通信制高校で単位が取れなかったら?|再履修・追試と次の年度の組み直し方【2026】

通信制高校の成績の通知を開いたら、ある科目に単位が付いていなかった。レポートの最後の1回が間に合わなかったのか、試験の日に体調を崩したのか、理由は思い当たっても、この先どうなるのか、誰に何を聞けばいいのかが分からない。そんな不安を抱えてこのページを開いた方もいると思います。

先に結論を書きます。単位が取れなかった科目があっても、その年に取れたほかの科目の単位は残り、取れなかった科目だけを取り直す道があります。取り直し方(追試・再試験・次の年度の再履修など)と、そのための手続きの時期は学校ごとに違うので、最初にすることは「どの科目の、何が足りなかったか」を通知で確かめ、担任の先生に次の年度の登録の前に相談することです。卒業の見通しは、残りの単位数と、1年に無理なく取れる単位数から計算し直せます。

この記事は、e-Gov の学校教育法施行規則・高等学校通信教育規程、文部科学省の高等学校学習指導要領(平成30年告示)とその解説、高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン、令和7年度 通信制高等学校実態調査、就学支援金の資料、東京都教育委員会と都立・道立の通信制高校の公開資料を、2026年9月30日に実際に開いて確かめた内容で書いています。仕組みそのもの(単位が0になる理由や、追試験・補充指導・再履修の違い)は通信制高校 単位 落とすの記事で詳しく整理しているので、ここでは「取れなかったと分かったあと、何をどの順番でするか」に絞ります。

いまの学校で取り直しを続けるのがしんどいと感じている場合や、もっと自分らしい高校生活を探している場合は、オンラインという選択肢もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、全国の仲間とオンラインでつながり、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事に挑戦できます。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、全国にNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のリアルの教室があり、リアルでの通学もご検討いただけます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です。どんな学校なのかは、校長・星野達郎のYouTubeでも見られます。

目次

結論:通信制高校で単位が取れなかったときの早見

  • 取れなかったのは、原則としてその科目だけです。学習指導要領の解説は、在学中に修得を認められた科目は、原則として再び履修し修得する必要はないとしています。1年分がまるごと消えるわけではありません(学年制をとる学校では、進級の決まりもあわせて学則で確かめます)。
  • 最初にするのは、成績や学習状況の通知で「どの科目の、レポート・スクーリング・試験のどれが足りなかったか」を確かめることです。足りないものの種類で、次の一手が変わります。
  • 追試・再試験・次の年度の再履修のどれを用意しているか、いつ申し込むかは学校ごとの決まりです。今回開いた公立の公開資料には、再試験の有無までは書かれていませんでした。担任の先生に直接聞くのが確実です。
  • 次の年度は「取れなかった科目+新しい科目」を、学校の年間の上限と就学支援金の年間30単位の枠を見ながら組み直します。詰め込みすぎると、また同じところでつまずくことがあります。
  • 卒業の見通しは「卒業に必要な単位数−いまの修得単位数」を「1年に無理なく取れる単位数」で割ると目安が出ます。必履修科目と特別活動の条件も合わせて確かめます。
  • 令和6年度に通信制を卒業した90,872人のうち、在籍が3年より長かったのは4,143人(4.6%)でした。延びた人も、それぞれのペースで卒業しています。
  • 今の在籍校のまま、学び方の支えを足す方法もあります。ニジ高は在籍する通信制高校を変えずに併用することもできます(単位の扱いは在籍校の決まりです)。
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取れなかったと分かったら、最初にするのは「どの科目の、何が足りなかったか」を通知で確かめることです

通信制の教育は、高等学校通信教育規程第2条で「添削指導、面接指導及び試験」の方法により行うとされていて、学校はレポート・スクーリング・単位認定試験のそれぞれに、単位を認定するための条件を決めています。東京都教育委員会の入学案内も、決められた数のレポートの合格、決められた時間数以上のスクーリングへの出席、単位認定試験の合格を、単位の修得の認定のための要件として挙げています。どれか1つが足りないと、その科目の単位は付かないのが基本です。だから「単位が取れなかった」と一口に言っても、中身は科目ごとに違います。

