、2026年10月4日確認)。
特定の時期にまとめて行う集中スクーリングについては、文部科学省のガイドラインが、生徒と教職員の健康や指導の効果を考え、たとえば8時30分から17時15分までとする、多くても1日8単位時間までを目安にする、といった形で1日の時間数を適切に決めるよう求めています。集中スクーリングの日は、朝から夕方まで学校で過ごす日程になることもあります。1日の時間割は、学校に確かめてください。
スクーリングの形は学校ごとに大きく違います。転校先を比べるときは、パンフレットの言葉より、公開されている時間割と年間の日程を見るほうが、自分の生活に当てはめやすくなります。
1週間の組み方は人それぞれです。説明のためにつくった3つの例で比べます
ここからは、通う日数の違う3つの形について、1週間の組み方の例を並べます。3つとも、この記事の説明のためにつくった例で、実在の生徒の生活ではありません。自分の場合を考えるときの下書きとして使ってください。
| 例 | 通い方 | 1週間の組み方 | 先に決めておくこと |
|---|---|---|---|
| 例1:家で学ぶ日が中心 | 月2回、日曜にスクーリング | 平日の午前をレポートの時間に固定する。午後は週3日アルバイト | スクーリングと試験の日を、シフトより先に押さえる |
| 例2:週3日通う | 火・水・金に通学 | 通う日は学校で過ごす。月・木は家でレポートと受験勉強 | 通わない2日の、起きる時刻と始める科目 |
| 例3:通院しながら在宅中心 | 夏と冬に数日まとめてスクーリング | 隔週の平日午前は通院。レポートは体調のよい時間帯に少しずつ進める | 通院の日とスクーリングの日程が重ならないか。体調が悪い日の連絡先 |
3つの例に共通するのは、次の3点を先に決めていることです。
- レポートの時間を、曜日と時刻で固定する。「空いた時間にやる」ではなく、「月・水・金の10時から」のように決めます。
- スクーリングと試験の日を、ほかの予定より先にカレンダーに入れる。動かしにくい予定から埋めます。
- 家の外に出る予定を、週に1つは入れる。通学、アルバイト、習い事、図書館、散歩など、内容は何でもかまいません。
平日の昼間に何をして過ごす生徒が多いのかを調べた国の統計は、確認できませんでした。そのため、この記事では「多くの生徒はこう過ごしている」という書き方はしていません。オンライン中心のサポート校を組み合わせた場合の1日は、通信制高校 高校生活の記事で、ニジ高の1日を例に紹介しています。

人との関わりは、「毎日同じ教室で会う」から「決まった日に会う」形に変わります
転校すると、同級生と会う回数は、通う日数に合わせて変わります。会い方の形も変わります。横浜修悠館高等学校の「よくある質問」には、担任がいて一人ひとりの相談に応じ、ホームルームもあるが、クラスの単位で授業を受けたり行事に参加したりすることはほとんどない、と書かれています。
一方で、人と会う時間が制度の上でなくなるわけではありません。通信制高校を卒業するには、74単位以上の修得と3年以上の在籍に加えて、ホームルーム活動を含む特別活動に卒業までに30単位時間以上参加することが必要です(特別活動の時間は高等学校学習指導要領の定めです。メディアを使った学習で一部を免除する学校もあります)。スクーリングの日のホームルームや行事は、同じ学校の生徒と顔を合わせる機会になります。
同じ実態調査で、2025年度の入学者77,998人のうち、中学3年生のときに不登校だった生徒は44,461人(57.0%)でした。学校に通いにくかった経験のある同級生が少なくない、ということです。国のガイドラインも、不登校の経験などさまざまな課題を抱える生徒の実態をふまえ、養護教諭やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを置くなど、きめ細かな支援に努めるよう学校に求めています。
| 相談できる体制 | 整えている学校 | 割合 |
|---|---|---|
| スクールカウンセラーに相談できる体制 | 323校中273校 | 84.5% |
| スクールソーシャルワーカーに相談できる体制 | 323校中124校 | 38.4% |
出典:文部科学省「令和7年度 通信制高等学校実態調査」(2025年5月1日時点。2026年10月4日確認)
転校後に人との関わりを保つには、「誰と、どのくらいの頻度で話すか」を自分で選ぶことになります。担任との面談、スクーリングの日の昼休み、オンラインのホームルーム、学校の外の活動など、入り口はいくつかあります。前の高校の友達との付き合いを続けるかどうかも、自分で決めてかまいません。友達のつくり方は通信制高校 友達の記事で、行事や部活を含めた過ごし方は通信制高校 青春の記事で詳しく書いています。
