お子さんが発達障害の診断を受けた直後は、「まず何をすればいいのか」「高校には伝えたほうがいいのか」と、考えることが一度に押し寄せます。たとえば、高校1年の秋に欠席や提出物の遅れが続いて受診し、診察室で診断名を聞いた帰り道。そんな場面を仮の例として思い浮かべながら、この記事を書きました。
先に結論を書きます。診断のあとに親がすることは、①主治医に聞く、②本人への伝え方を決める、③学校に伝えるか・誰に何を伝えるかを本人と決める、④配慮を申し出て記録に残してもらう、⑤学校の外の相談先と制度を確かめる、の5つの順番に分けられます。この5つは公的な分類ではなく、国の資料をもとにこの記事で整理した順番です。全部を同じ週に終える必要はありません。
この記事は、障害者差別解消法などの法令(e-Gov)、文部科学省の対応指針・ガイドライン・令和7年度と令和6年度の調査、国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター、発達障害ナビポータル、東京都教育委員会、大学入試センターの公式ページを実際に開いて確かめた内容でまとめています。公式で確認できなかったことは、確認できなかったと書いています。診断名ごとの治療や薬のことは扱いません。診断や服薬の判断は、主治医に相談してください。
今の高校に毎日通うのが難しい場合や、特性に合う学び方を探している場合は、オンラインという選択肢もあります。NIJIN高等学院(ニジ高)は「オンラインで最高の青春を」を掲げる通信制高校サポート校で、全国の仲間とオンラインでつながり、企業や地域と関わるプロジェクトや、生徒が自分たちで企画する行事に挑戦できます。カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められ、全国にNIJINアカデミー(ニジ高はその高等部)のリアルの教室があり、リアルでの通学もご検討いただけます。ニジ高は高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングには参加が必要です。どんな学校なのかは、校長・星野達郎のYouTubeでも見られます。
結論:発達障害の診断後に親がやることの早見
- することは5つの順番に分けられます。主治医に聞く→本人への伝え方を決める→学校に伝えるかを本人と決める→配慮を申し出て記録に残す→学校の外の相談先と制度を確かめる、です(この記事での整理)。
- 本人への伝え方について、国立障害者リハビリテーションセンターの発達障害情報・支援センターは「本人に最適なタイミングで」「本人がわかることばで」「本人が納得できる説明の仕方で」の3つを挙げています。いつ・誰が伝えるかは、先に主治医と相談します。
- 診断を高校へ届け出るよう保護者に求める規定は、今回確認した法律・指針には見当たりませんでした。ただし、合理的配慮は本人や家族からの申し出(意思の表明)があって動き出す仕組みです。
- 相談の窓口になる特別支援教育コーディネーターを指名している高校は、公立99.8%・私立46.1%です(文部科学省・令和7年5月1日現在。通信制の課程と専攻科を除く)。
- 合理的配慮は、公立高校は2016年4月から、私立高校も2024年4月から法律上の義務です。私立学校など事業者向けの文部科学省の対応指針は、対象が障害者手帳を持つ人に限られないと書いています。
- 高校にも通級による指導があります(2018年度から)。令和6年度に受けた高校生は国公私立の計で2,930人で、受けている生徒がいる学校は限られます。
- 配慮を頼んでも環境そのものが合わないときは、オンライン中心のサポート校(NIJIN高等学院など)で通信制高校の卒業をめざす方法もあります。
「何から手をつければ」と止まるのは自然なことです。先に、5つの順番を1枚で見ます
診断名を聞いた日、ほっとした気持ちと、これからへの不安が同時に来ることがあります。
国立障害者リハビリテーションセンターの発達障害情報・支援センターには、支援者が子どもの特徴を親に伝えるときの留意点をまとめたページがあります。主に幼児期の子どもの親を念頭に書かれたもので、高校生の保護者を調べた資料ではありませんが、わが子に診断名がつくことは親にとって大きな衝撃で、悲しみや怒り、認めたくない気持ちが生じるのは当然だ、という趣旨が書かれています(発達障害情報・支援センター「親に伝える」。2026年10月確認)。気持ちが追いつかないまま、手続きだけ進めようとしなくてかまいません。