多くの学校では、学習の進み具合を生徒に知らせる仕組みがあります。たとえば都立一橋高校の通信制課程は、令和8年8月の学校見学会の資料で、学習状況を「学習支援システム(随時更新)」と「学習状況通知(学校から年5回程度郵送)」で確かめられ、提出したレポートの受付状況や評価、出席したスクーリングの回数が分かると説明しています(都立一橋高校 通信制課程 学校見学会資料(令和8年8月4日))。通知の呼び方や回数は学校ごとに違いますが、手元の通知やシステムの画面を開いて、次の3点を科目ごとに書き出してみてください。

  • レポート:規定の回数のうち、何回が合格で、何回が未提出・再提出か
  • スクーリング:規定の時間数(回数)のうち、何時間出席できたか
  • 試験:受けたか・受けられなかったか、受けたなら結果はどうだったか

書き出すと、「試験だけが届かなかった科目」「レポートが1回足りなかった科目」「スクーリングが大きく足りなかった科目」のように分かれるはずです。この分け方が、そのまま担任の先生に相談するときの材料になります。

もう1つ確かめたいのが、その科目が学校にとって「修得しなければ卒業できない科目」かどうかです。学習指導要領の解説は、2以上の年次に分けて履修した科目の一部の単位について、修得を卒業の要件と学校が定めている科目と、そうでない科目で扱いが違うことを書いています。取れなかった科目がどちらに当たるかで、卒業への影響の大きさも変わります。どちらに当たるかは、学校の教育課程表や、入学時・年度初めに配られる案内で分かります。分からなければ、相談のときに最初に聞く質問にしてください。

足りなかったものの種類で、年度内にできることと次の年度にすることが変わります

書き出した結果を、次の表に当てはめてみてください。どの方法を用意しているかは学校ごとに違うので、表の右の列は「学校に確かめること」として読んでください。

足りなかったもの 年度内に相談できること 次の年度にすること 学校に確かめること
試験の点数だけ 追試・再試験があるか 再履修になった場合は、その科目を登録し直す 受けられる条件と申し込みの時期
試験を欠席した 体調など理由があるときの追試の扱い 同上 欠席の連絡のしかたと、証明が要るか
レポートが一部足りない 提出期限後の扱い(受け付けるか) 再履修で、レポートを最初から出すのか 前の年度に合格したレポートの扱い
スクーリングの時間数が足りない 補う日程や、メディア学習での減免があるか 再履修で、出席した時間数の扱い 前の年度の出席時間の扱い
ほとんど手がつかなかった 体調や事情を担任と共有する 登録する単位数を減らして組み直す 休学や登録の見直しの手続き

表の中で、とくに学校によって答えが分かれるのが「前の年度に合格したレポートや、出席したスクーリングの時間を、次の年度に持ち越せるか」です。学校によって違うと考えられますが、今回開いた公開資料では、この扱いを明記したものは確かめられませんでした。「ゼロからやり直しになる」とも「全部引き継がれる」とも思い込まず、科目ごとに聞いておくと、次の年度の負担を正しく見積もれます。

スクーリングが足りなかった場合については、文部科学省の高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン(令和5年2月一部改訂)が、面接指導への欠席などで時間数が足りなくなるおそれのある生徒に、多様なメディアを利用した学習で時間数を減らす(減免する)ときは、平素から状況を把握し、計画的・継続的に取り入れるよう留意が必要だと書いています。年度末になってからまとめて埋めるのではなく、足りなくなりそうだと気づいた時点で相談するほうが、使える手が多いということです。スクーリングの基本は通信制高校 スクーリング 日数の記事にまとめています。