家で学ぶ日が増えるぶん、家族とは声かけ・進み具合の見方・通う日のお金を先に話し合っておきます
家で学ぶ日が増えると、全日制のときは学校にいた平日の昼に、本人が家にいることになります。転校の前後に次の3点を話し合っておくと、後の行き違いを減らしやすくなります。
- 声かけの回数と、昼の過ごし方。「今日は勉強したの」と毎日聞かれることが、本人の負担になる場合があります。週に1回、一緒に進み具合を見る日を決める、というやり方もあります。昼ごはんや家事の分担、保護者が家にいない時間帯の過ごし方も、ざっくり共有しておきます。
- 学習の進み具合の見え方。学校によっては、保護者が学習状況を確かめられる仕組みがあります。たとえばNHK学園高等学校は、保護者にもIDを発行し、レポートの提出やスクーリングの出席、試験の結果を見られるようにしていると案内しています。転校先に同じような仕組みがあるかを聞いてみてください。
- 通う日のお金。通学の回数が減ると、定期券より回数券のほうが合う場合があります。横浜修悠館高等学校は、学割の定期券は平日講座の生徒だけが買え、学割の回数券は全員が買えると案内しています。扱いは学校と交通機関によって違うので、転校先に確かめてください。
保護者の方に知っておいてほしいのは、家にいる時間が長いことと、勉強が進んでいないことは別だという点です。進み具合は、レポートの提出状況とスクーリングの出席で確かめられます。
アルバイトは年齢と時間の決まりの中で組みます。18歳未満は、原則として午後10時から午前5時までは働けません
通う日が少ないコースでは、平日の昼にアルバイトを入れられるようになります。ただし、働く時間には法律の枠があり、18歳未満にはさらに決まりがあります。どれも、雇う側(使用者)が守る決まりです。
| 決まり | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 働ける時間の上限 | 1週間に40時間、1日に8時間まで(休憩時間を除く) | 労働基準法第32条 |
| 残業・休日労働 | 18歳未満には、時間外・休日労働の協定の規定(第36条)が適用されない。いわゆる36協定による残業・休日労働の対象にならない | 第60条第1項 |
| 深夜の仕事 | 使用者は、18歳未満の人を午後10時から午前5時までの間に使用してはならない(交替制で使用する満16歳以上の男性などの例外あり) | 第61条 |
| 年齢の証明 | 18歳未満を雇う事業場は、年齢を証明する戸籍証明書を備え付ける | 第57条 |
出典:e-Gov 労働基準法 第32条・第57条・第60条・第61条(2026年10月4日確認。第60条第3項に、1週間のうち1日の労働時間を4時間以内に短くした場合にほかの日を10時間まで延ばせる、などの例外があります。第61条の深夜の決まりには、交替制で使用する満16歳以上の男性のほか、災害など非常時の場合、農林・畜産・水産・保健衛生の事業、電話交換の業務などの例外があります)
生活を組むときの注意点は2つあります。
- スクーリングと試験の日を、先にシフトから外す。決められた回数のスクーリングに出席しないと、その科目の単位は取れません。年間の計画が出たら、働く先に早めに伝えます。レポートの時間も先に置き、残りの時間にアルバイトを入れる順番にします。
- 学校の決まりを確かめる。アルバイトに届け出や許可が要るかどうかは学校ごとに違います。転校先の生徒手帳や案内で確かめてください。
通信制高校の生徒のうち、アルバイトをしている人の割合を示す国の調査は確認できませんでした。両立のコツや扶養の話は、通信制高校 バイトの記事にまとめています。
通院や体調の波があるときは、スクーリングの受け方を転校の前に確かめておきます
通院している場合や、体調に波がある場合、通う日が少ない通信制高校は予定を組みやすい面があります。ただし、スクーリングに出席しないまま単位を取ることはできません。
実態調査には、レポートは出しているのに、2024年度の1年間、スクーリングに1日も来ていない生徒の数が載っています。全国で8,097人、在籍生徒の2.6%でした。コース別では、集中スクーリング型が3,923人、「その他」が1,972人、週1日通うコースが1,556人です。理由別に、その理由に当てはまる生徒がいる学校の数を見ると、最も多かったのは「心身に関すること」(体調不良、不安、朝起きられない、入院・療養など)の161校でした。「生活習慣に関すること」は81校、「家庭に関すること」は80校、「学習に関すること」は74校、「仕事に関すること」(当日休めなかったなど)は46校です。