| 順番 | すること | 主な相手 | もとにした資料 |
|---|---|---|---|
| ① | 困る場面と、効く手立てを聞く | 主治医 | 発達障害情報・支援センター |
| ② | 本人にいつ・誰が・どう伝えるかを決める | 主治医、本人 | 発達障害情報・支援センター |
| ③ | 学校に伝えるか、誰に何をどこまで伝えるかを決める | 本人、担任、特別支援教育コーディネーター | 文部科学省のガイドライン、発達障害ナビポータル |
| ④ | 配慮を申し出て、決まった内容を記録に残してもらう | 高校 | 障害者差別解消法、対応指針、学習指導要領 |
| ⑤ | 学校の外の相談先と、制度の名前を確かめる | 発達障害者支援センター、市区町村 | 発達障害者支援法、厚生労働省、大学入試センター |
※順番と分け方は、この記事で整理したものです。お子さんの状態によって、前後したり、同時に進んだりします。
①主治医には、診断名より「困る場面」と「効く手立て」を聞きます
診断名が同じでも、困る場面は一人ひとり違います。だから主治医に聞いておきたいのは、診断名の解説よりもお子さん本人の中身です。次の5つは、この記事で整理した質問の例です。紙に書いて持っていくと、聞きもらしが減ります。
- どんな場面で困りやすいか。検査を受けた場合は、得意なことと苦手なことは何だったか
- 学校に伝えるとよいこと、頼むとよい配慮は何か
- 本人には、いつ・誰が・どんな言葉で伝えるのがよいか
- 次の受診の目安と、調子を崩したときの連絡先
- 学校や入試で診断書が要るときの頼み方と、できあがるまでの日数や費用
心理検査の結果は、あとで使う場面があります。発達障害情報・支援センターは、医療機関や相談機関へ行くときに、知能検査などの心理検査を受けたことがあればその結果を持って行くよう案内しています。東京都教育委員会の都立高校の教職員向けの手引きも、発達検査は発達障害があるかどうかを判断するための検査ではなく、得意な部分と苦手な部分が分かり、支援の手がかりを得られるものだと説明しています。結果の写しをもらえるかを、検査を受けた機関に聞いておくと安心です。
出典:発達障害情報・支援センター「医療・相談機関へ行くときには」/東京都教育委員会「都立高校における発達障害教育の手引き」(令和6年2月・第一版)(2026年10月確認)
受診先の探し方は高校生 精神科 受診の記事に、診断がつくほどではないと言われた場合のことは発達障害 グレーゾーン 高校生の記事にまとめています。

②本人への伝え方は「タイミング・ことば・納得できる説明」。国の機関はこの3つを挙げています
診察室で本人が医師から直接聞いていることもあれば、保護者だけが先に結果を聞くこともあります。どちらの場合も手がかりになるのが、発達障害情報・支援センターの「本人に伝える」のページです。
このページは、本人に診断を伝える目的を、本人が長所も短所も含めて自分のことをよく理解し、自信をもって前向きに生活していけるようにするため、と説明しています。悪い知らせを伝えるためではない、という位置づけです。
伝え方については、「本人に最適なタイミングで」「本人がわかることばで」「本人が納得できる説明の仕方で」の3つを挙げています。自分の障害を理解することが力になる時機の1つに「学業や友人関係につまずき自尊心が低下した思春期」が挙がり、誰が、いつ、どのように伝えるかは、できる限り事前に関係者どうしで相談しておくことが必要だとも書かれています。保護者だけで決めず、まず主治医に相談してから進める形が、この資料の考え方に沿います。
| 伝えるときに含めたい点(発達障害情報・支援センター) | 家庭での言い方の例(この記事でつくった例) |
|---|---|
| 苦手なことは、別の方向から見れば強みでもある | 「細かいところが気になるのは、ていねいに確かめられるということでもあるね」 |
| 生まれつきの性質だが、成長や経験によって変化していく | 「今つらいことが、ずっと同じ形で続くと決まっているわけではないよ」 |
| 困ったことがあったら、周りに伝えればよい | 「分からないときは、先生や家族に言っていいんだよ」 |