ダイニングテーブルで、母親と高校生の娘がノートに書き出しながら話している
足りなかったのがレポートか、スクーリングか、試験かで、次にすることが変わります。

制度の上では、取れた単位は残り、取れなかった科目は次の学期や年度に認定を受け直す道があります

ここで、取り直しの土台になる決まりを確かめておきます。どれも「学校がこうできる」という枠組みで、実際にどう運用するかは学校が決めます。

決まり 書いてあること(要旨) 取り直しにとっての意味
学習指導要領 第1章総則 第4款1(1) 学校の定める指導計画に従って履修し、その成果が目標からみて満足できると認められれば、単位の修得を認定する 何を満たせば認定されるかは、学校の指導計画で決まる
同 第4款1(3) 1科目を2以上の年次にわたって履修したときは、年次ごとに認定するのが原則。また、単位の修得の認定を学期の区分ごとに行うことができる 学期ごとに認定する学校なら、年度末を待たずに立て直せる場合がある
同 解説(第5章1(3)) ある年度の授業時数が1単位に満たなくても、次の年度に同じ科目を続けて設定する場合などに、2以上の年次の授業時数を合算して認定することも可能とするため「原則とする」とした 学校が同じ科目を年度をまたいで続けて設定する場合の話。取り直しにそのまま使えるとは限らない
同 解説(第5章1(4)) 修得を認定された科目は、原則として再び履修し修得する必要はない。修得した単位は全日制・定時制・通信制の相互に有効 取れた科目はそのまま残る。転校しても生きる
高等学校通信教育規程 第4条の3 校長は、科目ごとの評価と単位の修得の認定の基準などを書いた通信教育実施計画を作り、生徒にあらかじめ明示する 合格の基準は、推測ではなく読めるもの

出典:文部科学省 高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 総則編(令和6年12月一部改訂)、高等学校通信教育規程(e-Gov法令検索)。

学年制をとる学校について、解説は具体的な例も挙げています。ある学年で単位の修得が認められなかった生徒を一応進級させ、次の学年で十分に指導して、たとえば次の学年の1学期末に追試験を行い、その学期末に単位の修得を認定することも考えられる、という例です。一方で同じ箇所は、学年制の学校で最終学年に修得できなかった科目を翌年度の1学期末に認定し、その時点で卒業を認めることまでは許していないとも書いています。卒業を認める時期は3月末が適当とされ、学期の区分に従って卒業を認める仕組み(学校教育法施行規則第104条第3項。校長が特別の必要があり教育上支障がないと認めるときに「できる」とされる)などは別の定めです。卒業の時期については通信制高校 卒業時期の記事で扱っています。

通信制の多くは単位制で、学年ごとの進級の判定をしません。学年制と単位制の違いは単位制高校とは、留年があるかどうかは通信制高校 留年の記事で整理しています。自分の学校がどちらかは、学則や入学時の案内で確かめてください。

※2026年9月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

追試・再試験・再履修の決まりは学校ごとで、公開資料に書かれていないことも多いので、学校に直接聞きます

「落ちたら再試験がある学校」「次の年度にもう一度登録する学校」など、取り直しの方法は学校ごとに決まっています。どこまで公開されているのかを確かめるため、公立の通信制の公開資料をいくつか開いてみました。

資料(時点) 書いてあったこと 書いていなかったこと
東京都教育委員会「令和9年度 都立高校 定時制・通信制課程 入学案内」 レポート・スクーリング・前期後期の試験で単位を認定。レポートは合格するまで指導を受ける。4月の受講申込みから3月の単位認定、次の年度の受講申込みまでの流れの図 試験に届かなかったときの再試験の有無
都立一橋高校 通信制課程 学校見学会資料(令和8年8月) 無学年制。試験は前期・後期の年2回。学習状況通知は年5回程度郵送。在籍2年目以降は本校定時制の科目の併修制度あり 再試験・追試の決まり
都立新宿山吹高校 通信制課程 学校案内 無学年制で、年度末に卒業の条件を満たしていれば卒業。入学後に科目登録面談がある 取れなかった科目の扱い
北海道有朋高校 通信制課程 令和8年度シラバス(情報Ⅰ) 試験は筆記2回、報告課題は全6回、最低面接時間数4時間。評価の観点ごとに、何をもとに評価するか(報告課題の評点・試験の評点・提出状況) 不合格のときの再試験

出典:東京都教育委員会 入学案内、都立一橋高校 見学会資料、都立新宿山吹高校 学校案内、北海道有朋高校 シラバス(いずれも2026年9月30日確認)。

分かったのは、入学前に誰でも読める資料には、取り直しの細かい決まりまでは載っていないことが多い、ということです。これは学校が隠しているというより、在校生向けの「学習のしおり」や年度初めの説明、通信教育実施計画で案内している部分だからだと考えられます(理由は資料に書かれていないので推測です)。在校生なら、年度初めに配られた冊子や学校のシステムの中に書かれていることがあるので、まずそこを探し、見つからなければ担任の先生に聞いてください。