こうした生徒に対して、学校は状況を知るための対応をしています。教師による定期的な連絡が165校、教師以外のスタッフによる定期的な連絡が41校、オンラインでのカウンセリングが30校でした。
メディアを使った学習でスクーリングの時間の一部を免除する仕組みもあります(学習指導要領では原則として10分の6以内)。文部科学省のガイドラインは、病気や事故で入院や自宅療養が必要な場合、人間関係など心因的な事情で登校が難しい場合などを、複数のメディアを使って合わせて10分の8まで免除できる「特に必要がある場合」の例に挙げていますが、10分の6を超える免除は極めて例外的な扱いとされ、免除する時間に応じた報告課題も求められます。「通院しているからスクーリングが免除される」とは言えません。扱いは学校が決めます。
転校の前に、次の点を学校に聞いておくと、生活の見通しが立てやすくなります。
- スクーリングの曜日・時間帯・会場と、自分で選べる範囲
- 体調が悪くて行けなかったときに、別の日に受け直せるか
- 集中スクーリングの場合、1日の時間割と、途中で休める場所があるか
- メディアを使った学習による免除を行っているか、その条件
- 当日の連絡の方法と、相談できる人(担任・養護教諭・スクールカウンセラー)
通院の頻度や学習の負担をどこまでにするかは、主治医と相談して決めてください。この記事は、学校の制度の説明にとどめています。

生活リズムは自分で決める部分が増えます。目安は睡眠8〜10時間と、朝の光・朝食です
登校がない日は、起きる時刻を自分で決めることになります。これが楽に感じられる人もいれば、リズムをつかみにくく感じる人もいます。
はじめに書いておくと、「通信制高校に転校すると昼夜逆転しやすい」ことを示す国の統計は、確認できませんでした。通信制高校の生徒の起床時刻や睡眠時間を調べた公的な調査も見つかっていません。前の節で挙げた「生活習慣に関すること」81校という数字は、スクーリングに1日も来ていない生徒についての理由で、通信制高校の生徒全体の傾向を表すものではありません。
分かっているのは、高校生の年代全体の傾向です。厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、思春期が始まるころから眠りと目覚めのリズムが後ろにずれ、夜寝る時刻が遅くなり、朝起きるのが難しくなる傾向があると説明しています。全日制か通信制かにかかわらず、この年代に共通する話です。同じガイドは、こどもの睡眠について次のことをすすめています。
- 中学・高校生は、8〜10時間を参考に睡眠時間を確保する
- 朝は太陽の光を浴び、朝食をとり、日中は体を動かして、夜ふかしを習慣にしない
- 週末や休日も、ふだんと同じ時刻に起きて日光を浴びる
- デジタル機器は寝室に持ち込まない
- 小・中・高校生は1日60分以上体を動かし、スクリーンタイムは2時間以下にすることが推奨されている
出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」のこども版の章、厚生労働省「Good Sleepガイド(ぐっすりガイド)こども版」(2026年10月4日確認)
通わない日が多い生活に当てはめると、「登校の代わりになる朝の予定を1つ置く」のが現実的です。起きる時刻を決める、午前のうちにカーテンを開けて外に出る、午前に1つだけレポートを進める、といった小さな予定で十分です。午前のオンラインのホームルームや、朝のアルバイトを区切りにする方法もあります。
夜ふかしと朝寝坊が長く続いて自分では戻せないときは、睡眠の病気が関わっていることもあります。ガイドは、早めに医師に相談することが重要だとしています。本人の努力の問題と決めつけず、小児科や睡眠外来などの医療機関、保健所に相談してください。
気をつけたいのは、「空いた時間」を予定のない時間のままにしないことです
ここまでの内容から、転校の前後に先に手を打てる点を2つにまとめます。「こうなる人が多い」と統計で確かめられたものではなく、通信制高校の仕組みから考えられる行き違いです。
- 1週間の時間割を作らないまま始める。通わない日は、何も決めないと予定のない日になります。最初の月は、起きる時刻・レポートの時間・外に出る予定の3つだけを決めます。スクーリングと試験の日、レポートの期限は、学校の計画からカレンダーに先に写します。