| 同じ診断名でも一人ひとり違う。診断のある人とない人は、はっきり区別できるものではない | 「診断名は、あなたの全部を表す言葉ではないよ」 |
| 口頭だけでなく、メモや絵・図も使う | 話したことを短く紙に書いて渡す |
出典:発達障害情報・支援センター「本人に伝える」(2026年10月確認)。右の列は公的な文例ではありません。
本人が診察室で直接聞いた場合は、家で説明をやり直すより先に、「聞いてどう思った?」と受け止めを聞きます。保護者だけが先に聞いた場合は、誰がどの場で伝えるかを次の受診で主治医と決めます(どちらも、この記事での整理です)。同じページは、ふだんどおり、否定的なことばは使わずに伝えるよう勧めています。毎日の言葉の選び方は、発達障害 声かけの記事で場面別に書いています。
③診断を学校へ届け出る決まりは見当たりません。伝えるなら「誰に・何を・どこまで」を本人と決めます
今回確認した障害者差別解消法、文部科学省の対応指針、教育支援体制整備ガイドラインには、診断を受けたことを学校へ届け出るよう保護者に求める規定は見当たりませんでした(学校ごとの書類や学則での扱いは確かめていません)。確かめた範囲では、伝えるかどうかは本人と家庭で決めることです。
一方で、合理的配慮は本人や家族からの申し出があって動き出す仕組みです。文部科学省のガイドラインも、保護者に向けて、不安なことや子どもが困っていることがあれば学校と相談し、協力して取り組むよう勧めています。高校は科目ごとに単位を修得していく仕組みなので、欠席や未提出が増えているときほど、早めに話しておく意味があります(単位と欠席の関係は高校 欠席日数の記事へ)。
誰に伝えるか
| 相手 | 公的資料に書かれている役割 | 伝える内容の例(この記事での整理) |
|---|---|---|
| 学級担任 | 保護者が基本的に連絡を取り合う相手(文部科学省ガイドライン) | 困る場面、家で効いた手立て |
| 特別支援教育コーディネーター | 保護者からの相談窓口。校内や関係機関との連絡・調整(同ガイドライン、対応指針) | 頼みたい配慮、主治医や支援機関とのつなぎ方 |
| 養護教諭 | 学校で相談できる先生の1人(発達障害ナビポータル) | 体調の波、薬を飲んでいる場合の注意 |
| スクールカウンセラー | 保護者・家族だけでなく本人の相談にも対応(発達障害ナビポータル) | 本人の気持ち、親の迷い |
文部科学省のガイドラインは、担任に相談することが難しい場合は特別支援教育コーディネーターに相談することもできる、と保護者に向けて書いています。最初の相手は、本人が話しやすい先生でかまいません。
何を伝えるか
同じガイドラインは、保護者が学校に伝える内容として、生育歴や療育歴を中心に、日常生活での特徴的な行動や、家庭で効果的だった対応の方法などを挙げ、具体的に伝えるとよい、としています。薬を飲んでいる場合は、主治医と相談しながら、学校がどこまで協力・対応できるかを相談する必要がある、とも書かれています。この記事では、困る場面・効いた手立て・本人の言葉の3つを1枚のメモにすることをおすすめします(この記事での整理です)。「板書を写し終わる前に消される」のように、場面で書きます。
診断書は要るか、どこまで共有されるか
文部科学省の対応指針(私立学校など事業者向け)の本文を確かめたところ、配慮の申し出に診断書の提出を条件とする記載は見当たりませんでした。対応指針は、法律の対象になるかどうかは個別に判断され、障害者手帳を持っている人に限られない、と書いています。ガイドラインも、医師による障害の診断がないと特別支援教育を行えないというものではない、としています。ただし、検査結果が要る手続きもあります(東京都立高校の通級は後述)。何が要るかは、在籍校に確かめてください。
共有の範囲も、面談で聞いておきたい点です。ガイドラインは、個別の教育支援計画は多くの個人情報を含むため、本人や保護者の同意なく第三者に提供することはできない、としています。校内でどの先生まで伝わるか、クラスメイトに説明するかどうかは、本人の希望を先に聞いてから学校と決めます(この記事での整理です)。
出典:文部科学省「発達障害を含む障害のある幼児児童生徒に対する教育支援体制整備ガイドライン」(平成29年3月)/文部科学省の対応指針/発達障害ナビポータル「支援につながる【学童期・思春期】」(2026年10月確認)