有朋高校のシラバスのように、科目ごとに「何をもとに評価するか」が書かれている資料は、取り直しのときにも役立ちます。高等学校通信教育規程第4条の3は、科目ごとの評価と単位の修得の認定の基準を書いた計画を、生徒にあらかじめ明示するよう校長に求めています。示し方(冊子・シラバス・学校のシステムなど)は学校ごとに違いますが、在校生なら確かめられるものです。試験のしくみや対策は通信制高校 テスト、レポートの出し直しは通信制高校 レポートの記事で詳しく書いています。

通信制高校で単位が取れなかったときに先に確かめる4つとして、足りなかったもの(レポート・スクーリング・試験)、修得すべき科目かどうか、取り直しの方法、次の年度の登録の期間とお金を並べた図
出典:高等学校通信教育規程第2条・第4条の3、文部科学省 高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 総則編(令和6年12月一部改訂)

次の年度の登録は「取れなかった科目+新しい科目」を、年間の上限の中で組み直します

単位制の通信制では、毎年度の初めに、その年に学ぶ科目を自分で登録します。東京都教育委員会の入学案内の図でも、4月の受講申込みから始まり、年度末の単位認定のあと、3月に次の学年の受講指導、4月に新規の受講申込みがある流れになっています。図には、レポートやスクーリングが年度内に終わらなかった場合も、次の学年の受講指導へ進む矢印が描かれています。取れなかった科目を再履修するなら、この次の年度の登録に入れることになります。登録の期間は学校ごとに決まっているので、3月の結果が出たら早めに担任の先生と相談の日を決めておくと安心です。

組み直すときに気をつけたいのが、量です。東京都教育委員会の案内は、都立の通信制で30単位を登録した場合のレポートを年間約82〜86通とし、スクーリングは年間約20〜24日の登校(日数は履修科目によって違い、原則土曜日)としています。取り返そうとして登録を増やすと、この量がそのまま増えます。1年に登録できる単位数には学校ごとの上限があり、就学支援金も年間30単位までです(通信制高校 単位 上限)。組み直し方は、大きく3つの考え方に分かれます。

組み直し方 向いている場合 気をつけること
取れなかった分を上乗せする 取れなかった理由が一時的(試験の日の体調など)で、ほかの科目は順調だった 年間の上限と支援金の30単位の枠。レポートとスクーリングの量が増える
いつもと同じ量で、中身を入れ替える 卒業の時期に少し余裕がある。修得すべき科目を優先したい 後回しにした科目を、どの年度で取るかを決めておく
登録する単位を減らす 多くの科目で手が止まった。体調や生活の立て直しが先 卒業の時期が延びる可能性。在籍の月数と支援金の月数

どれが正解というものではありません。大切なのは、取れなかった理由に合わせて選ぶことです。レポートの期限に追われて最後の1回を落としたのなら、上乗せするより、提出の間隔を空けられる量に戻したほうが、結果として早く進むこともあります。

なお、在籍校によっては、ほかの課程との併修で単位を足せる場合があります。都立一橋高校の通信制課程は、在籍2年目以降に本校定時制課程の開講科目を併修できる制度があると案内しています。高等学校通信教育規程第12条も、校長の定めるところにより、定時制や他の高校の通信制で修得した単位を卒業に必要な単位数に加えることが「できる」としています。使えるかどうかは学校ごとなので、相談のときに聞いてみてください。

卒業の見通しは「残りの単位数」と「1年に無理なく取れる単位数」で計算し直せます

単位が取れなかったとき、いちばん気になるのは「卒業が延びるのか」だと思います。これは、計算で目安を出せます。卒業の条件は、3年以上の在籍、74単位以上の修得(学校が74単位より多く定めている場合はその数)、必履修科目の履修、特別活動30単位時間以上の4つです(通信制高校 卒業 単位数)。このうち単位数は、次のように計算します。

  1. 学校が定める卒業に必要な単位数から、いま修得している単位数(転入なら前の学校の分も)を引く
  2. その残りを、1年に無理なく取れる単位数で割る
  3. 出てきた年数と、在籍が通算3年に届くまでの残りの年数のうち、長いほうが卒業までの目安