- 誰とも話さない週が続く。通う日が少ないコースでは、自分から予定を入れないと、人と話す機会が少なくなります。担任との面談やオンラインの集まりなど、週に1回は誰かと話す予定を置きます。
転入してから「思っていたのと違った」と感じる理由と、転入の前に確かめることは、通信制高校 転入 後悔の記事にまとめています。通信制高校そのものの弱点と対策は、通信制高校 デメリットの記事をご覧ください。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
NIJIN高等学院(ニジ高)は、株式会社NIJINが運営するオンライン中心の通信制高校サポート校です。転校後の生活という点でいうと、通う日が少ない通信制高校の学びに、毎週決まった時間に人と会う場を足す、という使い方になります。
- 毎週の決まった時間:毎週火曜日の13時から、NIJINアカデミーの小中学生とニジ高生が集まる全校ホームルームがあります。YouTubeのLIVE配信を見るだけの参加もできます。8人のクラスで開くクラス会議も毎週あります(行事の様子は行事・イベントのページ。2026年10月時点の情報で、内容・日程は年度により変わります)
- 始めやすさ:カメラ・マイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。担任制で、希望する生徒にはスタッフが1対1で伴走する支援があります
- 学び方:生活リズムに波があっても学べる設計で、中学内容の学び直しと、授業のアーカイブ視聴に対応しています
- 行事とサークル:行事は生徒が企画し、サークルは生徒の「好き」から立ち上がります。リアルの行事は任意参加です
- リアルの場:ニジ高の生徒は、相談のうえでNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)の全国のリアルの教室に通うこともできます
- 服装:制服や頭髪の決まりはありません(よくある質問)
そのうえで、正直な注意点です。
- ニジ高は高校ではありません。高校卒業の資格は、提携する通信制高校で取ります。レポート・スクーリング・試験は、その高校の決まりに沿って進みます。
- 提携する通信制高校のスクーリングへの参加が必要です。ニジ高の中でのスクーリングはありません。ニジ高がするのは日程の調整と準備の支援で、スクーリングにスタッフは付き添いません。スクーリングの形や日程は、個別相談会で詳しくご案内しています。
- 費用は、提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかります。就学支援金が使えるのは通信制高校の授業料で、ニジ高の分には使えません。金額は学費のご案内をご覧ください。修学旅行などの行事の費用は、学費とは別の実費です。
- オンライン中心です。毎日通う場所がほしい人には、合わない場合があります。
途中からの転入・編入ができ、出願費用は無料です。不登校の生徒を650名以上サポートしてきた実績(グループ全体)があります。小中学生のうちから学びの場を探している場合は、姉妹事業で小中学生のオルタナティブスクールのNIJINアカデミーもあります。個別相談会はオンライン(Zoom)で所要30分、参加は無料です。ご本人が同席できなくても、保護者の方だけで参加できます。
迷ったときの進め方(3ステップ)
- いまの1週間を書き出す。起きる時刻、学校にいる時間、放課後、家での時間を紙に書き、「転校後も残したいもの」と「手放したいもの」に分けます。残したいものが「毎日人と会うこと」なら通う日数の多いコース、「体調に合わせて休めること」なら通う日の少ないコース、というように方向が見えてきます。
- 候補の学校で、生活に関わる5つを確かめる。通う日数とコース、スクーリングの曜日・時間・会場、レポートの回数と出し方、体調不良やアルバイトと重なったときの扱い、相談できる人。公式ページの時間割と年間の日程を見たうえで、説明会や個別相談で聞きます。
- 転校後の最初の1か月の、仮の時間割を作る。起きる時刻、レポートの時間、外に出る予定を1つずつ決めます。1か月たったら、合わなかった部分を直します。最初から完成させる必要はありません。


転校後の1週間に、仲間と会う時間を。オンラインで最高の青春を
ニジ高は、毎週のクラス会議や全校ホームルームで仲間と会える通信制高校サポート校です。1クラス8人・担任制で、最初はカメラオフのチャット参加から始められます。ただし高校ではなく、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。体験説明会で、1週間の過ごし方を聞いてみませんか。