窓口の特別支援教育コーディネーターは、公立高校の99.8%・私立高校の46.1%で指名されています
「コーディネーターという先生は、うちの高校にもいるのか」。文部科学省が令和8年7月に公表した「令和7年度 特別支援教育体制整備状況調査結果」(令和7年5月1日現在)から、高校の数字を抜き出しました。
| 項目(高校) | 公立 | 私立 | 国公私立の計 |
|---|---|---|---|
| 特別支援教育コーディネーターを指名している学校 | 99.8% | 46.1% | 84.9% |
| 校内委員会を設置している学校 | 98.1% | 53.8% | 85.8% |
| 個別の教育支援計画か個別の指導計画に、合理的配慮を明記している学校 | 84.6% | 36.9% | 71.4% |
出典:文部科学省「令和7年度 特別支援教育体制整備状況調査結果」(国公私立別・学校種別 実施率の表から主なものを抜粋。2026年10月確認)
- この調査の高校は、通信制の課程と専攻科を除いています。通信制高校の数字は、この調査からは分かりませんでした。
- どの行も、学校の数に占める割合です。配慮を受けている生徒の割合ではありません。
- 指名の有無を数えた数字です。支援の中身を公立と私立で比べたものではありません。
私立高校では、指名していない学校のほうが多いという結果です。いない、または誰か分からないときは、担任や養護教諭など話しやすい先生に、「配慮の相談はどなたにすればよいですか」と聞くところから始められます。
④合理的配慮は「申し出」から始まります。私立高校は対応指針、公立高校は自治体の対応要領が手がかりです
合理的配慮の根拠は、障害者差別解消法です。障害のある人から「現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合」に、負担が過重でないときは、必要かつ合理的な配慮をしなければならないと定められていて、この法律でいう障害には発達障害を含む精神障害が入ります(第2条第1号)。
| 項目 | 公立高校 | 私立高校 |
|---|---|---|
| 法律の条文 | 第7条第2項(行政機関等) | 第8条第2項(事業者) |
| 配慮が義務になった時期 | 2016年4月の法律の施行から | 2024年4月1日から(それまでは努力義務) |
| 手がかりになる文書 | 自治体の職員対応要領(第10条。定めるよう努めるものとされている) | 文部科学省の対応指針(第11条) |
| 話し合いがまとまらないとき | 東京都の例:都立学校での障害を理由とする差別などの相談は、学校を管轄する学校経営支援センター経営支援室へ(2018年12月更新のページ) | 校内委員会、設置者の学校法人など(対応指針) |
文部科学省の対応指針は、私立学校を設置する学校法人など、文部科学省が所管する分野の事業者に向けた文書です。公立高校に直接当てはまるものではありませんが、考え方を知る手がかりになります。対応指針には、本人の表明が難しい場合には家族などが本人を補佐して行う意思の表明も含むこと、配慮の内容は双方の建設的対話を通じて柔軟に対応することが書かれています(親が代わりに伝える段階から、本人が自分で頼む段階への移り方は、発達障害 高校生 親の関わり方の記事へ)。さらに、合理的配慮は、設置者・学校と本人・保護者が合意形成を図ったうえで提供されることが望ましく、その内容を個別の教育支援計画に明記することが重要である、としています。
公立高校については、都道府県や市の教育委員会の要領や手引きを探します。東京都の例では、都教育委員会が「障害者差別解消法ハンドブック(都立学校版)」と、教職員向けの「都立高校における発達障害教育の手引き」を公開しています。手引きには配慮の例として、全体に指示をしたあとに個別に指示を繰り返す、穴埋め式のワークシートで書く量を減らす、連絡事項を1対1で確認する、感情的になったときに相談室や保健室を使えるよう事前に決めておく、イヤーマフの使用を認める、などが載っています。これは東京都の資料にある例で、どの高校でも同じ配慮が用意されるという意味ではありません。