3つの場合で計算してみます。数字は説明のための例で、卒業に必要な単位数を74単位とし、特定の学校の決まりではありません。1年に取れる単位数や、取り直しをいつ認定するかは、在籍校の決まりで確かめてください。

例 いまの状態 計算 見通し(目安)
A:1年目の終わり 26単位登録で、2単位の科目を1つ取れず24単位 74−24=50単位。1年25単位なら2年 取れなかった2単位を2年目か3年目の登録に入れても、3年で届く計算
B:2年目の終わり 2年間で45単位 74−45=29単位 3年目に29単位を取れれば3年で届く。量が多いので、4年目に分ける考え方もある
C:3年目の3月 70単位。4単位足りない 74−70=4単位 その学校で翌年度に取り直す扱いか、学期の区分での卒業があるかで時期が変わる。学校に確かめる

計算で届くと出ても、必履修科目が残っていないか、特別活動の時間が足りているかは別に確かめます。とくにCのように卒業の予定の年度に足りなくなった場合は、その学校が取り直しをいつ認定するか(年度末だけか、学期ごとか)で卒業の時期が変わるので、学校の答えを待ってから予定を立てるのが確実です。

見通しを立てるときに参考になる数字もあります。文部科学省の令和7年度 通信制高等学校実態調査では、令和6年度に通信制を卒業した90,872人(令和4年度以降に開校した73校を除く)のうち、在籍が3年より長かったのは4,143人(4.6%)でした。内訳は、3年より長く4年未満が1,098人、4年間が1,775人、4年より長く6年未満が755人、6年以上が515人です。なお、この年数は卒業した学校での在籍期間とみられ、1年未満で卒業した人が6.4%いることから、転入した人の前の学校の期間は含まれていないと考えられます(調査に説明は無いので推測です)。高校生活全体で3年より長くかかった人の割合は、これより多い可能性があります。また、2025年5月1日時点で4年以上在籍している生徒は全体の6.8%(公立25.6%・私立1.9%・株式会社立1.4%)でした。1年や2年延びて卒業する人も、毎年一定数いるということです。

窓辺の机で高校生がノートに計画を書き、奥で母親が本を読んでいる
残りの単位数を、1年に無理なく取れる数で割ると、卒業までの見通しを立て直せます。

延びた期間と取り直す単位は、就学支援金の「48か月」「74単位・年30単位」の枠を使います

取り直しを考えるとき、お金の枠も一緒に確かめておくと安心です。国の高等学校等就学支援金は、通信制では支給期間が48か月、単位数は通算74単位・年間30単位までです(文部科学省 高等学校等就学支援金・新制度の概要)。2026年度から所得制限はありません。取り直しに関係するのは次の3点です。

枠 中身 取り直しとの関係
期間 通信制は実質48か月(法律の上限は通算36か月で、通信制だけに在学した月は4分の3か月として数える) 在籍が延びると月数を使う。全日制などに在学していた期間も通算される
単位数 通算74単位・年間30単位まで 再履修する単位が支援金の対象になるなら、この枠の中で数える。1年で30単位を超えた分は対象外
枠を超えたあと 標準の修業年限(48月)を超えて在学すると就学支援金等の対象外(東京都の案内) 過去に高校を中途退学したことがある人は、学び直し支援で最長24か月(定時制・通信制)の支援の対象になる場合がある

出典:文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度の概要」、高等学校等就学支援金の支給に関する法律第3条・同法施行令第1条(e-Gov法令検索)、文部科学省「学び直しへの支援」(令和8年度)、東京都教育委員会「令和9年度 入学案内」(いずれも2026年9月30日確認)。

支援金の対象は授業料で、支給の上限は私立の通信制で1単位13,668円・年337,200円までです。公立の授業料や支給の上限は都道府県によって違います。再履修した科目が支援金の対象として数えられるかの扱いは、国の資料では確かめられませんでした。再履修を登録する前に、学校の事務室で「この科目は支援金の対象になりますか」「あと何か月・何単位分の枠が残っていますか」と聞いておくと、あとで驚かずに済みます。制度の全体は通信制高校 就学支援金の記事にまとめています。