よくある質問
Q. 通信制高校に転校したら、1日に何時間くらい勉強しますか?
A. 国が決めた1日の勉強時間はありません。量を決めるのは、その年に履修する単位数です。標準では、国語や数学などは1単位につきレポート3回・スクーリング1単位時間(50分)です。レポート1回にかかる時間は科目と学校の課題によって違い、「1日何時間で足りる」と言える公的な目安は確認できませんでした。転校先の通信教育実施計画でレポートの回数と期限を確かめ、週あたりの回数に割って考えると見通しが立ちます。
Q. 朝起きるのが苦手です。通信制高校なら続けられますか?
A. スクーリングの曜日や時間帯を選べる学校はあります。たとえば横浜修悠館高等学校は日曜講座と平日講座を科目ごとに選べ、NHK学園高等学校のスタンダードコースは、東京本校では土・日・月・火曜日から選ぶ形です。ただし、スクーリング自体は必要で、集中スクーリングは朝から夕方までの日程になることがあります。朝起きられない状態が長く続く場合は、医療機関にも相談してください。
Q. 転校すると、卒業の時期は遅れますか?
A. 転入の場合は、前の高校で取った単位と在籍した期間を引き継ぐのが基本です(どの単位が認められるかは、転校先の学校が決めます)。卒業には、合わせて3年以上の在籍、74単位以上の修得、特別活動30単位時間以上が必要です。同級生と同じ時期に卒業できるかは、引き継げる単位の数と転入の時期によって変わるので、転校先に単位の読み替えを確かめてください。実態調査では、2024年度の卒業生90,872人のうち、在籍期間が3年間だった人は42,667人(47.0%)、1年以上3年未満だった人は38,209人(42.0%)でした。調査は転入した人と1年生から入った人を分けていないので、この数字だけで「転校すると遅れる」「遅れない」とは言えません。
Q. 保護者は、平日の昼間どこまで関わればいいですか?
A. 決まった答えはありません。毎日の声かけの代わりに、週に1回、レポートの提出状況とスクーリングの予定を一緒に確かめる、というやり方があります。学校に保護者向けの学習状況の確認の仕組みや、担任との面談があるかも聞いてみてください。心配が続くときは、学校のスクールカウンセラーや担任に、保護者から相談してもかまいません。
新しい生活は、1週間の予定を1つ決めるところから始まります
通信制高校への転校は、生活の形が大きく変わる決断です。変わるのは時間の使い方、学習の進め方、人との関わり、家族との過ごし方、アルバイトや通院との両立、生活リズムの6つで、どれも「学校が決めてくれていたこと」を「自分で決めること」に移す変化です。
全部を一度に決める必要はありません。起きる時刻を1つ、レポートの時間を1つ、外に出る予定を1つ。そこから始めて、合わなければ直していけば、自分に合う1週間が少しずつ形になっていきます。
ひとりで考えていると、不安のほうが大きく見えることがあります。気になる学校の時間割を見たり、話を聞いたりするだけでも、転校したあとの毎日は具体的に想像できるようになります。
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