頼むときは、「困る場面」と「頼みたい工夫」を対にして、1つか2つから始めると話が進みやすくなります(この記事での整理です)。定期考査での別室受験や時間の延長について、国が一律に決めた基準は確認できませんでした。扱いは在籍校に確かめ、考査の日程が出たら早めに相談してください。
出典:障害者差別解消法 第2条・第7条・第8条・第10条・第11条(e-Gov)/文部科学省の対応指針(令和6年4月1日施行の改正後)/東京都教育委員会「障害者差別解消法ハンドブック(都立学校版)」(2018年12月更新)・「都立高校における発達障害教育の手引き」(2026年10月確認)
※2026年10月時点の情報です。最新は公式でご確認ください。

決まった配慮は「個別の教育支援計画」に残します。高校の通級は2018年度からで、令和6年度は2,930人です
口頭で決まった配慮は、担任が替わったり学年が上がったりすると途切れがちです。そこで使えるのが、学校がつくる2つの計画です。
- 個別の教育支援計画:家庭や、医療・福祉・保健・労働などの関係機関と連携して、長期的な視点で支援を行うための計画
- 個別の指導計画:各教科・科目などの指導で、生徒一人ひとりの実態に合わせてつくる計画
高等学校学習指導要領(第1章総則 第5款2(1)ウ)は、通級による指導を受ける生徒については2つの計画を作成し効果的に活用する「ものとする」、それ以外の障害のある生徒などについては作成と活用に「努めるものとする」と書いています。通級を受けていない生徒の計画は、高校の側では努力の規定です。条文の読み方と、中学校からの支援の引き継ぎは、発達障害 高校生 親の関わり方の記事に書いています。
先ほどの調査では、通常の学級の生徒(通級を受けている生徒を除く)で学校が作成が必要と判断した人のうち、89.0%に個別の教育支援計画が作られていました。一方、合理的配慮を計画に明記している高校は71.4%(私立は36.9%)です。面談で配慮が決まったら、「この内容を個別の教育支援計画に書いていただけますか」「担任が替わるときに引き継がれますか」と聞いておくと、記録として残りやすくなります。文部科学省のガイドラインは、計画は学校が作成し、作成にあたって保護者の参画が求められていることを、保護者向けに書いています。呼び名は自治体で違うことがあり、東京都教育委員会は個別の教育支援計画を「学校生活支援シート」と呼んでいます。
授業の中の配慮で足りないときは、通級による指導があります
通級による指導は、通常の学級に在籍したまま、障害に応じた特別の指導を受ける仕組みで(学校教育法施行規則第140条)、高校では2018年(平成30年)4月1日に始まりました。単位の扱いは、上で紹介した親の関わり方の記事にまとめています。
文部科学省の「令和6年度 通級による指導実施状況調査結果」(令和8年7月公表)では、通級による指導を受けた高校生は国公私立の計で2,930人(公立2,864人・私立66人)でした。公立に限ると、2,864人は公立高校の生徒の0.2%にあたり、通級を受けている生徒が在籍する公立高校は473校(公立高校数の13.6%)です。制度はありますが、受けている生徒がいる学校は限られます。
東京都の例では、対象は都立高校(全日制・定時制・通信制を問わない)に在籍し、知的障害がなく、自閉症・情緒障害・学習障害・注意欠陥多動性障害があって通常の授業におおむね参加できる生徒のうち、本人と保護者が希望し、学校と都教育委員会が必要と認めた生徒で、申請には発達検査の結果が必要とされています。ほかの道府県や私立高校の扱いは、それぞれの教育委員会・学校に確かめてください。
出典:文部科学省「高等学校学習指導要領」第1章総則/学校教育法施行規則 第140条(e-Gov)/文部科学省 28文科初第1038号(平成28年12月9日)/文部科学省「令和6年度 通級による指導実施状況調査結果」(2026年10月確認)。東京都の例は前の節の手引きによります。

⑤学校の外にも相談先があります。制度は「手帳・手当・医療費」の3つの名前を先に知っておきます
発達障害者支援センターは、家族からの相談も受けています
発達障害者支援法第14条にもとづく発達障害者支援センターは、国立障害者リハビリテーションセンターの説明によると、本人だけでなく家族からの相談にも応じています。原則として住んでいる都道府県・指定都市のセンターが窓口で、電話相談も受け付けています。ほかの相談先との使い分けは、発達障害 高校生 親の関わり方の記事の表にまとめています。