通信制高校の就学支援金は期間48か月・通算74単位・年間30単位までで、単位を取り直すと延びた在籍の月数を使い、再履修の単位も支援金の対象になる場合はこの枠の中で数え、枠を超えた分は対象外になることを比べた図
出典:文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度の概要」「学び直しへの支援」、東京都教育委員会「令和9年度 入学案内」

学校への相談は「担任→単位の担当→事務」の順に、聞くことを紙1枚にまとめてから行きます

取れなかったことを先生に話すのは、気が重いものです。でも、学校の側にも、困っている生徒を支える役目があります。先ほどのガイドラインは、履修登録をしていても添削課題への取組や面接指導への参加が難しい生徒に対して、生徒や保護者との面談や電話かけなど、個々の実情に応じた指導や支援を行うよう努めることを学校に求めています。また、教育支援や進路指導などは、通学コースを受けているかどうかにかかわらず、学校として在籍するすべての生徒に対して当然に行うべきものだとも書いています。相談することは、わがままでも迷惑でもありません。

相談の相手は、次のように分けると話が早く進みます。

相手 聞くこと 持っていくもの
担任の先生 取れなかった科目は修得すべき科目か。追試・再試験・再履修のどれになるか。次の年度の登録の期間はいつか 科目ごとに書き出したメモ(レポート・スクーリング・試験)
教科の先生・単位の担当(教務) 前の年度に合格したレポートや出席時間の扱い。スクーリングの補い方やメディア学習での減免の有無 その科目の通知、シラバスや学習のしおり
事務室 再履修の授業料。就学支援金の残りの月数と単位数。対象になるか 支援金の認定の通知など
スクールカウンセラーなど 体調や気持ちの面で手が止まっていたときの相談 とくになし。話せるところからで大丈夫

都立一橋高校の見学会資料には、担任のほかにスクールカウンセラー、キャリアカウンセラー、ユースソーシャルワーカーの相談体制が挙げられています。学校によって置いている人は違いますが、担任の先生以外にも話せる人がいることは多いので、学校の案内で探してみてください。

話すのが苦手な場合は、メモをそのまま渡す、保護者と一緒に行く、先にメールや連絡帳で要点だけ伝えておく、という方法もあります。聞いた答えは、日付と一緒にメモに書き足しておくと、次の年度の登録のときに見返せます。

体調や気持ちの面で手が止まっていたときは、「止まっていた理由」から先に伝えます

単位が取れなかった理由が、勉強の中身ではなく、体調や気持ちの面で手が止まっていたことにある場合もあります。これは珍しいことではありません。実態調査では、添削課題は出しているのにスクーリングに1日も来ていない生徒が8,097人(2.6%)いて、理由でいちばん多かったのは「心身に関すること」でした(その理由に当たる生徒がいた学校が161校)。

この場合は、科目の話より先に「最近こういう状態で、手が止まっていた」と伝えるほうが、学校も手を考えやすくなります。ガイドラインは、複数のメディアを利用した学習でスクーリングの時間数を10分の6を超えて合わせて10分の8まで減らせる「生徒の実態等を考慮して特に必要がある場合」の例として、病気や事故で入院や自宅療養が必要な場合、いじめや人間関係など心因的な事情で登校が難しい場合などを挙げています(極めて例外的な取扱いとされています)。使えるかどうかは学校の判断ですが、事情を伝えなければ、学校はこうした扱いを検討できません。

同じガイドラインは、1科目も履修していない生徒についても、在籍を続けることで生徒の能動的な活動を待つという教育的配慮が必要な場合もあり、画一的な対応ではなく、生徒の抱える課題に留意することが必要だとしています。いったん登録を減らしたり、休んだりしても、学校とのつながりが切れるわけではありません。

ご家族の方は、取れなかった単位を責めるより、「何が足りなかったのか一緒に書き出してみよう」と、表を埋める作業を手伝うほうが、次の一歩につながりやすくなります。本人が話したくないときは、通知を一緒に見るところまででも十分です。

よくある誤解と落とし穴:取れなかった年が「無駄」になるわけではありません

単位が取れなかったときに抱きやすい思い込みと、実際に気をつけたい点を分けて書きます。

  • 誤解:1科目取れなかったら、その1年はやり直し。→取れなかったのは、原則としてその科目です。取れた科目は、原則として再び履修し修得する必要はないと学習指導要領の解説に書かれています(学年制の学校では、進級の決まりも学則で確かめます)。
  • 誤解:取れなかった科目は、レポートもスクーリングも全部最初から。→学校によって扱いが違い、公開資料では確かめられませんでした。科目ごとに聞いてから見積もります。
  • 誤解:転校すれば、取れなかったことはなかったことになる。→転校しても、修得した単位と在籍の期間は、原則として引き継がれます(転入先の審査があります)。取れなかった科目は、転校先で必要なら取ることになります。
  • 誤解:サポート校に通えば、そこで単位がもらえる。→単位を認定するのは在籍する通信制高校です。サポート校は学習を支える場で、単位の認定はしません。

実際の落とし穴は、次の3つです。

  • 結果を待っているあいだに、次の年度の登録の期間が過ぎてしまう。3月に結果が出たら、登録の期間を最初に確かめます。
  • 取り返そうとして登録を増やしすぎる。年間の上限と支援金の年間30単位の枠に当たり、量も増えます。
  • 通知を見ないままにしてしまう。見るのがつらいときは、家族や先生と一緒に開くだけでも、状況はずっと整理しやすくなります。

学校を変えるかどうかは、取り直しの見通しを学校に聞いてからでも決められます

単位が取れなかったことをきっかけに、「この学校は合わないのかもしれない」と考えることもあると思います。その気持ちは大切にしてよいものです。ただ、転校は、在籍している学校での取り直しの見通しを聞いてからでも考えられます。

転入すると、それまでに修得した単位と在籍した期間は、原則として転入先に引き継がれます(転入先がどう認めるかの審査はあります)。都立新宿山吹高校の学校案内も、前の高校で取った単位は、証明書などにもとづく審査で認められれば卒業に必要な単位数の一部になると書いています。取れなかった科目がある状態で転校しても、取れた分が消えるわけではありません。

比べるときは、「取り直しの方法(追試・再試験・再履修)と時期」「レポートとスクーリングの量」「相談できる人」を、今の学校と転校先の候補で同じ質問にして聞くと違いが見えます。転校の条件や時期は高校 転入、学校の選び方は通信制高校 選び方の記事にまとめています。

選択肢の1つとしてのニジ高は、オンライン中心のサポート校です。単位を認定するのは在籍する通信制高校です(正直な注意点)

ニジ高(NIJIN高等学院)は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。担任制で、授業のアーカイブ視聴や中学内容の学び直しに対応しています。カメラ・マイクをオフにして、チャットだけで参加するところから始められます。希望する生徒には、スタッフが1対1で伴走する支援もあります。生徒会・サークル・学園祭・企業とのプロジェクトなど、勉強以外の居場所をつくれるのも特色です。

この記事のテーマに関わる正直な注意点を書きます。

  • ニジ高は高校ではありません。卒業資格は提携する通信制高校で取ります。単位を認定するのも、取り直しの方法を決めるのも、在籍する通信制高校です。
  • 提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。ニジ高の中でのスクーリングはありません。
  • 今の通信制高校に在籍したまま、ニジ高を併用することもできます。その場合も、単位・スクーリング・再履修の扱いは在籍校の決まりです。
  • 費用は在籍する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかり、ニジ高の分に就学支援金は使えません。金額は学費のご案内でご確認ください。
  • オンライン中心なので、毎日決まった場所に通うことを求める人には合わない場合があります。全国にNIJINアカデミーのリアルの教室があり、相談のうえで通うこともできます。

途中からの入学(転入・編入)もでき、出願費用は無料です。スクーリングの形や日程は個別相談会で詳しくご案内しています。提携する通信制高校での取り直しの扱いも、個別相談会でお尋ねください。

迷ったときの進め方(3ステップ)