保護者自身が学べる場もあります。発達障害ナビポータルは、環境の整え方や子どもへの肯定的な働きかけを学ぶペアレント・トレーニングや、発達障害のある子を育てた先輩保護者が相談役になるペアレント・メンターを紹介しています。実施の状況は地域によって違うため、高校生の保護者が参加できるかも含めて、市区町村の相談窓口か発達障害者支援センターに聞いてください。親の側がしんどくなったときのことは、発達障害 子育て 辛いの記事に書いています。
お金に関わる制度は、名前だけ先に
名前を先に知っておきたいのは、精神障害者保健福祉手帳、特別児童扶養手当、自立支援医療(精神通院医療)の3つです。どれも、対象になるかどうかは障害の状態や所得などで決まり、診断がついたことだけで受けられると決まっているものではありません。要件・金額・申請の順番は、発達障害 高校生 手当の記事にまとめています。
大学入試の配慮は、所定の診断書が要ります
大学入学共通テストの受験上の配慮は、申請に大学入試センター所定の様式の診断書と状況報告書(高校などでの配慮の実施状況を書く様式)が必要です。令和9年度試験の案内では、診断書は主治医のものでなくてもよいこと、発達障害に関する検査結果は原則として申請時の3年以内のものとされていること、高校で受けていない配慮事項も申請できることが書かれています。令和9年度試験の配慮の申請の受付は、2026年7月1日から10月2日まで(第1期・第2期の2回)でした。次の年度の日程は、今回は確認できませんでした。検査を受ける時期は、主治医と相談しておくと安心です。詳しくは発達障害 大学進学の記事へ。
出典:発達障害者支援法 第14条(e-Gov)/発達障害情報・支援センター「発達障害者支援センターとは」・「FAQ」・「一覧」/発達障害ナビポータル「保護者やご家族が受けられるプログラムについて」・「保護者や家族同士のつながり」/厚生労働省「障害者手帳」・「特別児童扶養手当について」・「自立支援医療」/大学入試センター「令和9年度 受験上の配慮案内」・「Q&A」(2026年10月確認)
よくある誤解は3つ。「手帳がないと頼めない」「伝えれば学校が全部決めてくれる」は、どちらも公的資料の書き方と違います
| よくある誤解 | 公的資料で確かめたこと |
|---|---|
| 手帳がないと、配慮は頼めない | 対応指針は、対象が障害者手帳の所持者に限られないと書いている。診断書を条件とする記載も本文に見当たらなかったが、手続きによって資料が要ることはある |
| 診断名を伝えれば、あとは学校が決めてくれる | 対応指針は、学校と本人・保護者が合意形成を図ったうえで提供されることが望ましいとしている |
| 伝えた内容は、同意なしに学校の外へ渡る | ガイドラインは、個別の教育支援計画は本人や保護者の同意なく第三者に提供できないとしている。校内でどの先生まで共有するかは、面談で確かめる |
3つに共通しているのは、「診断名」そのものより、「どの場面で困っていて、何があれば学べるか」を言葉にすることが出発点になるという点です。
選択肢の1つとしてのニジ高(正直な注意点)
配慮を頼んでも、教室の音や人数、時間割の固さなど、環境そのものが合わないことはあります。そのときは、学ぶ環境ごと変える考え方もあります。在籍したまま別の高校へ移る転入の条件と手順は高校 転入の記事に、通信制高校が発達特性のある高校生にどう合うかは通信制高校 発達障害の記事に書いています。
NIJIN高等学院(ニジ高)は、オンライン中心の通信制高校サポート校です。発達特性や障害を、本人を変えるのではなく、学びの構造や環境を変えることで支援するという新しいアプローチを取っています。全国どこからでも参加でき、担任制で、カメラやマイクをオフにしてチャットだけで参加するところから始められます。授業のアーカイブ視聴や中学内容の学び直しに対応し、希望する生徒にはスタッフが1対1で伴走する支援もあります。途中からの入学(転入・編入)もでき、出願費用は無料です。不登校の生徒を650名以上サポートしてきました(グループ全体)。
そのうえで、正直にお伝えしておくことがあります。