  1. 通知を開いて、取れなかった科目ごとに「レポート・スクーリング・試験のどれが、どれだけ足りなかったか」と「修得すべき科目か」を紙1枚に書き出す。
  2. 担任の先生に、取り直しの方法(追試・再試験・再履修)と、次の年度の登録の期間を聞く。お金のことは事務室で、支援金の残りの月数と単位数を聞く。
  3. 聞いた答えをもとに、次の年度の登録を「上乗せ・入れ替え・減らす」のどれにするか決め、卒業の見通しを計算し直す。今の学校でのやり方が合わないと感じたら、転校やサポート校の併用も、同じ質問で比べてみる。

ニジ高の個別相談会は、オンライン(Zoom)で30分、参加は無料です。保護者の方だけでも参加でき、カメラ・マイクはオフで大丈夫です。お申し込みは体験説明会・個別相談のページからどうぞ。

学校の相談室で、生徒と保護者が先生の説明を聞いている
取り直しの方法や登録の時期は、担任の先生や学校の窓口で確かめられます。
オンラインで学ぶニジ高の生徒

取れなかった科目の立て直し方を、一緒に整理しませんか

ニジ高は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校です。カメラ・マイクをオフにしたチャット参加から始められ、授業のアーカイブ視聴にも対応しています。高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、そのスクーリングへの参加が必要です。今の在籍校のまま併用する形も含めて、体験説明会でご相談ください。

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よくある質問

Q. 単位が取れなかったら、留年になりますか?

A. 通信制の多くは単位制で、学年ごとの進級の判定をしないため、取れなかった科目だけを取り直す形になります。学年制をとる学校もあるので、自分の学校がどちらかは学則や入学時の案内で確かめてください。学年制の学校でも、学習指導要領の解説は、一応進級させて次の学年で追試験を行い単位を認定する運用の例を挙げています。

Q. 取れなかった科目は、いつ取り直せますか?

A. 学校の決まりによります。学習指導要領とその解説からは、学期の区分ごとの単位の認定や、学年制の学校で次の学年の学期末に追試験を行って認定する例が読み取れます。このほか、年度内の追試験や、次の年度の登録での再履修という形もあり得ます。どれを用意しているかは学校ごとで、今回開いた公立の公開資料には再試験の有無までは書かれていなかったので、担任の先生に聞くのが確実です。

Q. 再履修すると、前に出したレポートやスクーリングの出席はどうなりますか?

A. 学校と科目によって扱いが違い、公開資料では確かめられませんでした。「最初から全部やり直し」と決めつけず、担任や教科の先生に「前の年度に合格したレポートと、出席した時間はどう扱われますか」と聞いてから、次の年度の量を見積もってください。

Q. 3年で卒業できなくなりますか?

A. 残りの単位数と、1年に無理なく取れる単位数で目安が出ます。取れなかった単位を残りの年度に入れても卒業に必要な単位数に届けば、卒業の時期は変わらないこともあります。卒業の予定の年度に足りなくなった場合は、学校が取り直しをいつ認定するかで時期が変わります。令和6年度の通信制の卒業生のうち、卒業した学校での在籍が3年より長かった人は4.6%でした。

Q. 再履修にお金はかかりますか?

A. 1単位ごとに授業料(受講料)を納める学校では、登録した単位数で授業料が決まるので、再履修で登録する科目の分もかかる形になります。額や扱いは学校ごとです。就学支援金は通信制で48か月・通算74単位・年間30単位までです。再履修した科目が支援金の対象として数えられるか、数えられるならこの枠のどれだけを使うかは、学校の事務室で確かめてください。

単位が取れなかったことは、立て直し方が分かったというしるしでもあります

成績の通知で単位が付いていない科目を見つけると、自分がだめだったように感じてしまうかもしれません。でも、何が足りなかったかが分かれば、次にどうすればいいかも見えてきます。レポートの間隔なのか、スクーリングの日程なのか、体調なのか。取れなかった理由は、次の年度の組み立て方を教えてくれる材料です。

取れた単位は残っていて、道は続いています。一人で抱えずに、通知を紙に書き出すところから、先生や家族と一緒に始めてください。自分に合う量とペースが見つかれば、卒業までの道のりは少しずつ形になっていきます。

オンラインで学ぶニジ高の生徒

オンラインで、青春する。

孤独を、青春に。取り直しの一歩を、仲間と一緒に

全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付

通信制高校サポート校 NIJIN高等学院(ニジ高)/出願費用は無料です。無理に勧めることはありません。


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