- ニジ高そのものは高校ではありません。高校卒業の資格は、提携する通信制高校に在籍して取ります。この記事で書いた個別の教育支援計画や通級による指導は、高校の側の制度です。
- 提携する通信制高校のスクーリングには参加が必要です。ニジ高のスタッフはスクーリングに付き添わず、ニジ高が行うのは日程の調整と準備の支援です。スクーリングの形や日程は、個別相談会で聞けます。
- 診断や服薬など医療の判断は、主治医・専門機関に相談してください。
- 費用は、提携する通信制高校の分とニジ高の分の両方がかかります。ニジ高の分は就学支援金の対象になりません。金額は学費のご案内に載せています。通信制高校の費用の全体像は通信制高校 学費の記事で整理しています。

迷ったときの進め方(3ステップ)
- 次の受診までに、主治医に聞くことを紙に書く。困る場面、学校に頼むとよい配慮、本人への伝え方の3つがあれば足ります。
- 本人と「学校に伝えるか・誰に・どこまで」を話す。伝えると決めたら、担任か特別支援教育コーディネーターに面談を申し込み、メモを持っていきます。配慮は1つか2つから頼みます。
- 決まった配慮を計画に残してもらい、学校の外の相談先を1つ確かめる。住んでいる地域の発達障害者支援センターの連絡先を控えておきます。
今の高校を続けるか、環境を変えるかを比べたくなったら、通信制高校 選び方のページからテーマ別の記事を探せます。ニジ高のことは、体験説明会・個別相談で聞けます。個別相談会はオンラインで、参加は無料、保護者の方だけでも参加できます。

診断のあとの学び方と環境のことは、個別相談会で聞けます
ニジ高はオンライン中心の通信制高校サポート校です。高校ではないため、卒業資格は提携する通信制高校で取り、その高校のスクーリングへの参加が必要です。発達特性のある生徒の学び方や、転入・編入の流れは、個別相談会で聞けます。保護者の方だけの参加もできます。
よくある質問
Q. 発達障害の診断を受けたら、高校に伝えなければいけませんか?
A. 今回確認した法律・指針には、診断を学校へ届け出るよう保護者に求める規定は見当たりませんでした。ただ、合理的配慮は本人や家族からの申し出があって動き出す仕組みです。伝えるかどうか、誰にどこまで伝えるかを、本人と話して決めてください。
Q. 高校では、誰に伝えればいいですか?
A. 基本は学級担任です。文部科学省のガイドラインは、担任に相談しにくい場合は特別支援教育コーディネーターに相談することもできる、と書いています。指名している高校は公立99.8%・私立46.1%なので、いない場合は養護教諭など話しやすい先生に窓口を聞きます。
Q. 配慮を頼むのに、診断書は要りますか?
A. 文部科学省の対応指針の本文には、診断書の提出を条件とする記載は見当たりませんでした。ただし、東京都立高校の通級のように発達検査の結果が要る手続きもあります。在籍校に確かめてください。
Q. 本人には、いつ・誰が伝えればいいですか?
A. 発達障害情報・支援センターは、誰がいつどのように伝えるかを、できる限り事前に関係者どうしで相談しておくことが必要だとしています。まず主治医に相談する形が、この資料の考え方に沿います。
Q. 大学受験を考えています。診断書はいつ用意すればいいですか?
A. 大学入学共通テストの受験上の配慮は、その年度の所定の様式の診断書が必要で、発達障害に関する検査結果は原則として申請時の3年以内のものとされています。受験する年度の案内で日程を確かめてください。
全部を今週やらなくてかまいません。今日は、主治医に聞きたいことを1つ書くだけで十分です
診断名は、お子さんを説明する言葉が1つ増えたということで、お子さん自身が昨日までと変わったわけではありません。この記事に並べた5つの順番も、上から1つずつ、進められる日に進めれば足ります。
学校に伝えるかどうかで迷ったら、決めるのは本人と話してからでかまいません。親だけで抱えきれないと感じたら、発達障害者支援センターは家族からの相談も受けています。学び方や環境のほうを変える道もあります。比べる材料がほしくなったときに、また読みに来てください。
今の高校を続けるか迷う段階でも、個別相談会で聞けます
全国どこからでもカメラ・マイクはオフでOK転入・編入は随時受付
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